ジョン・フォイ・ノイマンについて知るべき5つの事実!人類史上最高の天才

更新:2017.7.24

ハイゼンベルクやアインシュタインをして一番の天才はノイマンであると言わしめるほどの知能を誇った人物。今回はそんな彼の考えや提唱した理論に分かりやすく触れ、学ぶことの出来る書籍をご紹介します。

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稀代の天才、ジョン・フォイ・ノイマン

ジョン・フォイ・ノイマンは、1903年ハンガリーに移住したユダヤ系ドイツ人の両親のもとに生まれました。 銀行の弁護士という優秀な父のもと幼いころから英才教育を受け、彼もまた、6歳ですでに8桁の掛け算を計算し、8歳の時点で微分積分を理解するほどに勉強にのめりこんでいきました。

その後も彼の勉強に対する意欲はとどまることを知らず、ブダペスト大学、ベルリン大学、チューリヒ工科大学の3つの大学を掛け持ちしながら化学工学を学び、23歳にして数学、物理、化学の博士号を授与されました。

1930年代には当時のハンガリーを掌握していたナチス政権を避け、アメリカへ移住し、当時最先端であったアメリカの化学工学分野へと活動の場を移し、後世に遺る多くの数学理論や、それを応用した軍事戦略の理論、そして、彼を有名にした将棋やチェスにおけるゼロサムゲームにおける戦略の理論など様々な理論を発表し、一躍数学界における中心人物となりました。

その後も、原子爆弾の開発など、軍事部門を代表とする多くの分野において彼の知識は求められ続け、晩年にはアメリカ合衆国の軍事コンサルタントとして、様々な兵器の開発や、軍事戦略の第一人者として活動しました。

ジョン・フォイ・ノイマンについて知るべき5つの事実

 

1:コンピューターの基礎設計概念を確立した

今現在も使用されている多くのコンピューターは、彼が計算機科学分野において発表した、プログラム内蔵方式に関する論文をもとに製作された「ノイマン型コンピューター」の動作原理を応用し、製作されています。

2:機能分析の開発において、量子力学に演算子理論を応用する先駆者であった

様々な分野において、彼の基礎となる数学を応用した理論を発表しましたが、量子力学の部門において発表されたこの「量子力学の数学的基礎」は1930年代において最高の発見と言われています。

3:ノイマンは熱核反応に関わる核物理学と水素爆弾の重要な研究をしていた

彼はアメリカの原子爆弾開発におけるマンハッタン計画に参加し、数値解析によるZND理論をもとに原子爆弾が実際に使用できる状態に実現できるという事を証明しました。 そうした彼の爆薬の配置の理論を基礎とし、プルトニウム型原子爆弾ファットマンが開発されました。

4:ノイマンは最後の著書『計算機と脳』で、亡くなる前に彼が興味を持っていた方向性を示した

彼は晩年の著書において、数学者の視点から脳の仕組みを考察し、脳とデジタル計算機の原理を比較しながら、脳にも計算機におけるプログラミング言語のようなものが存在するのではないか。という理論を提唱し、それを記した著書を執筆中に亡くなりました。

5:ノイマンは骨腫瘍または膵臓癌であった。また、投薬治療の影響で軍の機密情報を漏らしてしまう可能性があったため、彼は軍の拘束下で死んだ

彼は大病を患いながらも軍のコンサルタントとして活動を続け、療養中の彼のベッドの周囲には、常に国防長官や司令官を筆頭とした軍の関係者がいるほどでした。 

そんな彼の知る軍事に関する秘密は国家の安全を左右するものばかりで、投薬治療の影響による朦朧とした意識の中で、その秘密が漏洩してしまうことを恐れた軍の関係者は、彼を半ば軟禁状態のように病院の一室に拘禁し、ノイマンはそこで生涯を閉じました。

 

一人の人間としてのノイマン

天才的な知能により発表してきた理論の数々が、今もなおそれぞれの分野において応用されるほどの功績を残してきたノイマンですが、そんな彼の生涯について、彼の研究や理論に触れつつも、あくまで彼の人物像や人となり、つまり、彼の人生の部分にスポットを当てたのが本書です。

著者
ノーマン マクレイ
出版日

後世にも伝わる彼の生涯にはいくつかの争論すべき点があります。

原子爆弾の開発をはじめとする戦争への関わり、いわゆる戦争推進派の人間であったこと。 そして、誰かが理論を考えたものをすぐに実用化して自らの研究として発表してしまうということ。 

