「週刊少年マガジン」にて連載されていた大人気サッカー漫画『エリアの騎士』は、11年の時を経て完結した大作です。少年たちの熱いサッカーへの情熱が読者の心まで震わせる本作のストーリーをご紹介します。
少年たちのこよなきサッカーへの情熱と愛情を描いた作品。目を見張るような派手な必殺技などはないものの、その現実味を帯びた等身大のサッカーが魅力的です。
さらに、思春期ともいうべき中学時代から高校時代、果てはその先へと進む少年たちの心境が丁寧に描かれています。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2006-08-17
友情や恋愛にも焦点が当てられ、学生時代の青春を再び私たちに味わわせてくれます。本作を読めば、懐かしいあの頃の気持ちや楽しかったことなどを思い出すこととなるでしょう。
そんな思い出がある人ほど『エリアの騎士』の魅力に気付き、その作品の世界にのめり込めるのは間違いありません。
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物語は、主人公の逢沢駆の中学時代から始まります。
幼いころは兄の傑とともにサッカーへ情熱を注いでいましたが、天才と称されU-15日本代表に選ばれるほどの傑の実力を前に、徐々にサッカーへの情熱と自信を失っていきました。
そして駆は、中学ではサッカー部のマネージャーを務め、プレイヤーとしては部活に参加しないことを選択します。しかし、それでもサッカーを諦めきれずに夜な夜な公園でひとり練習に励むのでした。そんなある日、練習のなかで傑のパスを受ける機会がありました。傑の本気のパスに必死に食らいつく駆。その光景はさながらピッチ上の「王様」と「騎士」のごとき光景です。
駆は部員たちを認めさせるには十分な動きを見せますが、傑は納得しません。決定的にハートが足りないと評価します。
駆は傑の評価と今までの行いを見直し、けじめとしてサッカー部をやめる決意をしました。傑と一緒に登校している時に、その心中と決意を吐露します。
そんな駆の気持ちを聞いた傑は、自身の気持ちを伝えます。
「王様」には「騎士」が必要なこと、そして、駆にその騎士になってもらいたいことを伝えようとしたとき、無情にもトラックが2人へと突っ込み……。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2006-11-17
駆は夢をみていました。傑とサッカーをしている夢です。
「俺からのラストパスだ。」
駆は傑からボールを受け取り、パスを出した傑はどこかへ消えてしまいます。
目が覚めると、駆は病院のベッドの上にいました。何とか一命をとりとめ、順調に回復をみせます。しかし傑は助からず、その事実を聞いた駆は錯乱し、周りの医者や友達、家族に当たり散らしてしまいます。さらに、自身は傑の心臓を移植されて生き延びたことも発覚するのです。
その事実は駆を大いに苦しめましたが、傑の意思を継いで、もう1度サッカーへ向き合うことを決意しました。幼馴染であり、サッカー女子日本代表なでしこジャパンに召集されるほどの実力を持つ「セブン」こと美島奈々に支えられながら、一緒に江ノ島高校へと進学します。
傑からのラストパスは、いわば命そのもの。それはあまりにも重く、中学生が受け止めるには酷なものです。それでも、「ワールドカップを一緒につかむ」という兄弟の夢を思い出し、再び立ち上がった駆。ここから彼の長い道のりが始まるのです。
駆は傑の日記を頼りに、傑がパスの天才と認めた荒木竜一がいる江ノ島高校に入学します。
荒木と会うためにさっそくサッカー部へと向かいますが、江ノ島高校では学校公認の「江ノ島SC」と、非公認で同好会の「江ノ島FC」が別れて対立しており、駆は勘違いでFCの方へと入部してしまいました。
さらに荒木とも遭遇するのですが、彼は傑の残していた写真とは到底違う身体をしており、しかもサッカーから離れているという始末。こんなハプニングに見舞われながら駆の高校時代が幕を開けます。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2007-04-17
