深田久弥の著書おすすめ5選!『日本百名山』で有名な登山家

更新:2017.8.17

深田久弥は日本を代表する山岳関連の小説家・随筆家として有名です。全国に登山ムーブメントを巻き起こした名作『日本百名山』から、山のすばらしさと恐ろしさを壮大なスケールで描く『ヒマラヤ登攀史』まで、山を愛する人なら必読の本5作品をご紹介します。

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深田久弥とは

深田久弥は、日本を代表する登山家であると同時に、山に関する書籍を多く残した小説家です。1903年に生まれ、中学時代に親しんだ山岳部の活動が後の執筆活動に大きな影響を及ぼします。

東京大学に進学した深田でしたが、執筆した小説が話題となっており、大学を中退して小説執筆に励みました。しかし、実はこの頃発表していた作品は結婚した女性の創り上げた小説からアイディアをもらったものばかりだったそうで、深田はしばらくして山に関する文章を多く書くようになっていきます。

日本山岳会に参加したのち、名著『日本百名山』を執筆し、山に関わる小説家としての名を轟かせます。以降、国内外の山々を自ら描くとともに、海外の山岳関連の書籍の翻訳など多岐にわたる活動を行いました。登山中に脳卒中で命を絶つまで、登山への愛に生きた小説家です。

山が息づく登山のバイブル、深田久弥の代表作

深田久弥は様々な山に関わる本を執筆しましたが、その中でも登山家のバイブルと呼ばれる一冊が本書です。国内の山という山を登り続けた深田久弥が選び抜いた100の山が紹介されています。

深田久弥は「品格、歴史、個性」という3要素から山をとらえており、山々の個性をまるで人を描くかのように書きました。深田の登った山は北海道から屋久島まで、まさに日本を縦断しています。そこでは日本古来の文化や歴史を垣間見ることができたのでしょう。

登山入門書の傑作として登山家に愛され、発刊から50年以上経った今もなお、右に出る本はなしと言われる山についてのバイブルです。

著者
深田 久弥
出版日

深田久弥の代表作にして、最も多くのファンに愛された登山の必読書です。本書は本としてだけでなく、本書で紹介された山を訪ねるシリーズ番組ともなりました。

登山ブームは幾度かありましたが、そもそも登山というものを一般人に説いたのは本書が初めてと言われています。本書が話題となったことにより、中高年の間で登山ブームが巻き起こり、現在も老後の楽しみとして登山を楽しむ人は多くいます。

特徴は、山への愛ゆえにできるであろう表現力です。まるで山が生き物であるかのような文章と、壮大さを想像できる語彙力が光ります。

ヒマラヤ登頂の夢を描いた傑作

深田久弥は画家、写真家、医者などとチームを組み、1958年ヒマラヤに登ることを決意しました。本書では、ヒマラヤへ思いを馳せていた準備期間から、実際の登頂、そして帰ってからの振り返りまでを綴っています。

深田率いる登山チームは、なんと平均47歳。今でこそヒマラヤ登頂はニュースなどで見かける話題となりましたが、当時日本からヒマラヤ登頂を志す人はいませんでした。前代未聞の挑戦ともあり、登頂準備はもちろん、現地についてからの高山病などの多くに対して深田久弥たちは未知でした。壮大な夢を実現するまでの全てを書き綴った一冊です。

著者
深田 久弥
出版日

深田久弥にとって、ヒマラヤは憧れであり、夢であったと言います。国内の山ほぼすべてといっても過言ではないほどの登頂をしてきた深田ですが、海外の山は当時まさに雲の上の存在でした。

それを実現させるに至ったのは戦後です。年齢的にも体力的にも難しいと誰もが思ったこの夢を実現に導いたのは、彼の山に対する愛情と執念だったのでしょう。いかなる苦労を経て彼がヒマラヤへ挑戦したかが克明に綴られています。

本書は、「できないことはない」と私たちの背中を押してくれるような一冊です。どんな夢も無理だと諦めたらそれまで、と結果とともに伝えてくれている先人の努力を読める貴重な本と言えます。

