漫画は面白いものですが、未完のものは続きが気になってモヤモヤしてしまいます。そんなことがない完結済み漫画をランキング形式にて紹介します。
シャーマンとしての能力を持ち、霊と交流できる主人公の麻倉葉。彼は500年に1度全世界からシャーマンが集まる「シャーマンファイト」に参戦すべく、故郷の島根県から上京してきました。それはシャーマンたちの頂点「シャーマンキング」を決める戦いです。果たして葉はその座をとることができるのでしょうか!?
- 著者
- 武井 宏之
- 出版日
本作は大人気でアニメ化もされた作品ですが、後半になるにつれて徐々に「週刊少年ジャンプ」誌上での人気が低迷し、唐突に尻切れとんぼのような形で連載が終了しました。しかし最終話にみかん(未完)が描かれており、約4年後に完全版が発売されて真の意味で完結しました。完全版は全27巻完結の作品ですが、大幅な書き下ろしが行われており、最後まで納得のいくストーリーで読み応え抜群です。
当初に発売された単行本では最終回が微妙なところで終わってしまいますが、やはりこの作品でしか味わえない荒削りなエネルギーがあります。そんな力強く、深い世界観が魅力の本作。その魅力を表すような葉の有名な名言がこちらです。
「奪うのはほんの一瞬 でも守るのはずっとだ」
これは葉の持霊(それぞれのシャーマン専用の霊)である阿弥陀丸に復讐しようとやってきたトカゲロウという霊に向かって言った言葉。復讐という一瞬のために暗い気持ちで残り続けたトカゲロウと、友を待ち続けた阿弥陀丸の固い決心とでは思いの強さが異なるという意味を表しています。トカゲロウの目を覚まさせる、端的で強い名言です。
このように随所にちりばめられた深い言葉によって奥行きある世界が構築されています。また、独特の作風も見所のひとつ。シリアスなシーンを和ませる武井宏之流のギャグやネーミングセンスには唸らされます。読み応え抜群の長編ファンタジーアクション漫画をぜひ読んでみてください。
『シャーマンキング』については<漫画『シャーマンキング』再アニメ化のタイミング!今だからこその楽しみ方!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
スポーツ漫画の人気は根強く、中でもサッカー漫画は常に人々を熱くさせ、人気が衰えることがありません。数多存在するサッカー漫画の中にあって、人間ドラマを重視した作品が『エリアの騎士』。サッカーへの自信を失っていた少年が、様々な出来事を乗り越えて成長していく姿を描きます。
- 著者
- 月山 可也
- 出版日
- 2006-08-17
逢沢駆は、幼いころからサッカーに情熱を注いできました。しかし、中学校ではマネージャーとして活動し、自分でサッカーをプレイしていません。チームメイトである親友、日比野に重傷を負わせてしまったことがトラウマとなり、サッカーへの自信を失っていました。
そんな彼の自慢は、U-12の代表にも選ばれ、将来を期待されている兄、傑の存在。傑は足を踏み出せないでいる弟を、なんとかサッカーに引き戻そうと画策します。駆が徐々にサッカーへの気持ちを取り戻す中、兄弟は交通事故に巻き込まれ、傑は死亡。重傷を負った駆は、傑の心臓を移植されたことで一命をとりとめます。
序盤からスポーツ漫画なのかと問いたくなるくらい、ヘビーな現実を突きつけてくる本作。駆はサッカーを極めていくことになりますが、常にその目は兄の背中を追っています。サッカーにかける青春物語でもあり、兄弟の絆を描く物語でもありますが、もちろんサッカーの試合シーンも充実。強く画面に引きつけられること間違いなしですよ。
『エリアの騎士』については<漫画『エリアの騎士』最終57巻までネタバレ!11年続いた魅力を振り返る!>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
400年続く妖退治の専門家、結界師一族の墨村良守が隣に住む雪村時音と共に結界術を使い、集まってくる妖を退治していくという物語。良守は自分の失敗によって時音を傷つけてしまったことを酷く後悔し、二度と誰も傷つかないように、自分が強くなること誓い、精進していきます。
