女の子たちの日常と山登りの魅力について描いた、登山漫画『ヤマノススメ』。漫画雑誌「コミック アース・スター」で連載していて、アニメ化などもされた人気作です。この記事では、本作に登場するキャラクターたちの魅力を、14巻までのエピソードを交えてご紹介します。
漫画『ヤマノススメ』は「コミックアース・スター」にて連載中の、少女の成長と本格的な登山を描いた作品です。2013年と2014年にアニメ化され、2017年秋にはOVA(オリジナルビデオアニメーション)「おもいでプレゼント」が発売、2018年にはアニメシリーズの第3期が放映される予定もあり、その人気が伺えます。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2012-06-12
そんな大人気作品である『ヤマノススメ』の最大の魅力は、主人公・雪村あおいが登山を通じて人間的に成長していく姿です。彼女の登山は登頂できることもあれば、できないこともあります。彼女が登頂という成功体験で成長するのはもちろんのことですが、それ以上に、志半ばで下山してしまうという挫折とどのように向き合い、乗り越えていくのかが本作品の見どころでしょう。
また登山に関する情報も大変充実していて、登山初心者の指南書、まさに「山のすすめ」として読むことができる作品となっています。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2012-12-12
主人公の雪村あおいは人付き合いがちょっと苦手で、インドア派な女子高生。そんな彼女は高校入学初日、幼馴染である倉上ひなたと小学校以来の再会を果たします。
ひなたは、かつてあおいと共に見た山の景色をもう1度見るために、彼女を登山へと強引に引き込もうとしますが、あおいは幼き日のトラウマがあって、思うように登山と向き合うことができません。
本作は、そんなあおいが友人たちとの登山を通じて、山と向き合い、仲間と向き合い、人間的に成長していく物語です。
雪村あおいは人付き合いが苦手で、インドアな趣味を持つ高校1年生です。人見知りが激しく、1学期のあいだは誰とも友達になることができませんでした。
その一方で、お菓子づくりや小物づくりが好きなど「女子力高め」な一面を持ち合わせています。幼馴染のひなたに強引に誘われて登山を始め、知らず知らずのうちにのめり込むようになっていきます。
そんな彼女の魅力は、登山を通じてぐんぐんと成長していく姿です。
これまでは、自分のできる範囲のことを、自分が好きなように楽しんで来た彼女でしたが、山に登ったことで、自分が知らないことや困難なことにも挑戦してみよう、という気持ちが生まれてきました。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2013-03-12
「恐怖は見えない ぶつかってから何だか初めてわかる とりあえず前へ進もう ぶつかってから考えればいいんだ」(『ヤマノススメ』3巻から引用)
「あきらめないでよかった またもう少し もう少しだけ先に…進んでみよう」(『ヤマノススメ』2巻から引用)
もちろん、あおいの登山は成功だけではありません。登山にある程度慣れてきたころ、彼女は「富士山」へ登りたいという気持ちになり、みんなを誘って富士登山をします。しかし、あおいだけ高山病になってしまい、登頂することができませんでした。
それからしばらく彼女は塞ぎ込み、登山をすることが嫌になってしまいます。しかし、ふと散歩に出かけ、思いたって山へと登った時、自身の持つ「登山が心から好き」という気持ちに気づきました。
「あれからずっと考えてた なんであんな辛いことしてたかって あんなことに意味はあったかって 意味はあった あったんだ」(『ヤマノススメ』3巻から引用)
その後のあおいの成長は、対人関係にまで見られるようになります。ここで、彼女の成長ぶりをよく表しているエピソードをご紹介します。
入学式初日、彼女は人見知りの性格からクラスメイトの遊びの誘いを断ってしまい、それ以降学校での友人ができませんでした。しかし登山を始め、さまざまな仲間と出会い、困難を乗り越えたことで、自分でも気がつかないうちに人間的な成長を遂げていたのです。
ついには、入学当初から話せなかったクラスメイトとも、なんとか会話ができるようになりました。
「登山でいろいろ自信が付いたのかな… か…変わらなきゃ…」(『ヤマノススメ』6巻から引用)
そして1年生の終わりの頃には、学校近くの山である「天覧山」に、たくさんのクラスメイトを率いて登までに成長します。
成功も失敗も乗り越えて、ひと回りもふた回りも成長したあおいが、これからどのように変わっていくのか、今後の彼女にも大注目です!
