連載開始から20数年……その間、常に「最強」を問い続けた不朽の格闘漫画「バキ」シリーズ。今回はシリーズ内から限りなく最強に近い男達を厳選し、彼らを紹介すると共に心に響く名言をお届けします。
人として、男として生まれたからには、避けては通れない命題があります。誰もが1度は夢見てしまう、それは……この地上で最も強い存在になるということ。
「最強」をテーマにしたシリーズの第1部、『グラップラー刃牙』の連載は1991年に開始しました。それ以来、「バキ」シリーズは作者板垣恵介の手によって、今日に至るまで断続的に発表されています。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
本作の内容は単純明快で、ただ強さを追求するというもの。主人公の範馬刃牙(はんまばき)をはじめとする腕自慢達が、自己の優位を競うために闘って、闘って、闘い続けます。そこには基本的にルールはありません。武器の使用以外はなんでもありの異種格闘技です。
特徴的なのは、格闘技経験者らしい板垣による独特な表現。ぶつかり合う肉体の凄まじさは圧巻です。メジャーな格闘技よりもマイナーな格闘技にスポットが当たりやすく、未知であるがゆえの驚きがあります。
さらに見どころなのが、作中で時々語られるまったく素人の一般人によるモノローグ。回想の形で語られますが、それが一見無茶な理論と展開に奇妙な説得力を与えます。
「バキ」シリーズの魅力はひとえに、男達の終わりなき闘争本能を描くところにあると言っても良いでしょう。過度な誇張表現による笑いや、異様に美味しそうな食事風景にも定評があります。
一般社会には知られていない、暴力だけが全ての裏側の世界がありました。「最強」という名誉のためだけに日夜闘いがくり返される男の世界です。
主人公の刃牙は、そんな過酷な世界に身を置く少年。彼の父親である範馬勇次郎は、この世で最も最強を体現する「地上最強の生物」と呼ばれる存在で、そんな強さを誇る範馬の血が、刃牙を常に闘争へと導きます。
東京ドーム地下闘技場で始まった闘いは、そのスケールと規模をどんどんアップして行きます。場所も人種もルールも、そして年齢さえも問わない、ただ純粋な強さを求める男達の物語です。
「バキ」シリーズについては、<漫画「刃牙」の魅力全編ネタバレ紹介!最強キャラランキング、死刑囚編紹介も>の記事で紹介しています。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2012-10-05
範馬刃牙の父親は「地上最強の生物」範馬勇次郎。身長こそ平均的なレベルですが、非常に逞しい肉体を持った少年です。勇次郎の方針で幼少期から尋常ではないトレーニングをくり返して成長し、そのため父親には並々ならぬ愛憎を抱いています。
この物語は彼と勇次郎の壮大な親子喧嘩と言っても過言ではありません。当初は勇次郎に対する復讐心から闘いに臨んでいましたが、やがてその心境は変化していきます。
戦闘スタイルは我流総合格闘技。対戦相手に合わせてスタイルを変える、変幻自在の戦闘が魅力です。空手や柔術を使いこなし、果ては金的も平気で責める何でも屋。彼にとっては闘争に関するあらゆる物事が師となっています。
「男子(おとこ)はね――誰でも一生のうち1回は地上最強ってのを夢みる」(『グラップラー刃牙』より引用)
最大トーナメント編の1回戦、作中屈指の巨人レスラーであるアンドレアス・リーガンとの試合を終えた後の台詞です。彼の心情を吐露したこの言葉が、作品のテーマを物語っています。
ただ、後に刃牙の目指す「最強」とは勇次郎その人であることが示唆され、彼さえ倒せればそれで良いとも語っています。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2012-12-07
そのあまりの強さゆえに付けられた渾名が「武神」「人食いオロチ」「虎殺し」……など。数々の異名を誇るのが、この愚地独歩(おろちどっぽ)という空手家です。初登場時は55歳という年齢でしたが、弛まぬ鍛錬の成果で大柄の体を常に維持しています。世界最大規模の空手団体、神心会の総帥にして未だ現役。
何に対しても動じず、めげず、恐れずで、まさしく武人という言葉がぴったり来るキャラです。厳つい見た目に反して茶目っ気のあるひょうきんな性格をしており、その辺りは人心掌握が必要な組織の長としての素質の現れでしょうか。シリーズ序盤から人気でレギュラー出演しています。