良守や時音は互いに尊重し合い高め合っていくのですが、そんな2人の恋の行方も気になるところですね。良守は2つ年上でお姉さんの時音に恋心を抱いているのですが、最初は実力が下だったため助けられながら良守は成長していきます。
- 著者
- 田辺 イエロウ
- 出版日
- 2004-02-18
ケーキ作りが趣味だったり、好物がコーヒー牛乳だったりする良守は「おそろしく純粋」らしく、周囲の人間が傷つくことを極度に嫌うという少年漫画にありがちな性格の少年です。そんな良守のことを時音は当初から弟のようなものと感じており、突っ走りがちな良守の手綱役を買って出ています。そんな2人の関係が戦いの中で変わっていくところも見所。
どうして墨村家と雪村家の仲は悪いのかなど、様々な伏線が張られている内容となっており、続きが楽しみとなる展開が目白押しの作品となっています。
『結界師』については<『結界師』5分でわかる見所!中学生が夜な夜な妖退治【全巻ネタバレあり】>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
春。それは生命の息吹きに満ちたあたたかな季節。そんな始まりの季節に出会ってはいけないふたりが出会ってしまいます。それは常に死にたい絶望先生こと糸色望(いとしきのぞむ)とどんな時でもポジティブな女子高生の風浦可符香(ふうらかふか)。彼が担任を務め、可符香が所属するクラスは彼らを含め曲者揃いで……
- 著者
- 久米田 康治
- 出版日
- 2005-09-16
アニメ化もされた人気ブラックコメディ漫画です。ぶっちゃけすぎの時事ネタや日常のあるあるなど、1話1話のギャグの密度が高い本作。その量に比例していじる対象への切り込みの精度が落ちることはありません。
しかし、この漫画がここまで長編になった理由は後半の衝撃のネタバレで、多くの読者をいい意味で裏切ったからでしょう。29巻から意味ありげに動き出した伏線は最終30巻で衝撃の回収展開を見せ、後半になると別の漫画を読んでいるのではないかというくらいの豹変ぶりを見せます。果たして出会ってはいけないふたりとはどういう意味だったのか。ギャグで魅せ、最後に泣かせる名作長編漫画です。
開盟学園高等学校の平和を守る助っ人集団「スケット団」。そのメンバーは正義感の強いボッスンに、ツッコミがキレッキレの金髪少女ヒメコ、ボケるの大好き無表情ヲタのスイッチの3人です。
彼らは落し物の捜索や校内の美化、部室警備(部室でダラダラ)をしながら、学校の平和を守っています。平和を守る集団の割にゆるいです。そんな雑用係のような彼らですが、時に真面目に活躍することもあります。『SKET DANCE』はそんな彼らのドタバタな日常を描いた作品です。
- 著者
- 篠原 健太
- 出版日
- 2007-11-02
本作はほぼ、ギャグ、その中に時々挟まれるアツいシーンにホロリとくる漫画です。
ある日のスケット団はペンキをかけられた転入生に依頼され、その犯人を探します。転入生曰く、仮面をかぶった人物で顔は見えなかったとのこと。3人は彼のために動き出します。
この捜査の途中でもギャグが満載。変装でなぜかアフロをかぶるボッスン、そしてそれをやめさせるために言葉ではなく実力行使でアフロに火をつけてやめさせるヒメコ、聞き込み相手が彼女とイチャイチャしている時に彼の3股をかけた女性遍歴をバラすスイッチと、やり方が色々とひどいです。
しかし本作のみどころはボッスンのかっこよさにもあります。彼はいつも頭にあるゴーグルを装着して集中することで、一気に問題解決をしてしまうという凄技を持っているのです。そして今回もある隠された真相を見つけ出し、事件を解き明かします。
その解決シーンはボッスンの優しさに泣けるもの。この後も登場する、彼の名言が楽しめます。ぜひ笑えて泣ける王道ギャグ漫画の名作をご覧ください。
『SKET DANCE』のおすすめエピソードを紹介した<漫画「スケットダンス」神回ランキングベスト10!ギャグからお色気感動まで>の記事もおすすめです。