暖かい気持ちになれる、深田久弥の山岳紀行

深田久弥の著書では『日本百名山』が最も多くの読者に読まれているため、ストイックに山と向かい合っていた印象が強くあると思います。実は深田は厳格な登山だけでなく、山と愛であうような登山も楽しんでいました。

本書は、『日本百名山』執筆中に深田が家族や友とともに訪れた山について描いた作品です。旅行記であり、特別な想いを抱く山のエピソード紹介でもあります。山や身近な人に対する深田久弥の熱い気持ちがひしひしと伝わってくる、そんな淡々とした文章が魅力です。

『日本百名山』と表裏を成すような一冊であり、深田久弥の人柄や周囲との関わりなども感じ取れる暖かい気持ちになれる山岳紀行となっています。

著者
深田 久弥
出版日
2011-05-23

『日本百名山』のプロトタイプとなったと言われている本作は、登山マニアの間では大変人気の一冊です。紹介されている山の数は少なく、雨飾山、皇海山、羅臼岳など約二十の山々について描かれています。

山を主軸にはしているのですが、共に連れ立った家族や友についての描写も多く、深田久弥の人間らしい一面を垣間見ることができます。深田久弥は本書を執筆中すでに五十代になっていましたから、まさに趣味の領域でのんびりと登山を楽しむという心意気になっていたのでしょう。

山に対する感情の変化と、深田久弥の観察眼の豊かさを感じることができます。登山好きの方はぜひチェックしてみてください。

未知の山へ挑む壮大な記録

ヒマラヤは「世界の屋根」と呼ばれ、多くの人々を魅了し続けてきました。一方、そこに登るという選択は困難を極めることが一見してわかるうえに、神の領域とされてきました。

本書は有名な登山家マロリーの「そこに山があるから」登るという名言に端を発し、ヒマラヤの魅力と壮大な登山記録を描きます。ちなみにマロリーは、エベレスト登頂の途中行方不明になりました。

山に憧れを抱き、ただひたすらに登ることに夢を描いた先人の登山家たちの記録。誰も登ったことのない場所へ登ること、それが登山家の醍醐味だと本書は語っているのです。

著者
深田 久弥
出版日
2002-06-12

「ヒマラヤの8000m超えの登山史」として名高い一冊です。膨大な量の関連文献から精密に描かれた登山の工程と歴史は、資料文献としても読む価値があります。

登山の魅力を一般人に広めたのも深田久弥の功績ですが、登山家として「未知なる山への憧憬がいかに凄まじいエネルギーを持つか」を描いたことも重要だと言えます。登山は自然との触れ合いや休息という表と、未知や命の危険性さえはらんだ場所であるという裏を併せ持つ行為なのです。

山の魅力にとりつかれた者を描く物語は、その後多くの小説家に描かれ映画などにもなっていますが、その起点となったのが本書だと言えます。

まだ日本には魅力的な山がある、深田久弥ファンが待望した一冊

『日本百名山』で登山書の一代を築いた深田久弥の、まだ国内の山の魅力を描き切っていないという思いから書かれたのが本書。「それらの山を眺めただけで、実際に登っていないという理由で除外したことは、それらの山に対して申しわけない」と語っていた深田が、改めてその山々について紹介した一冊です。

50の名山は北から南まで全国に渡っています。その土地ごとの歴史や山の名前の由来などにも触れ、山の知識のある読者でも楽しめるような小さいネタがたくさん盛り込まれています。

著者
深田 久弥
出版日

本書は深田久弥の没後に発売された本です。

『日本百名山』が大ヒットしたのち、日本山岳会が新たに二百山を追加して「日本三百名山」を発表したり、日本百名山を巡るテレビ番組が放送されたりと、登山を愛する人々は深田久弥の想いを受け継ぎました。深田が没してなお発売された本書もその流れにあります。

『日本百名山』完登を成し遂げた深田久弥ファンの登山家たちは、きっとこの本を待ちわびていたことでしょう。ここに登場する山に登ってこそ完登。趣深い山の世界の更なる魅力が楽しめる一冊です。

深田久弥は山を文章に表すことにかけて日本一といっても過言ではない小説家です。山が好きな人、これから登山を楽しみたい人はぜひ深田の作品で山の魅力を存分に楽しんでみてください。

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