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漫画『カラダ探し』の赤い人などの怖さをネタバレ解明!怖くて面白い!

更新:2017.8.9 作成:2017.8.9

Web小説を原作とした注目のホラー漫画『カラダ探し』。その魅力と恐怖について第一夜~最終夜までご紹介します。なお本文中にはストーリー展開におけるネタバレを含んでおります。ネタバレが嫌!という方は閲覧にご注意ください。

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「少年ジャンプ+」のヒット漫画『カラダ探し』!

著者
村瀬 克俊
出版日
2015-02-04

2011年から2014年にかけ、小説投稿サイト『E★エブリスタ』にて連載されていた、ウェルザードによるWeb小説が原作の『カラダ探し』。

ホラー作品としての顔だけでなく人間ドラマや心理戦を描いた作品でもあり、とくに漫画版では登場人物たちの心情・葛藤をリアリティたっぷりに描かれています。そうした登場人物たちが見せる表情が、またホラー作品としての魅力に相乗効果をもたらしていると言って間違いはなく、根強いファンを生んでいるのです。

漫画『カラダ探し』あらすじ

『カラダ探し』は三部構成になっており、第一夜では、「遥」というクラスメイトに「カラダを探して」と頼まれた明日香、高広、留美子、翔太、理恵、健司の高校生6人が、ゲームに巻き込まれていきます。

遥にカラダ探しを頼まれた明日香たちは、その日の深夜0時ちょうどに、普段から通っている逢魔高校の校舎に辿り着いていました。これから数日間、夜な夜な「カラダ探し」をおこなうことになるのです……。

「カラダ探し」とは、一言で言えばデスゲーム。八つに分断された遥のカラダの部位をすべて揃えることが目的なのですが、カラダ探しのルールを仕切る「赤い人」に見つかると殺されてしまう、という死と隣り合わせのゲームなのです。

また、赤い人に殺されても、夜が明けるとふたたび遥からカラダ探しを頼まれ、同じ日を繰り返すことになります。

赤い人から逃げつつカラダを探す明日香たちですが、極限状態のゲームを続けていくうち、仲間たちの間に不穏な空気が漂い始めました。仲間割れが起き、分裂していく明日香たち。そんななか、問題はさらに深刻になり、カラダ探しが始まったルーツそのものを探っていくことになるのでした。

著者
村瀬 克俊
出版日
2015-04-03

第二夜では、逢魔高校と舞台は同じですが、主人公が明日香から美雪という女子高校生に変わります。

人見知りの美雪、第一夜から引き続き乱暴さが残る高広、カラダ探しの記憶を失ってしまった留美子と翔太、高広と喧嘩ばかりする不良・武司、武司の恋人で計算高い結子という、第一夜と比較するとずいぶん個性派なメンバーに入れ替わり、新たな人間関係による問題も浮上。美雪は仲間たちに翻弄されながらも、次第に「カラダ探しの呪い」の真相に近づいていきます。

最終夜では、主人公が美雪からふたたび明日香にバトンタッチ。

明日香とカラダ探しをするメンバーは、第一夜で明日香たちにカラダ探しを頼んだ遥、第二夜から続いて武司、そして新たに明日香の友人である日菜子、校内で優等生とされつつも黒い噂がある中島、オタクで引っ込み思案な小川が加わり、明日香は美雪から引き継いだ「カラダ探しの呪いを解く」という使命を胸にゲームに参加します。

出口のない恐怖

「カラダ探し」中、「赤い人」に殺されると、その時点でゲームオーバーとなり振り出しにもどるというルールがあります。ほかにも、

  • 「赤い人」は放課後の校舎に現れる。
  • 「赤い人」はひとりになった生徒の前に現れる。
  • 「赤い人」を見た者は、校舎を出るまで決して振り返ってはならない。
  • 振り返った者は、カラダを8つに分けられ、校舎に隠される。
  • 「赤い人」に殺された生徒は、翌日、皆の前に現れて、「カラダを探して」と言う。
  • 「カラダ探し」を拒否することはできない。
  • 「カラダ探し」の最中にも、「赤い人」は現れる。
  • 「カラダ探し」はカラダを見つけるまで行われる。
  • 「カラダ探し」では死んでも死ねない。

(『カラダ探し』1巻から引用)

以上がカラダ探しにおける絶対的なルールです。

理不尽な怖さで読者を震え上がらせる怪異「赤い人」の外見は少女であり、子どもならではの無邪気さを恐怖に変え、また残忍さ・残酷さを包み隠さず発揮して明日香たちを何度も殺害します。 この「何度も殺される」という、現実ではありえないはずの体験がやけに生々しく描写され、まるで読者も殺される瞬間の苦痛を味わっているかのような気分にさせるのです。

また「カラダ探し」にはホラー漫画としての側面だけではなく、ミステリー要素もたっぷり用意されています。 まず物語最大の謎「赤い人」の正体。これは次項目で詳しく記載しますが、ただ明日香たちを怖がらせるだけの幽霊ではないのです。

そして過去にカラダ探しを経験したという逢魔高校農業科の教師・八代、明日香たちにカラダ探しを頼み続ける三神遥といった人物たち、カラダ探しの「呪い」など、次の展開を予想したくなる謎がたくさん含まれています。

赤い人、黒い人って?