憲二は将来甲子園を目指すと決めた野球少年。しかし高校3年夏の甲子園予選で自らのミスでピンチをつくってしまし、そのまま3回戦で敗退してしまいます。彼のミスの原因は身長。その身長のせいでスクイズが決まらず、負けてしまったのです。
将来は野球選手になりたいと決めていた憲二は進路に悩みます。しかしそんな時、野球部監督の筒井と彼の知り合いの競艇選手だという萩原の試合を見にいき、その面白さに引き込まれていきます……。
- 著者
- 河合 克敏
- 出版日
本作の魅力は何と言っても憲二の成長する姿。当初は競艇に、ギャンブルにつきもののダーティーなイメージを持っていた彼でですが、実際に乗ってみてその考えを変え、のめり込んでいきます。
そんな憲二の幼少期からの強い信念が感じられる言葉があります。両親が憲二の小学生時代の作文を見つけ、読み返しているシーンでのものです。憲二は作文の中でこう語ります。
「ナンバーワンのプロ野球選手になりたいです。
なぜかというとナンバーワンじゃなくちゃダメなのです。
ボクのお父さんはとうふやのナンバーワンなので、子どものボクも野球のナンバーワンじゃなくちゃだめなのです。
もしプロ野球選手になれなくても、かならず何かのナンバーワンになります。
お父さんのように……」(中略あり)
そしてそんな信念を持った憲二が競艇でナンバーワンを目指す物語が始まります。
野球ではここぞという時に不利に働いてしまった低い身長ですが、競艇では重心が安定することと、体重が軽いことで有利に働く、恵まれた体格。幼い頃からなにかのナンバーワンになると心に決め、恵まれた資質のある彼の物語は、そのアツい気持ちと才能に読んでいてワクワクさせられます。ぜひ彼の成長の様子をご覧ください。
主人公・菅田健太郎はかつてプロ棋士になることを夢見ていたものの挫折し、賭け将棋で日銭を稼ぐ生活を送っていました。そんなある日、彼は秋葉原の凄腕棋士「アキバの受け師」に挑み、敗北。その悔しさから将棋への情熱を取り戻し、強くなっていくという物語です。
- 著者
- 柴田 ヨクサル
- 出版日
- 2006-12-19
将棋オンリーの人生を送ってきた健太郎が、最初は弱かったものの修行して強くなっていくすがたが胸アツです。健太郎の将棋に対する思いがひしひしと伝わってくる物語になっています。
また、将棋ルールを全然知らない人も楽しめる内容となっています。そもそも将棋そこそこに本当に殺し合いのようなバトルもするので、もはや将棋マンガというよりもバトル漫画と言った方がいいのかもしれませんね。
バトルシーンは迫力があり、将棋そっちのけの超絶展開が見所となっています。そのため将棋の漫画って地味そうと思っている人にもおすすめできる漫画となっていますよ。
絵の癖が強いですが内容は良いので食わず嫌いはせずに読んでみることをおすすめします。
『ハチワンダイバー』については<『ハチワンダイバー』が激アツだから推したい。あらすじ、結末、名言、キャラ>の記事で紹介しています。
将棋漫画の礎を築いたと言っても過言ではない超有名将棋漫画『月下の棋士』。元名人の御神三吉を祖父に持つ将棋の天才、氷室将介が奨励会を駆け抜け、宿敵となる滝川幸次名人を含むライバルたちと切磋琢磨するストーリーです。
- 著者
- 能條 純一
- 出版日
本作は何と言ってもデフォルメが魅力です。実在の人物をモデルにしたキャラクターたちの鬼気迫る様子や、将棋の駒が持つ意味を特徴的な表現技法など、勝負の世界の狂気を感じさせます。
主人公の氷室もかなり型破りな人物です。キャップにラフなシャツ、ジーパンといういでたちで、上下関係お構いなしにずけずけと発言します。しかし駒の声が聞こえる天才肌ゆえ、その言葉には何か惹きつけられるものがあります。
「盤の上で、銀がないてるぜ!!」
「強い奴が駒に触れると
……その駒が、光る!!」
斬新な表現ですね。そして彼はどちらかというと将棋を感覚的に楽しんで指しているのですが、滝川は正反対。狂気をも感じさせる鋭い視線と将棋への執念を持ち、表面上はクールに指し続けます。果たして正反対の彼らの勝負はどんな展開を見せるのでしょうか?
