『七つの大罪』の傲慢の罪(ライオン・シン)エスカノールは、人間でありながら「十戒」のエスタロッサをも吹き飛ばしてしまう強大な魔力(技)の持ち主。未だ計り知れない彼の強さを、ネタバレで紹介していきます。
大罪メンバーのひとり、傲慢の罪(ライオン・シン)のエスカノール。最後に登場したメンバーで、人間でありながらも、メリオダスをも越える強大な魔力(技)で、「十戒」の行く手を阻んでいます。
いったい彼は何者なのでしょうか?これまでに明かされた情報を元に、闘級や強さ、神器などの詳細、また、彼の強さを示す名場面を紹介していきます。
「七つの大罪」や十戒についておさらいしておきたい方は<「七つの大罪」と「十戒」の強さを30巻までネタバレ考察!神器と闘級も紹介>の記事もあわせてご覧くさい。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2013-02-15
エスカノールは、「麗しき暴食亭」の店主であり、未知の魔力を持つ「七つの大罪」のひとりです。背中に大きな獅子の印があり、人間ながらも強大な魔力を操ります。
アニメの2期で登場するエスカノールの声を演じるのは杉田智和。『銀魂』の銀時や『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公を演じてきた超実力派声優です。
昼と夜で性格や力が逆転する二面性を持ったキャラクターをどのように演じてくれるのでしょうか?
ここでは、彼の闘級や魔力(技)、その強さなどを活躍場面から探ってみましょう。最新29巻のネタバレも含みます。まだ続きを読んでいない方はご注意ください。
【この記事で取りあげる主な内容】
エスカノールは大罪メンバーのなかでも、飛びぬけた強さを持つ人間です。印となる獅子が背中に描かれ、19巻でガランと対決した際、たたき出した闘級は5万を超えていました。
また、23巻で闘級6万のエスタロッサと互角に戦い、結果的に彼を突き飛ばしています。
さらに28巻では、メリオダスと対戦したとき、なんと闘級は11万4000!メリオダスが「エスカノールは俺より強い」と言うだけありますね。
さて、彼の強さの秘密は一体何なのでしょうか?29巻現在で明らかになっていることをまとめました。
彼の魔力は「太陽(サンシャイン)」。日の出と共に体が変化し始めて、徐々に力を増していき、正午にはピークを迎えます。彼にとって、マーリンは太陽そのもの。心に彼女を思い描くだけで、夜にもかかわらず昼間に発揮する力を得るシーンもみられました。
マーリンは彼の魔力を以下のように語っています。
「先天的に産まれついたものでありそれが呪いか加護か…詳細は分かっていない。その魔力は、あらゆる種族のものと異質、すべての生命の根源たる”太陽(サンシャイン)”」(『七つの大罪』外伝「エジンバラの吸血鬼」から引用)
しかし、唯一問題があるとも言っています。その問題というのは、マーリンが彼にあげた「眼鏡」がヒント。彼は「傲慢」となると、制御不能となり暴走してしまうので、それを抑制するために与えたのが眼鏡というわけです。
23巻でのエスタロッサとの戦いでは、暴走直前といった感じの顔つきで、これまでの「傲慢」よりさらに、力を増しているのが分かります。
一説によれば、彼には太陽神の力が宿っていると言われていますが、あの底知れない強さと、傲慢さからいうとまさに、「太陽神そのもの」と言っても過言ではありませんね。
29巻までに登場した技は以下の通りです。
・「無慈悲な太陽(クルーエル・サン)」
灼熱の太陽のような玉をぶつける技。闘級が上がるにつれて、玉のサイズも大きくなって行きます。
十戒のひとり、エスタロッサにとどめを刺したのもこの技でした。この対戦については、後ほど詳しくみていきましょう。
・「炸裂する傲慢(プライド・フレア)」
「無慈悲な太陽」を破裂させ、大爆発を起こす技。一瞬で湖を蒸発させてしまうほどの威力があります。
・「微塵切り(スーパースラッシュ)」