アニメ作品では井口裕香が声優をつとめます。
倉上ひなたはあおいの幼馴染であり、彼女に登山をさせるきっかけとなった人物です。天真爛漫な性格で、あおいを強引に引き連れたり、困らせたりします。そのため2人はよく喧嘩をしますが、それだけ仲のよい友人同士でもあるのです。
ひなたの魅力は、何と言ってもあおい思いなところにあります。彼女はかなり強引なところがあり、一見すると自分の好き勝手に行動しているように見えますが、強引な行動のすべては幼馴染を思ってのことなのです。ここで、ひなたがあおいのことを心から想っていることが分かるエピソードをご紹介します。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2013-05-11
ある時、あおいは川辺でキャンプをしている人たちに見惚れてました。そんな彼女を見たひなたは、自分の登山仲間をキャンプに誘います。あおいのために行動するひなたをみて、共に準備をしていた山友達の楓が彼女のことを労います。
それを聞いたひなたは、心のなかでこんなことを考えていました。
「始業式でずっとひとりだったし ほっとけなかった たとえあおいがそれでよかったとしても それが私のおせっかいでも もっとこっちに来てくれるように 彼女がもっと笑えるように そう思ったから だから頑張るんだよ」(『ヤマノススメ』2巻から引用)
この物語は、主人公が登山を通じて成長する物語ですが、その成長には登山だけでなく、幼馴染で親友でもあるひなたの存在が欠かせないのです。
『ヤマノススメ』を最大限に楽しむためにも、ひなたの行動や発言からは目が離せません!
アニメ作品では阿澄佳奈が声優をつとめます。
斎藤楓はあおいたちの高校の先輩で、長い黒髪と眼鏡が特徴です。あおいたちがはじめて楓と出会ったのは、山道具屋でショッピングをしていた時でした。本格的な登山経験者である彼女は、あおいたちに登山の基本を教えてくれるようになります。
頼れる先輩である楓の魅力は、あおいたちの背中を押し、時にはストッパーにもなってくれる良き理解者だという点にあります。励ますというのはそれほど難しいことではありませんが、無謀な挑戦をさせないようにする、というのはなかなか難しいことです。そんな楓の魅力が感じられる場面があります。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2013-10-12
登山に慣れてきたあおいたちは、登山者の聖地である富士山に登ることを決意します。しかし、あおいは8合目に差し掛かったあたりから高山病になってしまいました。それでもなお登山を続けようとする彼女に対して、楓は声を荒げます。
「山は逃げない! 何回だってチャレンジできるんだから焦らないの!!」 (『ヤマノススメ』3巻から引用)
山登りを何度も経験していて、あおいのことを大切に思っているからこその発言です。
登山では適切なアドバイスを与えてくれる楓ですが、案外自分のことは分かっていません。これまでずっと大好きな登山に夢中で、それ以外のことを考えたことがなかったのです。そのため高校2年生になり進路選択を迫られた時も、登山以外には何も思いうかばず、自らの将来について具体的に考えることができませんでした。
しかし、彼女の日常にあおいたちが現れたことで、やっと登山以外の選択肢についても考えるようになります。
「どんな素敵なものでも知らなかったら困惑するし躊躇する でも……それに一歩踏み込めば…… その魅力を知ることができれば 登山以外も…… もう少し世界を広げてもいいのかもしれない」(『ヤマノススメ』6巻から引用)
登山や友人たちとの日常生活を通じて、楓がどのような自分を見つけていくのか。これからも見守ってあげてください。
アニメ作品では日笠陽子が声優をつとめます。
青羽ここなは、女子力の高いゆるふわ系の中学2年生です。あおいとひなたとは、高尾山を登っている際に出会いました。両親が仕事で不在なことが多いため、料理やお菓子づくりが得意です。あおいともよく料理の話で盛りあがります。
ここなの魅力は何といっても、その可愛さです!容姿の可愛さはもちろんのこと、健気な一面が彼女を輝かせます。それがもっとも顕著にあらわれているのは、彼女の誕生日にまつわるエピソードです。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2014-06-12
ここなの両親は仕事が忙しいため、彼女の誕生日プレゼントであるハイキングシューズを直接渡すことができず、棚に入れておきました。そのプレゼントを発見したここなは目を輝かせながら開け、さっそく公園へと向かいます。
夜になり、遅くに帰宅した母は誕生日を祝うのが遅くなってしまったことを謝ります。しかし、ここなは決して母を怒ったりはしませんでした。
「今日だっておかあさん頑張って帰ってきてくれたんでしょ? 私はそれがすごい嬉しい だからいいんだよこれで」(『ヤマノススメ』4巻から引用)