そんな賛否両論のある彼の生涯に関して、本書を手に取り読んでいくと、彼は戦争の早期終結を求め、戦争に参画したことや、頭の回転が速すぎて、他の人の理論をすぐに応用できてしまった事、そして晩年は化学でも計算でもないキリスト教についても興味を持っていたことが分かるでしょう。研究者ではない、人間としてのノイマンに触れることが出来るので入門書としておすすめです。

ノイマンの理論とこれからの問題について

ノイマンの研究の歴史に、彼とともに研究を行った研究者たちの証言や、彼の生涯に関するたくさんの資料でより詳しく掘り下げつつ、彼の提唱したいくつもの数理物理学的理論、そしてその中で有名なもののひとつ、「囚人のジレンマ」について詳しく触れているのが本書です。

著者
ウィリアム パウンドストーン
出版日
1995-03-01

囚人のジレンマという理論は、2人の共同犯が、どちらか1人が自白をすれば自白者は懲役0年ですが、自白をしなかった方は10年の懲役。2人とも黙秘したら懲役2年ずつですが、二人とも自白したらともに懲役5年という問題においての、答えの合理性について研究したゲーム理論の一つです。

これを様々な状況に置き換え、実践していく形式で進んでいく本書ですが、実際に実践していくうちに、人間の本質や、仁義など計算では計り知れない、いくつもの問題が発生し、なかなかうまく進みません。

そんな計算通りにいかない答えの本質を、今現在の核兵器の保有国同士の牽制状態や、その他様々な社会問題へとつなぎ理論を展開していく本書は、彼の生涯における研究に簡単に触れつつ、ゲームの理論を分かりやすい問題に応用しているため、彼の数学的分野に興味を持った方の最初の一冊としておすすめの内容になっています。

ノイマンの理論を活用してみよう

量子力学や、物理学、計算機科学や、彼の代名詞ともいえる数学の分野において偉大な功績を残したノイマンですが、彼の研究はどれも専門的であり、一般にはなかなか馴染みのないものです。

そんな中で今もなお、彼の名を一般人の中にも浸透させることになった「ゲームの理論」について、詳しい説明を行い、それを実際に適用していくという実用的な内容で書かれているのが、この『ゲームの理論と経済行動』です。

著者
["J.フォン ノイマン", "O. モルゲンシュテルン"]
出版日
2009-05-11

本書を開いてみると、最初は様々な数式やアルファベットが出てきて非常に難解に思えますが、そのような難解な理論を人と人との取引や、サイコロ、ポーカーチェスのようなゲームのパターンなど、身近に分かりやすい例に当てはめ、提唱されています。数学にあまり馴染みのない方でも最後には納得できるような構成になっています。

そして、そんな理論を人間の経済活動の分野に応用し、人の経済活動の傾向や思考にゲームの理論を当てはめ展開している本書は、偉大な研究家が残したビジネス書として、経営者やビジネスマンにぜひ読んで実践してほしいと思える内容です。

難しいからこそ学べる多くの事

ハイゼンベルクやシュレーディンガーの量子力学など、偉大な研究家たちが発表してきた理論をさらに発展させ、数理物理学の分野に関してノイマンが残してきたものを和訳し、精通して掲載したものが本書です。

著者
J.フォン ノイマン
出版日
2013-12-10

 

「量子力学の数学的基礎付け」
「量子力学のよるエルゴード定理とH定理の証明」 
「星のランダムな分布から生じる重力場の統計」
「最近の乱流理論」 (『ノイマン・コレクション 数理物理学の方法』より引用) 

といった、彼の発表してきた論文の中で特に大切で、そして偉大な4本の論文をそのまま掲載している本書は、正直なところ、数学の知識の薄い方には、その内容はとても難しく、読み進めていくのも一苦労です。

しかし、アインシュタインからも最も優れている科学者だと言われたほどの知識を有するノイマンが発表した論文です。

分かりやすい注釈も付け加えられていますので、数理物理学について興味を有する方はもちろん、数学に関する知識がない方こそ本書を手に取り、苦労しながら読み進めていくと何か新しい興味が開けるかもしれません。

 

以上、今回ご紹介させていただいた4冊はノイマンの知識について、深く知ることの出来るものとしてご紹介させていただきました。今もなお、日々の生活で、彼の理論が基礎となっている物は私たちの身の回りにいくつも残っています。そんな後世に遺るほどの偉大な天才であったノイマンについて知っていくと、また何か新しい発見があるかもしれません。

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