「日本一予約が取れないレストラン」といわれるイタリア料理店、「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」のオーナーシェフ、落合務。彼のレシピ本のなかで、プロ向けのものから家庭で役に立つものまで、選りすぐりの5冊を選びました。
落合務は1947年に生まれ東京で育ち、高校を中退して料理人への道を進みはじめます。当初はフランス料理を学びますが、料理修行のために渡ったヨーロッパ旅行でイタリア料理に出会い、イタリア料理人の道を歩むことを決めました。
1978~81年の3年間でイタリアで料理修行を積み、帰国した後にイタリア料理店「グラナーダ」で総料理長を10年以上勤めます。その後独立して、1997年に「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」をオープンさせ、「日本一予約が取れないレストラン」と言われるまでに成長させました。その後は、彼自身もテレビや雑誌で活躍するようになります。
イタリア料理の基本の作り方や理屈を、順を追って丁寧に説明しているのが本書です。レシピの数自体はそんなに多くはありませんが、パスタからドルチェまで、イタリア料理の基本を全て網羅しています。
本書は、1999年刊行の『イタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピ』を編集しなおしたものです。彼のイタリア料理の変わらないおいしさを、いつでもどこでも再現できるように作られています。
- 著者
- 落合 務
- 出版日
- 2014-10-10
どんな素材でも、おいしい料理に変えるのがプロの腕。そのために欠かせない「知識(理屈)」を、こんなに世に広めてしまうなんて!と驚くほど、それぞれの料理のプロセスが丁寧に紹介されています。どのレシピにも10枚以上の写真を使っていて、より詳細に手順を説明。これだけ詳細に書かれていれば、次の段取りはどうしたらいいのかと迷うこともありません。
「テレビや料理教室でも、あれだけさんざん声を大にして『パスタはこう茹でるんですよ』『こんなふうにソースとあえるんですよ』と教えてきたのに、まだ『ええーっ』って言われちゃう」と、落合は言います。
テレビで手順を聞いても忘れてしまいますが、この本が手元にあれば、いつでもどこでも落合務の教えを受けることができる、そんな一冊です。
「ラ・ベットラ」で提供されているメニューをもとに、自宅にある材料を使って、自宅のキッチンで作れるように、落合務が工夫したレシピが載っているのがこの本です。前菜からデザートまでのフルコース、パスタ、リゾット、野菜やキノコ、鶏肉や豚肉のメニューなど、70種以上のレシピを掲載しています。
例えばリゾットは、家庭で作りやすいように冷ごはんを使いながらも、本格的なイタリアの味が再現できるようになっています。身近な素材で、絶品イタリアンが味わえるレシピ本です。
- 著者
- 落合 務
- 出版日
- 2011-12-15
本格的なイタリア料理を作りたいと思っても、あれもない、これもないと諦めてしまうことが多くありませんか?しかし本書に載っているレシピで使うのは、作りたい!と思った時に、そろえやすい材料ばかりです。
写真も数多く掲載されているので、料理のプロセスがわかりやすく、お店さながらのイタリア料理の味を手軽に再現できます。
1歩進んで様々なイタリア料理に挑戦したい人に、ぜひ手に取ってもらいたいこの本。レシピ数も多いので、いろんな食材の可能性を新たに発見できるのではないでしょうか。
本書は、パスタの作り方だけを集めたレシピ本です。ゆで方からはじまり、ミートソースやアラビアータなどのおなじみのパスタや、釜揚げパスタにアーリオ・オーリオ、納豆などの日本の食材を使ったジャポネーゼ、お酒を飲んだ後にうれしいレシピなど、多種多様なパスタレシピが載っています。
