「本の読み方」について考えたことはありますか?どのようにしたら自分が探し求める本に出会えるのか、どのようにしたら本の真髄に近づけるのか。それを教えてくれるのが、文芸評論家の福田和也です。今回は彼のおすすめ本4冊を紹介します。
福田和也は1960年生まれの文芸評論家。文芸評論家としてだけでなく、BSフジ番組審議会委員を務めるなどマルチに活躍しています。文芸評論家としてのデビューは1990年、福田和也が30歳の頃でした。月刊誌『諸君!』に「遥かなる日本ルネサンス」という文芸評論を連載し、論壇デビューを飾ります。
三島由紀夫賞、山本七平賞、講談社エッセイ賞など数々の賞を受賞。絶対的な読書量に支えられた豊富な知識で、文芸作品を時に辛辣に批評し、時に心から称賛する彼の姿勢は、多くの人の信頼を得ています。
福田和也が語る昭和史。「江戸時代について」など昭和以外の時代にも触れつつ、「満州国とは何か」「高度経済成長期」など、日本の昭和時代にフォーカスした一冊です。その時代を生きた人々の喜びや悲しみをリアルに伝え、遠い歴史になりつつある昭和史をグッと身近に引き寄せます。
- 著者
- 福田 和也
- 出版日
- 2002-07-01
「もし自分がその場にいたら、戦争を止められただろうか」「なぜ日本は再び経済的な発展ができたのか」(『すべての日本人に感じてほしい魂の昭和史』より引用)
このように私たちの生活に直接関係する大きなトピックを、福田和也が縦横無尽な知識で読者にやさしく語りかけます。
「これからはとても生きにくい時代になるよ。(中略)日本の社会が没落していっても、君たち一人一人の中には、まだまだエネルギーがある。(中略)君たちが、君たちの人生を見つけられるように、心から祈っている」(『すべての日本人に感じてほしい魂の昭和史』より引用)
こんな言葉で締めくくられている本書。昭和史を多面的に振り返り鋭い論考を重ねるだけでなく、その昭和史から学ぶことのできる教訓やメッセージも伝えてくれる内容になっています。
リアルタイムで昭和史を体感していた人にとっても、平成になってから生まれた人にとっても、新たな発見のある一冊です。福田和也の渾身の昭和史を、ぜひ手にとってお楽しみください。
「本を読むこと、書物を愉しむことにも、きちんとしたやり方がある。それを考えることが書物との関係を決定的なものにし、結果として、人は甘美で幸福な時間を手に入れることができるようになるのだ。」(『贅沢な読書』より引用)
- 著者
- 福田 和也
- 出版日
国や時代を超えた名作を紹介し、最高の文章の味わい方を紹介してくれるのが本書です。紹介しているのは中江兆民、ゲーテ、樋口修吉、ヘミングウェイなど。素晴らしい文章を紹介し、どこが素晴らしいのか述べるだけでなく、その作品が書かれた時代背景や、文学史の歩みなど包括的に扱っているのが特徴です。
「なんとなくですが、古典と云ったときに、全体的な一つのイメージがあるのではないでしょうか。先回りして、一言でいってしまえば、それは強く、流麗な情緒を喚起する文章、作品ということになるでしょうか。」(『贅沢な読書』より引用)
古典文学についてこんな風に語る場面もあります。執筆のエキスパートである福田和也が最高の文章を紹介しているので、一流の文章を一流の文芸評論家が紹介するという相乗効果もあります。この一冊を読めば、ぼやけていた「素晴らしい文章」のイメージが明瞭になるかもしれません。
本の読み方が分からない、最高の文章に出会ってみたい、そんな人におすすめしたい一冊です。読後は満足感に満たされた、とても幸せな気持ちになること間違いなしでしょう。
村上春樹、松本清張、夏目漱石、正岡子規など様々な時代の作家たちの名文を、辛口文芸評論家で知られる福田和也が解説した一冊。なぜそれらが人の心を動かす名文なのか理由を明らかにしながら、読者に文章力を上げるヒントを教えてくれる内容になっています。
- 著者
- 福田 和也
- 出版日
- 2010-02-08
本書は「読む力」「書く力」「調べる力」の3部構成で、作品の引用部分と解説部分がバランスよく置かれています。一見誰にでも書けそうなシンプルな文章でも、読者を惹きつける巧みな技法が散りばめられていることを明かすなど、文章を書くためのテクニックが散りばめられています。
書く立場としてでなく、本を評価する立場としての目線も分かりますので、2度楽しめるでしょう。
今やSNS隆盛の時代。そんな時代だからこそ文章力を磨いていこう、という福田和也のメッセージが伝わる一冊です。文章を書く者のテクニックや目線が分かれば、あなたの読書は何倍も楽しくなります。文芸評論家の目の付け所が分かれば、あなたの読書の着眼点が変わり、新たな発見へと導いてくれるでしょう。
福田和也の鋭い評論眼を楽しめる一冊です。文章を書いてみたい人、読書が好きな人はぜひ読んでみて下さい。
文章力を上げたいと考えている人は必読の一冊。本書では、文芸評論家として確固たる地位を築いた福田和也が、1ヶ月に100冊を読み300枚の原稿を書くための力を付けるためのノウハウを公開しています。
- 著者
- 福田 和也
- 出版日
全6章、64項目からなる本書では、福田和也が実践しているテクニックをやさしく読者に伝えています。
「本を読んだ結果何を得たのか」という一般的な発想を、「自分の目的を達成するためにはどこを読んだら良いのか」という発想に転換。読むためのテクニックだけでなく、上手な文章はどうしたら書けるのかということにも焦点を当てて、読者を読書のエキスパートに導きます。
読書の好きな人や、文章を書くことを仕事としている人にとって、福田和也のテクニックを学べるのは嬉しいことなのではないでしょうか。彼の実践する文章力を上げる方法を知れば、ぜひ真似してみたいと思うことでしょう。
誰にでも真似できてとてもシンプルな方法なので、気になるあなたは、ぜひ本書でそのテクニックをお確かめ下さい。
たった1冊で多くのことが学べる作品です。福田和也のように100冊も読むのは無理ではないだろうか、彼と同じ文章の練習法は難しいのではないか、そんな誤解をスッキリと解決してくれる良書です。
いかがでしたでしょうか?今回は福田和也の本の読み方が学べる4冊をご紹介しました。最後までお読み頂きありがとうございます。