ルイ14世にまつわる逸話6つ!太陽王のあだ名を持つ男の生涯とは

更新:2017.9.20 作成:2017.9.20

絶対王政の絶頂期を築いた太陽王・ルイ14世。72年という、世界史上まれにみるほどの長期間にわたりフランスを統治しました。後世への影響も著しい彼の一生と、よく知るための書籍をご紹介します。

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太陽王・ルイ14世とは

ルイ14世は1638年9月5日、サン=ジェルマン=アン=レー城で生まれました。

彼の父・ルイ13世にとって初めての息子であったため、ルイ13世が41歳で亡くなった後、彼はわずか4歳で即位することになります。その後、72年間にわたって彼はフランスの国王となり、絶対王政を確立するようになるのです。

彼が即位した当時のフランスは、国内的にはフロンドの乱、国外的には三十年戦争という大きな困難に見舞われていました。この反乱では、摂政である母とともに一時的に国外逃亡にまで至っています。子どもながらにこうした苦難を乗り越ねばならなかった彼にとってこれらの出来事は、将来の「太陽王」としての器を備えるために必要だったのかもしれません。

22歳の時に宰相マザランが死去し、ルイ14世は親政をおこなうことを宣言します。その後宰相はおかず、自ら政治をおこなうことを決めたのです。彼は貴族たちを次々と政界から締め出し、貴族たちの力を奪いました。そしてコルベールを財務総監に任命し、重商主義政策をとります。

そしてパリから離れた地・ヴェルサイユに大宮殿を立てる計画をします。これがかの有名なヴェルサイユ宮殿です。ルイ14世の関心は高く、何度も本人自ら工事に立ち会ったといいます。

また、領地拡大を目指して、数多くの戦争も行います。スペインやオランダといった国に対して戦争をしかけ、王自ら剣を取って戦い、これを破りました。これにより、フランスの威信は大いに高まります。

1680年代は、ルイ14世の絶頂期でした。ヨーロッパにおけるフランスの影響力は大きく、外交語としてフランス語が用いられるほどだったといいます。ベルサイユ宮殿では贅沢で華やかな生活が営まれ、誰もがそれを羨みました。

また君主の力は絶大で、彼の決定に逆らえる人は誰もいませんでした。まさに「絶対王政」を築いたのです。1715年9月1日、彼は壊疽の悪化により、ルイ14世は逝去します。

ルイ14世にまつわる逸話6つ!

1:歯が1本もなかった

彼の侍医は「歯は全ての病気の温床である」という説を主張していました。そのためルイ14世は、12回も手術を重ねた末、歯を1本残らず抜かれてしまったといいます。

おかげで限られたものしか食べられず、胃腸の調子も良くなかった彼は、1日にトイレに行く回数が非常に多かったのだそうです。

2:風呂に入ったのは人生で2~3回だけだった

 

当時、「裸になる」ということは、たとえ入浴であったとしても、非常に恥ずかしい行為だとされていました。水を浴びるという習慣自体がなかった当時は、香りのあるパウダーをはたいたり、アルコールを染み込ませた布で顔や体を拭いたりしてすごしていました。

3:バレエをたしなんでいた

ルイ14世はバレエにとても造詣が深かったと言います。幼いころから仕込まれ、彼が4歳の時に即位した際のパーティでも、彼自身が出演しています。彼の「太陽王」という名前も、バレエで太陽神アポロンの役をした、ということにちなんでつけられました。

4:とても勤勉な人だった

彼はとても勤勉なことで知られていました。生活は規則正しく、規則に厳格で、武芸や狩猟といった体を動かすことも好んだと言います。その勤勉さから「官僚王」とも呼ばれました。

5:身長が低いことを気にしていた

ルイ14世は身長が160cmほどしかなく、身長が低いことによって王の威厳がそこなわれることを非常に気にしていたと言います。

そのため、ウィッグ(かつら)を着用するときも必要以上にフサフサに仕立ててみたり、靴もハイヒールを履いてみたりしていました。実際、肖像画を見てみても、高いかかとの靴を履いているのがわかります。

6:「ダイヤモンドこそ最高の宝石」という価値観を世に広めた

当時、最高の宝石といえばパールでした。ルイ14世は、その時代にダイヤモンドのカット技術が向上したのもあって、ダイヤモンドを非常に好んだとされています。そのおかげで、パールよりもダイヤモンドの方が値段があがったのです。

