こんにちは、松原汐織です。 来週27歳になります。自分への誕生日プレゼントはオランダへの旅行。初めての一人旅。これからの人生を考えたり、自分が好きなものを再確認したり、良き旅になりますようにと願いを込めて。今回は旅に連れて行きたい3冊です。
- 著者
- 河合 隼雄
- 出版日
- 2017-05-01
<人の心はままならぬ。自分の心もままならぬ。>
一気にこの本に惹き付けられた言葉。人の心が思い通りにならないのは大人になっていくにつれ理解していくことだけれど、自分の心さえも思い通りにいかないのは厄介だ。思い通りにいかない原因は果たして……?
普段の生活の中で何故かこんな行動を取ってしまったと驚いたり、自分を責めたりすることがある。
著者はユング派の心理学者。ユング派と聞くと難しく感じてしまうのだけれど、様々な症例や夢の具体例をあげながら心の奥底にある無意識を解明していくので発見が沢山ある。コンプレックス、マザコンや逆の反抗期の原因、求める異性のタイプ、西洋人と東洋人の意識構造の違いなど「なるほど〜」と何度も頷きながら読んでしまった。
何事にも起因がある。トラウマ以外にも何かを好きになるプラスのものに対しても同じ。
自分の好みを再確認することが多い旅先で、より深く掘り下げて自分自身を知るのも旅の醍醐味だろう。今まで許せなかった自分の嫌いな部分も理解できるはず。きっと帰ってくる頃には自分を少し好きになれるという特典付きの一冊。
- 著者
- 岡本 太郎
- 出版日
- 1993-08-01
何をやっても上手くいかない気がして藻掻いていた20歳の頃に出会った一冊。それから幾度となく、行き詰まりを覚えた時や自分がつまらなく思えた時に手に取っている。
「芸術は爆発だ!」著者の岡本太郎氏のようには私は生きられない。思考回路の何から何まで違う様に感じてしまう。共通点なんて無いはずなのに、本がヘニョヘニョになってしまうまでに読んでいるのは実は岡本氏のように生きたいのかなと自分で自分に問いかけてしまうほど(笑)。
<今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい。>
今までの人生は全部自分が積み上げて来たこと。人のせいにするほど幼くも無い。けれど、「こうしたい」「ああなりたい」と欲を言ったらキリが無い。でも、リスクを取ってチャレンジする程の勇気が出ないとなると同じ所の堂々巡り。
旅に出たい時は流れを変えたい時。「旅の恥は掻き捨て」というように先ずは旅先で自由になってみる。自分の常識を一つ捨ててみる。一人旅なら人の目が気にならず、尚更し易いはず。自分が今まで選択しなかったチャレンジをしよう。
爆発とまでは行かなくとも、自分の中の情熱は確実に温まる。いつ読んでもヤル気が芽生える不思議な本。
- 著者
- 川村 元気
- 出版日
- 2016-11-04
美しい景色を見て、美味しいモノを食べて、初めての経験をする。「来て良かった」と心から思う瞬間。でも、それと同じぐらい好きなのは帰りのフライト。
楽しい時間は直ぐに過ぎていくもので空港にて別れを告げる。後ろ髪を引かれながらも、日本のいつもの生活へと徐々に気持ちを切り替えていく。このカウントダウンの時間は何度経験してもセンチメンタルな気分になってしまうのは私だけではないはず。
普段、恋愛小説を読まない私も、この時ばかりはどっぷり世界に浸りたい。
<4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と___。>
後ろ帯のこの言葉を読んで、一気に惹き込まれた。
12カ月毎に分けられているので読みやすく、ウユニ塩湖やカニャーククマリなど人生で一度は訪れてみたいと思う場所が美しく描写されているのも旅好きには堪らないところ。
登場人物が誰も恋愛に溺れていないのがリアル。そして、自分に当てはまっていないようであてはまっている登場人物たちの愛し方が感情移入のスピードを加速させる。切なくて仕方がなくて心が疼く。でも、読了後に残るのは穏やかで日々を愛しく思う気持ち。
日本に着いたら、まず「ただいま」と送ろう。大切なあなたに。
日本の梅雨を抜け出してカラッと晴れたオランダ〜と思っていたら、天気予報は雨模様。ガーン。雨は雨の良さもあるはずとのポジティブ思考で、気をつけて行ってきます!!
Photographer : Fumitaka Ohnuki
Hair&Make-up artist : Kenya Tadatomo (p-cott)
Stylist : Miho Sugimoto