読んだら旅をしたくなる!美味しい旅の本

更新:2016.7.30 作成:2016.7.30

こんにちは。毎回、料理にまつわる本を紹介している長塚です。 さて、5回目となる今回のテーマはずばり「食べる旅に出たくなる本」です! そろそろ今年の夏休みはどこへ行こうかな? なんて考えている方もいらっしゃると思いますが、飛行機に乗って旅に出るもよし、近くのレストランに異国の味を求めに行ってもよし、本だけ読んで見知らぬ味に思いを馳せつつ、旅気分に浸るもよしの本を取り揃えました。世界は広し! そしておいしいものは世界のあちらこちらに。さぁ、読んで食べておいしい旅にでかけましょう。

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日本のお隣、人気の台湾のおいしいもの。

著者
内田真美
出版日
2016-03-30

最近雑誌の特集などでもよく取り上げられる人気の台湾。本屋やカフェ、雑貨店など「もしかして東京よりおもしろいかも!?」なんて友人たちの声も聞こえてくるほど、魅力的なスポットが集まる場所でもあります。そんな台湾に、15年以上通い続けている料理家の内田真美さんが出された新刊が『私的台湾食記帖』です。

台湾には中華八大料理(北京や四川料理といった、それぞれの地方と気候から生まれた特色ある料理)が集まっているそうで、本にも雲南料理や、浙江料理など様々なレストランの料理が紹介されています。他にもアジア圏らしい朝市や夜市、甘味処、茶芸館、食材店、ギャラリーにブックカフェと、料理家ならではのアンテナと舌が引き寄せたスポットと、おいしそうな食べ物が紹介されていて、順番に全部制覇したいほどのリスト。

個人的には、蒸篭から湯気をあげて蒸かされる白い饅頭(肉包や菜包など)や、代表的なストリートフードとも言える胡椒餅や斤餅などの粉ものが好きで、ページをめくりながら、今すぐ食べに行きたい! なんて妄想しています。

内田さんは、自身の小さなお子さんと毎年一緒に台湾に行かれているそうで、この本には子供も一緒にゆっくりと楽しめる場所が多かったり、子連れ旅のちょっとしたアイディアも紹介されているので、近場で子供と海外デビューしたいなんてご家族にもおすすめです。

異国の地で料理修行の巻。

イギリス人のフードジャーナリスト、マイケル・ブースといえば、2013年のベストセラー『英国一家、日本を食べる』で一躍話題になった人。NHKのアニメにもなったので、ブースが日本の食文化を知るべく旅した100日間を、読んだりテレビで見たりした人もいると思います。今回紹介する『英国一家、フランスを食べる』は、それに続く形で2015年に出版された本ですが、実際に書かれたのはこちらが先です。

著者
マイケル・ブース
出版日
2015-05-30

持ち得るすべての情熱を食事に注ぐブースは、手のこんだ夕食会を開いたり、料理本や話題のレストランでの食事に散在する日々。そのうち、レシピ本通りに作ってもいっこうにレストランで食べる味にならないことに業を煮やした彼は、一大決心をします。持っていた料理本をすべて燃やし、フランスの超有名料理学校ル・コルドン・ブルーに入学するのです。

日本では前作にならって「フランスを食べる」と題しているけれど、実際はほぼコルドンブルーでの修行の日々を赤裸々に綴ったもの。毎日の授業でのハプニングや失敗、個性豊かなシェフとクラスメートの面々、上のクラスに上がるための緊迫した試験の様子などが、ジャーナリストらしいテンポの良い文章で綴られています。無事学校修了後、ブースはパリの星付きレストランの研修生になるのですが、その後彼が選んだ人生の選択とは?