物語は日本の近海での海難事故が起こったことから始まります。海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」が、ロシアの原子力潜水艦と衝突したのです。
艦長の海江田四郎二等海佐以下全乗員76名生存絶望的という結果になってしまいますが、それは偽装工作で、「やまなみ」乗員を日米共謀の極秘原子力潜水艦「シーバット」のメンバーに乗務させるためのものだったのです。
しかし海江田指揮のもと、突如として乗員は反乱を起し逃亡。そして海江田を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を建国するのでした。
- 著者
- かわぐち かいじ
- 出版日
- 2013-05-23
海江田率いる独立国家「やまと」の思想に各国の大統領・首相は反発したり同調したりし、世界を形作っていきます。
世界平和のため、国家に依存しない核抑止力必用というのがこの作品のテーマのひとつで、「やまと」は世界の軍事力のバランサーとなり世界を変えていくのです。
そんな中、日本が「やまと」と同盟関係を結ぶことで日米関係が硬化するなど、現在の日米同盟について読者に考えさせるような内容になっています。しかし「正義」という理想を持った「やまと」の思想に、世界の世論は次第に「やまと」支持に傾いていきます。
政治家、自衛隊、各国潜水艦艦長、ジャーナリストなど多くの人物が登場し、彼らはそれぞれの思惑や思想、立場、責任など様々な事柄が複雑に絡み合い、苦悩を感じながらも自分たち自身の「正義」を貫くために戦っていくのです。
全32巻も続いているのにも関わらず、わずか2ヶ月間の出来事を描いた作品となっています。そのため内容は濃く、戦争の本質とは何か、日米安全保障条約とは何か、戦争をなくすにはどうすればいいかなど、考えさせられるものとなっています。
戦争作品ですが、激しいバトルというよりも頭を使って戦いを避け、人にとっての「正義」を追求していく物語になっていますよ。
『沈黙の艦隊』について気になる方は<『沈黙の艦隊』で考える個と世界の付き合い方。名作漫画を全巻ネタバレ考察!>の記事がおすすめです。
戦国時代を舞台にタイムスリップした女子中学生・かごめと、半妖の犬夜叉が四魂の玉を巡って旅をする物語。500年前の戦国時代に神社の井戸から偶然タイムスリップしてしまったかごめは犬夜叉や途中で仲間になった弥勒、珊瑚、七宝とともに四魂のかけらを追っていくことになります。
ヒロインであるかごめは500年前に生きた巫女・桔梗の生まれ変わりであり、そんな2人が同時に存在し恋する犬夜叉を取り合うというところが面白いところ。そもそも桔梗は宿敵・奈落に騙され犬夜叉を封印し自害した過去もあり、そんな桔梗と犬夜叉の関係性は難しいところがあります。
桔梗はかごめが現れたことにより蘇り、犬夜叉も封印が解かれ、終わってしまっていたはずの物語が再度始まるのです。宿敵であり、諸悪の根源である奈落を倒そうと奮闘していきます。奈落と難度も接触し対立し、それでも奈落をなかなか完全に倒すことができないもどかしさを感じますが、それでも諦めず立ち向かっていく犬夜叉たちを見ていると勇気をもらえます。
- 著者
- 高橋 留美子
- 出版日
神社の井戸を通り抜けることで戦国時代と現代を自由に行き来できるのですが、かごめが500年前に行くだけでなく犬夜叉も通り抜けられるため、彼も現代に行き常識はずれなことをする姿に笑わせられます。
シリアスとコメディのバランスがよく、気分を落ち込ませずに楽しく読むことができますよ。
アニメは、1巻から36巻までの内容が2004年から放送され、原作完結後に37巻から最終巻の内容を5年の歳月を経て製作されました。
『犬夜叉』については<漫画『犬夜叉』の登場人物を徹底紹介!【ネタバレ注意】>の記事で紹介しています。
成績はオールA、弁当を食べる配分もきっちり、いわゆる優等生な男子高校生「エーちゃん」こと丸尾栄一郎は、世界史のノートを貸したことをきっかけに、学年1可愛いと噂される鷹崎奈津と知り合います。
勉強関係は完璧だが体力があまりない栄一郎は、運動不足を解消するために訪れたテニスクラブで偶然奈津に遭遇、彼女がプロプレイヤーを目指していることを知るのです。そのテニスクラブに通うことになった栄一郎は、驚異的な動体視力と持ち前の勤勉さ、分析能力のもと、プロプレイヤーを目指すことを決心します。