ここなは決して我慢をしているわけではなく、心からこの言葉を口にします。またこのエピソードからもわかるとおり、彼女がとても「しっかり者」だというこも、忘れてはいけない魅力のひとつです。
ここなは中学2年生ながら、自分で料理を作ったり、家事をしたりなど、身の回りのことをそつなくこなすことができます。時には年上のひなたたちを支えることもある、可愛くもしっかり者なここなを見て、ぜひとも癒されてください。
アニメ作品では小倉唯が声優をつとめます。
中学3年生の黒崎ほのかは、ボーイッシュな雰囲気を持ったカメラ女子です。あおいたちとは別の地域に住んでいましたが、「谷川岳」での登山中に出会ったことから、付き合いがはじまります。元々は寡黙な性格でしたが、山仲間たちと関わることで、段々と心を開くようになります。
そんな寡黙でボーイッシュなほのかの魅力は、カメラに対する情熱です。普段は物静かですが、カメラのこととなると周りが見えなくなるほどよく喋ります。
ひと言ひと言にカメラに対する愛がこれでもかというほど詰まっていて、きっと読者も「写真を撮りたい!」という気持ちになるでしょう。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2014-08-12
「何か気になるものがあったら 撮るときに一度考えて…… どうして気になったのか…… どこが好きなのか…… そうすれば自分の気持ちと向き合える…… カメラもきっと応えてくれる……」(『ヤマノススメ』8巻から引用)
また、自分が没頭するのみならず、カメラについてあおいたちに教えることで、彼女らの山に対する考え方に影響を与えています。これまでは漠然と山の景色や様子を楽しんでいたあおいでしたが、ほのかにカメラを教わることで山の新たな面白さに気がつくのです。
「印象が変わっていく…… 山って意外といろんな表情があるんだなぁ……」(『ヤマノススメ』8巻から引用)
そして、クールなほのかには意外な一面は、ここなのことをとても気に入っているというところです。普段の彼女は人を被写体に選ぶことは少ないのですが、ここなのことだけは「撮りたい!」と強く思います。この気持ちが被写体としての魅力からくるものなのか、それとも一種の好意なのか……。それは読者の判断に委ねられています。
カメラに対する愛、そしてここなに対する愛(?)が今後どのように深まっていくのか注目です!
アニメ作品では東山奈央が声優をつとめます。
笹原ゆうかは楓の友人であり、ことあるごとに彼女に小言を言うお母さん的な存在です。
ゆうかは元々登山に興味がありませんでしたが、楓の話を聞いているうち、彼女も登山に興味を持つようになります。そして楓と2人で山に登って以来、あおいたちとも関わるようになりました。
そんな彼女の魅力は、誰よりも楓のことを心配し、本気で向き合っているというところにあります。ある日ゆうかは、怪我をした楓がヘラヘラしているのを見て、本気で怒ります。その怒りは、普段は両親がいない楓を想っているからこそ湧きあがったものです。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2015-02-12
また単に怒るだけではなく、楓の趣味に一定の理解を示して興味を持つというのも、ゆうかが楓に本気で向き合っている証拠です。
しかし、ゆうかが楓に突っかかるのは、自分が上手くいっていないことへの当てつけや、完璧すぎる楓への嫉妬心からくるものでもあります。そんな彼女も登山を通じて達成感を得る喜びを感じ、自分の悩みを解決するのでした。
「やれば山は応えてくれる 勉強だってきっと」(『ヤマノススメ』5巻から引用)
楓のことを常に気にかけ、自分のこれからについて思い悩みながらも、登山を通じて成長していくゆうかの姿も本作品の見どころのひとつです。
アニメ作品では牧野由依が声優をつとめます。
小野塚ひかりはあおいのバイト先である洋菓子店「すすき」の先輩です。社交的で、強引なところもありますが、いつでも気配りを忘れない心優しい女の子です。しっかり者で頼れる先輩である一方、あおいが登山の話をするたびに、目を輝かせて「彼氏?」と聞いてくる、今時な女子大生でもあります。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2015-07-11
ひかりの魅力は、辛いことも悲しいことも、持ち前の明るさや強さで乗り越えていく姿にあります。ことあるごとにあおいの恋愛事情を聞きたがるひかりですが、実は自身の恋愛がうまくいっていませんでした。そして、結局彼女は振られてしまいます。
好きな相手に振られてしまった彼女は落ち込むかと思いきや、その翌日にあおいを連れ出し、夏に向けてのダイエットと称して登山へ行きました。また、あおいを使って新しい男性とのデートの予行演習をするエピソードもあります。
普通ならば落ち込み、ふさぎ込んでしまうような辛いことをもバネにして、次へと1歩を踏み出していくひかりの姿には、見習いたいものがあるはずです。彼女の恋の行く末も、本作品の楽しみのひとつといえます!