正午近くになり、闘級が11万4000に達したときにくり出された必殺技です。神器リッタを振り落とし、相手に猛撃します。
・「天上天下唯我独尊(ザ ワン)」
29巻で、魔の力に支配されているメリオダスと対戦したときにみせた、最強の瞬間。正午ぴったりに、1分間だけ「無敵の権化」となります。
・「聖剣エスカノール」
「天上天下唯我独尊」の状態のときにくり出した技。一見、手刀を切るだけの動作ですが、相手に多大なダメージを食らわせます。29巻で戦ったメリオダスは、この一撃で倒れてしまいました。
続々と集結したメンバーのなかで、一番最後に顔を合わせることになった彼の初登場はどんなシーンだったでしょうか?ここで、その場面をおさらいしておきましょう。
十戒のメラスキュラ、ガランと戦っていたバンたち。負傷しているバンとエレインを背負ってジェリコは隠れ場所になりそうな洞窟を見つけ、中に入っていきました。
奥の方に進むと、ほんのりとランタンが灯り、謎めいた扉が出現。OPENという札がかかっています。さらに扉には、「my sweet glutton」と書いてありました。gluttonは英語で「食いしん坊」という意味。
扉を開けてみると、そこは洞窟のひらけた場所を活用した酒場になっていました。カウンターにいたのは、1人でひっそりと酒場を営む細身のおじさん。傷だらけになって入ってきた客に、かなりビビっています。
実は、この人物こそがエスカノールでした。バンは顔をみるたび、10年前に分かれた仲間を思い出している様子です。
彼が営む酒場の名前は「麗しき暴食亭」。扉に書いてあった英語は、お店の名前だったのです。
ところで、「暴食」といえばマーリンが課せられた罪と同じ。彼女の名前にちなんでつけられた店名であることが想像できますね。実際、久々にあったバンに彼女の安否を確認しています。10年という時がすぎようとも、彼は一途な想いを抱いていたのですね。
このヒョロヒョロおじさんがエスカノール?と思ってしまうほど、頼りなさげな風貌ですが、この後ガランとの戦いで真の姿を見せつけてくれました。
そのシーンについては、後ほど詳しく紹介していきます。
エスカノールの神器「神斧リッタ」は、彼曰く「太陽に愛でられし、乙女の名を冠した戦斧」ということです。
また、彼の身長を軽く越える大きさと、「十戒」のガランでさえ、両手で持ち上げられないほどの重量がありました。重量に対する柄の長さがおかしいだろう、と設計ミスを指摘されてしまいます。
確かに、両手斧だとすると柄が短いかもしれませんが、これはあくまでも「片手斧」。メリオダスでさえ、運ぶのに苦労するほど重い神器なのです。
「神斧リッタ」は、エスカノールの発する熱量のすべてを蓄えて、放出させることができます。エスタロッサとの戦いでは、「興奮し過ぎて神器でも抑えきれない」と言っているので、彼の力を、抑える働きもあるようです。
また、神器の名にはメリオダスは「魔」、キングは「霊」、バンは「聖」など、「七つの大罪」それぞれに合った名が付けられていますが、エスカノールは「神」です。
まさに、太陽神の「神」だとすると、愛でられし乙女というのは、いったい誰を指しているのか気になるところ。未だ謎だらけの人物ですが、今後色々と明かされていくのが待ち遠しいですね。
エスカノールとマーリンの関係は、気になっている方も、多いのではないでしょうか。2人が初めて出会ったのは、「七つの大罪」にスカウトされた時。
エスカノールは国を追われ、旅の途中で獣に襲われている村人を救った時のことです。
「話通り面白い男だ。どうだ、我らに力を貸してはくれぬか?」(『七つの大罪』21巻から引用)
声を掛けてきたのはマーリンでした。その時のエスカノールは、まるで「一目惚れ」をしたかのような顔で、マーリンを見つめます。
人間なのに人間らしくない特異な姿をしている彼は、どこにいっても「化け物」を見るような目で見られていました。しかし、マーリンだけは彼を怖がることもなく、ひとりの「人間」として扱ってくれたのです。