神心会空手、すなわち愚地流空手の使い手で、愚直なまでに重ね続けた鍛錬による技の冴えは、作中でも1、2を争う凄まじさ。極限まで鍛えた拳は刃物に勝る切れ味を持ち、生身の全身が凶器という、まさに空手の正道です。かと思えば、奇襲騙し討ち上等という老獪な一面も併せ持っており、ひと癖もふた癖もある人物です。
「オレの空手は後退のネジをはずしてあるんだよ……」(『グラップラー刃牙』より引用)
独歩ほどの男になれば名言は数多くありますが、なかでも印象的なのはこちら。序盤、地下闘技場における夢のマッチとして成立した「武神」独歩対「地上最強の生物」範馬勇次郎の闘いで、不穏な気配を発しながら近寄る勇次郎に対して、己の姿勢を崩さなかった時に放った台詞です。
闘いに貪欲であり、かつ自分の強さに確固たる自信を持った彼ならではの名言と言えるでしょう。スピンオフ漫画『バキ外伝 拳刃』では、ありし日の彼が主人公となっています。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2013-02-08
強さとは肉体の強弱に起因するもので、だからこそ本作に登場するほとんどの格闘家は筋骨隆々の姿で描かれます。ところが彼は違いました。最大トーナメント編にて、作中では例外的に細身の枯れた老人として姿を見せます。渋川剛気(しぶかわごうき)、御年75歳です。
整った所作には高齢の威厳を感じさせるものの、野暮ったい眼鏡やよれよれの胴着からはとても強者には見えません。しかしその正体は、愚地をはじめとする多くの武道家から敬意を払われる達人中の達人。「武の体現者」とも呼ばれ、筋力には頼らない技で闘います。
渋川流合気柔術の使い手で、実戦で使う者は極めてまれという、いわゆる合気道の名人です。その本質は護身。闘う技ではなく自己を守る技術で、そこに必要なのは力ではなく、受け流し、相手の力を相手に返すこと。直接ぶつからずに間接や急所を的確に突く様は、「柔よく剛を制す」を精神論ではなく、実戦で示すまさに絶技とも言えます。
「長生きした分、コンマ1ミリだけワシが上かな」(『グラップラー刃牙』より引用)
対戦相手は愚地独歩という、まさしく達人同士の極限の闘いを制した際に渋川が言い放った言葉です。痩せて枯れて、細木のようになっても、その内に秘めた闘争心で独歩を打ち負かした渋川。彼もまた生涯強さを追い続ける闘士です。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2008-03-07
あの独歩から「生きる伝説」などと呼ばれ、鳴り物入りで登場した実戦柔術家が、本部以蔵(もとべいぞう)です。残念ながら初登場のインパクト以来、長らくパッとしなかった不遇のキャラでもあります。
初期の地下闘技場、最大トーナメントでは強さとは違った意味で活躍しました。それは、武術に対する恐ろしく深い造詣と、それに基づいた巧みな説明――つまりは、ほとんどなんでも知ってる便利な解説役です。試合ではある意味、実況者以上に実況をしていました。
どの流派にも所属せず、独自に超実戦本部流柔術を編み出した鬼才……なのですが、似たような技を用いる渋川に完全に立ち位置を食われてしまっています。下馬評は高いのに結果を出したことがない不運な男です。
しかし一時期ファンに共通していた、本部は解説の出来るネタキャラ……という認識は、実は誤り。彼の真価は、無手での試合では絶対に発揮出来ない類いのものだったのです。本部の超実戦柔術はルール無用、武器あり、障害物ありの状態で環境全てを利用した本当の意味でなんでもありの実戦においてのみ発揮されます。
その実力の一端は第2部の「最凶死刑囚編」で明かされ、また『刃牙道』では現時点の最強候補を下すほどの超大活躍をしてみせました。
「わたし以外におらんのですよ。仲間達(とも)を武蔵から守護(まも)れるのは!」(『刃牙道』より引用)
あまりにも強すぎる武蔵という強敵から、刃牙や、よりによって勇次郎を守ると徳川光成に宣言した台詞。これによって「刃牙道」における彼の立ち位置が決定づけられました。
愛されるネタキャラから、意外な強キャラとなってしまった本部。いや、本部が強くて何が悪い!
