漫画『ヒカルの碁』の面白さを今もう一度、徹底考察!【ネタバレ注意】

更新:2020.12.8

マイナーだった囲碁を題材にしたにも拘わらずアニメ化、中国での実写ドラマ化も決定された人気漫画、『ヒカルの碁』。囲碁ブームの火付け役で、連載終了の2003年から何年経っても話題となる本作の魅力に迫ります! 最強棋士・藤原佐為の作品内での役割は何だったのか?主人公ヒカル達が物語で目指したものとは?ストーリー上の見所や名言、名シーンを徹底紹介いたします! スマホアプリで無料で読むこともできるので、気になった方はそちらもどうぞ。

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『ヒカルの碁』は囲碁ブームの火付け役!?やっぱり面白い!【無料】

皆さんは囲碁漫画『ヒカルの碁』を覚えていますか?1999年から4年間週刊少年ジャンプで連載した作品で、原作・ほったゆみ、作画は後に『DEATH NOTE』や『バクマン。』も手がけることになる、美麗なイラストで有名な小畑健が担当し、連載当初から話題となりました。 

著者
ほった ゆみ
出版日

アニメ化もされた『ヒカルの碁』は小学生を中心に囲碁ブームを巻き起こすほどの影響力があり、実際に、関達也二段はこの作品をきっかけに囲碁を始めてプロにまでなったそうです。さらに、実は連載終了から10年以上がたった現在も定期的にネットで話題に上るほどの根強い人気を誇っている作品なんです。

この記事では、『ヒカルの碁』がそんなに影響力のある作品になれた理由と魅力を、あらすじを踏まえながらたっぷりとお伝えしていきます。まだ読んだことがないという方はもちろん、すでに読んだことがあるかたも、この記事を読めば、読みたくなること間違いなしです!


画力に定評のある小畑健のおすすめ作品を紹介した<小畑健のおすすめ漫画ランキングベスト6!圧倒的な画力でみせる作品!>の記事もおすすめです。

あらすじ紹介『ヒカルの碁』はどんな作品?

著者
["ほった ゆみ", "小畑 健", "梅沢 由香里"]
出版日
1999-08-01

物語は主人公の「進藤ヒカル」が小学6年生の時からスタートします。連載当初のヒカルはゲームやサッカーが好きな普通の小学生。囲碁に興味を示すこともありませんでした。そのため、祖父の家の物置で立派な碁盤を見つけても、高く売ってお小遣いにしようとしか思っていなかったくらいです。

しかし、ヒカルはこの碁盤の上に血の跡を見つけます。それは碁の才能に恵まれたものにしか見ることのできないもので、これをきっかけに、平安時代に亡くなった囲碁の棋士である「藤原佐為」という幽霊にとりつかれることになりました。

初めは囲碁を打ちたいと訴える佐為の熱意に負け、佐為に言われるままに打っていたヒカルですが、「塔矢アキラ」という同年代のライバルが現れたことで、自分の力で勝利を掴みたくなり、囲碁に打ち込むようになります。

その後、ヒカルは中学の囲碁部や院生を経て対局の経験を踏み、プロの棋士となりました。しかし、もともと才能のあったヒカルが成長したことで、役目を果たした佐為はこの世から消えてしまうのです。

佐為が消えたことに対する後悔もあり、1度は碁をやめる決意をするヒカルでしたが、自分の碁の中に佐為の碁を見つけたことで、囲碁に対する覚悟を新たにし、プロとして再出発します。

小学生だったヒカルが真のプロ棋士へと成長を遂げていく過程が丁寧に書かれた作品です。 

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『ヒカルの碁』は、地味な囲碁でなんで人気になれたの?

著者
["ほった ゆみ", "小畑 健", "梅沢 由香里"]
出版日
1999-10-01

『ヒカルの碁』の連載開始は1999年。同時期に連載していたのは、『ONE PIECE』や『封神演義』『シャーマンキング』さらに『テニスの王子様』や『NARUTO』といった、まさに少年ジャンプの王道らしい連載陣です。

当時のジャンプでは、ビジュアル的に派手な異能力バトルをする作品が流行っていました。『テニスの王子様』も初期は結構リアルなテニス漫画でしたが、途中から超常現象のような技の出し合いになります。見た目にも分かりやすく、派手さで興奮させるバトルが当時から求められてきたのでしょう。