これで「七つの大罪」に加入した彼でしたが、その後ゴウセルから、マーリンが好きなのかと訊かれます。そのとき、自分の気持ちを「姿を見るだけで苦しくなり、声を聞けば踊りだしたくなるほど……」と伝えました。
まさに一目惚れといってもおかしくない感情です。ただ、21巻でゴウセルの「悪夢語り(ナイトメア・テラー)」を掛けられ、マーリンから言われた言葉が、トラウマになっていることが分かりました。
「…残念だが、明日なき者と共に道は歩めぬ…」
「生涯、誰に愛されることなく…孤独に死んでいくがよい、エスカノール…!?」(『七つの大罪』21巻から引用)
ここまで言われても、マーリンは自分と並んで歩む人ではない、自分の暗闇だった人生を、照らしてくれた太陽だといいます。マーリンに対する彼の気持ちには愛だけではなく尊敬という形もあるのでしょうね。
マーリンについては<『七つの大罪』暴食の罪マーリンは裏切り者!?【30巻ネタバレ注意】>の記事で紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
「十戒」主催(?)の大喧嘩祭りでの、ゴウセルとエスカノール戦が描かれた、21巻でのことです。
彼がゴウセルの「悪夢語り(ナイトメア・テラー)」を食らったとき、過去に何があったのかが、少しだけ分かりました。
彼はとある王国の第2王子として生まれました。しかし、物心がついてから、両親が彼ばかり可愛がっていると、第1王子の兄がヤキモチを焼き「生意気」だと言って、幼少の頃から彼をいじめていたのです。
「いつも父上と母上に、可愛がられやがって」
「や…やめて」(兄の腕を掴む)
「逆らうのか!?弟のくせに!!放せ…」ゴキッ(『七つの大罪』21巻から引用)
彼が、兄のいじめに耐えかねて、掴んでいた手に力が入り、兄の腕の骨を折ってしまったのです。
このとき彼のもつ異質な力が解き放れたのでしょう。彼がどんな姿になったのかは描かれていませんが、両親と臣下の目には「化け物」のように写っているようです。
その後、王国中が彼を呪われた化け物扱いします。生かしておけば王国に災いをもたらす、見つけ次第に殺すようとの、命令が下りました。
しかし、唯一彼の味方をしてくれた侍女がいたのです。彼女の名はローザ。大雨の夜、彼を樽に隠し、川に流して逃がしてくれた命の恩人です。
そのままたどり着いたのが、リオネス王国でした。その後、彼の噂を聞きつけたマーリンとメリオダスから、「七つの大罪」にスカウトされたというわけです。マーリンは、どことなくローザに似ていました。これが、出会った瞬間に恋に落ちたきっかけのひとつでもあるでしょう。
とある国の王子として、生まれながらに呪われたエスカノール。マーリンも「決して解けぬ呪い」だといいますが、最終的に太陽に飲み込まれる身とか、暴走で世界が崩壊するとか、そういった感じなのでしょうか……。
彼の活躍ぶりは、外伝「エジンバラの吸血鬼」でも描かれています。この話は、公式ファンブック「罪約聖書」に収録されていますので、気になる方はそちらでチェックしてみてください。
当時、リオネス王国の聖騎士として活動していた「七つの大罪」は、吸血鬼一族復活を聞き、リオネス国王からの命令で、エジンバラへと向かいました。
しかし、エジンバラの人間たちは、すでに吸血鬼にされていて、国も聖騎士もすべて乗っ取られており、昼も夜もなくなり、闇に閉ざされていました。
まず、マーリン、キング、ディアンヌ、ゴウセルがエジンバラに先乗りし、続いてバン、そしてメリオダスとエスカノールが向かいます。ただ、この時点ではまだ夜なので、「最弱の聖騎士」の状態です。
彼はメリオダスと城内に入ったものの、中は暗闇ではぐれてしまったのです。この状態で敵に出くわしたら、大変なことになります。
しかし嫌な予感は当たるもので、彼の背後から、吸血鬼一族の王イズラフが現れてしまい……。貧弱のまま、しかも王に出くわすとは、何ともついていないですね。
「団長~助けて~」と、助けを求めながら、ただイズラフの攻撃を、逃げかわしていきます。しばらくそんなやり取りが続きましたが、イズラフも逃げ惑うだけの彼に、だんだん苛立ってきました。