- 著者
- 勝木 光
- 出版日
- 2008-02-15
第1巻、優等生ぶりを発揮しながら、「これでいいんだと思っていた、何ひとつ疑問すら抱かずに」という台詞で物語は始まります。順調、きっちり計算された日常を送っていたかと思いきや、テニスと出会ったことで、栄一郎は初めての挫折を味わいながら、新たな世界へと進んでいくのです。
栄一郎は体力は劣っていますが、試合中にノートに相手の打ち込んだボールの位置や角度、曲がり方をすべて記入し、分析していきます。一見、栄一郎は勉強がうまくいってきた分、一度折れたら立ち直るのが難しいかと思いがちですが、実際は決して諦めずに戦う集中力を持った粘り強い男なのです。
「可能性がある限り何でもやる。それでもダメなら新しい何かで勝負するしかないんだ!」と、彼はボールや相手の動きを分析しながら、相手に勝てる策を練ります。スポーツマンガならではのアツイ気持ちだけでなく、理論的に戦う、一風変わった主人公ですね。
『ベイビーステップ』については<『ベイビーステップ』47巻までの見所を徹底紹介!【ネタバレ注意】 >の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
ピアノの才能に恵まれた有馬公生は、幼い頃から母から厳しい指導を受け、数々のコンクールで優勝するという輝かしい成績を残していました。しかし、神童と呼ばれる一方で、その楽譜通りの正確な演奏に対して、「ヒューマンメトロノーム」などと揶揄されることも……。そんな中、母の死をきっかけに「自分の弾くピアノの音が聴こえなくなる」という症状を発症してしまい、公生はピアノから離れていきました。
- 著者
- 新川 直司
- 出版日
- 2011-09-16
それから3年後、公正は友人の澤部椿を通して、宮園かをりと出会います。ヴァイオリニストである宮園かをりの型破りで圧倒的な演奏を目の当たりにした公生は、次第に音楽に対する気持ちを取り戻していきます。そして、かをりに好意を抱くようになりますが、彼女には重大な「嘘」があったのです。
少年少女の複雑な人間関係、音楽に対する情熱や苦しみ、それに立ち向かったり、時には逃げたり……。この作品は、恋愛漫画とも人生漫画とも言えるような深いストーリーが魅力の作品です。少年少女の瑞々しい恋愛模様はもちろんのこと、苦しみもがきながら、音楽に向き合っていく主人公たちの姿を見ていると、まるで自分が応援されているような気持ちになります。
クラシック音楽、特にピアノの楽曲がたくさん出てきますが、話の基本軸は主人公達の葛藤や恋愛になるので難しく考えることはありません。この作品の最大の見所は、タイトルにもある「嘘」です。ヒロインであるかをりは、公生に重大な「嘘」を1つだけ吐いています。この嘘が明かされるラストは涙なしでは語れません。
「聴いてくれた人が私を――忘れないように、その人の心にずっと住めるように」(『四月は君の嘘』より引用)
かをりは、決してコンクール向きではない個性的な演奏をするのですが、その時の想いをこう語っています。このような想いは全てラストに繋がっていきます。他にも作中にはいろいろと伏線が張ってあるので、ラストを知ってからもう一度読み直すと、また違う視点で物語を楽しむことができます。読み直す度に感動できる素晴らしい物語です。
平凡な毎日に不満を持っていた主人公の少年・田中幸雄が、天才的なギタリスト・南竜介との出会いによって、音楽の世界に入り込むことになり活躍していく物語。幸雄が所属するバンド名はBECKと言い、結成された当初から失敗や挫折続きでありながらも着実にその実力を世に知らしめていきます。
- 著者
- ハロルド 作石
- 出版日
- 2000-02-15
小心者でいじめられがちなどこにでもいるような少年がバンド活動を経るにつれ成長し、結果的にみんなに認めさせていく青春群像劇となっています。バンド活動だけでなく恋物語も詰め込まれているので時折頬が緩む展開も見所。
音楽漫画を数多くありますが、ロックバンドを描いた作品としてまず名前があがるのは本作でしょう。特にライブシーンの素晴らしさは本作を読んだ誰もが絶賛するポイントです。
バンドが起こす音楽の奇跡を是非体感してください。
『BECK』の魅力を紹介した<漫画『BECK』6の魅力!あらすじ、最終回、名言をネタバレ紹介!【無料】>の記事もおすすめです。