そんな中で連載を開始した本格囲碁漫画の『ヒカルの碁』はというと、もちろん異能力は使いません。(サイの存在が異能力といえますが、派手な必殺技などエフェクトのかかる力は一切なしです)戦いは碁盤の上でお互いに普通に碁を打つだけ。なんとも地味な展開です。しかし、これが面白かったのです。

実は、SNS等では『ヒカルの碁』を最後まで読んだ読者であっても、皆それほどルールをしっかり認識していなかったと語っています。ルールが説明されていないわけではないのですが、それは最低限で、覚えなくても内容を理解する上では問題ありませんでした。

それは、盤上での碁の動きを追うことよりも、登場人物の心理描写がメインで語られたからです。主人公のヒカルやサイだけではなく、相手棋士の心理もしっかりと描かれていたため、ルールがよくわからなくても、こんなに相手が驚いているなら、ヒカルの一手はすごいんだ!と感じられます。

「碁盤には九つの星があるだろ?ここは宇宙なんだ。 
そこにさ石をひとつひとつ置いてくんだ。
星をひとつひとつ増やすようにさ。どんどん宇宙を創ってくんだ。 
まるで神様みたいだろ。

オレは神様になるんだよ。 この碁盤の上で」 

(『ヒカルの碁』から引用)

これはまだ、ヒカルが碁を始めたばかりでそれほど強くなかったときの台詞です。なんとも詩的な表現ですが、このセリフとそのときの表情で、碁にまったく興味のなかったヒカルが、夢中になって打っていることが伝わってくる名言ですよね。

また、それだけではなく、これまで会った棋士のだれとも違ったところから囲碁をみつめるヒカルの独特の視点に、ヒカルの内に秘められた、才能の片鱗を感じることができるのです。 このように、『ヒカルの碁』では登場人物の表情やセリフ1つで、まるで小説を何ページも読んでいるかのように気持ちが伝わってきました。

『ヒカルの碁』には必殺技などの見た目でわかりやすい強さはありませんでしたが、まったく違う描写の仕方をしていたのです。この独自の作風があったからこそ、王道はバトル作品ともいえる週刊少年ジャンプで、それまでになかった、地味な囲碁漫画を人気作品として連載することができたのでしょう。

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1999年のジャンプには体力がなかった?

 

『ヒカルの碁』の連載が始まる1999年のわずか2年前の1997年は週刊少年ジャンプにとっては苦い思い出の年です。実は、23年間発行部数1位の座に君臨していたジャンプが、その座を週刊少年マガジンに明け渡した年なのです。

1997年は尾田栄一郎の『ONE PIECE』が連載を開始した年でもありましたが、冨樫義博の『レベルE』やガモウひろしの『とっても!ラッキーマン』が連載を終了し、高橋陽一の『キャプテン翼』が打ち切りになるなど、人気作品が大量に終了しており、まさに看板作品不在の年でした。

森川ジョージの『はじめの一歩』や藤沢とおるの『GTO』など、後々まで話題となる作品を多数連載していたマガジンに発行部数1位の座を奪われてしまったのは、看板漫画がないという物足りなさが読者に伝わってしまったのかもしれません。

翌年の1998年はジャンプ創刊30周年の年で、冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』と武井宏之の『シャーマンキング』が連載を開始したものの、まだまだ試行錯誤を繰り返しながら雑誌の立て直しを図っていた年でした。

結局、発行部数首位の座をジャンプが取り返すのは2002年になってのことです。そのため、『ヒカルの碁』が連載を開始することになった1999年においても、ジャンプは決して少年雑誌としての余裕があったわけではありませんでした。 

 

『ヒカルの碁』の連載は相当挑戦的!?

