確かに存在したとされているのに、まだまだ多くの謎に包まれている恐竜。そのミステリアスな魅力は今でも私たちを惹きつけて止みません。今回はなぜ絶滅の理由を簡単に説明するとともに、おすすめの本をご紹介します。
およそ46億年前に地球が誕生し、恐竜が誕生したとされる中生代は「三畳紀」「ジュラ紀」「白亜紀」に分けられます。
三畳紀
約2億5100万年前に始まりました。この頃、大陸はほとんど一つの大陸にまとまっていました。それは恐竜が現れた、2億3000万年前だとされています。海に住む魚竜や翼があり空を飛ぶ翼竜が主流でした。
ジュラ紀
だんだん巨大化。魚竜や翼竜だけでなく首長竜なども現れるようになりました。ジュラ紀後半には三畳紀に一つにまとまっていた大陸が分裂。そして、「ローラシア大陸」と「ゴンドワナ大陸」に分かれていきます。
白亜紀
種類はさらに多種多様化していきます。このころ地球上の生物は裸子植物に代わり被子植物が広がっていきました。大陸も現在の形に近いようにさらに分裂していきます。白亜紀後半、今からおよそ6550万年前に恐竜は絶滅しました。
絶滅の理由にはいくつかの説があります。さまざまな説のなかで、最も有力視されているのは「バプティスティナ原因説」と呼ばれている隕石がぶつかった説です。
隕石説
現在最も有力とされている説です。
6550万年前に、小惑星バプティスティナが別の小惑星に衝突し分解してできた隕石が地球に衝突したと推測されています。この時衝突したのはメキシコのユカタン半島です。
この衝突によって大量のチリが巻き上げられ大量の雲が発生しました。この雲が1年以上太陽光を遮り、同時に発生した酸性雨などによって「衝突の冬」が訪れました。
この衝突の冬により植物は枯れ、草食恐竜、肉食恐竜など鳥類以外すべての恐竜が絶滅。この時代に生存した70%以上の生命種が絶滅したといわれています。ちなみにその時にできた超巨大クレーターは現在でも残っており、google earthなどでも確認することができます。
ただ、近年この隕石の原因はバプティスティナではなく別の小惑星だったのではないか、という研究もあり、真相は未だ分かっていません。
隕石説の他にも、以下のような説があります。
気温低下説
白亜紀後半、環境の変化により地球の気温が急激に下がり、オスばかり生まれるようになったことで繁殖ができなくなり絶滅したとする説。
伝染病説
とある伝染病が発生し、当時陸続きであったため、大陸一体に伝染病が広がり恐竜も絶滅したとする説。
大洪水説
当時木星が地球に近づき月に影響を与えたことで潮汐力が高まり、かつて水が存在していた月から地球へ大量の氷がなだれ込みました。それにより呼吸ができないほどの豪雨が発生し、恐竜も絶滅したとする説です。
火山説
隕石説にも似ていますが、塵が太陽を覆ったのは隕石によるものではなく、火山活動が活発になったためだとする説です。火山灰によって太陽の光が遮られ、冬のような環境が長く続いたとされています。
鳥類は1億5000万年前ぐらいのジュラ紀に獣脚類恐竜が進化したものとして現れました。恐竜が絶滅した際も、彼らの唯一生き残った子孫ともいわれています。
爬虫類は恐竜が現れる中生代以前の古生代から地球上に存在していました。およそ3億年前に両生類から進化した爬虫類がさらに進化して、二足歩行をするようになったものが恐竜だとされています。
現在恐竜は生物学的に「鳥類」と「爬虫類」の中間にあたる「恐竜類」に分類されています。
ここからは、子供から大人まで楽しむことができるおすすめ本をご紹介していきます。
知識ゼロから丁寧に解説してくれる一冊。作者は恐竜好きが高じて、研究のためにカナダに留学したことのある恐竜くんです。
恐竜を通じて自然や科学に目を向けるきっかけを作ってほしいという作者の思いがぎゅっと詰まった本になっています。
- 著者
- 恐竜くん
- 出版日
- 2015-07-08
そもそも恐竜とは何なのか?というところから解説されていますので、知識ゼロの方にも最適な内容です。恐竜と鳥類の関係や、恐竜類の分類についてなども初心者目線に立ってじっくり解説。初心者の目線に立ってじっくり解説しながらも、好奇心をくすぐるようなコアな情報も満載で、読者を決して飽きさせません。
