みうらじゅんのおすすめ本5選!新書、対談、児童書など、多ジャンルで紹介

更新:2017.9.2 作成:2017.9.2

どこでもなぜかよく見る「みうらじゅん」という名前。他に類を見ないセンスと、趣味や知識の幅広さなどが彼の魅力であり才能です。その醍醐味を知るには、彼が書いた本を読むのが1番。今回はおすすめの5冊をご紹介します。

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みうらじゅんとは

「みうらじゅんって、名前は知ってるけど何やってる人なんだろう」

こんな疑問を抱く方は少なくないのではないでしょうか。

みうらじゅんは、エッセイストであり、ミュージシャンであり、小説家であり、イラストレーターでもあり……あまりにも多くのジャンルで活動しています。

彼の魅力は肩書よりも、活動内容の方が伝わるでしょう。みうらは独自の感性と収集癖、そして天性の企画力と観察眼を持ち合わせており、それらを複合的に活かすことで「流行をつくる」力があります。そのプロセスで彼は文章も書きますし、絵も描きますし、インタビューにも応じるのです。

いまやしっかり根付いた「マイブーム」という思想や「ゆるキャラ」というカテゴリも、彼が「面白いじゃん」と言って始めたことがきっかけになっています。

「サブカルチャー界のM.J.」と名高いみうらじゅんの魅力に、おすすめ本5冊から迫っていきましょう。

みうらじゅんのフィルタを通した仏教論『マイ仏教』

みうらじゅんは幼いころから仏像に興味があったそうです。本書はエッセイのようなスタイルで、彼と仏像の出会いから書かれています。

仏像はみうらにとってはアイドルのような存在で、様々な仏像を見るために京都や奈良に足を運んだのだそうです。そしてそこから彼は仏教の教えに向き合うことになります。

「宗教」について学ぶというと、どこか堅苦しいイメージが付きまといます。あるいは、「信仰」というと神聖である種の妄信のような気持ちが混じるため、冷静な分析とは程遠くなってしまうこともあるでしょう。

しかしみうらは、仏教を実にラフに、冷静に描きます。まさに彼ならではの「私の仏教」という形で仏教が紹介されていくのです。

著者
みうらじゅん
出版日
2011-05-14

神だろうと仏だろうと、人間と同じフィルタで見るみうらの視点が天才的だとわかる一冊です。

たとえば、地獄は誰でも怖いと思うはず。そして、地獄が存在するのであれば、死して辛い煉獄に叩き込まれるのが嫌だから、生きている間の行いに気をつけようと思うものでしょう。

しかし、みうらは「どうせ地獄に行くなら生きているうちに地獄についても知ったほうがいい」という解釈をします。

この、仏教を含めた宗教がはらんでいる拘束感や信仰の強制を、スルーしているところがなんとも不思議な読後感を生み出します。つむき出す言葉は極めてやさしいので、一気に読めてしまうこと間違いなしです。

誰もが真似したい、誰も真似できない仕事術『「ない仕事」の作り方』

本書のタイトルだけに着目すると、一見「仕事術系」の本に見えますが、内容はまったく違い、みうらの仕事という観点におけるエピソード集となっています。

彼はもともと糸井重里から「悪い奴じゃなさそう」という理由だけでたまたま紹介されたことから、漫画家デビューをしました。その後、独特の価値観で「これ良い」というものを収集したり、それを自身で名前をつけて発表したりするうちに、オンリーワンの立ち位置を築いていったのです。

「一人電通」と銘打った、ひとりで企画・ディレクション・発表までをゆるくこなす仕事術は、あたかも簡単で当然なことのように書かれていますが、常人ではできないでしょう。そこが彼の面白いところです。

著者
みうら じゅん
出版日
2015-11-24

みうらは「マイブーム」や「ゆるキャラ」など、いまや当然のように使われている言葉やその定義を作り上げてきました。彼の仕事に共通していることは、「決して流行らせようとはしていない」ところです。

流行らせるつもりなどなく、ただ自分の好きなものや面白いと感じることを、気の赴くままに紹介する、そのくり返しが一代ムーブメントを築き上げる何よりのコツなのだといいます。

ディレクション術、良いデザイン、流行る企画……このようなノウハウ本を読んでうまくいかない人は、1度本書を読んでみると気分が切り替わるのではないでしょうか。

学校では教えてくれない性教育『正しい保健体育』

本書は「性」というテーマについて、カーテンで隠された部分をみうらが両手で開いたような一冊です。

そもそも義務教育で課せられる保健体育での性教育は、確かに男性と女性の性機能や性行為については触れますが、どこか実際の行為とはかけ離れた印象を受けます。

これにはわけがある、とみうらは語ります。もともと男性は性行為をするためだけに生きているけれど、それを円満に社会に適応できるよう隠すことに義務教育の意義があるのです。