著者
["ほった ゆみ", "小畑 健", "梅沢 由香里"]
出版日
2000-02-01

先ほどもご紹介したように、1999年は「ジャンプ」が体力があまりなかった時代ともいえる時期でした。そんななかで異能力バトルで派手に戦っている当時の人気漫画とはまったくアピールの仕方が異なる囲碁漫画の連載をスタートしたのは、かなり挑戦的なことだったと言えます。

しかし、編集がGOサインを出したのも、そんな逆境を物ともせず実際に人気漫画として長期連載をすることができたのも、特殊能力を使わなくても面白いという「読ませる力」がこの『ヒカルの碁』という作品にあったからではないでしょうか。

それは2人で作った作品だったからこそできたミラクルかもしれません。 原作者ほったゆみのストーリー力と、圧倒的に美麗な絵で表現する小畑健の描写力。 もしどちらか1人でこの作品を作ろうとしたら、もしくは、別の2人だったら……おそらくここまでの人気漫画はこの世に生まれなかったでしょう。

この2人が持つそれぞれの素晴らしい才能が見事に合わさったからこそ、『ヒカルの碁』という後々まで人気となる漫画が生まれたのです。この2人でいこう!と決めた当時の編集もかなり敏腕だったといえるでしょう。

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『ヒカルの碁』最強イケメン棋士・佐為が真の主人公?

 

『ヒカルの碁』の主要登場人物である藤原佐為は平安時代の生まれです。生前はその卓越した囲碁の才能から、天皇の指南役として活動をしていた実力のある棋士でした。さらに、江戸時代には、ヒカルと同じように佐為を見ることのできた本因坊秀策(ほんいんぼうしゅうさく)に取り憑いたこともあります。
 

 

著者
小畑 健
出版日
2002-06-04

 

本因坊秀作は名人になったことはないものの、今でもなお史上最強の呼び名の高い棋士で、「本因坊戦」というタイトル戦の名前として残っているほどです。作中ではこの本因坊秀策の打つ碁を指示していたのは、全て本因坊秀策に憑依した佐為という設定になっています。

『ヒカルの碁』は佐為とヒカルの出会いから始まります。ヒカルが佐為の支持通りに囲碁を打つ物語の序盤では、囲碁を打っている間のヒカルは完全に脇役で、最強の力を持つ佐為に囲碁をやらせるためにヒカルが存在しているのではないかと思わせるほどでした。

佐為とヒカルの出会いからストーリが始まることや、ヒカルが佐為に神の一手を見せるために碁に打ち込むこと、そしてそもそも佐為が平安時代から現代まで霊として永らえたのが神の意志だという描写から、主人公は実は佐為なのではないかと錯覚してしまいがちです。

しかし、この作品はあくまでも「ヒカル」の碁。主人公は名実ともにヒカルであり、佐為は準主役に過ぎません。では、『ヒカルの碁』の物語における藤原佐為という人物の役割は一体なんだったのでしょうか?

 

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佐為の役割①ヒカルのお手本であること

 

物語のスタート時にまったくの囲碁初心者だったヒカルがプロになるには、相当の努力と時間が必要となります。しかし、最強の棋士としての実力をもつ佐為が霊として常に心の中にいることで、ヒカルは飛躍的な成長を遂げることができました。
 

ヒカルと佐為の2人の関係は、ヒカルのライバルである塔矢アキラとその父・塔矢名人の関係と対比して考えることもできます。アキラも塔矢名人から毎日直接碁の指導を受けていたという点で、今まで積んできた時間こそ違いますが、2人の環境はよく似ているのです。

佐為が実体のある生きた人物ではなく、ヒカルの心に住み着くことのできる霊であるという設定も、ヒカルとアキラの間にある、これまで囲碁に打ち込んできた時間という圧倒的な差を埋めるために活かされています。

常に意思の疎通が図れ、全てマンツーマンで学ぶことができるため、ヒカルにとって囲碁に打ち込む時間の全てが密度の濃い囲碁の勉強のための時間となりました。佐為が常にお手本となることができたために、ヒカルの短期間での急激な成長も可能となったのです。 

 

佐為の役割②ヒカルの向上心を煽ること

 

物語の当初、ヒカルは囲碁のルールもわからない初心者だったために、佐為の絶対的な強さを理解することができませんでした。しかし、たくさんの棋士と接する中で少しずつ佐為の強さを実感するようになります。
 

その棋士達の中で、もっともヒカルに影響を与えたのが、ヒカルのライバルである塔矢アキラです。アキラは現代最強のプロ棋士である塔矢名人の一人息子であり、幼少期から直接名人と毎日囲碁を打つことのできる環境で育ちました。

そのため、アキラは同年代の子供達のなかでも突出した才能と強さを持っていましたが、ヒカルと出会った頃は、同年代の子と打ち解けているプライベートの描写もなく、囲碁のライバルと呼べる存在もいない子供でした。

