岩崎夏海のおすすめ作品5選!映画化された『もしドラ』など

更新:2021.11.7

放送作家としても活躍する小説家、岩崎夏海。コミック、アニメ、実写映画と、多方面にメディア展開された代表作「もしドラ」をはじめとして、経営等をベースにした幅広いエンターテイメント作品の発信者として、多くの評価を集めています。

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経営書を新たなスタイルで発表した小説家・岩崎夏海

岩崎夏海は、組織管理論手引きを、キャッチーなイラストと手に取りやすいストーリーに仕上げたことで話題を呼んだ『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を執筆した小説家です。

高校時代は軟式高校野球部に所属し、父親の勧めで美術大学建築学科に進学しましたが、卒業後はプロデュースや作詞で知られる秋元康の事務所に就職したという経歴を持ちます。 テレビ番組の放送作家として活躍しながら、2005年から約2年間、アイドルグループのAKB48のアシスタントプロデューサーを務めました。

その後、ソフトウェア会社に転職し、ゲームやオンラインコンテンツの開発を担当しつつ、2009年に小説家としての生活をスタートさせます。コミック化、アニメ化、実写映画化を遂げ、世間でも大きな話題を呼び、独自の地位を築きました。

『小説の読み方の教科書』や『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』を発表しつつ、『甲子園だけが高校野球ではない』や『宇宙って面白いの?』など、共著作品や監修作品も数々手掛けています。作家活動のかたわら、テレビ出演やコラムの発表なども行っており多方面で活躍しているのです。そんな岩崎夏海の作品から、特にチェックしておきたい5作品を紹介していきましょう。

アニメや映画にもなった、岩崎夏海の代表作

女子高生の川島みなみは、病気の親友にかわり、弱小野球部のマネージャーを務めることになりました。甲子園を目標とし、まずはマネージャーについて理解しようと書店に足を運んだ彼女は、誤ってピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を購入してしまいます。どうせ買ったなら、せめて参考にしようと読み始めたところ、その内容の多くが、野球部に反映できるものだと気づき、実践していきました。

やがてみなみのマネジメント術は、野球部以外のクラブにも、良い影響を及ぼし始めます。野球部の成績も好調で、甲子園にリーチをかけるほどの快進撃!経済指南書である『マネジメント』の内容を、青春ストーリーと共に分かりやすく味わうことが出来る一冊です。

著者
岩崎 夏海
出版日
2015-11-28

200万部を突破したミリオンセラーの一冊で、岩崎夏海の代表作とも言えるでしょう。アニメやドラマなど様々な形態で発表されたことで、世間の認知度も非常に高い作品となりました。

ドラッカーの『マネジメント』という、一般層にはやや取っつきにくい内容を、弱小野球部のマネージャーという、ごく身近な存在で表現しているのが本作の何よりの特徴。組織における定義づけはもちろんのこと、マーケティングや成果と働きがいについてなど、経営や起業にまつわる内容を部活動に取り入れることで、専門知識と感動の青春ストーリーを一度に楽しめるのも魅力です。

友人の想いを背負い、徐々に部員との絆を深めていく姿は、胸に迫るものがあります。
 

「もしドラ」が作中作として登場する第二弾

高校一年生の岡野夢は、大ヒット作である『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を手にします。友人の真実からの誘いもあり、野球部のマネージャーになることを決めますが、なんと二人が通う学校には野球部がなく、二人はゼロから部を立ち上げなければいけませんでした。

夢と真実は、同じくピーター・F・ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を開き、これまでにないスタイルの野球部の創立を目指します。二人は最強の野球部で、甲子園に挑むことが出来るのでしょうか?仲間を勝ち取り、結果を生み出していくというドラッカーの専門書を取り入れた、感動の青春小説です。

著者
岩崎 夏海
出版日
2015-12-04

ドラッカーのイノベーションの原理が、とても分かりやすいスタイルで展開されている一冊です。競争が激化している社会において、いかに競い合わずに結果を手にすることが出来るかを、部活の創立をモチーフにして、シンプルに説明してくれます。組織の成長過程における重要なポイントを把握するのにうってつけの作品でしょう。

もちろん、本作も「もしドラ」同様、ただ専門知識の説明を行うだけではなく、青春小説としての王道的な魅力も満載です。徐々に集まってくるメンバーのひとりひとりに居場所が生まれ、登場人物同士の絆が生まれていくシーンは、友情の素晴らしさを教えてくれます。ゼロから甲子園を目指す踏ん張りの物語と言えるでしょう。