落合務イチ押しのデザート、ロマノフのレシピもうれしいページです。
それぞれのレシピには落合の提言が添えられていて、レシピ同様に役に立つ情報を得ることができます。便利な道具の紹介などもあり、キッチンライフ全体の参考になりますよ。
- 著者
- 落合 務
- 出版日
- 2005-06-21
同じ料理でも、簡単な作り方から、手の込んだ作り方まで幅広く紹介されています。例えばトマトソースならば、ホールトマトを煮詰めるだけのレシピと、野菜の旨味をベースにじっくり煮込んで作る本格的トマトソースが紹介されています。
このように、同じ名前のソースでもレシピに違いがありますが、どちらも本格イタリアのパスタの味。「お茶漬けだって、冷蔵庫の漬物でさっさと作れるお茶漬けもあるし、いつでもおいしいお茶漬けを食べられるように、休日にがんばって佃煮を作る人もいるでしょ?それと同じこと。」と落合務は言います。
パスタソースも、その日の気分でレシピを使い分けるのが本物のイタリア料理なのですね。この本には、本場イタリアで修業を積んだ落合務だからこそわかるパスタレシピの数々が紹介されているのです。
カルパッチョやマリネ、ホタテ貝柱のアーリオ・オーリオスパゲッティなどの基本のイタリア魚料理から、魚介の応用スパゲッティやリゾット、ソテーの数々、フリットやオーブン焼きに煮込みと、イタリア料理のあらゆる料理法で魚をおいしく食べるレシピを満載した本です。
魚の種類にあわせたレシピも充実していて、「たまたま新鮮ないわしを手に入れたけど、何かおいしい料理方法はないかしら?」という臨時の時にも便利です。魚のおろし方も詳しく解説しています。
- 著者
- 落合 務
- 出版日
- 2002-07-15
魚と言えば、なんとなく和食というイメージですが、イタリア料理の魚メニューはこんなに豊かだったとは驚きです!どのレシピも、写真を見ているだけでよだれが出てきてしまいます。
イワシやサバやイカなど、手に入りやすい魚貝類はもちろん、オマールエビやタイなど、いつか手に入ったらこんなふうに料理をしてみたい!と思い描くのも楽しいものです。
これまで紹介した簡単で簡潔なレシピ本に比べ、この本のそれぞれのレシピはかなり詳細な文章で書かれています。読めばそれぞれの手順を踏む理由がわかり、一品作るたびに料理の腕があがっていくでしょう。
自分の魚料理の腕を上げたい人に、ぜひ持って欲しい本です。
本書は、イタリア料理のコツを解説した落合務のエッセイ風の本です。
今さら人には聞けない料理用語や、塩ひとつまみはどれくらいなのか、パスタをゆですぎた時の対処法などを、読者に語りかけるように解説してくれます。
さらに、もし落合がラーメンを作るとしたらどんなラーメンを作るかなど、料理人としての心構えや、新しいレシピを考え出すときの胸の内がわかるエピソードなども書かれていて、料理人・落合務を知ることもできる面白い内容です。
- 著者
- 落合 務
- 出版日
- 2009-06-20
本書でも、ところどころに料理のレシピが書いてあります。写真などはありませんが、読めばなるほどと納得できるレシピ内容です。落合務が言うように、料理は感覚でするものではなく、理屈でするものなのだという証拠なのですね。
この本を読んでいると、落合務の料理教室に行くと、きっとこんなふうに料理を教えてもらえるのかな、と想像できます。レシピを知ることだけが料理でなく、料理をするということはどういうことなのか、料理人とはどうあるべきなのかが読み手に伝わってくるからでしょう。
落合務のことをもっと知りたい人や、イタリア料理をもっと知りたい人、これから料理人を志す人は、ぜひ読んでみてください。
イタリア伝統の味の魅力を日本に広めたいと活動してきた落合務。その一流シェフの知識を詳細に伝えるレシピ本もあれば、新しい味を紹介するレシピ本もあります。そのどちらもおいしいイタリア料理を伝えてくれる本たちです。ぜひ、これらの本を開いて、感動の味に出会って下さい。