漫画『進撃の巨人』のアニを23巻まで徹底考察!【ネタバレ注意】

更新:2021.11.25

斬新な設定と複雑な伏線で人気を博している『進撃の巨人』。個性的なキャラクターも人気の一因です。序盤にて、世界の謎に迫るきっかけとなった「女型の巨人」になることができるアニ・レオンハート。今回はこの重要キャラクターを考察してみます。

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アニ・レオンハートとは

アニ・レオンハートは、『進撃の巨人』の主要キャラクターの1人です。主人公・エレンとは訓練生時代の同期。高い戦闘力を有し、兵士としても優秀な人物で、訓練生時代には優秀生として「憲兵団」「駐屯兵団」「調査兵団」のうちから、所属する兵団の優先選択権を獲得していました。

エレンたちと違い、兵役に対して達観しており、仲の良い同期の大半が「調査兵団」への所属を希望した中で、彼女は壁内での公安を主にする一番安全な「憲兵団」に所属します。

このことからは「冷たい人物」という印象を受けられますが、エレンに自身の格闘技術を褒められた際は喜ぶような仕草を見せたり、自ら進んで(というより強制的に)エレンに格闘技の基礎を教えたりと、自分から仲間に関わる様子も見せました。

しかし、その実態は調査兵団の団員を大量殺戮した「女型の巨人」の正体であり、壁の外にある国である「マーレ国」の軍に所属する戦士だったのです。

著者
諫山 創
出版日
2017-04-07

女型の巨人として、自身の表皮を硬化させる「硬化の力」や、周辺の巨人に命令を下せる「叫びの力」などの能力をいくつも披露し、なにより「エレン以外にも知性を持つ巨人が存在する」という重要な事実を明確にした人物です。また、「巨人化は熟練度によって使用できる能力が複数ある」という可能性も、彼女の存在によって浮上しました。
 

同門であるライナーやベルトルトと共に、マーレ国からのスパイ的な役割を担って壁内に侵入しており、その目的の一つは、「始祖の巨人」「進撃の巨人」「獣の巨人」「鎧の巨人」「女型の巨人」「超大型の巨人」「顎の巨人」「車力の巨人」(最後の一つは、2017年現在は不明)など、それぞれの力を持つ「9つの巨人」の奪還だったようです。

作中で彼女がエレンを拉致しようとしたのは、9つの巨人のひとつ「進撃の巨人」の能力を、彼が継承していたからでした。調査兵団の壁外調査中を襲い、一度はエレンを捕獲しますが、ミカサとリヴァイ、そして調査兵団の策略とによって阻止され、未遂に終わります。この時にいくつかの痕跡を残してしまったことから、正体がバレてしまったのです。

考察1:今後物語でどう関わってくるのか?

考察1:今後物語でどう関わってくるのか?

出典:『進撃の巨人』8巻

エレンを捕獲するために、調査兵団を壊滅状態にまで追い込んだアニ。

女型の巨人であることを暴かれた彼女は、エレンやミカサ、アルミンの目の前で巨人化し、強行突破を試みます。しかしアルミンの作戦で調査兵団によって逆に捕獲されることになり、調査兵団によって拘束され地下に収容されることとなりました。

しかし彼女は捕らえられる直前に自身の体を、傷一つつけられないほど強固な水晶体で覆い眠りについたため、兵団側は彼女に対し尋問も拷問もできない状態。そのため処遇を保留にされたきり、最新23巻まで彼女のその後は不明のままです。ちなみに、彼女がなぜ水晶化できたのかも、ここまでではわかりません。

当時、硬化能力を使えるのがアニだけだったため、巨人として熟練した後に使えるようになる応用技ではないか?と噂されましたが、その能力に関しては、同じマーレ国からの戦士であり、鎧の巨人の力を持つライナーも知らなかった様子。また、ライナーやベルトルトが、「アニが拷問されている」というアルミンの嘘に気づかなかったため、全ての巨人が所有しているわけでも、ポピュラーな能力でもないようです。

考察2:父親の謎

考察2:父親の謎

出典:『進撃の巨人』4巻

過去の回想として、アニと父親のやりとりが描かれたことがありましたが、そのシーンも多くの謎を残しています。人間のままでも高い戦闘力を誇る彼女。特有の武術を連想させるその力は、彼女の父親に教え込まれたものなのだそうです。

訓練生時代に「104期最強」と評されていたミカサと、訓練の一環として(しかしこの時、エレンを痛めつけられたミカサの目は本気)組手をするために向かい合ったことがありましたが、惜しくもその対戦が実現することはありませんでした。

マーレ側にはミカサを含む「アッカーマン一族」の戦闘力が異常に高いことは周知されているようでしたが、彼女は少なくとも、そんなミカサと互角に近い戦いができる自信があったのではないでしょうか?単純に一般人レベルで戦闘力が高いだけなのではなく、アッカーマン一族と同様に特殊な血筋である可能性も考えられます。

他には、アニが訓練生時代にエレンへ語っていた「父は現実離れした理想を持っていた」というセリフ。その「理想」の内容については一切語られていないあたり、とても思わせぶりです。現在壁内にいるとされる「始祖の巨人」の力の持ち主を拉致する「始祖奪還計画」だけなら、作戦によっては決して現実離れしてはいません。

このように、まだ明かされていないいくつもの重要情報を抱えたまま、「死亡」ではなく「眠り」についた彼女には、物語への再登場、再活躍が期待できます。

 

考察3:王家説はなし!

考察3:王家説はなし!

出典:『進撃の巨人』7巻

女型の巨人は「叫びの力」という、知性が無いとされる巨人を操作する力を披露しました。

大きな叫び声をあげることで発動するようですが、この声を聞いた全ての巨人が命令に従うのか、それとも命令できる巨人にも種類があるのか、詳細は定かではありません。

当時は巨人の能力の一つとしてしか認識されていませんでしたが、物語がすすむにつれ、この巨人を操る能力が「王家の持つ最重要の力」であるということが判明します。そのため「アニも王家なのでは?」という考察が様々な場所でされてきました。

アニが使用した際この力は、周辺にいた全ての巨人に作用しており、「知性の無い巨人ならば操れる」と思われていましたが、アニが所属しているマーレ軍の戦士長にして、「獣の巨人」の力を有するジークもこの「叫びの力」を使うことができ、また彼の場合は「自分の脊髄液を投与した者のみに作用する」という条件がありました。ちなみに、ジーク以前の獣の巨人には、この力がなかったようです。

このことから「硬化の力」「叫びの力」などは、巨人としての練度又は「脊髄液の投与」などの外的な要因によって身に付けることができる「共通の能力」であるということ。しかし共通の力ではありつつも、それぞれの巨人が何がしかの能力に特化している、ということが考えられます。

つまり、女型の巨人は「叫びの力」に特化しているのではないでしょうか?アニは王家だから叫びの力を使えたのではなく、ジークやエレンが使った「叫びの力」の方が例外であり、本来は女型の巨人の専売特許だった可能性が高いのです。

 

著者
諫山 創
出版日

いかがだったでしょうか。アニはいくつもの伏線を抱えたまま、死亡ではなくあえて眠りにつかされている為、再登場、再活躍することに期待できます。

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