どうしようもない恋にまつわる本たち【ハナエ】

どうしようもない恋にまつわる本たち【ハナエ】

更新:2017.7.23

夏。恋の季節。そんなの知るか。年中無休で不撓不屈で空前絶後の恋をしろ。

ハナエプロフィール画像
シンガー
ハナエ
1994年2月27日生まれ、福岡県出身。可愛さと中毒性をあわせ持つ歌声が魅力のガールポップシンガー。13歳の時にGreat Hunting(現ユニバーサルミュージック新人発掘育成セクション)担当者の目に留まり、2011年6月「羽根」でメジャーデビュー。TVアニメ『神様はじめました』第1期・第2期のテーマソングとなった3rdシングル「神様はじめました / 神様お願い」、7thシングル「神様の神様 / おとといおいで」が国内外で話題となる。2015年3月には2ndアルバム『上京証拠』をリリース。この作品は全世界251カ国でも配信された。2016年3月には作詞をすべて手がけた3rdアルバム『SHOW GIRL』をリリースした。2017年、クラウドファンディング限定で1stミニアルバム『Red Lips, Red Kiss』、初となる詩集『路上のロリータ』を発表した。 http://ameblo.jp/hanae-officialblog/
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恋愛相談、というものをよく寄せられる。TwitterのリプライやInstagramのメッセージで、或いはライブやイベントで頂くお手紙で。ファンの方々の悩みは、物凄く身近な他人事といった感じだ。まるで自分のことのように真剣に感じてしまうのと同時に、歌詞のネタとしても有効活用させていただいている。感謝。

好きな人≠恋人だったり、二番目ポジションだったり、どうしようもない恋愛事情を抱えている人も決して少なくない。そんなどうしようもない恋の話がわたしは大好きだ。綺麗事だけで成立する恋なんて、何の物語にもならない。

わたし恋をしている。

著者
益田ミリ
出版日
2013-11-22
五・七・五の川柳とイラスト、ショートストーリーで描くさまざまた女の子たちの恋愛模様。主人公は、どこにでもいるような女の子だ。身近な誰かの恋愛事情を覗き見しているような、または自分の恋愛事情を覗き見されているかのような、等身大の恋の物語が収められている。

“彼がいてときめく男がいてちょうど”
“あたしになど落ちない男の方が好き”
“傷ついたふりをしたのはあたしの情”

後ろめたいことのない恋なんて存在しないのではないだろうか。ちょっとずるい駆け引きも、身勝手な思い込みも、強がりも、全部ひっくるめた恋。そんな普段着の恋を、普段着のまま全うできる女の子は強い。デニムとパーカーとスニーカーでデートに赴ける女の子の最強感が描き出された一冊だ。

誰にも言えない恋ばっか

著者
さめざめ
出版日
2014-09-25
女の子の赤裸々すぎる本音を、放送禁止寸前の赤裸々すぎる言葉で歌うアーティスト、さめざめ。オフィシャルサイトには“報われない恋愛をする女性メンヘラ界のカリスマ”とある。わたしはメンヘラという言葉も、ナーバスな人のことを軽率にメンヘラと呼ぶ風潮も嫌いだが、自らこの称号を名乗っているのは逆に潔くて格好いいと思う。「We are メンヘラクソビッチ」という曲が素晴らしいので、恋に悩み過ぎてダイエットサプリを多めに飲んだ後暴飲暴食に走ったことのあるような女の子は是非聴いてみてほしい。

さて、本の紹介に移ろう。この本にはタイトル通りの恋の詩が55篇収録されている。誰にも言えない恋のこと、誰にも言えない夜のこと、そんな夜の残留物のような朝のこと。抜け出したいのに抜け出せない、終わらせたいのに終わらせられない、逃げ出したいのに逃げ出せない……泥濘のような恋愛を丸裸の言葉で曝け出す。

恋とか、愛とか、夢とか、その他の色んなこととか、大人になっていくにつれ失われてしまった純粋とか、簡単に繋がれることに疲れてしまった心とか、それでもまだ誰かをを真っ直ぐに愛したい自分とか。ここにはきっと、わたしたちがいる。ズタズタに傷ついても尚、誰かに恋をすることをやめられないわたしたちが。

恋するために生まれた

著者
["江國 香織", "辻 仁成"]
出版日
『冷静と情熱のあいだ』を共に書き上げた作家二人による恋愛エッセイ。お互いがお互いに宛てる手紙のような対話形式で、恋や愛、結婚や離婚について語っている。

わたしは江國香織さんの小説が好きだ。江國作品は恋愛と切っても切り離せない。恋愛小説に苦手意識を持っていたわたしを変えてくれたのは江國作品だ。彼女はこの本の序盤でこう書いている。

“恋多きという意味ではなくて、恋愛という概念が好きなのだと思う。恋愛中の人を見るのも、書くのも好き。”
“恋に憧れるのは、恋をしたことがない子供の特権。恋をするのは大人の特権です。”
“愛はひとりでに生まれてくるんですけど、一人で恋を生むことはできない。”
“私には恋が必要なのです。スペシャルなことが好き。”

嗚呼、なんて格好いい……江國香織さんは本当にいい女だ。いい女という定義についてわたしは女としてこう考える。いい女とは、絶対に敵に回したくない女。例え報われない恋をしていても、誰にも言えないような恋をしていても、どうしようもない恋をしていても、いい女でさえいれば大概は問題ないのでは。

恋愛にはきっと答えなんてない。それこそがただひとつの答えだと思わせてくれるような本をご紹介した今回。これを読んでいる貴方がもし恋に悩んでいるとしたら、是非この3冊の中からどれかを手に取ってみてほしい。

さて、恋と愛と恋愛は別物だと近頃よく思う。その話は、またどこかで。

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    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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