主人公の少年・蒼月潮(うしお)が妖怪の「とら」と共に妖怪退治を行うという物語。初めこそ、襲いくる妖怪を退治していたうしおたちでしたが、物語の中心は世界を滅ぼすとされる大妖怪・白面の者を倒すことになっていくのです。
主人公・うしおは、光覇明宗の僧を父に持つ中学2年生の正義感のあふれた少年。そして相棒の「とら」は、虎模様の人間のような形をした大妖怪で、歴史上の偉人の生涯に影響を与えたこともあるほど長生きしているのです。そんな凸凹コンビが世界を救うまでの戦いを、人間と妖怪の絆を中心に描き切っています。
- 著者
- 藤田 和日郎
- 出版日
- 2015-05-18
7位の『犬夜叉』と同じように、人間と妖怪との関係を描いた作品となっていますが、『犬夜叉』よりこちらが先に出た作品です。人間×妖怪の物語が気になっているのなら『犬夜叉』と同時に『うしおととら』もおすすめ。
妖怪と人間の交流を描いたものとすると、少年ジャンプで連載していた忍者漫画『NARUTO』ともリンクしていますよね。人間あらざるものと友情を深めていくというのは世代を問わないテーマなのかもしれません。
週刊少年サンデーに1990年から1996年まで連載された古い作品でありながら、アニメ化は2015年と完結してから約20年たってからでした。
『うしおととら』の見どころを紹介した<漫画『うしおととら』の名言&名シーン徹底紹介!最終回のあの泣ける言葉も >の記事もおすすめです。
親友でありライバルでもある国見比呂と橘英雄。そんなふたりが恋心を抱く雨宮ひかりと古賀春華、そして野球を中心にして物語を描き出します。
『タッチ』でお馴染みのあだち充の作品の中でも随一の切なさを誇っています。そもそも最初からヒロインのひかりに彼氏がいるというのも、読者を心苦しくさせる設定ですよね。
主人公は比呂の方で、彼は自分のひかりへの恋心に気づいたときにはすでに失恋している悲しさを味わっています。そして、ひかりの彼氏は親友である英雄というところも心が痛いところですよね。
- 著者
- あだち 充
- 出版日
- 2009-05-15
『タッチ』のようにひとりのヒロインをふたりの男で取り合うと思いきや、実はこの作品ダブルヒロインなんです。もうひとりのヒロイン古賀春華は千川高校の野球部マネージャーで比呂の同級生。
春華は古賀商事の社長令嬢であり美人で成績優秀・運動神経抜群、それでいておっちょこちょいという女の子です。物語が進んでいくごとに、比呂に対して好意を抱くようになっていったため、比呂が向けるひかりへの好意を気にかけています。
読者からの人気も高く、ファンの間ではひかり派と春華派で意見が割れることすらあるのです。そんな春華と比呂の関係はどうなっていくのかも見所。
恋愛漫画でもあり、友情でもあり、スポーツ漫画でもある。そして切なさや寂しさを感じさせる名作青春漫画となっています。
物語の終盤で比呂と英雄それぞれが出す答えとはいったい何なのか、そして物語全体に見られる切なさの正体をどうぞ本編を読んで感じ取ってみてください。
『H2』については<『H2』5分でわかる魅力!英雄たちの野球と恋の青春漫画【ネタバレあり】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
2014年11月に連載終了した世界で有数の知名度を誇る忍者漫画です。
九尾という妖狐を体に宿した少年・うずまきナルトは、その九尾のことがあり里の人間から忌み嫌われていました。そんなナルトは周囲の人間を見返すために里の最高権力者である火影になることを夢見るのです。
忍者になったナルトは、うちはサスケや春野サクラ、はたけカカシなどの理解者を得て里の任務をこなしていきます。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
主人公のナルトは落ちこぼれであり、幼い頃から忍者としての才能を持ち合わせていませんでした。しかし周囲の協力や、努力の積み重ねにより本当の実力を開花させることができたのです。
ジャンプ少年漫画の大原則「友情・努力・勝利」が忠実に再現されている物語となっていて、熱い展開も感動要素も散りばめられた一級漫画になっています。
日本では『ONE PIECE』の方が人気があったそうですが、アメリカをはじめとする海外では圧倒的に『NARUTO』の方が人気があるそうで、外国での忍者人気の高さが伺えますね。
