デジタルマーケティングを極めたい人に読んで欲しいおすすめ本5選!

更新:2021.12.3

デジタルマーケティングの世界では日々目まぐるしい変化が起きていて、常に新しい常識が生まれています。そんな世界に飛び込む人向けの導入編から、成果を目指す実践向けまで5冊を紹介します。

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デジタル化する社会、複雑化するマーケティング

ありとあらゆる物にコンピューターが搭載される時代になりました。自動運転が話題の車に始まり、最新家電の中には携帯で操作できる物も少なくありません。物同士が情報交換することでより精度の高い仕事ができる仕組み、いわゆるIoTが叫ばれて早数年。社会のデジタル化は急速に進み、あらゆる人・物が情報を収集し、また発信できるようになりました。

世の中をめぐる情報量が膨大になり、情報発信の場も多様化してきています。従来情報の発信はテレビ局や新聞社など、限られたメディアだけが可能でした。しかし今では個人がブログやSNSで情報発信することが当たり前です。

そして社会の変化に合わせてマーケティング活動も複雑になってきました。今となっては定義も広がり、広告活動やプロモーションの枠には収まりません。日本マーケティング協会ではマーケティングの定義を「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」としています。(日本マーケティング協会HPより引用)

その中でも特にデジタルメディアを通して進められるマーケティングが「デジタルマーケティング」です。デジタルメディアとはインターネットやSNSのことで、他にも電子メールやLINEなどのアプリも含まれます。

商品やサービスの評判は個人のSNSを介して広まり、顧客の検索履歴やwebページの履歴から最も売れそうな商品を見つけることが可能です。数年前には想像もしなかったことが、常識としてできるようになっているのが現代のマーケティングの特徴といえるでしょう。

デジタルマーケティングはテクノロジーを使いこなせるかがカギ!

年々新聞を取る人が減り、スマホやパソコンを見る時間が長くなるこの時代で、デジタルマーケティングの重要性は急速に高まりつつあります。しかしテクノロジー無くしてデジタルマーケティングは始まりません。デジタル世界での広告配信は、ポスターやチラシを画面に表示する訳ではないのです。広告を見る人が過去に閲覧したサイト、行ったことのある場所などの情報をもとに狙い撃ちするのです。

それを可能にしている技術をAd[広告]のtechnology[技術]、アドテクノロジーと言います。一般的な定義ではアドテクノロジーはデジタル広告配信や効果測定のプログラムやソフトウェア、仕組み自体のことを指します。YouTubeで配信される動画広告や、webサイトのアクセス解析システムなどがアドテクの代表格です。日々新しくなるこのような技術を使いこなせないと現代のマーケティングは成功させられません。

この記事では、デジタル世界でのマーケティング手法や業界を知るための一冊から、今日明日からチームを率いてプロジェクトに臨む人のための実践指南まで、興味と立場から選べる5冊をご紹介します。

① 業界人が書いたアドテク業界の本『アドテクノロジーの教科書 デジタルマーケティング実践指南』

業界の全貌や個々の企業の事例にも触れている、導入編として最適な本です。後に挙げる本より図や写真が多く読みやすいことも、最初の一冊に向いています。

著者
広瀬 信輔
出版日
2016-03-11

業界の発展や背景に始まり、ターゲティングの手法、各種デジタル広告の説明も綴られています。最大の特徴は国内外の主要アドテク企業を紹介している点です。各社の特徴や提供しているサービスもまとめられていて、マーケターなら目を通しておいて損はありません。

分厚い本ではありませんが、幅広い内容を取り扱っています。決して個々のテーマが浅いということはなく、的確に特徴を解説している一冊です。最後には著者自身と業界の第一線を走る方々との対談も収録。そこで話される今後の業界の展望は必見です。

② 何を読めばあの人のような発想が浮かぶのか『デジタルマーケターが読むべき100冊+α』

この記事を読んでいる人、このサイトを訪れている人なら「本が人を創る」という考えにもご理解いただけるでしょう。そしてこの考えは大学教授にも、あの企業の代表にも当てはまります。