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2013-01-08
本名、烈永周(れつえいしゅう)、またの名を烈海王(かいおう)と言います。中国武術界最高峰の「海王」の称号を持つ拳法家にして、「魔拳」とも恐れられる天才です。
初登場は多くのレギュラーキャラと同じく最大トーナメント編。「最強」を謳う地下闘技場の催しにおいて、中国武術の絶大な優位性を示すために遣わされたようです。言わば刺客だけあって、その実力は折り紙付き。抜群の格闘センスを持っており、中国拳法以外の武術もマスターしています。
当初は鼻持ちならないエリート意識を滲ませる言動をくり返していましたが、刃牙と拳を交え、彼に負けたことで考えを改めました。丸くなった烈海王は、本部とは違って意味でファンから愛されるキャラで、女性の少ない本作ではちょっとしたヒロイン格にあります。
戦闘スタイルは白林寺で修めた中国拳法。単純な基本から、高度な技まで身に付けた完成度の高い武人です。「海王」の名に恥じない超絶技巧を揮い、強靱な肉体と合わせて考えると、彼に敵う人間は数えるほどしかいないでしょう。ある意味では、遊びの少ない独歩、と言えるかもしれません。
「キサマ等のいる場所は既に――我々が2000年前に通過した場所だッッッ」(『グラップラー刃牙』より引用)
最大トーナメント3回戦、独歩の養子である愚地克巳の技を見て激昂したひと言です。「空手界の最終兵器」克己による、空手を極めた最新にして最強の技であるマッハ突き。日本空手の最新の技は、中国拳法にとって遠い過去であるという衝撃の宣言でした。中国武術の偉大さ、そしてそれへの矜持を感じさせる烈海王の名言と言えます。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2008-10-08
通常、トレーニングとは己の体を壊さない範囲で徐々に積み重ねるものです。ところがジャック・ハンマーは違います。彼は自分の体を労らず、むしろ壊しながら鍛え上げた強者なのです。
今でこそ作中トップクラスの大柄な体格ですが、以前は幽鬼のごとき貧相な肉体をしていました。近代運動生理学のセオリーを完全に無視した過剰トレーニングが、ジャックの体を強くするどころか衰えさせていたのです。そのままではその努力は無為と消えていたでしょうが、幸か不幸か、彼は人体改造の専門家であるジョン博士と出会いました。
人体の限界を大幅に超えたステロイドなどの薬物摂取によって、彼のオーバーワークに体が耐えられるようになり、見る間に強靱な肉体へと変化していったのです。
ジャックの己を省みない異常なまでの強さへの渇望は、出自に原因を求めることができます。彼の本名はジャック範馬。範馬勇次郎が、カナダ国籍のジャックの母ダイアンに無理矢理乱暴したことで生まれた子なのです。つまり、ジャックは刃牙の兄に当たる異母兄弟。戦士だった母の無念を晴らすため、ジャックもまた刃牙と同じように勇次郎を超えることを目的としています。
彼の闘いは流派に所属しない自己流。技術を頼みとせず、鍛えに鍛え、ドーピングに次ぐドーピングによって肥大化した筋肉による圧倒的なパワーと、そこからくり出す喧嘩殺法です。
「日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体」(『グラップラー刃牙』より引用)
最大トーナメント決勝戦、弟の刃牙との熾烈な戦闘中に言い放った言葉です。医学薬学の常識を破り、自らの、そして人体の限界を超え、最強のためなら余命すらかなぐり捨てる断固たる決意。ジャックというキャラをひと言で表している名言でしょう。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2008-01-08