なし崩し的にFCへと入部した駆ですが、監督の岩城鉄平や他のFCの仲間とともに、公式戦出場を懸けてSCと戦います。駆と出会ったことでサッカーへの情熱を取り戻しつつある荒木の力を借りて、彼らは見事SCとの試合を同点に終わらせました。
この結果、FCとSCは合併を果たし、「江ノ島高校サッカー部」として新たにスタートを切りました。そして彼らは「高校総体 神奈川県予選」へと挑みます。
各校と死闘をくり広げながら、江ノ島高校サッカー部は準々決勝へと駒を進めました。
その準決勝での対戦相手は、かつて駆がプレイ中に大怪我を負わせてしまった日比野が所属する、湘南大付属高校。当時の負い目が消えない駆は消極的なプレーで、0-1で前半終了という試合展開になってしまいます。
しかしその後、駆は過去を乗り越え、後半ではいつものパフォーマンスを取り戻しました。さらには、後に駆の代名詞ともなる相手の背後からボールを通す究極のフェイント「φ(ファイ)トリック」なるものを披露し、見事勝利を収めます。
続く準決勝、相手は神奈川最強のDF、飛鳥亨率いる強豪校の葉陰学院です。
前半は1-1と善戦しますが、後半早々に飛鳥の巧みな試合操作で1-3とされ、江ノ島は窮地に立たされます。
そんななか、駆に異常が起きました。駆のそれまでのプレースタイルとはまったく異なる、まるで傑のようなプレーを始め、3‐3の同点へともつれ込ませます。そして、最後には駆の意思を完全に無視し、傑が駆の体を完全に乗っ取ったかのようなシュートをし、駆は意識を失うのでした。
目が覚めると駆は病院のベッドの上におり、試合はPK戦の末敗退したと報告を受けます。こうして、彼の高校初めての大会は幕を下ろしたのでした。
このほかにも駆がまるで傑のようなプレーをすることが何度かあり、そのことに気付いているのは、セブンと荒木、監督の岩城。さらに、ブラジルの至宝と呼ばれ、かつて傑のライバルであったレオも気付いている様子です。
確かに傑のようなプレーは目を見張るものがあり人々を魅了しますが、駆が努力して習得した「φトリック」こそが最初の予選の見所でしょう。
総体は県予選準決勝敗退で終わった江ノ島高校サッカー部。彼らは、その悔しさをバネに練習を積み、「選手権 神奈川県予選」へと挑みます。
さまざまなアクシデントに遭遇しながらも江ノ島高校サッカー部は、荒木やチームメイトの奮闘、さらには駆の進化した「φトリック・エボリューション」で葉陰学院をPK戦の末に打ち破ります。さらには、全国総体準優勝で、傑の先輩でもある鷹匠が率いる鎌倉学館にも死闘を繰り広げながら勝利を収め、全国へと駒を進めました。
その間、駆はまたしても傑のようなプレイを何回かみせますが、以前までのような身勝手なプレイではなく、チームプレイで江ノ島を勝利へと導きます。そのことから、駆とセブンは「傑はもう1度仲間とサッカーをしたいのでは?」という考えを持ちました。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2009-06-17
ここまでの道のりで、駆はなでしこ所属の舞衣や、総体に優勝した東京蹴球学園に所属するレオとさらに親交を深めます。駆はレオから昔の傑の話を聞き、決意を新たに全国大会へと臨みます。
江ノ島は各校と死闘をくり広げ、破竹の勢いで勝ち進みました。駆もφトリックをさらに進化させ「φトリック・レボリューション」を習得し、決勝へと進出。相手はかつて傑のライバルだったレオが率いる蹴学です。
プロ予備軍とも称され、各ポジションに留学生のプロフェッショナルを置く蹴学には隙がなく、江ノ島は試合開始早々に0‐2と劣勢を強いられます。あまりにも桁違いの実力差を前に、駆は諦めかけてしまいますが、そんなとき、かつて傑のものであった「心臓」が語りかけてきました。
「最後のレッスンをみせてやる」
傑の意思は駆の身体を使い、蹴学へと挑みます。
レオは駆の異変をいち早く察知し、「もう1度戦いたかった」と、傑と激しい攻防をくり広げます。その攻防は熾烈を極め、紙一重で傑に軍配があがりました。これが江ノ島に蹴学攻略のヒントを与え、傑は完全に駆の中から消えていくのでした。
迎えた後半、傑のヒントを頼りに前半とは打って変わって江ノ島が巻き返します。全員の奮闘で4‐4まで巻き返し、試合は延長戦に突入。「騎士」として覚醒しつつある駆のゴールが決め手となり、江ノ島は見事に選手権優勝を勝ち取ったのでした。
駆はもちろんのこと、傑ひとりでも成し遂げられなかったであろう優勝。それは仲間とともに成長し、駆自身の力で掴み取った価値あるものです。最後のレッスンで傑から受け取ったものを、彼は生涯忘れることはないでしょう。
しかし、少年たちのサッカーはこれでは終わりません。さらなる激闘が幕を開けます。
選手権を勝ち抜いた駆は、その後休む間もなく荒木と共に【Uー22五輪代表候補合宿】へと召集されました。そこにはすでにプロとして活躍している選手や、同じ高校サッカーの猛者たちが名を連ねています。
そんななか、技術は足りないものの持ち前の得点に絡む嗅覚を買われ、駆は見事五輪代表に選ばれます。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2013-03-15
日本はさっそく親善試合で韓国と戦います。駆は後半に出番をもらい、自ら得点はできなかったものの得点に絡み、必要とされる役割をまっとうしました。しかし彼はそれでは納得できず、さらにゴールへの貪欲さを露わにし始めます。
続いて、強敵ブラジルとの親善試合。レオと再会を果たし、駆はピッチを駆けます。その試合で駆は代表初ゴールをあげますが、このゴールについて彼は「トンネルのようなものに導かれた」と言うのです。それは「エンプティ・ゾーン」と呼ばれるもので、ゴールまでの最短最良の道を導くものでした。
駆は新たなる可能性をみせながらも、インタビューで「このままでは五輪代表にもプロにもなれない」と漏らします。この発言が新聞に載り、駆は新たなステージへと踏み出すことになるのです。
あの悲劇の事故から2年、駆は心身共に成長し、傑の求めた「騎士」へと近づきつつあります。これから先もまだまだ成長していくことでしょう。
インタビューでのプロ発言をきっかけに、駆は高校生ながらも「湘南ブルーインパルス」と特別指定選手としてプロ契約を結びます。
また、江ノ島のチームメイトも選ばれている高校選抜では国際ユース大会に挑み優勝するなど、各々が未来に向けて歩み始めました。
そして荒木は、Uー22のコネクションを利用して単身ドイツへと渡ります。ドイツの強豪チーム「フランクフルト」の練習試合で、彼はとてつもない人物に出会いました。その名も若き皇帝、カール・フォン・ゼッケンドルフ。生前の傑が1度も抜けなかったDFです。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2014-01-17
各々が歩みを進めるなか、荒木は世界、駆はプロという壁にぶち当たります。
さらに駆のプロという壁の前には、チームという壁もそびえ立っていました。湘南ブルーインパルスは主力が抜け、チームとしてまともに機能しておらず、選手たちにもやる気がない状態。3部に降格間近というどん底チームだったのです。
それでもめげず、ひたむきにサッカーに向き合う駆の姿勢はチームを鼓舞し、選手たちの情熱とやる気を取り戻していきます。
やっとチームとしてまとまってきたインパルスは、かなりの格上である「横浜エルマーレス」との練習試合を組みました。エルマーレスにはUー22でチームメイトとして戦った葉陰学院の飛鳥、鎌倉学館の鷹匠、さらには江ノ島高校サッカー部の監督であった岩城の姿があったのです。
この3人とエルマーレスの面々にまったく歯が立たず、インパルスは1‐6で負けてしまいます。しかし駆は試合内容よりも、チームメイトの城島豊によるパスを呼び込むような引力を鮮明に感じ、新たな目標を掲げました。
高校生ながらもプロの世界に踏み出した駆。ストライカーとして城島のみせた引力を身に着けるべく、ここからさらに奮闘していきます。サッカーへとかける情熱はより一層強まり、さらなる飛躍を読者に予感させる展開です。
プロとして試合に出場し、ハットトリックまで決めて結果を出しつつある駆と、それに応えるように勝ち星をあげるインパルスは、さらなる高みを求めて四季遥を入団させます。
驚異の才能を持つ四季ですが、ディフェンスをまったくしないうえに性格に難があり、再びインパルスに内部分裂をもたらしそうになります。