著者
出版日
2012-10-12

今まさに最新のデジタルマーケティングを作りつつある人たちが、読む価値を確信する100冊。それは今の彼らを創るうえで大きな比重を占める100冊です。企業事例を取り上げた本もあれば、マーケティング手法の解説書もありますが、中には小説といった読み物も数点選出されています。

多種多様な本が紹介されていますが、ただの読書リストとして利用するにはもったいないです。目次にはそれぞれ選出にあたってテーマのフレーズが付けられており、選出の理由も紹介されているので、その本をどう読み解いたのかまで追いかけられることが最大の魅力となっています。自分が変わるチャンスをくれるかもしれない100冊に、本書を通して出会ってみませんか。

③ アドテクの潮流をつかむ『ザ・アドテクノロジー データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで』

テクノロジーの進化によってメディアのあり方が変化してきたことは、重々ご承知でしょう。それに伴って人々の行動や生活も変化しています。それゆえマーケターが気にすべき情報やデータは増え続け、それらを把握し利用しきることは至難の業となってきているのです。

著者
["菅原 健一", "有園 雄一", "岡田 吉弘", "杉原 剛"]
出版日
2014-02-14

筆者の見立てでは、差が縮まったとはいえまだ米国が日本の先を行っています。テクノロジーの面ではなく、それらを使いこなせているかという点で遅れが生まれていると考えているのです。

この本ではその差を詰めつつあるアドテクの紹介や、日本が弱いそれらを使いこなすデータの使い方にも触れています。アドテクの発展に伴って何が変化していくのか。これまでの変化、今変わりつつあるもの、これからの流れを理解するための本です。アトリビューションとタイトルに付くだけあって、幅広いアドテクを知ることができます。

広告人やマーケターには必読の一冊でしょう。

④ データで語れ、超実践向けの解説書。『データ・ドリブン・マーケティング―――最低限知っておくべき15の指標』

予算削減を憂いたマーケターに向けて書かれた本書は、マーケティング成果の見える化に最適な15の指標を解説しています。データ志向のマーケティング実践に一役も二役も買ってくれることでしょう。

著者
マーク・ジェフリー
出版日
2017-04-20

それぞれの指標は5つずつで「非財務系」「財務系」「新世代マーケティング」に分けられているため、必要な箇所だけ拾い読みするのもいいかもしれません。中には「口コミ増幅係数」という指標もあります。新しい指標を導入して、今までと違った視点で効果を測るのも良し。「利益」や「クリック単価」といった広く知られている指標も紹介されているので改めて理解、活用するもいいでしょう。

最大の魅力は有名企業における指標活用事例が、これでもかと詰め込まれている点です。企業名はすべて実名で、実際にその指標を利用してどんなプロジェクトを起こしたのか、どうやって効果測定をしたのかを漏れなく詰め込まれています。いきなりプロジェクトはできなくとも、まずはそれらの数字を見ることから始めてはいかがでしょうか。

⑤ 行動する人へ、導入方法『ハッキング・マーケティング 実験と改善の高速なサイクルがイノベーションを次々と生み出す。』

本書の対象としている読者層は、実際にマーケティングに関わる人だと言えます。同時にマーケティングではなくても、マネジメントに関わる人にも読み込んでもらえることでしょう。

著者
スコット・ブリンカー
出版日
2017-05-16

メインとなる内容はアジャイル・マーケティング(機敏なマーケティング)ですが、手法よりも導入方法が深く説明されています。そのため本来の考え方、陥りがちな間違い、その予防策と対応まで詳細に説明されているのが本書の魅力ですね。

筆者は現代のマーケティングのスピードに付いていくために、ひと足先にそのスピードで仕事をしていたIT業界に着目しました。そのIT業界のコンセプトを適応させて、マーケティングに活用しようという考えです。IT業界との親和性にも触れていますが、ITへの知識は特に必要ありません。極力広く知られている言葉で説明されていますし、場合によってはその場で解説も付いています。

実施する内容自体は、細かい期間で見直し修正する、いわゆるPDCAを細かく回すことです。しかし実際はそう簡単にはできませんよね。今まで内容を理解していても、実践すると上手くいかなかった人にはぜひ読んでほしい一冊です。

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