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『事故物件 恐い間取り』の実話から見えてきた事実とは。怖いだけじゃない!

更新:2020.12.2 作成:2020.3.6

事故物件 恐い間取り『事故物件 恐い間取り』は自分から事故物件に住むという、奇妙なお笑い芸人・松原タニシのノンフィクション本です。彼が事故物件に住んで体験した心霊現象の数々は、とてつもなくリアルでフィクションのホラー作品よりもホラーです。 本作は10万部を突破し、2020年には亀梨和也主演で実写映画化もします。この記事ではそんな本作の魅力を、余すことなくご紹介していきます。

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『事故物件 恐い間取り』が映画化!原作のあらすじ、映画の見所を解説!

世にも珍しい、事故物件住みます芸人(!)松原タニシによる、心霊現象の実体験を記したノンフィクション書籍、『事故物件 恐い間取り』。いわく付きの事故物件に自ら進んで居住している松原が、そこで見聞きした体験を書いています。

本作はノンフィクションが売りで、間取り図が一緒に紹介されていることからもより身近に怖いエピソードを体験できる作品です。

映画でも実話ということを強調するため、かなり凝った演出となっています。たとえば松原タニシは事故物件に住む時、定点カメラを設置していますが、映画でもそれを忠実に再現。荒い映像に怪奇音、不審な影が入り込むなど、モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)に似た撮影手法が取られているようです。

原作では淡々とした表記が逆に説得力を生んでいますが、映画ではそこへ真に迫った恐怖映像が加わることとなります。原作読者はもちろん、未読の方もこの映像表現は必見の見所です。

10万部を超えるベストセラーとなり、その人気ぶりから、とうとう実写映画化も決定。主演はKAT-TUNの亀梨和也で、公開日は、2020年8月28日です。情報は公式Twitterなどからご覧ください。

映画『事故物件 恐い間取り(仮)』公式 | Twitter

この記事ではそんな本作の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。


亀梨和也が出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。

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きっかけは先輩芸人の無茶ぶり?松原タニシが事故物件に住むようになった理由

松原タニシは元々、鳴かず飛ばずの芸人でした。彼が「事故物件住みます芸人」になったのは、松竹芸能の先輩芸人・北野誠の影響です。

「北野誠のおまえら行くな。」という番組のトークイベントで、恐ろしい物件の話をした松原タニシ。それを聞いた北野誠は、じゃぁそこに住んでみるのはどうか、と彼を誘い、そのまま番組の企画にしたのだとか。

松原タニシはこの無茶振りともいえる企画に乗って、現在の「事故物件住みます芸人」になったわけです。このあたりの話はエッセイ漫画『ボクんち事故物件』にも出てきます。

著者
["宮本 ぐみ", "松原 タニシ"]
出版日
2019-06-27

松原タニシの書いた作品を読むと、事故物件についての意外な情報を知ることができます。

よく知られている事故物件の話として「事故物件に一度でも誰かが住めば、それ以後告知しなくてよい」というものがあります。実はこの話、会社ごとに違いがあるようです。会社によっては一定期間経過で事故物件と告知しないこともあるとか。

また賃貸料が安いと思われがちですが、意外とそうでもありません。強盗殺人があったような事件は、居住者がお金持ちだから起こることが多く、そもそもの賃貸料が高いので、値引かれても相場より高いこともあるのだとか。

本作にはこういった知られざる事故物件の常識が、いくつも出てきます。普通は知ることのできない話は、怖い話好きでなくとも興味深い内容でしょう。

このあとからは、実際に本作にどんな内容が収録されているのかご紹介していきます!そしてその話を読んでいくと、あることが分かりましたよ……!

怖いエピソード1:凶悪事件の起きた大阪のマンション

これは松原タニシが最初に住んだ事故物件の話です。

そこは10帖のワンルームで風呂トイレ別、ベランダもあって築25年にしては非常に綺麗な部屋だったそうです。加えて大阪の難波に近い好立地にもかかわらず、なんと家賃は4万5千円(相場は7万円)でした。

このマンションがすごいのは、松原タニシが入居した部屋だけでなく、全部屋が事故物件扱いで安かったというところ。

そもそもこのマンションには異様な部分がいくつもありました。実は8階から10階までが違法建築だったことが判明し、数年前から上層階だけ閉鎖されていたのです。

さらに本来1階があったフロアは、なぜか広大な駐輪場に改造されており、片面の壁が鏡張り。入口には10数年前の日付で「警戒区域一覧表」なる張り紙が貼ってありました。しかも誰1人そこを利用していないという……。

また、もちろん凄惨な殺人事件もあり、その後ほとんどの住人が出ていったそう。作中では10数年前に殺人と放火があったとボカされていますが、いくつかの情報から2005年に起こった大阪姉妹殺害事件の現場だろうということが推測できます。