恐竜について解説するだけでなく、人類の恐竜研究の歩みにも触れています。時がたつにつれて恐竜の謎が少しずつ解き明かされている様子を感じることができるので、さらに詳しく知りたいという気持ちが湧いてくるでしょう。
基本をしっかり押さえた入門書です。内容も充実しているので、初心者におすすめしたい一冊。知識ゼロの人でも安心して楽しめる内容だといえるでしょう。
子供向けの恐竜図鑑。400種以上を取り上げ、生態から地質学的な背景までしっかりと解説した一冊です。
コンパクトサイズなので持ち歩きにも便利。気になった時にすぐ開いて確認できるサイズになっています。
- 著者
- 冨田 幸光
- 出版日
- 2010-06-23
特筆すべきは子供の視点に立った親切さでしょう。漢字には振り仮名がふってあります。ひらがなが読めるようになった子供なら自分で読み進めることができるでしょう。
多くの恐竜が外見の絵だけでなく骨格と一緒に載せられていますので、彼らの様子を外見と骨格の両方で楽しめます。
今まであまり取り上げられることのなかった種類にも焦点を当て、竜盤目・鳥盤目などのカテゴリーに分けて解説しています。親御さんも一緒に覗いてみれば、子供の頃に読んだ図鑑では見たことのなかった恐竜に出会えるかもしれません。子どもと一緒に新しいものを発見する楽しさに気づくことができるでしょう。
「知りたい!」という好奇心にあますことなく答えてくれるので、子どもから大人まで大満足できる一冊です。 恐竜好きの子どもを持つ親御さんにはぜひ手にとってもらいたい図鑑です。
本書はアメリカの絵本作家であるバージニア・リー・バートンが、地球が生まれてから現在までの生命の歴史を描いた絵本です。絵本なので小学生から楽しむことができるでしょう。
- 著者
- バージニア・リー・バートン
- 出版日
- 2015-07-23
物語調で生命が誕生してからどのように進化していったのかが綴られています。地質時代区分や彼らが生息していたころの気候変動などにも細かく触れられているので、絵本としてだけでなく恐竜ファンにとしても楽しめる一冊です。絵本としてのクオリティーも高く、表現がドラマチックですので、壮大な地球の生命の歩みに一気に引き込まれること間違いなしでしょう。
挿絵もとても可愛らしいので美術品をながめているような気持ちにもなれます。字がまだ読めない子どもも絵を眺めるだけで豊かな生命の歴史を感じることができるでしょう。読み聞かせ本としても最適です。
生物学・地質学・人類学、全ての側面からのアプローチがなされており、大人にとっても読みごたえのある内容です。物語を楽しむ絵本としての側面と、学問的知識を学べる文化本としての側面、どちらも持ち合わせる上質な絵本となっています。
この本を読めば、生命の歴史を感じて今いる自分の存在がより奇跡的に思えるかもしれません。
もしも私たちが恐竜を飼うとしたら?そんな空想に本気で答えたのがこの一冊。新しい切り口で書かれた斬新な発想の図鑑です。「恐竜が現在の地球にやってきた!」という漫画も収録されています。
- 著者
- 土屋 健
- 出版日
- 2013-03-19
内容は幼稚園から小学校低学年ぐらいの子ども向け。149種類の恐竜の飼い方を徹底的に追求しています。「飼う」という切り口で見ることで普通の恐竜図鑑とはまた違ったワクワク感があり、想像力豊かな子どもの好奇心をくすぐること間違いなしでしょう。
絵も緻密で本格的なので大人も惹きつけられると思います。子供向けの内容ですが、恐竜を飼ったらどうなるかを大人が徹底的に解明しているため、大人が読んでも納得できるでしょう。空想を本気で追求し続けるという「娯楽」を大人も楽しむことができます。
本書を読めば恐竜好きの子どもの好奇心を刺激し、考えたり想像したりする力を養うことのできるでしょう。一度本を開くとページをめくる手が止まらなくなってしまいますので、寝る前の子どもへの読み聞かせにするには注意が必要かもしれません。
いかがでしたか?今回は恐竜を知ることのできるおすすめ本4冊をご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございます。