世の中の動きを敏感に読み取る投資家の瀧本哲史が執筆した本の多くは、次の世代を担う若者への熱いメッセージが書かれています。今回は投資家の目線で世の中を生き抜くヒントを書いた本、彼の講演会をまとめた本など5冊を紹介します。
投資家をしながら京都大学の客員准教授も務める瀧本哲史。執筆した本の多くは、彼の社会経験と投資家の立場から、世の中の動きを見て感じたことを、これから社会に出る学生向けに書いています。
彼が自分の本で伝えたいことは、少しずつ移り変わる社会情勢の中で、昔からの仕事方法では通用しなくなってきていること。それを変えていくのが次の世代であり、未来を担う若者たちに自分たちの力で変えていって欲しい、という気持ちが伝わってくる内容の著書が多く出版されています。
今回紹介する作品は、投資家の視点を用いた社会で生き抜く方法をはじめ、京都大学での授業をまとめた本など、5冊を選びました。就職戦線に立つ学生はもちろん、社会にでてキャリアを積んだ方にとっても興味深い内容の本ばかりですよ。
投資家である瀧本哲史が、これから社会に出る学生に向けて書いた「現代社会を生き抜く方法」についての本です。社会で生き抜くための知恵を「武器」と表現しています。全9章から構成される各章の終わりには、そのヒントが簡潔に書かれています。
学生が就職するにあたり、「高学歴」であることと「資格」を保持していることが有効であると一般的に言われていますが、それでは自分自身が単なる商品のようになってしまい、個人としてのそれぞれの持ち味が薄れてしまうと思いませんか?
本書には、その状態からどうすればアプローチすればよいのかという、「個人」として社会で生きるヒントが書かれています。
- 著者
- 瀧本 哲史
- 出版日
- 2011-09-22
自分を取り巻く情報の渦に巻き込まれた時、そこからさらに秀でるための方法として、新たなる資格の取得を目指そうと思うかもしれません。
しかし瀧本哲史は、この状態から抜け出す方法は自分を「スペシャリティ化すること」だと述べています。ここで投資家の彼らしくトレーダー、マーケターになぞらえて、それぞれのタイプで生き抜く方法を表現。自分らしいストーリーやビジュアルを持つことが大切だということが、具体的な例を挙げながら書かれているのです。
新卒の学生向けではありますが、すでに社会人の方が読んでも、今の自分の取り組み方や立ち位置についても考えさせられる内容の本です。
本書は、瀧本哲史が京都大学の学生にむけて行った「交渉の授業」の内容がまとめられたものです。
少しずつ変化していく時代の中で、先人の考えている方法では、だんだんと社会を乗り切れなくなってきている現代。若い世代は新しい仕組みの社会を自分たちの考えと行動で変化させるべきであり、その行動の一つとして「交渉」が挙げられています。
交渉というのは仕事をしていく上で取引先とはもちろん、勤めている会社の中でも必要になってくる戦術ではないでしょうか。
- 著者
- 瀧本 哲史
- 出版日
- 2012-06-26
この本では、交渉を優位に進める交渉術が6時限にわたる講義形式として、わかりやすく書かれています。
交渉に臨む前に相手をしっかり分析し、その先の展開を予想し、たくさんの選択肢を持っておくというバトナ(交渉術)が大切であること。また自分のことよりも相手の利害を考えながら先に相手の話を聞いて、より有利に展開する方法を考えると事が重要である、とこの本を読むと気づくはずです。
若い世代向けに書かれた本ですが、キャリアを積んだ方にも人気があり、ビジネス書としてだけでなく人付き合いの参考にもなりそうな一冊です。
インパクトを感じるタイトル、そして映画『七人の侍』が表紙となっている本書は、決して「孤独でいろ」という内容ではありません。夢を語り合うだけの友達ではなく、一緒に考え行動してくれる友達が必要であると語っています。
インターネットなどで簡単に人と人の繋がりが出来るようになった今の時代。しかし、誰とでも仲良くなるのではなく、同じ目的意識を持つ仲間を作ることで、自分を高める事もできるのではないでしょうか。
この本では瀧本哲史が社会の中で見てきたことや経験してきたことを元に、会社の中でどう生きていけばいいかが書かれています。
- 著者
- 瀧本 哲史
- 出版日
- 2013-11-13
会社においても自分だけで仕事をしているのではなく、やはりチームワークが大切です。また新しい事を始めるときにも、1人ではなかなか難しいもの。 チームワークというと部署的なイメージを持ちやすいのですが、瀧本哲史は「なるべく自分と重ならない知識や経験を持つ人達と関わることが重要である」と述べています。
これから社会に出ていく学生には一見難しそうな本ですが、アニメや映画も取り入れて説明されているので、作者の伝えたいことがイメージしやすくなっています。企業の中で働く人だけでなく、自分で企業したいという気持ちがある方にもおすすめの本です。
本を選ぶとき、自分に合った内容のものや自分の意見に沿った本ばかりを選んでいませんか?本書で瀧本哲史は、自分の考えとは対極にあり、書かれていることに賛成できない本でも、その考えにしっかりとした根拠があれば良書であると述べています。
自分好みの本であれば深く考えずに読んでしまいますが、自分の考えと違うことが書かれている本は常に疑問を持ちながら読むことになります、しかし、その姿勢が大切なのでしょう。
- 著者
- 瀧本 哲史
- 出版日
- 2016-04-26
本書の内容は5つのテーマに分かれ、書かれている内容の考えが異なる2つの本を比較して紹介しています。瀧本の執筆した本といこともあり一見難しそうに感じるかもしれませんが、手に取って読んでみると「マンガ」と「ゲーテの小説」を比較するなど、ちょっと意外な比較もあって飽きさせません。
最近本を読んでいないなという方には、まずは本書で紹介されている作品を読んで、瀧本の考えと自分の考えを格闘させてみてはいかがでしょうか?
またこの本は読書術だけでなく、社会の中で必要な時間術、マーケティング力、組織論なども学べる、まさに良書です。
本書は、14歳の若い学生向けに開催された瀧本哲史の講演会をまとめた本です。神戸にある難関校・灘中学校、福島県の飯館中学校など各地を回り、彼が届けたメッセージとはいったいどんなものでしょうか。
その内容は、14歳の学生に向けた言葉が6章節に分けて構成されたものになっています。それぞれの章節は、なぜ勉強するのかから始まり、将来に向けてのサポートになりそうな指針が、実在する歴史上の有名人やアニメの主人公を取り入れて、わかりやすく説明されています。
- 著者
- 瀧本 哲史
- 出版日
- 2016-07-01
「どうして勉強をしないといけないのか」と学生の頃に疑問を感じた方も多いのではないでしょうか?大人になり就職活動をし、働き始めればこの疑問の答えが見つかると思います。しかしそれを、学生にわかりやすく説明できる人というのは、そう多くないでしょう。
この本では、勉強をすることで得られるものをハリーポッターの魔法になぞらえ、未来を変えるための方法であると説明しています。夢のような話にも感じ取れますが、こういったイメージから、学生にもわかりやすく内容を掘り下げ、勉強に対する興味が芽生えるように書かれています。
また未来を変えるために必要なアイテムを地図、ルールなど、若い世代を惹きつけるキーワードで表現されており、子供たちが将来のビジョンを描く時にヒントになりそうな素敵な本ですよ。
瀧本哲史が執筆したおすすめの本はいかがだったでしょうか。彼の本を読むと仕事をただすれば良いということではなく、自分の意識の持ち方が大切だと感じさせられます。明日から少し仕事や生きることについて考えてみませんか?