生活について考える本5冊【ハッカドロップス・マイ】

生活について考える本5冊【ハッカドロップス・マイ】

更新:2021.11.9

人生ってなんだろうなんて、漠然とした疑問を持ったことはある。 そして人生は生活だと思うことがある。 朝起きて、ご飯を食べて、恋をしたり、何かを考えたりする。 それってすごく分かりやすいので、そう捉えると、漠然とした疑問や不安が解消されたりすることもあると思うのです。 生活について考える本を5冊紹介しようと思います。

ブックカルテ リンク

エコノミカル・パレス

著者
角田 光代
出版日
2005-10-14

34歳フリーター。学生、フリーター、バックパッカー。若くて自由だった彼らのその先のお話。痛いなぁと思う。とてもわかるところがあるのだ。不安を持っていない人なんているだろうか、向き合いながら時間と同じ速さで進んでいくしかない。通帳の残高とか、ちょっとした恋とか、それは生活にとって現実的な希望で、現実的だからこそちょっと本当に救われるなぁと思った。

ピンク・バス

著者
角田 光代
出版日
2004-06-01

子供を妊娠したことで意識が向いた「完璧な生活」。そんなサエコの家に夫の姉、美夏子が訪れる。妊娠したサエコの美夏子にかき乱される気持ちや生活そのままに、不思議な、不安定な気持ちになりました。この物語の中で起きたことは本当にあったことなのだろうか。いや、そもそも小説なので実話なのかどうとかいう話ではなく、この本の中でも実際に起こっているのかわからなくなる。最後、美夏子はピンクのバスに乗っていなくなってしまうけれど、行き先は存在するのだろうか、とも。

娘の味

著者
阿川 佐和子
出版日
2015-10-28

人生は生活することだと思う。その中で毎日食べる(はずの)食事というのは大きな役割を担っている、と思うのです。美味しそうなご飯。食べ物は五感で味わうものと言ったりしますが、味覚抜きでも味わえるとはこのことではないか。美味しそうに伝えられる言葉の表現力がすごい。お腹が空いたらこの本をどうぞ。

花嫁の指輪

著者
沢野 ひとし
出版日

クジラを巨大な水槽に入れてショッピング施設の広場で見られるようにするなんて、そんなおかしなことと思うけれど、彼女にとっては至極まっとうなお話なのである。おかしいと思っている人がひとりに、まっとうだと思っている人がひとり。そうなると読んでいるこちらは部外者なのだからという気持ちになり、とても客観的になって事の顛末を見守った。静かな映画みたいなトーンで流れていく生活をとても好きだと思った。

タイポさんぽ

著者
藤本 健太郎
出版日
2012-08-01

街中に現れる看板の文字。文字自体が言葉以上の意味を持つようなオリジナルなその形。この本を読んだ後、いつも通っている近所を散歩してみてほしい。私はほぼ毎日見ているはずの景色の中に注目したことのない素敵な文字が浮かんできてワクワクした。

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    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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