三国時代は3つの国、魏・呉・蜀が対立していました。そんな時代の立役者となったのが曹操。ご存知の方もいらっしゃるでしょう。もしご存知でない方もご安心ください。彼は悪役なのか、英雄なのか。多彩な顔を持つ彼を知ることができる本も一緒にご紹介いたします。
後漢の丞相・魏王であった曹操は、後に興る魏の祖と呼ばれ、魏の基礎を作り上げた人物です。そんな彼は三国志に欠かせない存在なのです。
彼は155年に曹嵩の息子としてこの世に生まれ、宦官である曹騰の養子として育ちました。若いころヤンチャだった彼は、20歳のころ郎という中国の役人になり、洛陽北部尉という地位につきます。成長した彼は、違反者を厳しく取り締まることで有名になり、一目置かれるようになっていきました。
184年の黄巾の乱、191年の黒山軍の反乱で大勝をおさめると、次々と強敵を撃破します。名実ともに優れた武将として順風満帆だった曹操ですが、同じ時期に一族が殺害されました。
苦労に屈せず、後に幸運を自分のものにした彼は領地奪還に成功しました。武将としての才能はこの時期に伸びたようです。
群雄割拠の時代を勝ちぬいた彼は中原の覇者を決めるために官渡の戦いを始めます。機を逃さず彼は勝ったのですが、劉備を攻めようと長江を下っていたとき、孫権軍によって軍船が攻められ、追い打ちをかけるような疫病も重なって、彼らは撤退します。これはあの有名な「赤壁の戦い」のことで、後の三国時代に大きな影響を与えました。
その後、魏公と名乗りまた活動を始めますが、220年に病死しました。彼はこのような人生を歩んだのです。
1:ケチだったといわれている
曹嵩は曹操の父で、宦官として地位を得た曹騰の養子にあたります。曹騰は宦官の孫である曹操に苦労をさせまいと、彼のために金を得ていたため、子供だった彼は何不自由なく生活していました。しかし、成長した彼は最初に領有した兗州の貧しさの影響かケチになってしまったようです。
2:女性問題で戦争
センスある戦略で強かった曹操。しかし、実は彼、生涯の中で2度、女性がらみで戦争を起こしていました。一つ目は自らの不倫によってその女性の夫が激怒、曹操軍を攻めてきます。その際、彼は実の子を亡くしています。二つ目は呉の国の美人姉妹をかけて戦争を起こしたのです。
3:やはり第一夫人の丁夫人が一番
13人の妻を持っていた曹操、数多くの妻の中でも第一夫人丁夫人を最も愛していたようです。不倫騒動や子の死を経て離婚をした二人ですが、曹操はやはりずっと彼女を忘れられなかったようです。
4:親友に裏切られた経験
曹操、袁紹、張邈は子供のころ仲良い友達でした。この三人も国のため、家族のために奮闘するのですが、不倫騒動を経て曹操に嫌気がさしていた張邈は陳宮の説得のもとに、彼を裏切ってしまったのです。こうして張邈は兗州の地で反乱を起こします。
5:好きな食べ物は鶏の吸い物
曹操軍が谷で劉備軍と対峙していたとき、彼らはなかなか劉備軍を打破できないでいました。引き返すこともできない状況の中、彼は鶏の吸い物を食べていたそうです。鶏に夢中になっているときに戦の話を突然聞かれた彼は思わず「鶏肋!」と答えました。「鶏肋」という言葉は、この物語から転じて「今は価値は少ないが捨てるに忍びないもの」を意味するようになります。
若き日の彼は「清平の姦賊、乱世の英雄」と評されるヒーローでした。大動乱前夜、首都洛陽の地で役人となり、合理的精神かつ卓抜したセンスで人材を活用する彼は生涯を戦乱の世の中に秩序をもたらすために捧げます。賛否両論の中、彼が考えた真の計略とは?
- 著者
- 陳 舜臣
- 出版日
- 2001-03-01
彼は戦乱の世の中を変えたいと願い計略を図ります。そんな若き日の熱い彼を描いた一冊です。
日常生活の中で私たちも人間関係に悩むことが多かれ少なかれあると思います。戦争というと自分からは少し遠い、三国志と私の生活は関係ないように見えるかもしれません。しかし、そんな人でも実は本書から学べることがあるのです。
戦争も根本的には人間関係・国家関係、そんな考え方もあるでしょう。だからこそ人間関係で悩むあなたに曹操が答えを与えてくれるかもしれません。人間関係を客観的に考え、計略を立てて生き抜いていく、そんなたくましい生き方も良いでしょう。
中国史上もっともドラマティックな時代、三国志は曹操がいたからこそ始まったのです。彼は主を裏切った逆臣としても有名ですが、政治家・詩人としても活躍しました。名族出身でもない彼が時代をかき回していく姿……、現代人をも引き付ける人物を描いた名作です。
- 著者
- 竹田 晃
- 出版日
多彩な曹操を将軍や政治家、詩人といったそれぞれの方面から描き、どんな魅力が彼にはあるのか、そんなことを教えてくれる一冊です。
中国では曹操というと悪人の代名詞に使われることもあるのだそうです。現代社会にも犯罪はやはり存在します。しかし、そんな犯罪者たちを偏った眼鏡だけで見るのは本当に正しいのでしょうか。曹操にも、彼らにも、その結果に至る過程が必ずあります。そして、必ずしも彼ら個人が悪いわけではないのです。曹操という一人の人物の裏の顔と表の顔、また才能を発揮する一面を通して、今までの偏見を考え直してみませんか。
センスある軍事力・政治構想力を発揮しているにもかかわらず、中国でも嫌われものとして有名な曹操。三国志内で描かれる曹孟徳=悪、劉玄徳=善という構図は実際、正しいのでしょうか。この本では彼の表の顔、裏の顔に迫ります。三国志ファン必見の1冊です。
- 著者
- 中村 愿
- 出版日
表の顔と裏の顔、実際にはどんなことを彼は行ったのでしょうか。本書にはそれが詳しく書いてあります。三国志ファン必見の本であり、曹操とはどんな人だったのだろう、善悪の顔をどうして持つようになったのだろうと興味がある人にもオススメしたい一冊です。
偏った考えをもっていることにまだ気づいていないことが誰にでもあると思います。この本を読むことでまた世界が広がるかもしれませんね。温故知新、歴史に学びましょう。
後漢末期、群雄割拠の戦を勝ち抜き、黄河流域にて最大勢力を作り上げた曹操は魏国の祖になりました。彼が魏の国を作り上げた後、黄巾の乱を平定させ、劉備・孫権と赤壁で戦った、将軍としての顔、戦乱の世を生き抜いた英雄の真実を描いた伝記です。
- 著者
- 守屋 洋
- 出版日
三国志といえば赤壁の戦い、といっても過言ではないでしょう。中国史上最もドラマティックな時代の、最も盛り上がっていたときのことを曹操の伝記として、彼を中心に描いた本です。
戦乱というと豪快なイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、サッカーやバレーボールのように戦略を立てて、どのように攻めるのかを考えることも軍事力と同じくらい重要なのです。
将軍同士の駆け引き、騙し合いの中で繰り広げられるドラマを、ゆっくりゆっくり読みながら体験してみてください。英雄、曹操の一面を描いたドラマティックな伝記です。
いかがでしょうか。表と裏の顔、賛否両論の中で生きた曹操のドラマティックな人生から現代社会を強く生き抜く姿勢を学びませんか。彼のたくましさを一緒に感じてみましょう。