かつて人類は道具もなく、服もなく、その身ひとつで過酷な自然のなか生きていました。文明の発達によって確かに人類は進化しましたが、機械や道具に頼るようになったことで、身体能力の点では退化してしまったとも考えられます。もし、最も過酷な時代に生きていた戦士が現代世界に蘇ったとしたら……彼こそが地上最強になるのかもしれません。
その妄想が結実した存在が、ピクルです。1億9000万年前の地層から現代に蘇った野人で、岩塩層から発見されたことで塩漬けを意味するピクルと名付けられました。
言葉を持たず、ただ強者のみと闘う生粋の戦士です。彼にとって闘争とは生存そのもの。闘い、勝った相手だけを捕食します。
ピクルは現行人類を遥かに上回る、圧倒的なパワーで闘います。恐竜を素手で補食していたことから、腕力では勇次郎すら凌ぐかもしれません。まさに史上最強ですが、本能のみで行動するところが弱点と言えば弱点でしょう。
「喰らうことは別離(わか)れること。呪わしき運命(さだめ)」(『範馬刃牙』より引用)
彼は人語を話さないので名言ではありませんが、そのなかでも印象的なモノローグがこちら。ピクル自身が強敵と認めた相手、烈海王との死闘を経て、打ち倒した彼の肉体を食べるシーンです。ピクルにとって対等に渡り合える敵とは、友であると同時に貴重な食料源。涙を流しながらも食べずにいられない彼の姿に、一抹の人間性を感じさせる場面でした。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2013-05-08
烈海王をこの世に送り出した中国武術界の頂点に位置するのが、この郭海皇(かくかいおう)です。烈海王の師でもあり、高位の「海王」を凌ぐ「海皇」の称号を持つただ1人の人物で、御年なんと146歳。ぶっちぎりの最高齢キャラです。
見た目は皺だらけの小さな老人。力、つまり筋肉が重要視される作中において、渋川と同じく例外的な存在です。郭海皇の本質は、凶暴な力ではなく、純粋な知恵のみによって成立した技術の極地です。かつては彼もパワーに頼る武闘家でしたが、力に依らない「理」の概念を知ったことでそれを捨てました。
老齢特有の人格者のように思われますが、若き日の苛烈さは未だに健在で、目的のためには手段を選ばない狡猾さと、失敗を許さない容赦のなさがあります。
使うのはもちろん、中国拳法です。なかでもその技法の極地、全身を脱力し、究極のリラックス状態から自在に力の流れをコントロールする「消力(シャオリー)」という超人技を使います。攻守に優れた凄まじい技の威力は、暴力の権化である勇次郎との極限バトルで発揮されました。
「オーガよ。100年経ったらまた闘ろうや」(『範馬刃牙』より引用)
勇次郎との熾烈な闘い後のひと言です。どちらかの死でしか終わらない闘争を、意外な方法で締めた郭海皇。単純な力では真似できないことではありますが、これもまた武の誇る技ということでしょうか。長生きしているがゆえの悪知恵とも思えますが、ともかく郭海皇は、作中で勇次郎と闘って負けなかった唯一の強者です。
- 著者
- 板垣恵介
- 出版日
- 2017-06-08
日本史に名高い武人や武将は数あれど、この人を凌ぐ武名はそうそうありません。二天一流兵法の開祖、最強の剣士、宮本武蔵です。
当然、宮本武蔵は江戸時代の人物なので、どれだけ望もうが本来であれば彼と闘うことなど到底不可能。しかしそれを可能にしたのが大富豪の、徳川光成です。