性というものを恥ずかしいものとして捉え、小難しい名称を性器につけ、できる限り隠しておこうとする一般論に対して、批判するわけではなく「それってこういうことでしょ」と淡々と説明します。

著者
みうら じゅん
出版日
2015-08-04

何事においても、変わらずに冷静かつゆるく語ることができる、みうらの真骨頂とも言える一冊でしょう。本書に書いてある性に対する解釈は、どれもこれも「確かに」とうなるものばかりで、それを何か言いづらそうにしている社会が滑稽に思えてくるほどです。

「学校では教えてくれないこと」というジャンルは、学生からも一定の期待の目をもって見られますし、大人であれば「本当は教えてほしかったよな」と胸打たれるものです。なかでも性というものについて描いた決定版として、本書は必読書だといえます。

ちなみにみうら曰く、童貞は想像力を鍛える期間。早く卒業したいと焦っている男性は、ぜひその時間を大切に、想像力を育んでください。童貞の方におすすめしたい本は、次にご紹介します。

童貞をテーマに熱く語る2人の男『D.T.』

「童貞」というテーマで描かれた、みうらじゅんと伊集院光の超大作です。タイトルにある「D.T.」とは、「身体的な童貞は卒業しているにもかかわらず心理的な童貞を捨てきれない人」と定義されています。

本書では、童貞という言葉は性行為をしたことがない男性を指す、という定義が覆されています。童貞だからこそ根付く考え方や行動パターン、そこから生まれるメリットやデメリットなどを総称した「概念」としての童貞が成立しているのです。

みうらのブームを作る力が総動員され、童貞が実にポップで愛らしいものとして描かれている一冊です。読み終わった後には、誰もが童貞って素晴らしいと思ってしまうのではないでしょうか。

著者
["みうら じゅん", "伊集院 光"]
出版日

これでもかというほど童貞を肯定する内容で、読み応えは抜群です。相性ぴったりの伊集院光の掛け合いも楽しめます。

性行為は経験するまで未知のゾーンでしょう。若いうちは己の力とエネルギーさえあれば未知を切り開くことができますが、性行為においては相手なくして成立しません。しかも、一般的には秘めごとのように扱われているので、非常にハードルが高いですよね。

そんな性行為に対して鬱屈したエネルギーを抱える童貞は、凄まじい力を蓄えていると本書は伝えてくれます。むしろ童貞を拗らせた方が、後々の人生に良い影響が出てくるとさえ思えてくるのです。

女性が読んでも「心理的なD.T.」という点で共感できる部分がありますし、男性の本音を知ることができる傑作ですので、ぜひチェックしてみてください。

対談を通じて浮かび上がるみうらじゅんの人柄『みうらじゅん対談集 正論。』

雑誌「BUBKA」に掲載された、みうらじゅんと様々な業界の人々による対談をまとめた一冊で、非常に読み応えがあります。

どの業界の人とどんなトピックを話しても「みうらじゅんらしさ」が必ず出てきて、なおかつ話がなめらかに成立しており、彼の対談力を痛感するでしょう。それぞれの対談は型にはまることなく、カフェで何となく話したようなゆるい雰囲気を醸し出しています。

本書の魅力として、最後にプロのインタビューアーとみうらの対談が掲載されていることがあげられます。ここまで自分のコントロール下で人や物について語っていた彼が、珍しく他人に支配される会話のなかで言葉を選ぶのです。そこではちょっと違ったみうらが垣間見えてきます。

著者
みうらじゅん
出版日
2009-02-23

みうらの対談力もさることながら、ミュージシャン、作家、俳優、タレントなどさまざまな業界人から友達のように慕われている彼の人間力も感じることができます。

どの人も、みうらに対してある種の好感や安心感のようなものを抱いていることが対談から伝わってきますし、彼独特のリズム感に流されることを心地よく感じているようです。

こういった展開を対談で醸し出すことができるのも、やはりみうらの才能なのでしょう。扱われる内容も、サブカルチャーの視点から鋭く切り込むものが多く、新鮮な気持ちで新しい知識を得られます。

みうらじゅんの面白さは、書籍を読んで初めてしっくりきます。「名前は知ってるけどいまいち何やってるのかよくわからない……」と思っていた人は、これを機会にぜひおすすめ本をチェックしてみてください。