ビジネスにはリスクがつきもの。発明王エジソンは「失敗は成功の母」と言ったが、誰でも失敗するのは怖いものです。だからこそ、失敗の本質を知れば恐怖心もリスクも越えられます。起業を考える人に、ビジネスで活躍したい人におすすめの本です。
この本にはストーリーがあります。主人公はアップルパイを焼くのが得意な女性、サラ。パイの専門店をオープンするも、実際に経営してみると、起業家と職人の考え方の違い、売りたい商品が売れないなど、さまざまな難題にぶつかります。
そんな中でサラは経営コンサルタント(著者)と議論をくり広げて、少しずつ経営ノウハウを身につけていくのです。
楽しく読みながらスモールビジネスが陥りやすい経営上の問題や、人間関係の難問に対処する方法がまとめられています。起業したいと思いたったときに、まず読んでほしい本です。
- 著者
- マイケル・E. ガーバー
- 出版日
- 2003-05-01
全米ベストセラー『E-Myth Revisted』の邦訳で、すでに20カ国語で翻訳され多くの支持を獲得してきました。
著者マイケル・E. ガーバーは、スモールビジネスを対象に20年以上にわたり、25,000社もの経営コンサルティングを行ってきました。
その豊富な経験をもとに、スモールビジネスが陥りやすい失敗、例えば事業に対するモチベーションをどう維持するか、経営を数字で具体的に見るにはどうすればよいのかなど、成功するための方法が、職人的視点から解説されています。
起業家になりたいけれど、どうすれば実現できるのかわからないと思った方、すでに会社を経営しているけれど問題は山積という方、楽しく読みながら、一歩踏み出すきっかけを発見してほしい、おすすめの本です。
「好きなことで起業したい」、そう思う人は多いと思いますが、現実は厳しいものです。
この本は、好きなことを、リスクが少ない形でコツコツ始めてみようというテーマで、それを実現するために自分の魅力を知ることが大切だとして自己啓発のページが用意されています。
自分の好きなことで仕事を始めてみたいと思う人にはもちろんですが、自信が持てない人、自分の強みを知りたい人にも読んでいただきたい一冊です。
- 著者
- 新井 一
- 出版日
- 2016-12-22
著者の新井一は「起業18フォーラム」を主宰し、これまでに約1万人の起業に関わってきました。この本は、何かを始めてみたいという人のために、起業前の心構え、自分を知るといった観点で書かれています。
自分の魅力、自分の強みを見つけるための指南書のような内容で、何となくぼんやりと起業してみたい……と思っている人に、ぜひ読んでいただければと思います。その気持ちを実現するためには、具体的にどう動くべきか、自分の好きなことを見つけて起業準備を始めるまでの考え方を、この本から知ってほしいです。
誰もが成功を夢見てスタートするのですが……成功と失敗の分岐点はどこにあるのでしょうか?
ハーバード・ビジネススクール教授のワッサーマンが、起業家約1万人について調査し、その豊富なデータを分析しながら、起業のタイミングや、ファイナンスについての考え方など約10年に及ぶ研究結果をもとに解説します。
「スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ」として創業者がやりがちな「人に対する失敗」などについても存分に示唆します。
- 著者
- ノーム・ワッサーマン Noam Wasserman
- 出版日
- 2014-01-24
この本は起業家にとっては欠かせないトピック、例えば「一人で、あるいはチームで起業するのかを決めるポイント」「誰と起業するのか」「誰を雇えばよいのか」「誰から投資を受けるのか」「相手に配慮すべき点」などを説明しています。
「人間関係のジレンマ」といった項目もあり、複雑でやっかいな人とのつながりをどのように構築するかという問題も取り上げて、起業の行動に着目しながら、著者が注釈を加えるといったスタイルで書き進められていて、起業して自社を軌道にのせたいと考える人にも、毎日の複雑な人間関係に悩むビジネスマンにも、読んでいただきたい本です。
著者のワッサーマン教授は、米国経営学協会イノベーション教育賞やハーバード・ビジネススクール優秀教職員賞などを受賞する米国で注目の研究者です。成功も失敗も知り尽くした筆者によるこの本は、起業に関して体系的かつ論理的に教えてくれます。
この本は、2010年に発売された同名の本の改訂版です。
2015年施行の改正会社法も視野に入れ、その後の社会情勢を背景にコーポレートガバナンスに関する事例なども追加して、全編にわたり改訂されました。
ベンチャー企業に「成長するイメージ」をつかんでもらうことをテーマにしています。起業での事業計画、重要な資金調達、IRなどが分かりやすく説明されているので、入門書としての活用も可能です。
講演を聞いているような文体で書かれていますが、スタートアップにかかわる基本を知りたい人の必読書といえるでしょう。
- 著者
- 磯崎 哲也
- 出版日
- 2015-01-16
著者の磯崎哲也は、早稲田大学政治経済学部卒業後、長銀経営研究所で、経営コンサルタントや産業アナリストを経験した後、ベンチャー業界に参入しました。
『起業のエクイティ・ファイナンス』の著書もあり、人気ブログやメルマガ「isologue」も執筆しています。
起業に関係する「資金」集めは、事業を成功させる重要な問題ですが、この本は、起業時にベンチャーキャピタルからの投資の集め方、ストックオプション、資金に関する考え方など、お金に関して起業前にぜひ知っておきたいと考える人におすすめの本です。
平易な言葉で実務に即した形で書かれているので、今から起業する方が、手順の整理を行うために活用できる便利な一冊になります。
世界中の企業に投資を行ってきたアニス・ウッザマンが、日本人のために日本語でスタートアップの方法について書き下ろした一冊です。
著者のウッザマンはIBMなどを経て、シリコンバレーを代表するベンチャー・キャピタルを運営し、これまでにソフトウェア開発社やインターネット関連企業など、世界中の企業に投資を行ってきました。
資金調達のみならず、チームプロダクトや、特許に関しても書かれていますので、日本を愛するウッザマンからの熱いメッセージとともにスタートアップの方法をぜひ知ってください。
- 著者
- アニス・ウッザマン
- 出版日
- 2013-09-06
この本には、「マネジメントチーム」「プロダクト」「サービス」「マーケット」「ファイナンス」「exit戦略」などの項目があり、スタートアップについての用語が分かりやすくまとめてあります。
シリコンバレーでの事例が多数盛り込まれており、人材採用や、経営チームなど、企業形成のための大枠についての考え方も書かれています。
日本とアメリカの違いを知っている著者だからこそ、世界を視野に入れながらも、日本のベンチャー企業に対する示唆も多く、起業家だけでなく、行政関係者など、広くビジネスマンにおすすめしたい本です。
失敗とは何か? その本質を理解すれば、恐怖心もやわらぎ、失敗も成功へのステップに変えることができます。