もうじき朝を迎えようとしているそのとき……イズラフも彼の口調と、体の変化に気づいた様子。イズラフの攻撃が、やっと彼に当たったところで、彼の「傲慢」が顔を出します。
「これがあなたの全力ですか?」
「ならもう一言…『ごめんなさい』しなさい」(『七つの大罪』外伝「エジンバラの吸血鬼」から引用)
吸血鬼の領域は、昼も夜ない闇の中。しかし、そこに陽が当たらずとも、彼にとって、朝には変わらないということでしょうか、見事な「傲慢」ぶりです。
- 著者
- 鈴木 央
- 出版日
- 2016-08-17
それでもあざ笑うかのように、イズラフは彼に、残骸すらも残らないという、漆黒の魔力を放ちます。彼は、それをものともせず、闇を光で弾いてしまいました。
今度は彼が、神器でイズラフの肩をバッサリ。焼かれるような熱さの傷に驚くイズラフは、漆黒の銅鎧を纏おうとしましたが、すでに遅く吹き飛ばされてしまったのです。
煉獄の炎をも防ぐ闇の鎧ということですが、エスカノールには全く通用しません。体つきもさらに屈強になり、足元は熱を帯びてボコボコと音を立てている彼に、焦りはじめるイズラフ。
そのとき、エスカノールは次のような詩を唱えます。
「ブラックベリーの髪色、ワイルドベリーの唇の色、共通するのは鼻をくすぐる甘い香り。野生的で理性的、謎かけのような君は、ブリタニア一の魔女」(『七つの大罪』外伝「エジンバラの吸血鬼」より引用)
これをイズラフは呪文と間違えてしまいました。エスカノールが「私の詩が呪文だと?」と気分を害した様子で、じりじりとイズラフに近寄っていきます。
近づくほどにイズラフは体が焼きつき、声も出せないほどに、喉も焼きついています。足が灰化し始めた頃、力を振り絞って彼に、やっとの思いで謝り……。
「ご…ごめん……なたい…」
「気が変わった。お前は我の気分を害した」(『七つの大罪』「エジンバラの吸血鬼」から引用)
「ボン」という一言で、イズラフは灰と化してしまったのです。彼の底無き力の前には、吸血鬼の王でさえ太刀打ちできない、といったところですね。
彼の圧倒的な強さを最初に示したのは、19巻での「十戒」ガランとの戦いです。ここが、彼が初登場した場面です。
バンとジェリコたちは、「十戒」のガランとメラスキュラに追われ、逃げ込んだのが「麗しき暴食亭」。「聖騎士最弱」のエスカノールが店主を務めている酒場でした。彼は食料庫にバンとジェリコを匿いましたが、次にガランとメラスキュラもやってきてしまいます。
ガランはそこにバンたちが、隠れていると知った上で、彼にゲームを持ちかけてきました。ルールは簡単な「1対1の殺し合い」で、互いに一撃を与えて、先に死んだほうが負けというわけです。しかも、ゲームをやると決めたら、放棄も逃亡も許されず、誓いを破れば戒禁にかかって、石化してしまうとのこと。
受けるか受けないか、ガランはエスカノールに答えを迫ります。彼は汗をかいて震えながら、そのゲームを受けました。そこでガランが「よう言った!」と、肩を叩いて褒め称えると、彼は意識を失ってしまったのです。ガランたちは彼が目覚めるまで、とりあえず酒を飲んでいると、いつの間にか朝を迎えました。
すると、ガランの後ろから、先ほどとは全く違う姿のエスカノールが……。日の出を迎えたことで、「傲慢」となり、数ある種族の一番上に立つのが人間であると自負します。さっきまでの彼とは大違いです。
魔神族など、他の種族を差しおいて人間が頂点に立つわけがない、と大笑いするガラン。するとエスカノールは、「それが<傲慢の罪>」と言うと、一瞬にしてガランの胴体を斬ったのです。
この光景にメラスキュラも、背筋が凍りつきました。ただ、ゲームはまだ続いているとのことで、ガランは闇を展開して復活。怒りをあらわにしたガランは、魔力を極限まで高めた闘級4万をたたき出し、立ち向かってきましたが、傷ひとつつけることができません。