「赤い人」とはカラダ探しをおこなう生徒たちを殺しにやってくる幽霊です。

明日香たちはカラダ探しが始まる前の日中、高校教師・八代に情報を聞き出していくうちに「小野山美子」という人物に辿り着きます。この「美子」と「赤い人」にはなんらかの繋がりがあると睨む明日香たちでしたが、美子は約50年も前にバラバラ殺人事件の被害者としてこの世を去っていることが判明しました。

なお、バラバラ殺人事件の容疑者とされる男性も自殺を遂げているため、事件に関する真相は迷宮入りとなっています。明日香たちはカラダ探しを進めると同時に、この事件の真相もまた探っていくことになるのです。

著者
村瀬 克俊
出版日
2015-07-03

カラダ探しの最中、明日香たちの行く先々に突然現れる「赤い人」、その出現には法則性があり、ルールの裏さえかけば、うまくやりすごすことができました。とはいえ奇声を発しながら襲ってくる赤い人が怖くないわけがなく、かつ不気味で、漫画のページや画面構成、ペン独特のタッチをフル活用する演出も相まって、常に読者を震えさせます。

とくに赤い人が肌身離さず抱きしめているぬいぐるみを高広や健司に奪われたシーンでは、断末魔にも似た雄叫びをあげます。そのページを開いた瞬間、全身に悪寒が走ることは間違いないでしょう。

一方、「赤い人」とは異なる「黒い人」。こちらは人間に姿を変え、明日香たちの行く手に塞がる脅威となる幽霊のことです。明日香たちは「黒い人」の正体を暴くことでカラダ探しというゲームそのものに終止符を打とうとします。こちらも見逃せないキャラクターです。

壊れていく人間関係。心理戦にハラハラ!

第一話ではまず翔太と高広、留美子のあいだに亀裂が走りました。「赤い人」から逃れたい一心で仲間を囮にした翔太は仲間からの不信を買い、以降受け入れてもらえない日々が続きます。また健司も、途中理恵に暴行などし、女性陣からはもちろん男性メンバーからも距離を置かれるなど、一話目でありながら人間関係の悪化がピークに達し、読者でさえも疑心暗鬼にさせます。

第二話では美雪、高広、留美子、翔太と武司、結子といったグループに別れ対立してしまい、心理戦が生じました。 武司と結子はとある事情によりカラダ探しが終わらないよう美雪たちを妨害。ところが武司から結子が離反し、結子は美雪たちに取り入るものの、彼女にもまた美雪たちとは別の目的を抱えていました。

著者
村瀬 克俊
出版日
2015-12-04

こうしたお互いの腹を探る心理バトルが第二話の特徴であり、最大の魅力と言っても過言ではありません。

そして最終夜では問題を抱えたメンバーばかりが揃い、とくに明日香と遥はこれまでのカラダ探しをめぐる経緯から反目し合います。

また最終話にて、最初に立ち塞がる障害であるのが中島です。彼の普段見せている優等生である顔は表の顔であり、その本性は高慢・高圧・凶暴と、悪い面ばかりが凝縮されており、明日香たちのみならず読者までも困惑させるのでした。


『カラダ探し』の作者・村瀬克俊さんの描く漫画の面白さの秘訣をインタビューした<漫画原作者のぼくが、ライバル漫画の関係者に面白さの秘密を尋問してきた件①>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

『カラダ探し』という漫画は小説を原作とした緻密な世界設定と単純明快なゲームルールがみごとに絡み合ったホラー作品です。小説はもちろん漫画、アニメと、さまざまなメディア展開がなされていることからもホラーファンをはじめとするコアなファン層、さらには小説愛好家、漫画愛好家から絶大な人気を勝ち取っていると言ってよいでしょう。

この手の作品を読む方々のあいだでは、ネタバレは厳禁! という暗黙の了解があることが常識ですが、今回作品の魅力をうんと伝えるため、あえてネタバレに踏み込ませていただきました。そして『カラダ探し』は先の展開を知ったうえでもなお楽しめる作品だと断言します。気になった方はぜひお手に取ってみてください。