小飼弾のおすすめ本5選!書評ブログが人気な天才プログラマー

更新:2021.11.9

天才プログラマーとしての呼び声が高い子飼弾。波乱万丈な人生を歩み、現在の地位を築いた彼の脳内を覗くことができる5冊の本をご紹介します。

ブックカルテ リンク

「小飼弾」とは

日本のオープンソースの開発者として知られる小飼弾。幼少期からその高い能力は発揮されており、中学時代は学校教育に疑問を感じ、授業に行かなくなりながらも、定期試験などには参加し、常に学年で1、2位を争う成績を残していたという逸話があります。  

中学卒業後は高校に進学せず、独学で勉強し、16歳で大検に合格。17歳でカリフォルニア大学バークレー校に入学します。

その後、実家の火事により大学を中退しますが、大学で学んだコンピュータ技術で生計を立て、29歳でオン・ザ・エッジの元社長、堀江貴文にヘッドハンティングされることになるのです。

ブログで行っている書評が絶大な人気を集めており、その人気は本の印税よりも本のアフィリエイトの方が収益が良いと本人が語るほどです。彼に書評を書いてもらいたくて多くの本が小飼の手元に届くなど、多大な影響力を持った天才といえるでしょう。

本の読み方が分かる1冊

1時間に10冊の本が読めると語っている小飼が、正しい本の読み方を語った作品です。読書が苦手な人向けに初級編から話が始まっていきますが、その教えは「大きな本棚を買って、ジャンルを問わずに300冊買うこと」に加えて、「最初の10冊は意地でも読み通すこと」の2点となっています。

また、その後は新書の可能性や、電子書籍の未来など、彼の目から見た独自の視点での論が進んでいきます。新書を生かすためにあえて「ダメ本」に触れたり、同時に複数の新書を読んだりと、一見常識はずれなやり方に見えても、実はそこに読書の本質があるのです。

著者
小飼 弾
出版日
2010-06-09

天才と評されることの多い小飼ですが、やはり本の読み方にも天才の要素が含まれています。多くの本を読んでいく中で情報の取捨選択の能力が養われ、本当に必要な情報を得ることができるのです。それは決して特別なことではなくて、多くの人が実行できることなのかもしれません。

読書の力を大きく向上させるにはもってこいの本書。読み始めから驚きの連続ですが、必ずあなたの糧となって、思考を変化させていくことでしょう。物の見方、さらには人生観まで変える可能性を秘めた、魅力にあふれた1冊です。

力をつける本の読み方を記す

たくさんの本を読むことは重要ですが、それを自分の力にしないと意味がありません。本作では、多くの知識を読書によって得てきた子飼が、正しい本の選び方や読み方を紹介しています。天才と呼ばれる男は、いったいどのような読書術を持っているのでしょうか?  

彼が一番強調しているのは、1つのジャンルのみを選んで読み進めるのは危険だということです。偏った読書は、「本に読まされている」状況を作り出し、読んだ本の内容に支配されてしまうと彼は言います。あくまで主体的に、幅広い本に触れることが大切なのです。

著者
小飼 弾
出版日
2013-02-20

幼少期には家族から暴力を受け、大学生になり実家が火事で全焼するなど波乱万丈な人生を送ってきた子飼。そういった困難な状況に置かれた中で生きていくためには、より多くのことを効率よく学ぶ必要がありました。実体験から得られた確かな自信は、きっとあなたの心にも届くことでしょう。

これまで多くの本を読んできた人も、そうでない人も、本書を読めばきっと新しい読書を知ることができるはずです。天才の思考を盗んで、新しい視点から物事を考える力を手に入れるのはいかがでしょうか?

日本に残る倫理観を見つめ直す

「働かざる者、食うべからず」ということわざがあります。これは、文字通り働かないものに食べる資格はないから、食べるためには勤勉に働きなさいという意味ですが、小飼はこの言葉を真向から否定し、逆の意味とも取れる表題を提示しているのです。  

21世紀に入り、日本は以前に比べて豊かな国となりました。そのような状況の中で生きる私たちができることは、「ベーシック・インカム」の実現だと彼はいいます。つまり、労働の有無に関わらず、政府がある程度のお金を人々に与えて最低限の生活を保証する体制を整え、極端に貧しい人をなくす社会を構築していくことなのです。

著者
小飼 弾
出版日
2009-11-26

勤勉に働くことはもちろん大切なことです。しかし、「働く」ことと「食べる」ことは本当に密接な関係にあるのでしょうか?

小飼は前提として、この点を疑っています。そして同時に、「働く」ことと「食べる」ことが強く結びついているせいで、人々の労働から創造性が失われているとも語っているのです。確かに、生きるためという壮大な目的に縛られ、自分の気持ちに嘘をついて働いている人も多くいるかもしれませんね。

日本で当たり前と思われてきた倫理観を疑い、新しい世の中の見方を提示する本作。閉塞感を感じざるをえなかった日常が、この1冊を読むことで劇的に変わるかもしれません。

良い人生の送り方を考える

生きていれば、多くの決断を迫られる機会があるでしょう。そんな時、私たちは、どのようにして自分にとって最も良い道を選択すれば良いのでしょうか?本書では、子飼が人生の中のイベントを7つの事象に分けて、自らの考えを述べていきます。

彼が何よりも大切にしているのは、成長するためには人生にゆとりを持つことが大切という考え方です。忙しなく生きていては自分の人生を顧みる時間すら作ることもできませんが、あえて暇な時間を作ることで、その時間を自己投資に充てることができるのです。

著者
["小飼 弾", "山路 達也"]
出版日
2009-03-23

天才プログラマーとして活躍している子飼ですが、そんな彼が口にするのが「暇を持ちなさい」とは、少し意外な気もします。しかし、ゆとりを持って自分と向き合ってきたからこそ、今の彼があることを知ることができるでしょう。物事をシンプルに考えて、本当に必要な事を導き出すことの重要性を再確認させてくれます。  

頭の良い人は、難しいことを考えることができるのではなく、難しいことを簡単なことに置き換える能力に長けているのかもしれません。まとまっていない考えを整理して、本質にたどり着く力を、この本を読んで養ってみるのはいかがでしょうか?

四則演算で見つめる科学

高校に行かずに大検を取得し大学に進学したものの、その大学を中退した子飼。経歴的には「中卒」になりますが、今では日本を代表するプログラマーです。そんな彼は、算数の基本「四則演算」を大切にしています。そして、それによって取り扱う「数字」こそが英語ではない世界の共通言語だと主張しているのです。

例えば、東日本大震災による原発の事故で水道水が汚染されたというニュースが大々的に報じられましたが、これを具体的な数字を通して考えてみると、実は私たち人間が身体から放出している放射線の100分の1であることが分かります。「ただちに影響はない」という報道に非難も集まりましたが、あながち間違ってはいない主張であることが、数字を通して分かるのです。

著者
小飼 弾
出版日
2013-02-09

タイトルが与える印象ほど、簡単で分かりやすい内容とは正直言えません。それは、題材として登場する四則演算自体が難しい代物だからです。今まで何気なく学習してきた足し算や割り算ですが、意外にも奥深い世界であることが分かります。そして、いかに重要なものであるかも知ることができるのです。根気強く読み進めることで、徐々に全体像が見えてきます。  

大切なのは、誰にでも科学について考えるチャンスはあるということです。1回で理解するのには難しい内容ですが、科学に興味を持つことで少しずつではありますが世界の見え方が変わってくることでしょう。教養のために、ぜひ手元に置いておきたい1冊です。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る