ブースは、料理学校での日々を経て、最初の自分の問いの答えを見つけ、時を同じくして日本料理の伝統を知り、辻静雄の著作との衝撃的な出会いを経て、東京へやってくることになります(そしてめでたく『英国一家、日本を食べる』が生まれるわけです)。

食べるのがとにかく好き、フランスの星付きレストランでごはんを食べたい、なんて思っている人には、ガイドブックと合わせて読んでみてほしいな、と思う1冊です。ちなみに3月には新刊『英国一家、インドで危機一髪』も発売になりましたよ。
 

その土地にやみつきになる旅。

著者
おおつき ちひろ
出版日

『スペインの食卓から』の著者、おおつきちひろさんと言えば、タパスやピンチョスなんて言葉が広まる前から、本場仕込みのスペイン料理を紹介してきたスペイン料理研究家で、スペイン料理レストランのオーナーもされています。

といっても、おおつきさんはそもそも就職して結婚、出産、そして育児に奔走する一人の主婦でした。それが、友人から「あなたほどスペイン的な人はいないわ」と言われるようなおおつきさん、子供が1歳の誕生日を迎えた辺りからの行動力がすごかった! 時は1980年。主婦が働くのがまだ今ほど普通でなかった時代、「何かしたい!」とむくむくと湧いてきた気持ちのままに、まずは編集者になり、その後子連れ旅行に行った先のスペインでどっぷりとその魅力にとらわれます。

その辺りの顛末が描かれたこの本は、当時のスペインの食事情を垣間見ることができると同時に、たくましい子育て日誌のようでもあり、一人の料理家が生まれるその誕生を目にできる1冊でもあります。この本を読んだらぜひ、おおつきさんのレシピブックも見て欲しいなと思います。元気でおいしそうなレシピが並んでいます!
 

地元民で賑わう居酒屋をのぞいてみる。

著者
NHK『世界入りにくい居酒屋』制作班
出版日
2016-01-08

『世界入りにくい居酒屋 異国の絶品グルメ図鑑』は、NHK・BSプレミアムの人気紀行番組「世界入りにくい居酒屋」を書籍化したもの。ファーストシーズンで放送した世界の居酒屋19店が紹介されています。

登場する居酒屋は、ベルギーからスタートし、ポルトガル、イギリスをはじめメキシコやベトナムなど各国に渡っていますが、どのページの居酒屋も、なんとも楽しそうに、陽気に飲み、語り合う人々の写真であふれています。私も番組を見たことがありますが、観光ではなかなか見つからない裏路地にあったり、仕事中の人々が昼から立ち寄って飲んでいく姿や、母のようにドーンと料理を振る舞って常連客を取り仕切るなんとも元気な女将がいたりと、どのお店も愛らしさ満天。そんな地元の人に愛される店、食べて飲んで人生を謳歌する人たちの姿は、本の中にもたっぷりつまっています。

さらにこの本には、各居酒屋で登場する現地メニューを日本でお手軽に作れるようなレシピも載っています。食べたことのない、聞いたこともないようなメニューもあります。でもどれもついお酒が進んでしまいそうな各地の庶民の味。友人同士で家飲みする、なんて時のつまみの参考にもおすすめしたい1冊です。

東京で旅するスイーツの世界。

著者
メレンダ千春
出版日
2016-01-22

最後に紹介する本『TOKYO 世界の絶品スイーツめぐり』は、ナショナルジオグラフィックのWEBマガジンに連載されていた「世界のおやつ探検隊in東京」の記事から、東京のお店で提供されているものを中心に、世界46カ国、50皿のスイーツを紹介した本です。ページはアジアの国々からスタート。日本から近いのに、すでに聞き慣れないスイーツが多くてびっくりですが、ヨーロッパを経て、中東・アフリカ、アメリカ・オセアニナのお菓子が各章で紹介されています。

海外のお菓子って、「見たことない!」「食べたことない!」という好奇心と、食べた時の驚きや発見に満ちていると思います。そして、実はそれぞれの起源を紐解くと、歴史の中で人の移動とともに別の国に伝わっていったり、祭りや祝いごとのために作られたものだったり、その土地の名産品がふんだんに使われていたりと、まるで1冊の本でも読むかのようなストーリーがそこに見え隠れてして、興味は尽きません。

この本に登場する「カノムモーゲーン」「ダダール・グルン」「ポンチキ」「ヨウルトルットゥ」なんてお菓子の名前、知らないとまるで呪文のよう。この本片手に電車で回る東京の甘い旅、おすすめです。

日本国内でも、その土地に行かないと食べられない食べ物ってありますよね。広い世界ならなおさら。食から見えてくる世界の国々。ぜひ、読んで旅して食べて、おいしい時間を堪能してください!