バスケットボールの漫画と言えば必ず名前が挙がる『SLAM DUNK』。
主人公の不良少年・桜木花道は身体能力が抜群に高く、バスケ部に入るように言われますが、それとは関係なく好きだった赤木晴子がバスケ部主将・赤木剛憲の妹だったこともあって、彼女目当てで入部します。バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず花道の才能はすぐに開花し、湘北バスケ部は快進撃をしていくことになるのです。
- 著者
- 井上 雄彦
- 出版日
花道が所属する湘北バスケ部は、今や「あきらめたらそこで試合終了ですよ」で全国的に有名になった監督・安西光義先生のもと、スポ根漫画らしいスポーツマンシップあふれる戦いを繰り広げます。神奈川県予選を順調に勝ち進み、決勝リーグへ進出するなどスポ根的に熱い展開が目白押しで飽きることなく彼らの物語を楽しむことができます。
花道や主将の赤木、そしてスーパールーキー・流川楓など人気キャラが活躍し、物語を盛り上げていきます。そんな個性あふれるチームメイトたちが切磋琢磨し、試合に勝つという目標のため努力するさまには勇気づけられるものがありますね。漫画の歴史に残っていく名作となっています。
「スラムダンク」を考察した<漫画「スラムダンク」を徹底考察!名言・物語の続き?作者の才能、豆知識…>の記事もおすすめです。
1968年から連載が開始し1970年にはアニメかもされ空前のヒットを放った作品です。累計発行数は2000万部。原作は高森朝雄こと梶原一騎、作画はちばてつやです。
主人公は、ケンカっ早い不良少年、矢吹丈(通称ジョー)。アル中の元ボクサー丹下段平は地元暴力団と乱闘をする少年矢吹丈に天性のボクシングの才能があることに気づきます。乱闘騒ぎの末、鑑別所に入った矢吹は段平から届いた「あしたのために」という書き出しのハガキに書かれたボクシングの特訓法に従って、一人練習に励むのでした。そして刑期を終えた矢吹は、段平と共にプロボクサーとしてたくさんの試合に挑むようになっていき……。
- 著者
- ちば てつや
- 出版日
- 2000-06-01
対戦直後に死んでしまった力石への思いから、対戦相手の顔面を打てなくなってしまったジョー。ドサ回りのボクサーにおちぶれながらもボクシングを捨てられない彼の姿は、読む人に感動を与えます。
この作品を読んだことがないという人も、「まっ白な灰」になるジョーの姿、この印象的なエンディングは知っている!といる人も多いでしょう。
辰吉丈一郎など多くのボクシング選手に影響を与えた名作をぜひお楽しみください。
『あしたのジョー』が気になる方は<『あしたのジョー』登場人物10人の名言を徹底紹介!名作漫画を最後まで解説>の記事がおすすめです。
もはや伝説ともなっている鳥山明原作の少年漫画『ドラゴンボール』。世界中に散らばったどんな願いでも叶えられる7つの玉「ドラゴンボール」を巡る大作です。
西遊記をモチーフとした設定から始まった本作は、主人公・孫悟空を中心としたバトル漫画です。少年編はギャグ漫画のような構成でしたが、成長後はバトルが中心に描かれるようになりました。
- 著者
- 鳥山 明
- 出版日
- 2002-12-04
サイヤ人編からフリーザ編、セル編に魔人ブウ編と続いて、そのたびに強敵が現れ悟空たち地球を代表する戦士は修行し戦っていきます。どんなに強い敵が現れても修行と戦うことが大好きな悟空が成長し勝利していくのは少年漫画の王道を一直線に進んでいますよね。
最初期は規制が緩かったのかちょっとエッチな描写がところどころに散りばめられていました。そのたび亀仙人やウーロンなどスケベなキャラが笑わせてくれます。
ほかにも悟空の純粋さやヤムチャのヘタレさなど、笑わせてくれる要素は多分にあり、バトル漫画として確立したドラゴンボールでもやっぱりギャグ漫画から出発した物語なんだなと思わせてくれます。
絶大な人気を誇るバトル漫画をぜひ手に取ってみてください。
ここまで完結済みの少年漫画を紹介してきましたが、完結済みのおすすめの青年漫画を紹介した<【200万人の本好きが選ぶ】歴代おすすめ青年漫画!本当に面白い名作漫画ベスト35!【完結済み漫画編】>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。