アニメ作品では儀武ゆう子が声優をつとめます。
千手院小春は楓の友人で、あおいたちが通う高校の登山部の部長です。登山に対して非常に熱心で、その情熱から周りが見えなくなってしまうこともしばしば。そんな小春は積極的な部員募集もおこなっており、山仲間のメンバーをたびたび部へ誘っては断られています。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2015-11-12
また彼女は中学生のここなよりも身長が低く、そのことを気にする可愛らしい一面も持ちあわせています。
小春の持つ1番の魅力は、やはり彼女の登山に対する情熱です。ただ登山が好きというだけではなく、登山に向けての努力、つまりトレーニングをすることの重要性を誰よりも理解しているのです。そのことを部員でもないあおいたちとも共有し、共に実践する様子から、彼女の器の大きさがうかがえます。
作中で大きな動きを見せるキャラクターではありませんが、「登山にはトレーニングが欠かせない」という非常に現実的で重要な視点を与えてくれる彼女は、大変重要な人物であるといえるでしょう。
アニメ作品第3期の「おもいでプレゼント」から新キャラとして登場する3人組、通称「かゆみ隊」の中心的存在がみおです。
原作では1巻1合目から登場する彼女ですが、再登場は6巻になってから。初登場時はあおいを食事に誘おうとしましたが、彼女の極度の人見知りにちょっと引き気味になっていました。
その後、登山経験から自信を持つようになったあおいが、努力したものの空回りしてしまったところで、「ちょっと焼けた?」と再び声をかけてあげます。
そこから普通に話ができたあおいを遊びに誘うみお。決心したようなあおいをカラオケに連れていきます。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2016-03-12
実は彼女は歌がかなり上手いらしく、それでただでさえカラオケに慣れないあおいを圧倒してしまいます。
しかしそのあと何とか場に馴染むことができたあおいに、帰り道みおはこう言います。
「あおいちゃーん 今度はどこ行こっか?」(『ヤマノススメ』6巻より引用)
この普通に次を提案してくれる雰囲気に優しさを感じますね。
ちなみにみおはかなり元気系の子なので、グイグイとあおいに近づいて来ます。10巻では登山をしているという彼女の言葉から、正月に高尾山に登りたいので自分とかすみとゆりを案内してくれないかと頼んできました。
そんな積極的な態度が、彼女の魅力。徐々にかゆみ隊とあおいたちが仲を深めていく手助けになるのです。
アニメ作品では一期の一合目で鳴海杏子、「おもいでプレゼント」で七瀬彩夏が声優をつとめます。
普段はほぼ喋らず、みおの後ろで冷静に状況を見ているのがかすみ。クールビューティー系の眼鏡っ娘です。原作ではみおが初めてあおいに声をかけるところで隣におり、アニメ作品ではこの立ち位置がゆりに変わっています。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2016-08-12
ちなみにあおいとは同じ中学校、同じクラスだった人物。しかしあおいがそのことを覚えてなく、少しショックを受けてしまいます。
それは10巻でのこと。高尾山に登った時、急遽歩くことになり、登山に慣れていないかすみを見て、あおいが荷物を持ってくれました。その後、山頂での景色を見て一息つくと、あおいに「元気だねぇ 昔はインドアでおどおどしてたのに 登山のおかげ?」と聞いてきます。
なかなか直球なお言葉ですが、あおいはそれよりもなぜ自分が登山を始める以前のことを知っているのかと尋ねます。この子、一緒の中学、しかも同じクラスだったことに気づいてない!
