毛沢東にまつわる逸話7選!文化大革命を起こした中国の大物政治家

更新:2021.11.8

中華人民共和国を成立させ、その最高権力者として長きにわたり中国政治を支配し続けた毛沢東。彼にまつわる事実を、おすすめの本とともにご紹介します。

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毛沢東とは

毛沢東は1893年に中国の湖南省で生まれ、中華人民共和国を建国し、最高指導者を務めた人物です。

最初の仕事は教師でしたが政治活動にも従事し、1921年の第1回共産党大会に創立メンバーとして出席すると、国共内戦や日中戦争を戦うなかで党内での権力闘争にも打ち勝ち、指導者としての実権を獲得していきました。

蒋介石率いる国民党軍を台湾に追いやった毛沢東は1949年、中華人民共和国の樹立を宣言します。その後、大躍進政策の歴史的失敗により実権を失いますが、文化大革命を引き起こして権力を奪還しました。

晩年はニクソン大統領や田中角栄首相との会談を実現し、社会主義国家でありながら西側との関係を修復していきました。

1976年9月9日、82歳でこの世を去りました。

毛沢東にまつわる逸話7つ!

1:歯を磨かなかった

彼が語ったとされる言葉に、「虎が自ら牙を研ぐことがあるだろうか?」というものがあります。それほど歯磨きという習慣を嫌っていたようで、歯周病にかかっても生活を変えることがなく、ひどい口臭がしていたといいます。

2:夜型の生活習慣だった

中国共産党の初期には各地に潜伏し、ゲリラ戦を仕掛ける日々が続いていました。そのなかで昼に寝て夜間に活動するようになったのですが、彼は中華人民共和国が成立してからも、生活時間を夜型から戻すことはありませんでした。そのため部下にも夜に仕事をすることを強いただけでなく、外国の要人との会談も夜間に行われることがありました。

3:雀を嫌い、絶滅させたがっていた

夜型の生活を続ける彼にとって、昼間にうるさく鳴く雀の存在は邪魔に映りました。彼は雀を激しく憎み、幹部職員に1日何羽の雀を捕まえるかノルマを課したり、北京のすべての小中学校に雀の捕獲を命じたりしました。結果、年間で11億羽もの雀が処分されてしまいました。

4:水泳が得意だった

スポーツの中でも水泳を愛好し、大学施設のプールに通っている姿なども見られました。ソビエト連邦の指導者だったフルチショフをプールに誘い出し、泳げないフルシチョフをからかったというエピソードも残されています。

5:日本軍との戦争には本気を出さなかった

日中戦争において、共産党は国民党と協力体制を敷いていました。しかしそれは表向きだけで、実際には日本軍との戦闘を国民党軍にやらせて、共産党軍の戦力を保存することを狙っていたのです。それはその後の国共内戦で、共産党が主導権を握っていくことにつながりました。

6:つぎはぎだらけのガウンを愛用していた

彼は衛生観念に乏しく、着るものにも関心を持たなかったといいます。同じガウンを何年も着続け、ほつれてくると補修させてまた使ったため、次第につぎはぎだらけになってしまいましたが、本人はそれを気にせずむしろ愛着をもって着用していました。

7:『毛主席語録』の発行部数は最大65億部

文化大革命期に大量に印刷されて共産党員に配布された『毛主席語録』は、文革の終結後も各地の土産物業者によって複製が作られ続けました。そのため正確な数字は分かっていないのですが、一説には世界で65億部が発行されたとも言われており、キリスト教の聖書に継ぐベストセラーとなっています。

敵国をも利用し尽くした謀略家

本書は日中戦争期、国共合作のなかで毛沢東が行ったとされる知られざる行為について取り上げています。

これによると、国民党を弱体化させるために、戦争相手であるはずの日本に対して国民党軍の情報を売り渡し、情報料も得ていました。さらには共産党単独で日本と停戦することさえ画策していたといいます。 

著者
遠藤 誉
出版日
2015-11-13

この本で、中国大陸で覇権を握るために日本軍さえも利用し尽くそうとした、稀代の謀略家としての毛沢東の一面を見ることができるでしょう。

中国を守るために戦っているふりをしながら実は日本軍と内通していたとなると、中国政府が国民に植え付けたいはずの民族意識からすれば、非常に都合の悪い不名誉な事実です。

ですが中国という国を公正に評価するために必要な情報でもありますし、新たな発見があるという点でも面白くお読み頂けるのではないかと思います。

毛沢東の異常な内面を暴露する

かつて毛沢東の主治医を20年以上にわたり務めていた李志綏という人物が見た、彼が送っていた日々の生活の様子をまとめたのが本書になります。同時に彼が直面していた政治情勢や、女性関係などについても書かれています。

なお著者はこの本が発表されてから3ヶ月後に、アメリカにあった自宅の浴室で死亡しているのが見つかりました。

著者
李 志綏
出版日
1996-12-01

毛沢東という人物、そして中国共産党の内側が、グロテスクなまでに書き表されている本です。

国民に平等主義や倹約の美徳を説く一方で自分は贅沢の限りを尽くし、愛ではなく自分にとっての利用価値の有無で人間を判断し、自らの失政を決して認めようとせず部下に責任を押し付けた毛沢東。

本書で描かれている毛沢東は異常な人物ですが、しかしながら彼が作り上げた権力システムがいまだに中国の政治を規定していることを考えると、現代中国を理解するうえで本書は有用なのではないでしょうか。

文化大革命のさなかに起こった虐殺の真相

文化大革命のさなかに起こったとされる8つの虐殺事件について取り上げた本です。

当時の中国でどういった人々が、なぜお互いに憎しみ合い、粛清や虐殺が頻発することになったのか、そのあまりにも残酷な実態を明らかにしていきます。

著者
出版日
2006-01-01

文化大革命の基本的な構造は、毛沢東を信奉する「紅衛兵」の集団が、彼の思想に沿わないとされ「走資派」「修正主義者」というレッテルを貼られた人々を弾圧するというものです。

その中で数多くの虐殺事件が起きていたというのが本書の指摘する事実で、階級闘争の構造に仕立て上げたうえで憎悪に火をつけたり、それを権力側が情報操作して仕向けていたりといったことが明るみに出されています。

ここに書かれていることが真実だとするならば、毛沢東は権力保持のために進んで自国民に殺し合いをさせた、恐るべき暴君だということになります。

かつて隣国でこのようなことが起きていたということに、私たち日本人も関心をもってしかるべきではないでしょうか。

毛沢東が開発した、権力維持装置

中国共産党のある古参幹部が、毛沢東が行ってきたことについて語った本です。

中華人民共和国が成立する以前の時代から彼が用いていた統治システム、とくに組織全体が自分に対して忠誠心を抱くように仕向けた仕組みについても解説されています。

著者
北海 閑人
出版日
2005-09-25

本書の見どころは、いかにして毛沢東が自らの権力を保持するための仕組みを作り上げたのか、というところにあります。

国民同士そして共産党幹部同士でお互いを監視させ、反乱分子を摘発するシステムは、中国共産党の黎明期から彼が使い続けていたものでした。

それが批判を一切受け入れない政治につながり、結果として数々の失政を招き、巻き返しをはかるための権力闘争と殺し合い、といった悲惨な歴史へと導くのです。

権力の使いみちを誤るとどういうことが起こるのか、それを学び取るうえでも貴重な証言だと思います。

いかがでしたか。毛沢東について知れば知るほど、得体の知れない怪人物だと思えてきてしまいますね。毛沢東から得る教訓も大きいものがありますので、ぜひ学び取ってほしいと思います。

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