しかし、ヒカルと戦ったことで、アキラの闘争心に火がつきました。正確には、ヒカルではなく、ヒカルの中にいた佐為に遥かな力を見せつけられて負けることになったからですが、それがヒカルの力だと思っているアキラは、ヒカルに挑戦するため、何度もヒカルの前に姿を見せます。

当初ヒカルの中での囲碁のイメージは、ある程度年齢を重ねた人がやる趣味で、自分には関係のないものとして捉えられていました。そのため、佐為の言う通りに囲碁を打つことにも何のためらいもありませんでした。

しかし、ヒカルの前に塔矢アキラという同い年のライバルが現れたことで、ヒカルも佐為の力を借りるのではなく、自分の力で囲碁を打ちたい、自分の力で勝利を掴み取りたいと囲碁に熱中することになります。

江戸時代の頃の細かい描写はありませんでしたが、ずっと佐為の指示通りに打ち続けた本因坊秀策とヒカルの違いは、アキラのようなライバルがいたかどうかにあったのではないでしょうか。もしかするとアキラがいなければ、ヒカルもずっと佐為の指示に従い続け、自分では打とうともしなかったかもしれません。

目標ができたことと、佐為という最強の手本が常に側にいたことで、ヒカルは飛躍的に成長をとげますが、それでもヒカル自身の力はアキラの望む強さには遠くおよびませんでした。それをヒカルが痛感したのは、2人が中学の大会で再び対戦したときです。

アキラにとっては3度目の対戦ですが、ヒカルにとっては自分の力でアキラに挑む初めての挑戦でした。結果は当然ながら、ヒカルの惨敗。アキラは前回勝負した時のヒカルとのあまりの違いに愕然とし、怒りをあらわにするほど動揺していまいます。

アキラが幻滅したのはヒカルが佐為(以前のヒカル)ではないことを悟ったためでした。理由は分からなかったものの、自分にとって初めてのライバルと思っていたヒカルの強さが本物じゃないことを直感的に理解してしまったのです。アキラの姿を見たヒカルも、自分と佐為との間に埋めようのない力の差があることをあらためて実感します。

ヒカルはライバルのアキラを追いますが、そのアキラが追いかけるのは佐為の力です。そのため、ヒカルの目標はアキラに認められること、つまり佐為の強さに到達することとなります。ヒカルはアキラというライバルを通し、間接的に佐為を目指すことになったのです。佐為の存在がヒカルのやる気の源になりました。

 

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佐為の役割③ヒカルの通過点であること

 

ヒカルは佐為を到達点であり、目標と考えていました。それは、幸か不幸か最初に佐為として碁を打ってしまったために、自分に求められるものが、今度は自分の力で再び佐為のような碁を打つことだと思ってしまったからです。
 

実際、佐為が碁に関して先を読む力は作中人物の誰よりも上を行っており、現代の囲碁界でトップとして認められている塔矢名人との対局にも勝つほどです。まさに佐為は作中最強の実力を持った棋士として描かれています。

しかし、佐為自身からみれば、佐為はまだ神の一手を極めることができていない未完成な棋士でした。そのため、自分がなぜ霊になってまで現代まで永らえることができたのかという疑問について、初めは自身が神の一手を極めるためだと考えていました。

しかし、塔矢名人との対局の中で、誰も思いつかなかった一手をヒカルに指摘されます。それは、神が1000年の時を永らえさせたのはヒカルにこの一局を見せるためだったのだと佐為に思わせるほどの一手でした。ヒカルは気がついていませんでしたが、それは佐為にとっての神の一手だったのでしょう。

ヒカルの急激な成長を目の当たりにしたことで、佐為は自身も長い囲碁の歴史のいち登場人物に過ぎず、囲碁の歴史がそうして受け継がれてきたことを理解します。 佐為が神から与えられた役目は、ヒカルに神の一手の追求を受け継ぐことであり、それがもう終わったと感じた佐為の魂は完全に消滅してしまうのです。

佐為はヒカルにとっての到達点ではありません。棋士としての本当の到達点は神の一手の追求であり、佐為はその通過点に過ぎないのです。むしろ、本当の棋士としての道は、神の一手を追求し始めたときから始まるのでしょう。 

 

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佐為の役割④棋士としての目標を教えること

 