そればかりか、陽が昇るにつれ、エスカノールの闘級はぐんぐん上がって5万超となります。いざ戦闘体勢に入りましたが、恐れおののいたガランが逃亡。
自分の戒禁にかかり、石化してゲームオーバーとなったのです。また、メラスキュラもエスカノールの魂を食らいましたが、彼の獄炎の魂によって、メラスキュラも焼失してしまいました。
十戒のドロールとグロキシニアが主催したバイゼル大喧嘩祭り。2人1組となり、勝ったチームは願いが叶えてもらえるというバトル戦です。ただ、仲間同士が対戦相手に選ばれることもあり、本気のぶつかり合いを強いられる恐ろしい戦いでした。
エスカノールが対戦することになったのは、仲間のゴウセル。大切な仲間だから、本気でぶつかることはできないと考えていました。しかし、一方のゴウセルは「心」を手に入れたいがために、彼を傷つけることも惜しまない姿勢でした。
ゴウセルが仕掛けてきたのは、相手の過去を読み取る技。これによって、エスカノールの過去の記憶が明かされました。
次の瞬間、勝手に記憶を読まれて心を弄んだ罪を償わせてやる、と言って最強男に変身。本来ならエスカノールは、昼にならないと力を得られないのですが、彼にとって「太陽」の存在であるマーリンを心に思い浮かべただけで、変身することができました。
毎回最弱男から、筋肉隆々の最強男に変身する彼。そのつど服をビリビリに破いてしまっていますが、ストックがたくさんあるのでしょうか……。少し気になってしまいます。
最強男に変身したあとは、神器を呼び起こして天高く飛び上がり、ゴウセルに襲いかかろうとします。このときの闘級は2万8800。十戒のグロキシニアは、エスタロッサ級の魔力であると声をもらしています。
ゴウセル、絶体絶命……!と思われた瞬間、エスカノールに襲われたのは、祭り主催者である十戒のドロールとグロキシニアでした。
強いだけでなく、人一倍仲間思いである彼は、いくら心を弄ばれたからといって傷つけるような男ではないのです。
隙を見計らって、敵である十戒を倒したエスカノール。強さに加え、仲間を思う懐の深さも魅力的なキャラクターですね。
封印を解かれ、3千年の眠りから目覚めた「十戒」。「七つの大罪」との戦いが続くなか、リオネス王国はすでに「十戒」の手に落ちていました。
メリオダスはエスタロッサに殺害され、深い眠りに落ちてしまい、もはやリオネスの城を守っているのは、バンと聖騎士のみ。そして、そこには「十戒」のエスタロッサとデリエリ、モンスピートの3人が、立ちはだかっているのです。
しかし、バンも聖騎士も「十戒」エスタロッサの戒禁「慈愛」にかかり、戦うどころか武器を持つことも、拳を握ることも、エスタロッサに近づくことすらできません。
エスタロッサ「愚かで弱き人間諸君…俺の前で「憎悪」を抱く者は、何人をも傷つける術を失う」(『七つの大罪』23巻から引用)
すると、戦えない苦しみから救ってやろうという、エスタロッサの前に現れたのは、「傲慢」になっているエスカノールでした。
彼にはエスタロッサの戒禁が効いていません。なぜならば、「自分より弱い者に憎しみを抱かないから」。
抱くのは憐れみだという彼はまさに「傲慢」そのものとなっているので、戒禁は無意味。離れたところにいる、他の「十戒」たちも、彼の強大な魔力に、尋常ではない気配を捉えています。
エスタロッサの前に立ちはだかるエスカノール。自分に憎しみを抱くと、己の戒禁にかかるよという、余裕を見せながら挑発します。
まずはエスタロッサが先制攻撃、次に彼の攻撃を食らったエスタロッサは、ここで膝をついてしまいます。
ガードした上からもらった一撃で、これまで決して膝を突いたことがないエスタロッサが、膝を突いてしまったのです。これには、ほかの「十戒」たちも驚きと焦りが隠せません。
エスカノールが神器を振り落としたその瞬間、彼は肩から血を噴出しました。エスタロッサの「全反撃(フルカウンター)」を食らったのです。
双方まったく譲りません。しかし彼は、本気のエスタロッサに敬意を表し、自分も本気を出すといい、まず、まともには死ねませんよ?と「無慈悲な太陽(クルーエル・サン)」からの「炸裂する傲慢(プライド・フレア)」で、一瞬にして湖を蒸発。