さらに、彼の左目がまったく見えないことが発覚し、そのことをチームに知られた四季はインパルスを辞めると去ってしまいました。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2014-11-17
片目が見えないという致命的な弱点を持つゆえに、様々なチームから居場所を失ってきた四季ですが、駆とインパルスの面々は片目が見えないながらも圧巻のパフォーマンスをみせる彼に驚愕し、チームに連れ戻すことを決意します。
駆やチームメイトの気持ち、そして自身のサッカーにかける情熱に嘘はつけず、四季は再びインパルスへと戻ってきました。
四季を加えてチーム一丸となったインパルスは、1部昇格に向けてさらに躍進。サッカーを楽しむことを信条に、順調に勝ち星を積み上げます。しかし、チームの躍進とは裏腹に、駆の得点が徐々に減ってきました。
四季は駆の弱点に気づいており、インパルスを優勝に導くため、駆に弱点を克服させるべく再び「高校総体」へと身を投げるよう指示したのです。
順調にプロとして活躍しつつあった駆ですが、ぶち当たった自身の弱点。それは「シュートコースが読みやすい」ということでした。このままでは1部にはもちろん、2部上位のチームにも通用しないと指摘されてしまいます。
しかし、傑やレオ、さらには四季も認めた駆のストライカー、「騎士」としての才能はまだまだ伸びる余地があり、きっとこの弱点を克服してくれることでしょう。
時系列はやや前後しますが、四季の入団から少し経ったころに駆は再び五輪代表の召集を受け、五輪2次予選のためクウェートへと渡ります。
そこではアウェーの洗礼とも言える仕打ちを受け、日本代表は最終予選出場をかけた大事な一戦を落としてしまいます。駆も出場はしたものの、得点をあげることはできませんでした。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2015-01-16
こうして背水の陣で迎えたホーム・日本での戦い。駆は傑との約束であるサムライブルーのユニフォームを着てワールドカップを獲る、という約束のために、再びクウェートと戦います。
ベストコンディションで挑んだ日本代表は、アウェーでの敗戦を払拭するかのごとく6‐0と快勝。駆も1ゴールを決める活躍をみせました。
こうして日本代表は最終戦へと駒を進めるのでした。
世界を相手に戦う駆の表情からは、傑との夢に向かう決意と覚悟が見てとれます。駆を含む若き代表たちからはワールドカップを手にする可能性が垣間見えました。
自身のシュートの弱点を克服するため、駆はキーパーの逆を突く「ホイップシュート」と呼ばれるシュートを習得しようとします。
実はこのシュート、駆は幼いころに傑に教わっていて、中学の途中までは放っていたシュートでしたが、そのフォームを中学の途中で修正されてしまっていたのです。かつてのフォームを思い出すため、彼は再び江ノ島高校サッカー部に戻ります。
江ノ島は「高校総体 神奈川県予選」の真っただなか。駆はチームと調整を行って準決勝へと挑みます。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2015-05-15
準決勝の相手は去年の選手権でも戦った鎌倉学館。鷹匠などの面々が抜けて弱体化したかと思われていましたが、駆の中学からの友達である佐伯祐介が、国際ユース大会やドルトムントへの留学を経て覚醒し、昨年の鎌学を凌駕するチームとなっていたのです。
まるで未来を見ているかのような祐介の試合運びに、江ノ島は0‐3で前半を終えてしまいます。
試合中、駆は中学から何度も立ってきたピッチで徐々に昔を思い出してきました。それはまさに四季の思惑通り。そして迎えた後半、祐介をはじめとした中学での面々が密集している場所で、駆はついにホイップシュートを思い出します。駆のホイップシュートは見事ゴールを割り、江ノ島は反撃の狼煙を上げました。
荒木や他の部員の奮闘であわや逆転かというところまで盛り返しましたが、祐介ら鎌学がわずかに上回り、惜しくも予選敗退。その後鎌学は県予選を突破し、さらに全国優勝も勝ち取ったのでした。