今こそ「ダイヤモンド」といえば最高の宝石というイメージがありますが、これにはルイ14世の影響があったのです。

「美」の象徴・ヴェルサイユ宮殿、その発明者としてのルイ14世

ヴェルサイユ宮殿は、その美しさ・華やかさゆえに、「美」の概念にまで影響を与えました。後世のヨーロッパにおける「美」を追っていくと、ヴェルサイユ宮殿に行き着く、というくらいだったそうです。

史上最高の美の象徴たるヴェルサイユ宮殿。それを発明したルイ14世は、一体どんな人物だったのか?そのような角度からみた彼の伝記が本書です。

著者
鹿島 茂
出版日
2017-02-24

「ヴェルサイユ宮殿の発明者としてのルイ14世」と書きましたが、内容はさまざまな面に及んでおり、王の誕生から、宰相マザランの登場、恋、戦争といった、彼の一生が描かれています。

とても読みやすい口調で書かれたエッセイですので、ルイ14世について深く知りたい方は、まずこちらを手にとってみることをおすすめします。

歴史教科書の大御所が送る、ルイ14世の伝記

「世界史リブレット」とは、歴史教科書・参考書の出版で有名な「山川出版社」による歴史に関するシリーズです。そして近年、「世界史リブレット人」と題して、偉人に焦点を当てた伝記もののシリーズが出版されるようになりました。

本書は、前半でリシュリューについて、後半でルイ14世について述べています。

著者
林田 伸一
出版日
2016-05-01

伝記というより歴史研究という色合いが強く、彼のイメージを探るというよりかは、当時や「近世」という時代背景や秩序から人物を探っていく、という手法をとっています。広い視点だからこそ、よりたくさんの歴史好きな方が楽しめる一冊といえるでしょう。
 

歴史としてのルイ14世やリシュリュー、絶対王政について知りたい方・調べたい方におすすめします。

創作か史実か?真実な太陽王の姿を知りたい人へ

ルイ14世はその圧倒的な統治力ゆえに、イメージが後から付け加えられた部分があります。

それが史実ではどうなっているのかを調査し、まとめたものが本書です。

著者
イヴ=マリー ベルセ
出版日
2008-04-01

「ルイ14世には実は双子がいた?」といった彼自身にまつまる噂話から、「ヴェルサイユ宮殿によって国が滅んだのか?」といった事件など、合計14の話について解説・解明しています。

彼にまつわる真実を知りたい方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

「ルイ14世」と、当時の歴史について知りたい方への入門書

こちらも「歴史」としてのルイ14世、フランス絶対王政について記した作品です。

フロンドの乱、コルベール、当時の国際情勢など、ルイ14世以外の側面からも、当時の事情が考察されています。

著者
千葉 治男
出版日

出版が1984年と少し古い本ですが、ルイ14世が活躍した当時の歴史について満遍なく触れているという点で、入門書として最適です。また、一般市民の生活についても研究されており、フランス繁栄時代の光と陰を感じることができます。
 

フランスの歴史について、広い知識を得たい!という方におすすめしたい一冊です。

ルイ14世を「太陽王」と呼んだのは誰?「イメージ」について学べる一冊

「ルイ14世」のイメージは、実は後世の影響によるところが大きい、ということを先ほど述べましたが、本書の内容は「そのイメージがどのようにして作られたのか」について考察されたものです。

著者
ピーター・バーク
出版日

執筆者であるピーター・バークは冒頭で、この研究のことを「『偉人がどのように作り出されるのか』のケース・スタディ」だと述べています。つまり、「太陽王・ルイ14世」というイメージが作り出される過程を通して、後世によって人がどう偉人へと作り上げられるのかその過程を考えてみよう、ということなのです。

研究書という色が強く、同時代の文学・絵画・文書・芸術などさまざまな分野にわたって徹底的に研究し、総合的にまとめた渾身の作品となっております。

いかがでしたでしょうか。彼の晩年は、度重なる戦争とヴェルサイユ宮殿の造築、宮廷生活の運営で費用がかさみ、財政は逼迫します。民衆の不満も高まり、その100年後にはフランス革命へと進んでいくわけです。

しかし同時に、ヴェルサイユ宮殿は「美」の象徴として後世に大きな影響を与えましたし、彼の時代のフランスの国際的な立場は非常に高いものでした。さまざまな側面をもつルイ14世について、少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。