再び「無慈悲な太陽(クルーエル・サン)」を浴びせにかかります。しかしその瞬間、エスタロッサと、応戦しに来たゼルドリスにふたりを、遥か遠くまで吹き飛ばしたのです。
エスカノールは、興奮し過ぎたといっていますが、このパワーがどこまで膨れ上がるのか、今後の彼にも注目ですね。
滅びた城塞都市コランドに到着した大罪のメンバーたち。
メリオダスは、突然姿を現したゼルドリスに斬りかかります。しかし、実は幻覚の罠でした。その罠を仕掛けたのは、メラスキュラでした。一瞬のうちにメリオダスを「暗澹(あんたん)の繭」に引き込みます。
次の瞬間、地面からおびただしい数の骸骨が出現し、大罪メンバーに襲いかかります。死者の亡霊を動かしているのは、メラスキュラに捕らえられたメリオダスが発する負のエネルギーでした。彼の破壊衝動が「暗澹の繭」に吸収され、間接的に大罪メンバーを苦しめていたのです。
七つの大罪の力を集結させても、とてもメリオダスの力には敵いません。
メラスキュラが大罪メンバーを追い詰めていくなか、エリザベスが目覚めたことを知ったメリオダス。「暗澹の繭」は十戒さえ破壊することができないと言われているほど強固なもの。魔神王の魔力を行使しなければ、破ることはできません。しかし、闇の壁をメリオダスは打破してしまうのです。
巨大な黒い羽をまとい、登場したメリオダス。マーリンいわく、暴走状態とはちがう様子です。ただ、明らかに正気を失っており、敵のメラスキュラでさえ恐れおののくほど。それは十戒を率いていた時代に、十戒も恐れた「殲滅状態(アサルトモード)」になった姿でした。
そんな彼を止められる可能性が残る唯一の人物といえば、最強の男・エスカノール。猛威を振るうメリオダスに立ち向かいます。
マーリンがとっさに「完璧なる立方体(パーフェクト・キューブ)」の術を仕かけ、2人はその中に囲われます。かつて十戒の統率者だったメリオダスを相手に、対等に戦うかのように見えるエスカノール。しかし、魔神の力を解放させているメリオダスには敵いません。
エスカノールが倒れたかに見えた頃、時刻がちょうど正午に。その瞬間、彼はさらにレベルアップして起き上がるのです。闘級は破格の11万4000……!最強すぎます。
エスカノールの勝利が確定?と思われた矢先、メリオダスは彼の攻撃を物ともせずに反撃。
2人の戦いはどのような決着を迎えるのでしょうか?彼らの壮絶な決闘は29巻に続きます。
28巻から続く、エスカノールとメリオダスの戦い。最新29巻では、ついに決着がつきました。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
- 著者
- 鈴木央
- 出版日
- 2017-12-15
やっぱり闇に包まれたメリオダスが最強なのか……と思われた瞬間、エスカノールが「天上天下唯我独尊(ザ・ワン)」の状態に。太陽が出ている時間帯に強くなる彼は、正午ぴったりになると、1分間だけ「無敵の権化」になることができるのです。
正午に近づくにつれて闘級が11万4000以上になっていました。「天上天下唯我独尊(ザ・ワン)」の状態での闘級は明らかになっていませんが、破格の数値になっていたことは間違いないでしょう。
魔の力で動かされているメリオダス相手に、互角に戦う人類最強の男。決定打となったのは、「聖剣エスカノール」でした。
手刀をすっとメリオダスに切り、絶大なダメージを食らわせたのです。最強すぎる技ゆえ、周囲の時間が止まっているのかと思われるほど一瞬の出来事でした。
この技によって、メリオダスは倒れこんでしまいます。魔の力をまとう彼を相手に、最強すぎる戦いをみせたエスカノール。以前、メリオダスが「自分より強い」と称していたことが納得できる激戦でした。
人間でありながらも、計り知れない魔力を放つエスカノール。いったい彼は何者で、どんな呪いが掛けられているのでしょうか。今後、「十戒」との最終決戦では、どんな戦いを見せてくれるのかが楽しみですね。