佐為は役割を果たしたつもりでしたが、佐為を到達点と考えていたヒカルにその思いは通じませんでした。ヒカルはすでに棋士が囲碁にかける思いや、一局一局の重みとその影響力を理解していたため、未熟な自分が碁を打つよりも、遥かに完璧な佐為が打った方が良かったのではないかと自分を責めます。
 

しかし、囲碁を辞めると決意したヒカルを、再び囲碁の世界に戻したのも佐為でした。ヒカルは、自分の打った碁の中に、佐為の碁が生きていることを見つけます。姿こそ見えないものの、佐為の碁はすでにヒカルの中に根付いていたのです。

佐為の指示を受けて圧倒的な大差で勝利していた頃、対局相手から「一体いつから囲碁を打っているんだ!?」ときかれたヒカルは「千年」と答えていました。 これは佐為のことを答えているのだと思っていましたが、佐為に与えられた役割を知った後で読み返すと、この言葉も意味が異なって感じらるでしょう。

ヒカルだけではなく、棋士は皆過去の棋譜を研究しています。そのため、囲碁を打つ時は今までの1000年の歴史に必ず影響をうけます。これまでの歴史を引き継いで自分の新たな碁を打つことで碁の歴史は続いてきました。単純に何年打ってきたかという年数以上のものが棋士たちには蓄積されているのです。

自分の中に佐為を見つけたヒカルは佐為から囲碁の歴史を受け継いだこと、自分も神の一手を追求する囲碁の歴史の一部であることを理解します。

佐為が到達点でなくなったことで、ヒカルは神の一手の追求という棋士としてあるべき姿を見つけられました。ここから真の「ヒカル」の碁が始まるのです。

 

『ヒカルの碁』棋士たちの役目とは?遠い過去から未来まで!名言から考察!

 

佐為に別れを告げ、棋士としての覚悟を新たにしたヒカルは、アキラたち選ばれた若手棋士とチームを組み、韓国との団体戦に臨みます。プロとして力をつけたヒカルでしたが、韓国の大将である高永夏(コヨンハ)との対局に敗れてしまいました。

実は『ヒカルの碁』はこの話が最終話であるため、負けて終わってしまうことに不満を感じる読者も多いようです。しかし、物語としてはこれが最終話だとしても、この後もヒカルたちの成長はまだまだ続いていくことがわかる終わり方になっています。

 

著者
["ほった ゆみ", "小畑 健", "梅沢 由香里"]
出版日
2003-09-04

 

最終話でのヒカルの台詞が、『ヒカルの碁』という作品を象徴する名言でしたので引用します。大将戦に僅かな差で敗れてしまったヒカルを、対戦相手の高永夏は心の中では認めていました。そんな高永夏に「なぜお前は囲碁を打つ」ときかれた時の答えです。

「遠い過去と遠い未来をつなげるために そのためにオレはいるんだ」
 (『ヒカルの碁』から引用)

「遠い過去」は佐為が生きていた時代も含めた全ての囲碁の歴史。「遠い未来」は神の一手にたどり着くその時のことです。 ヒカル自身はもしかしたら神の一手に届くことはできないかもしれません。しかし、きっといつの日か誰かがそこに到達するでしょう。それはずっと先の未来のことかもしれません。

しかし、ヒカルが神の一手を追求して打つ一手も、全てそのいつかの神の一手につながっているのです。神の一手を追求し続け、囲碁の歴史の一部となって後世に引き継ぐこと、それがヒカルの役目であり、そして棋士としての役目です。

また、仮にだれかが神の一手にたどり着くことができたとしても、そこで終わりにはなりません。もっといい手がないか、さらに追求し、成長し続けるのでしょう。ヒカルたち棋士にとって、神の一手を探す旅は、いつまでも終わりなき旅なのです。


『ヒカルの碁』好きにおすすめの作品を紹介した<『ヒカルの碁』好きにおすすめの漫画5選!>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

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今回は現在も人気の漫画『ヒカルの碁』の作品をあらためて分析しました。登場人物の心理が細かく描写されており、単行本で23巻とは思えない充実したストーリーです。まだ読んだことがないという方は、この機会にぜひ読んでみてください!また、何度読んでも面白いので、すでに読んだことがある方にもおすすめですよ。登場人物も多く、この記事では書ききれなかった魅力がまだまだたくさんある作品です。何度も読み返してお気に入りの登場人物やシーンを見つけてみてくださいね!

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