こんにちわ! 永原真夏です。 日頃はゴリゴリのバンドサウンドの中ハイパーボイスで歌っているわたくしですが、反面、静かで、おっとり、のんびりしている作品のほうが好きだったりします。おっとり、のんびりの中に潜む、情緒や感性というのにシビれます。こんな分かり辛い中指の立て方……! かっこいい……!みたいな。もちろんお布団の中で。おっとりうっとり。 ということで、今回は、のんびりした作風の中にピリッと風刺の効いた漫画作品をご紹介いたします。
- 著者
- 高野 文子
- 出版日
悠々自適な生活を送る主人公・るきさんと、バリキャリOLえっちゃんの友情物語、と思って読んでいます。自然にふわっと、毎日マイペースに生きるるきさんやそれを取り巻く人々の姿は、今読むとちょっと素敵すぎます。どこでなにをしていても、るきさんはるきさん!みたいな、究極の人間漫画。
個人的に好きなシーンは、おしゃれをしなさすぎるるきさんに、えっちゃんがお洋服を貸してあげてお出かけするシーン。鏡に映った自分を見て、るきさんは「えっちゃーん、わたし、死んだおばあちゃんにソックリ」と、言います。かわゆい。
- 著者
- 大島 弓子
- 出版日
- 2008-06-25
大島弓子先生といえば猫!というくらい、猫を愛し、猫を描き、猫とともに生きる先生。猫耳娘を主人公にした「綿の国星」が有名ですが、愛猫サバとの生活を描いた、あるいはサバが主人公の作品もたくさんあります。しかし今回ご紹介する作品は、そんな愛猫「サバ」が天国に行ってから、次にまた猫をお出迎えする、新しい猫たちとのドキュメンタリー漫画。
心にずーーーっと残っているのは、
「二度目の猫はトクである 死んだ猫の分まで大切にされる」
という一節。かくいうわたしも、愛猫を亡くしてから、新しい猫と出会う気持ちになれません。が、もしかしたら、いつか、グーグーみたいな子と出会えるかもしれません。そのときはたくさんたっくさーーーん大切にしたいです。
- 著者
- 玖保 キリコ
- 出版日
個性豊かな子供たちの物語。とくに、主人公のツネコちゃんなんていうのは、こう言っちゃなんですが、ひどい性格です。わがまま、嘘つき、いいかげん、乱暴……。挙げると切りがないくらい、だめな子です。
そして、ツネコちゃんに翻弄されるキリコちゃん。キリコちゃんは自分のことを平凡な平和主義者と思っていて、心のどこかでツネコちゃんを小馬鹿にしていますが、読み進めるほど、キリコちゃんもキリコちゃんでなかなか曲者。
お友達たちも、そろばん塾に通う時だけキャラ変する子がいたり、おしゃれで天真爛漫でなにを考えているのかわからない双子がいたり、とにかくキャラが濃ゆい。でも、どこか調和がとれていて、読み終える頃には「個性豊かなことはよいことですネ」みたいに、自分も納得している。個性的で、調和がとれていて、ただの日常。
それってサイコーじゃん!と思います。
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。