僕がこうした本を読んでいたのは、学生の頃に姉の本棚にあったものを拝借して読み始めたことがきっかけです。今の世の中的にはラノベと呼ばれている小説かもしれませんが、その当時はそんな言葉も知りませんでした。ライトノベルという言葉を後から知った僕は、何となくその言葉が好きになれずにいます。
その頃は「ファンタジー小説」というくくりで様々な本を読んでいましたが、僕が特に好きだったのは登場人物たちが特殊な能力を持っていたり、主人公がひたすら強かったり、といったものでした。そんな小説を読んで、自分がもしこういう能力を持っていたらどんなことをするだろう……と自分の戦闘シーンまで寝る前に鮮明に想像したものです。
普段お堅い小説を読んでいる方も、こうした冒険心くすぐられる小説もたまには読んでみてはいかがでしょうか。非常に読みやすいです。そして今回は「です・ます」調で、いつもよりポップにご紹介させていただきます。
フルメタル・パニック!
学生時代にひたすら繰り返し読んでいた本の一つです。主人公の相良宗介は幼い頃より紛争地帯で育ち、世界のどこにも属さない秘密の傭兵組織「ミスリル」のメンバーです。そんな彼の新しい任務は、千鳥かなめという日本の女子高生を護衛することでした。怪しまれないように護衛する為、彼は彼女の学校に転入することになりますが、紛争地帯で育った彼には平和な日本の常識がまったく通用しません。学校に銃や爆発物を持ち込むというドタバタコメディな要素があったり、かなめと出会い無愛想で不器用な性格が少しずつ柔らかくなっていく恋愛の要素もあります。
しかし何より見逃せないのが、その舞台設定などを始めとしたシリアスでハードな要素です。現在もまだ米ソの冷戦が終結せずに続いているという設定の世界であり、その理由には大きな秘密が隠されています。その秘密が明かされた時、この物語の壮大さに読んだ人はきっと驚くと思います。ぜひ最後まで楽しんでもらいたい小説です。
スレイヤーズ!
おそらくこのタイトルは多くの人が知っているかと思います。『スレイヤーズ!』はリナ=インバースという名の魔道士の視点で物語が進んでいく、痛快なファンタジー小説です。剣と魔法の世界が好きな人にはたまらないストーリーですね。
黒魔術や精霊魔術といった呪文の種類や、魔族という精神生命体の存在のことなど、一つひとつの要素を知るたびに深く世界観に飲み込まれていき、もっと彼女の冒険を見ていたい、という気持ちになります。
この世界では圧倒的な力を持つ魔族たちに対して、人間である主人公のリナはとても小さな存在ですが、知恵と経験を武器にうまく立ち回ります。リナは、物語中では結構ひどいヤツというような描写もありますが、読者にとっては友達になってみたいと思えるような、親しみのあるとても魅力的なキャラクターです。
小学生の頃は長い呪文の詠唱を暗記し、何度も唱えていたことを覚えています。いつの日かそうした魔術を実際に使える日が来るのではないかと思っていました。そんな思い出いっぱいの小説ですので、ぜひ読んでみてください。