就職活動において、面接は非常に重要となってきます。またその形式も、個人面接や集団面接など、多岐に渡ります。そのため、面接に関してはしっかりと対策をする必要があるでしょう。今回は、就活の面接対策に役立つ、おすすめの本を紹介します。
まず、面接は何のために行われるのでしょうか。おそらく企業側の目的としては、3つあると考えられます。
① 優秀な人を見つけたい
第一の目的は優秀な人を見つけることにあるでしょう。
民間企業であれば、利益を上げ続けなければ会社が倒産してしまいます。そのため、モノを売ることができる優秀な営業マンや、素晴らしい提案ができるプランナーが必要不可欠となってきます。
面接において様々な質問をすることによって、その人が優秀な能力を持った人間であるか、もしくは優秀になる可能性を見ているということが多いでしょう。
② その会社に合うかどうか
次に、面接を通してその会社に合うかどうかということを見ています。どんなに優秀な人でも、自分の能力が発揮できないと感じたり、会社の雰囲気が合わないと感じたりしてしまえば、辞めてしまうのではないでしょうか。
特に昔から3年以内離職率は”753”と言われており、中卒7割、高卒5割、大卒3割の人が3年以内に離職すると言われています。
会社にとって社員に辞められてしまうことは大きなダメージであるため、面接でその人のことを知り、会社の風土に合うかどうかということを判断しています。
③ その会社に対する志望度の高さ
最後に、その会社に対する志望度が高いかどうかを見ています。
これも②に関連していますが、その会社に対する志望度が高ければ高いほど、辞める確率は低いはずです。そのため、本当にその会社を志望しているのか、という熱意を企業は確認しています。
面接の目的がわかったところで、次に面接の形式ごとの対策を見ていきましょう。
まずは個人面接です。これは最も一般的な面接形式であり、1人の受験生に対して1人、もしくは複数人の試験官で行われるケースが多いです。
そして面接の質問に関しては、1.ESに沿った質問 2.ESに関係のない質問 3.ケース質問という3つのパターンに分けられます。それぞれについて対策を見ていきましょう。
① ESに沿った質問
これが最もメジャーな形になります。この形式に関しては、想定問答を20問ほど用意して、それに対する回答をひたすら練習するという形が有効と思われます。
ESに沿っているので、答えづらいということはないはずです。そのため、いかにすらすらと、はっきりと回答できるかということが重要になってきます。「学生時代頑張ったことは何ですか」や、「今までで辛かったことは何ですか、またそれをどうやって乗り越えましたか」などの想定問答を作って対策すると良いでしょう。
さらに、友人や就職課の先生に協力してもらって、試験官役をやってもらい、模擬面接の中で回答していく方法もおすすめです。
② ESに関係ない質問
面接において、例えば「自分を色に例えると何?」といったものなど、ESに関係ない質問をされることもあります。これに関しては対策しようがありませんが、結局ここでも聞かれているのは、あなたはどんな人か、ということです。
そのため、自分の人柄を十分理解し、それを自分の頭に叩き込んでいくことが重要となります。そうすれば、ESに関係ない質問をされても、自分のパーソナリティーとさほど遠くない回答ができるでしょう。
③ ケース質問
ケース質問とは、ある特定の問題について、その場で回答を求めるものです。例えば、「AIが普及するとどんな世の中になる?」や、「ある県の観光客を増やす施策を考えてみて」などです。
これに関しても、対策は難しいものがあります。強いて言えば、普段から論理的に物事を考えられるよう、授業で議論を積極的に行ったり、新聞の社説を読んだりなどの方法で鍛えることができるでしょう。
次に集団面接の対策について紹介します。集団面接とは、受験生複数人に対して、同一の試験官が質問していく形式となります。
この面接は、受験生が多くいる初期段階の選考で行われるケースが多いです。そのため、基準点に達しない受験生を切る足切りの意味合いが大きいのではないかと思われます。
それでは、対策について見ていきましょう。
① 第一印象を磨く
集団面接では、一人一人にかけられる時間が少なく、短時間で受験生を判断します。そのため、第一印象を磨くことが大切です。お辞儀をしっかりする、はきはきと聞きやすい声で喋る練習をする、などの対策が重要となってくるでしょう。
② 定番の質問に答えられるようにする
集団面接では短時間のため、定番の質問を聞かれる場合が多いです。例えば、「自己PRをお願いします」や、「志望動機を教えてください」など、受験生の人となりを聞く、オーソドックスな質問をされます。そのため、定番の質問に対して答えられるようにしておく必要があるでしょう。
③ 簡潔に答えられるようにする
最後に、短時間ということを考慮して、簡潔に答えられるようにすることが必要です。結論から述べる、聞かれていることだけに回答する、などの練習をしておくべきでしょう。
- 著者
- 田口 久人
- 出版日
- 2010-02-11
それでは、面接対策に役立つ本を紹介していきましょう。
この本が何より素晴らしいのは、自分で書き込めるという点です。左ページに質問と見本の回答が書かれていて、右ページではそれを参考に自分の回答を書き込む形式となっています。
なかなか自分一人ではやりにくい面接対策ですが、この本を使えば一人でも対策できるのです。また、書き込みを見ながら繰り返し練習することで、本番の面接でもすらすらと喋れるようになるでしょう。
- 著者
- 海老原 嗣生
- 出版日
- 2010-03-11
この本では一般的な想定問答集は載っておらず、クイズ形式で質問の練習ができ、ESに関係ない質問に対しても練習ができるようになっています。
他のオーソドックスな本と組み合わせることにより、どんな質問でも物怖じせず回答することができるようになるでしょう。
- 著者
- ["下川美奈", "津田久資"]
- 出版日
- 2016-03-18
この本は、いかに論理的に質問に回答するか、ということに重きを置いた内容になっています。
試験官はしっかりと質問に回答できているか、というところも見ています。自分のことを知ってもらうことも重要ですが、いかに論理が通った回答ができるかも大切です。ESと関係ない質問が来ても、落ち着いて論理的に考える、答える力は必須といえます。
想定問答集などと組み合わせてこの本も使うことで、論理的な回答という要素もカバーできるでしょう。
面接対策は就活の基本中の基本です。ご紹介した本などを参考にしながら、ぜひしっかりと面接対策をしていただければと思います。