駆の2度目の総体は県予選で幕を下ろしましたが、この戦いで彼は大きな武器であるホイップシュートを手にしてインパルスへと戻ります。この武器はインパルスを大きく躍進させるものであり、当面の目標である2部リーグ優勝へとインパルスを導きます。
駆たち五輪代表は「フランクフルト」と親善試合をすることとなります。このチームには、ドイツ代表であり現世代ナンバーワン選手と謳われるカールが所属しています。
この試合が決まったと同時に、駆はある夢を見るようになりました。傑が「サッカーをしたい」と伝えてくる夢です。傑が語りかけてくるのは、かつてのレオとの一騎打ちの時以来でした。
駆は今度こそ最後だと思い、フランクフルトとの試合は傑に身を委ねることを決めます。こうして、「伝説」と語り継がれる五輪代表対フランクフルトの試合が幕を開けるのです。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2017-03-17
前半、カールやフランクフルトのメンバーに圧倒され、0‐3と力の差を見せつけられます。日本の監督陣も選手の未来を考えて消極的な策しか取れません。
選手たちが納得しないなか後半は守備を固める布陣を敷こうとしますが、それに待ったをかける者が現れます。それは駆の身体を借りた傑の声でした。荒木など傑とプレーをしたことがある者たちは、すぐそのことに気づきます。こうして、監督の意向を無視した五輪代表の逆襲と、傑が駆に贈る「最後のレッスン」が始まりました。
傑の指揮の元、荒木の力も借りて3‐3へとフランクフルトを追い詰めます。総力を上げて日本に勝とうとするフランクフルト相手に、傑は自身が大好きなプレーで逆転へのゴールに向かいます。それは最も単純ですが、傑がサッカーの信条だと思っている「ワンツー」。四季、鷹匠、荒木に「さよなら」を告げるかのようなワンツーを経て、傑はゴール前でカールと対峙します。
あのレオとの対決を超える紙一重の攻防のすえ、傑は見事にカールを振りきってゴールを決め、五輪代表に勝利をもたらしました。そして、試合を見に来ていた家族やセブンに想いを告げて今度こそ完全に駆の中から姿を消すのでした。
最後のレッスンを受け取った駆は、兄からの卒業を決意します。それは駆だけでなく荒木らにも当てはまりました。これから日本サッカー界を担う若者に多大なる影響を与え続けた偉大な男の魂は、今度こそ天国へと旅立ったことでしょう。
フランクフルトとの伝説の激戦を経て、少年たちは各々の道を歩みだしました。海外に進出する者や、日本のクラブでプレーする者、大学に進出する者など、さまざまです。
駆はというと、インパルスに在籍し、見事1部リーグ優勝の栄冠を手にしました。
そしてついに、長年秘めていたセブンへの想いを告げます。彼女もずっと駆を想い続けており、2人の積年の想いがついに遂げられたのです。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2017-05-17
しかし少年たちの長き道のりはまだ終わらず、舞台はとうとう「ワールドカップ」を賭けた試合へとたどり着きました。決勝の相手はあのカール率いる強豪ドイツです。
それに対するは日本最強のプレイヤーたち。エースの10番を背負うのは逢沢駆です。兄との夢を叶えるため、この舞台へと上り詰めた最後の挑戦が、いま始まるのでした。
これにて『エリアの騎士』は最終回を迎えます。最後の試合は描かれず、結末は我々の中にといったところでしょうか。
57巻と長きに渡って描かれましたが、少年たちの夢へと向かう様子が鮮明に描かれています。その姿は我々に情熱を思い出させ、夢を叶えるために努力することの大切さを伝えてくれました。
『エリアの騎士』を最後まで一気に読み進めたい。そんなあなたにおすすめしたいのが、完結した漫画を集めた<最高に面白いおすすめ完結済み少年漫画ランキングベスト19!【10巻以上】>の記事です。気になる方はぜひご覧ください。
大まかな流れをネタバレを含めてご紹介しました。しかし、これだけでは伝わりきらないものを多大に含んだ作品です。ぜひ漫画を手にとって少年たちがサッカーに懸ける情熱を味わってみてください。