ゆとり話題の若者へ、現代を生き抜くヒント

ゆとり世代と呼ばれる若者に向けて、ゆとり教育によって失われたとされる競争力を手に入れるための35のヒントを書いたビジネス書です。相対的な価値と、絶対的な価値を取り上げて紹介し、メタ的な考え方も教えてくれます。努力をすることの本質的な意味を、納得の方法で解説してくれるため、明日からの生活に反映しやすい内容です。

整然とした分かりやすい文章で、気構えることなく読むことが出来るでしょう。タイトルの通り、メインのテーマは競争ですが、それ以外の広い意味でも、社会と自身を繋げるヒントに活用することができます。

著者
岩崎 夏海
出版日
2015-04-27

コンビニが弁当をたくさん売るために重ねている工夫や、サヨナラホームランにおける打者や投手の役割など、身近なモチーフをピックアップして、競争や努力の意味を解説しています。一見難解なビジネス哲学のようになってしまいがちなところを、分かりやすい例を使って解説することで、理解しやすくなっているのが魅力でしょう。

自身のモチベーションに対するヒントはもちろんのこと、他人との関わり方におけるヒントを与えてくれるのも、本作のポイントです。競争に向かう自身を見直すきっかけを与えてくれる一方で、他人への感情のやりくりや、誰かを評価する上で確認したいことなども教えてくれます。

シリーズ化もされている感動の実話集

本書は、日本全国各地であった実話をピックアップした短編集です。タイトルの通り、甲子園に出場し、華々しく脚光を浴びているだけではない選手やサポーターたちを取り巻く物語が、21作収録されています。高校野球雑誌の編集者やライターなどが、実際に取材に赴き、各地で集めてきたエピソードを取り上げ、「もしドラ」をはじめとした野球作品における実績豊富な岩崎夏海がコメントを添えました。

甲子園に出られなくても、三年間一生懸命部活をやり遂げた選手や、マネージャーを務め上げた高校生はもちろんのこと、スタンドからブラスバンドで応援していた女の子や、プラカード行進の女の子などのエピソードも掲載されています。部活に恋に夢に、様々な気持ちを抱いて、高校野球に向かい合う人々の青春を堪能できるでしょう。

著者
岩崎 夏海
出版日
2010-07-17

高校野球に対し、心から懸命に向き合うストーリーが掲載されています。自身が高校野球に関わった経験がある人は、心に刺さるノスタルジックなエピソードも多いでしょう。選手と付き合っている女の子や、選手を応援する家族の気持ちなども綴られています。

本作は、ひとつひとつのエピソードが短く、具体名を消して紹介されているため、一見フィクションのようにも感じられるのが特徴です。しかし、どれもが実際のエピソードであり、岩崎夏海がコメントを添えています。物語のような感動が実在することを知る、良いチャンスにもなってくれるはずです。

岩崎夏海による、ハラハラのジュブナイル小説

主人公の蘭太郎は小学六年生。日直をさぼってしまったある朝、幼馴染の美少女リコが、学校で飼っていたチャボの殺害現場を目撃してしまいます。責任を感じた蘭太郎は、親友の工藤ちゃんと一緒に、チャボを殺害した犯人捜しを始めました。

調査を進めていくうちに、次々に浮かび上がってくる容疑者たち。二人が小学生らしい名捜査を繰り広げていく中、第二の事件も発生してしまいます。事件の行く末から目が離せない、ジュブナイル&ミステリー小説です。

著者
岩崎 夏海
出版日
2012-06-15

主人公の蘭太郎や幼馴染のリコ、親友の工藤ちゃんをはじめとして、多数登場する個性豊かな登場人物たちは、本作の魅力のひとつです。ストーカーに家族を殺されたことのあるコラー婆さんや、朽ちた洋館に暮らす幽霊館の主、真面目で正直なゲリンタや、高慢ちきなクチビルゲ。どこか親しみ深いネーミングも、作品を盛り上げています。

ウサギやチャボなど、小学校ならではの舞台設定もポイントです。どこか懐かしい雰囲気や、子どもならではの独特な視点と共に、読み進めるほど深まっていく事件の謎にも注目してください。

いかがでしたか?岩崎夏海の作品は、どれもがあなたに新しい視点を与えてくれるものばかりです。ぜひ手にとってみてください。

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