地下闘技場を趣味で運営する格闘の好事家が、配下の科学者に命じて宮本武蔵のクローンを生み出しました。そしてそのクローンへ霊媒師の力で本人の魂を入れ込み……見事、宮本武蔵本人の復活と相成りました。肉体こそ復元されたクローンですが、記憶や魂は完全に本人です。
江戸時代の人物ながら非常に順応性が高く、現代にもすぐに馴染みました。偉大な剣豪ゆえの柔軟さでしょうか。飄々とした風体とは逆に、武士らしく礼節を重んじます。しかし、イメージされる宮本武蔵像よりはいくぶんフランクな性格です。
戦闘スタイルはもちろん刀。しかし無手でもその強さは変わりません。晩年に会得したという奥義「無刀」によって、刀を持つことなく、刀を使うのと同じレベルでの手刀攻撃が可能で、その鋭さは勇次郎に傷を負わせるほどです。シリーズ中の強者と手合わせし、そのほとんどを打ち倒して見せました。
「武というよりは舞、舞踊だな。しかしなぜ石や木を?」(『刃牙道』より引用)
光成邸を訪ねた愚地独歩が、武蔵の前でしてみせた演舞を評しての台詞です。現代の武闘家がどれだけ実戦指向であっても、それが例え独歩ほどの達人であっても、本当の生き死にを越えてきた剣士には薄っぺらいものであると看破したひと言。武蔵の底知れない強さを感じさせました。
- 著者
- 板垣 恵介
- 出版日
- 2006-04-07
シリーズを通して常に頂点に立ち、越えられない壁として全ての格闘家の前に立ち塞がり続けてきた存在です。その強さは大国の軍隊に匹敵する、まさにワンマンアーミー。この地球で彼より強いものはなく、ゆえに「地上最強の生物」と呼ばれる逸材が、範馬勇次郎です。自分が目に付けた強い者と対戦し、完膚なきまでに潰すのが好きという戦闘狂でもあります。
異常に発達した背中に浮かび上がる、鬼のように見える背筋をして付けられた異名が「オーガ」。まさにその異名の通り、人外の鬼のような強さを誇る最強の人物で、規格外の力を誇り、宇宙の膨張と同じ速度で成長し続けている、とも言われています。主人公の刃牙やジャックにとっては父親で、因縁の相手です。
戦闘スタイルは戦場格闘技。闘争本能を剥き出しにし、一撃必殺を乱打するなど、圧倒的な攻撃力が武器です。己のパワーのみを信じ、技術や工夫を弱者の小細工と傲慢に切って捨てます。それがまかり通ってしまう恐るべき実力の持ち主なのです。
しかし勇次郎が技を用いないかというと、そうではありません。圧倒的なパワーを持つため使う必要がないだけで、いくつもの格闘技を習得済み。それどころか、天才的な格闘センスをもって1度見ただけで至高の技術を盗むことすら可能なのです。長年、作中最強を張り続けているだけのことはあります。
そのため彼に勝つことは最強の称号を手に入れたのと同じこと。刃牙やジャックだけでなく、多くの格闘家にとって羨望の的であると同時に、1度は闘いたい相手でもあるのです。
「闘争とは力の解放だ。力みなくして解放のカタルシスはありえねェ……」(『バキ』より引用)
「中国大擂台賽編」の試合の大トリ、中国武術最強の郭海皇と「地上最強の生物」勇次郎の対戦にて、技術の粋を凝らした郭海皇の「消力」を見てのひと言です。技巧の極地といえる消力に対して、勇次郎は存在自体が真っ向から正反対の立場を取る暴力の極地。脱力からの攻撃では足りない、目一杯力の限り殴ることこそ至上、という勇次郎そのものを雄弁に語る名言と言えるでしょう。
いかがでしたか?「最強キャラ」と銘打ってご紹介してきましたが、まだまだ紹介しきれないキャラはたくさんいます。今回は泣く泣く10名に絞ってご紹介しました。本作における強さは、シリーズごとの展開や環境で大きく変動します。本記事における趣旨はあくまで独自に選出したキャラを紹介することにあり、そこには順位付けの意図はありませんのでご了承ください。