このようにマンション全体の雰囲気だけでかなり不気味なのですが、松原タニシの身に次々と怪奇現象が降りかかってきます。

部屋に設置した定点カメラには無数のオーブ(発光する人魂)が映り込み、知り合いを呼べば見たことのないニット帽の男性が混じっていたり(気づけばいなくなっていた)。

恐怖体験の極め付けは、引っ越し後に連続して起こったひき逃げ事件です。居住者の松原タニシだけでなく、引っ越しを手伝った後輩芸人の2人も、別々の場所で同時刻にひき逃げにあったのです。

この例以外にも、怪奇現象が次々と発生します。音が鳴った、人影を見たといった幻覚や思い過ごしではない、実被害の出てる怖さが特徴的です。このマンションは事故物件1件目にして、作中最大の恐怖の物件として描かれます。

著者
松原 タニシ
出版日
2018-06-26

怖いエピソード2:Yマンション

こちらは松原タニシが聞いた先輩芸人の話です。

年長のY、S、そして一番後輩のNの3人は、4階建てマンションの最上階にある角部屋でルームシェアして暮らしていました。それぞれ7.5帖、6帖、2.5帖の部屋に別れて寝泊まりしていました。

Yは当時名の知れたコンビ芸人だったのですが、なぜか7.5帖の部屋にずっと引き籠もっていたそうです。そしてある時、突然失踪してしまいました。

その後、奇妙なことが起こり始めました。7.5帖の部屋に住み始めたSが誰も住んでいないはずの真下の部屋から、毎晩誰かが近づいてくる音を聞くようになったのです。Sは立ち回りの上手い芸人だったのですが、その頃から荒れ始め、ついには暴力沙汰で松竹芸能を解雇されました。

こうして1人取り残されたNの身に、恐怖体験が降りかかります。夜中にSの言っていた誰かがやってくる音が聞こえて、Yの残していたベッドの下に何者かの生首があることに気づくのです。

Nはとっさにマンションから出ようとしますが、なぜか真下の部屋に飛び込んでいて……。

オチは明かしませんが、怪奇現象どころか、怪物そのものと出会ってしまったというエピソードです。YやSの異変から、Nが実際に目撃する流れは完全なホラー。話は余計な脚色もなく淡々と進むのですが、それが帰って真実味を強調するようで、読んでいてゾクッときます。

怖いエピソード3:奇妙な同居人

事故物件ではない怖いエピソードとして、松原タニシの同居人というものが出てきます。ここだけ読むと幽霊か何かのようですが、同居人とは彼が個人的に持っている2体の人形のことです。

1体目の名前は「みゆき」。みゆきは元々、松竹芸能の芸人養成所に置かれていた人形で、使うと観客から嫌がられるため使われなくなった小道具でした。それが紆余曲折を経て松原タニシの所有物となるのですが、みゆきを手に入れるのと前後して、事故物件に住む企画が始まったとか。

このみゆきをある番組に松原タニシが持って行ったところ、霊感のないはずの女性出演者が恐怖を感じて、出演NGという事態にまで発展しました。女性出演者は番組収録後、人形のような影を目撃したり、手首に謎の傷跡ができていたと言います。どうやらみゆきは女性出演者に嫉妬したようなのです。

2体目の人形は「菊姫」と「孔子」です。菊姫はただの市松人形ですが、孔子はなぜか菊姫の胴体に入れられていた別の人形の頭部です。菊姫は顔が人間の皮膚でできている噂されたり、元々所有していた人形店の店主が自殺したいういわくがあります。

松原タニシは孔子を一度だけ、ラジオの出演に持参したことがあります。その時、一緒にいたのは4人だったのに、なぜかラジオ局の入館で5人分の人数を書くよう指示されました。単純に守衛のおじさんが見間違えたのか、はたまた孔子が混じっていたのか……。

菊姫と孔子は特に実害のない人形のようですが、とにかくみゆきの存在感が凄いです。人形には魂が宿るとよく言われますが、みゆきにも魂が宿っているとしか思えません。怖いというより、何か得体の知れなさが伝わってくるエピソードです。

『事故物件 恐い間取り』が怖すぎ!でも、その怖さから見えてきたのは、「生」だった?

松原タニシは事故物件に住むようになって、あることに気づいたそうです。

医者や警察など「死」と近い職業を別にすれば、普通の人によって「死」は非日常のものでしょう。

事故物件は事件後に清掃やリフォームが行われているとはいえ、誰かが死んでいるという点で「死」の感覚が非常に濃い場所です。事故物件では時に心霊現象や、怪奇現象も起こります。

松原タニシも事故物件で大なり小なり、異常な経験をしました。そこで彼は、「死」に強い恐怖を感じるようになったそうです。そして彼は「死」を意識することで、かえって「生」を鮮明に実感できるようになったのだとか。

松原タニシは、そのおかげで、以前よりずっと「よりよく生きよう」と前向きになったと語っています。本作を読めば、松原タニシの言いたいことが理解できるかもしれません。

著者
松原 タニシ
出版日
2018-06-26

いかがでしたか? 今回ご紹介したエピソードはほんの一部に過ぎません。ぜひ実際読んでみて、事故物件とはどんなものなのか追体験してみてください。