かすみは同じ中学、クラスだったことをあおいに告げると、周囲に聞かれて中学時代のあおいについて話します。
「ずっと一人ぼっちだったわよ
いつも一人で無心に本読んでたり 机で突っ伏したりしてて
目があっても気まずそうに下下向いちゃうし
近寄りがたい空気出てて」(『ヤマノススメ』10巻より引用)
こここここわい……。しかし今の変わったあおいに、まっすぐにこう言うのです。
「今度は忘れないでね
改めてよろしく」(『ヤマノススメ』10巻より引用)
しかしそんな強い部分だけではないようで、そのあとのお参りでは可愛いお願い事をあおいに話します。
強気でバシバシと言葉を投げるような面もありますが、可愛いところもあるのがかすみなのです。ぜひその様子は作品で。
アニメ作品では「おもいでプレゼント」で山本亜衣が声優をつとめます。
ゆりはカラオケ回が初出で、そこでも「どういう曲歌うのか知りたい〜」とあおいに歌う流れをつくったり、「私も知ってる!この曲 一緒に歌っていい?」と無邪気に近寄ってきたりと、天然系。
あおいよりも背が低く、ロリッ子枠と言ってもいいかもしれません。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2017-02-13
しかしそんなふわふわしているようなゆりですが、実は周りをよく見ています。10巻でかすみがズバズバとあおいの過去を明かすのを見て、あおいとふたりきりになった時にこう話します。
「はー きんちょうした…
かすみちゃんズバズバ言うけど悪い人じゃないから気にしないでね
前から結構話題に出しててさ
元クラスメイトだし 思うところあったんじゃないかな」(『ヤマノススメ』10巻より引用)
ロリッ子ではあるけれど、周りをしっかりと見ているようですね。
カラオケ回でのちょっとした言動も周りの空気を読んでのことらしく、結果的にあおいを救うことになったのも考えてのことだったよう。いい子……。
そんな優しさと周囲の状況把握力でかゆみ隊の雰囲気を中和するような癒し系キャラがゆりなのです。
アニメ作品では一期の一合目で儀武ゆう子、「おもいでプレゼント」で高尾奏音が声優をつとめます。
14巻では、第二天覧山、宮沢湖、荒幡の富士(標高107m)三峯神社、妙法ケ岳(標高1329m)、丹沢大山(標高1252m)、塔ノ岳(標高1491m)、丹沢山(標高1567m)などが登場します。
気になる方はぜひ聖地巡礼してみてくださいね。
14巻は全体的にそれぞれの成長が感じられる内容だったのですが、収録されたなかから百一合目「オトナの判断」を少しご紹介いたします。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2017-08-10
ここなが楓から三宮神社の奥宮まで登山して合格祈願してきたお土産をもらったということを聞いたあおいとひなたは、次の土曜日にここなを連れて3人で阿夫利神社という大山(標高1252m)の神社に行こうと約束します。
しかしその当日、あおいは何やた体調が優れません。風邪を引いてしまったのですが、歩けるくらいでこのあと体調回復したらやだなぁ、と休むことをためらっていましたが、富士山での前科もある彼女は仕方なく休むことを電話しました。
しかしそのあともひなたから送られてくる写真もあって、行けばよかったかなぁと何度も考えます。
そしてそのまま就寝。ふと目を覚ますとここなとひなたがお見舞いに来ており、もう夜だということを知ります。
行けばよかったと悩んでいたけど、やはり体が参ってたんだなぁ、という言うあおいに、ひなたはこう言います。
「前なら無理してでも行くって言ってたと思うし
オトナの判断できるようになったじゃん」(『ヤマノススメ』14巻より引用)
進路の話から始まったということもあり、それぞれの成長が感じられます。あおいはこの後もまあ成長した姿を見せ、読者を感動させてくれます。
あおい以外のそれぞれの成長の様子、詳しいあおいの様子はぜひ作品でお確かめください。
- 著者
- しろ
- 出版日
- 2017-08-10
まだ幼さの残る少女と雄大な山岳風景の対比が鮮やかな本作。それを登るために苦労したり、周囲と関わっていったりして彼女が成長していく様子が楽しめる、目にも心にも沁みる良作漫画です。
今回はそんな彼女を取り巻く優しい友人たちの魅力をお伝えしましたが、自然の風景の見事さも『ヤマノススメ』ならではの良さ。日常から離れた静謐な空気、一瞬で心を奪われる絶景特有の力を追体験することができます。
2018年の3期アニメ化も楽しみな本作。アニメもいいですが、見せ場の景色までのストーリー運びや、細かなキャラたちの掛け合いなど、原作ならではの魅力もぜひ漫画で味わっていただきたいです。
いかがでしたか?可愛い女の子たちの日常風景だけでなく、登山のシビアさと奥深さ、そしてなにより「山の素晴らしさ」を感じさせてくれる作品となっています。今後のストーリーも、また2018年に放送予定のアニメシリーズも、ぜひ楽しんでほしいと思います!
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