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『なるたる』5分でわかるグロシーン!鬱・胸糞展開につき閲覧注意【ネタバレあり】

更新:2020.12.1 作成:2020.10.20

アニメ化などもされた名作漫画『なるたる』は、実は作者の鬼頭莫宏が精神的に落ち込んでいた時期に描いたものだとか。そのせいか、題名や絵からは想像できないほどハードな内容になっています。

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漫画『なるたる』の魅力とは?

本作は、漫画『ぼくらの』などを手掛けた鬼頭莫宏によって描かれた、シリアス、エロ、グロの要素満載の作品です。

素朴な絵柄と、ひらがなのタイトル、星型の可愛い生物などから優しい雰囲気を感じられますが、物語はシリアスそのもの。誰もが何かしらのトラウマを抱えているほか、「エグい」としかいいようのないいじめや、グロテスクなシーンなどが連続します。

しかし、絶望の淵にいても生きていこうとする登場人物たちの姿からは、勇気をもらえるでしょう。

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2017-06-23

この記事では、『なるたる』を印象付けるグロシーンに特化してお伝えしていきます。

もちろん本作の魅力は他にもたくさんありますが、グロシーンはこの作品にとって象徴ともいえるもので、切っても切り離せない要素なのです。


『なるたる』のグロやエロの先にある奥深いストーリーに惹かれている方は<『なるたる』好きにおすすめの漫画5選!>の記事でおすすめマンガを紹介しています。

漫画『なるたる』あらすじ【ネタバレ注意】

小学6年生の玉依シイナ(たまいしいな)は、小学校最後の夏休み、祖父母の住む島へ遊びに行きます。そんなある日、海で溺れてしまった彼女は「ホシ丸」というかわった生き物にに助けられます。

ホシ丸は子供の意識と繋がる(リンクする)ことで、さまざまな能力を発揮することができる、「竜の子」という存在でした。

竜の子とは、地球の遥か上空を遊泳する正体不明の生物です。各国の宇宙開発組織は彼らの存在に悩まされてきましたが、秘密にしていました。

また、竜の子と繋がった子供たちは「リンク者」と呼ばれ、シイナのほかにもリンク者は増えていきます。

そんなリンク者たちのなかに、竜の子の力を使って「世界をリセットして理想の世界を作り上げよう」ともくろむ者が現れます。自分もリンク者であるシイナは、否応なしに彼らの戦いへと巻き込まれていくのでした。

グロシーン1:試験管【グロ・鬱注意】

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2017-07-21

シイナが通う小学校には、貝塚ひろ子(かいづか ひろこ)というリンク者の女子がいます。彼女は、同じ学校の女子グループから壮絶ないじめを受けていました。

段々とエスカレートするいじめは、ついにたどり着くところまでたどり着きます。なんと、女子グループのリーダーが仲間にひろ子を押さえつけさせ、学校にあるガラス製の試験官を女性器に無理やり突っ込んだのです。

その際に下着を脱がすわけですが、女子グループたちは茶化すように「ひろちゃんおとな~」と羞恥心を煽ることを忘れません。

体の中に割れ物を入れられるなど、恐怖でどうにかなりそうなものですが、それだけでは終わりません。そんな状態の腹を蹴るまでフリします。その後リーダーの女子生徒は自分の兄に、まるで楽しかった思い出を語るように、ひろ子との出来事を語って聞かせるのです。

その姿は醜悪そのもの。心の底からいじめを楽しんでいる彼女の姿に、目を覆いたくなるような場面です。

グロシーン2:ミミズジュース【グロ・鬱注意】

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2017-08-23

この「ミミズジュース」もまた、いじめを受けるひろ子のエピソードです。

秀才な彼女は、テストでは常に100点をとるような優等生です。そこを妬まれたのか、女子グループは彼女に「100点を取ったら罰ゲーム」という理不尽な約束をさせました。

ひろ子はもちろん罰ゲームなんて嫌なので、わざと1問だけ間違えます。しかし、女子グループからは「私たちからしたら100点と一緒」「むしろわざと間違ったんだから」と、結局罰ゲームを課せられてしまいました。

無邪気な女子グループのリーダーが、花壇の土からおもむろに掘り出したのは、「ミミズ」。それを水の入ったビーカーに入れると「ミミズジュース」と言って掲げ、ひろ子に押し付けました。「早く飲まないとどんどん増えて行っちゃうよ」と言い、飲むことを強制します。ひろ子が戸惑う間にも、掘り出したミミズを掘り出してはどんどんビーカーに入れます。

逃げられないと悟ったひろ子は意を決してミミズジュースを一気に飲み干し、入っていたビーカーを叩き割りました。毅然と睨み付けてくるひろ子に気圧された女子たちは、捨て台詞を吐いて帰っていきました。

ひとりになった途端、ひろ子はお腹を押さえ、飲み込んだものを吐き出します。何度も何度も吐き出し、当然なかにはミミズが混じっており、それを見てさらに吐き気を催すのでした。

グロシーン3:のり夫と豚食い【グロ・鬱注意】

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2003-02-19

古賀のり夫(こがのりお)は、主人公のシイナが物語中盤に出会った人物です。一見美少女に見えますが、実は中学2年生の男の子。鶴丸丈夫(つるまる たけお)という男の子と一緒にいることが多く、彼の住む作業場でよく趣味の人形作りをしていました。 

ある日、シイナと鶴丸が外出していた際、留守番をしているのり夫の元に、鶴丸を探してやってきたヤクザたちが訪れます。ヤクザは有無を言わさず彼の腹を蹴ると、刃物で左耳を切りつけました。のり夫は逃げようとして走り出すのですが、今度は右足を切られ、立つことすらままならなくなってしまいます。

のり夫が抵抗することすらできなくなると、ヤクザは「豚食い」と呼ばれる男に「のり夫を自由にしていい」といいます。その言葉を合図に、豚食いはのり夫を凌辱しはじめました。しかも、凌辱の最中に腹を裂いて臓物を引っ張り出し、その様子をビデオで撮影しているのです。

痛みや出血で何度も死にそうになりますが、豚食いは薬を注入して、無理やり延命させます。のり夫はこれを何度もくり返され、限界の瞬間を迎えても、微笑んでいます。そして「言えなかったなあ」とつぶやき、こときれるのでした。

実はのり夫もリンク者でした。しかし彼の竜の子は、彼が豚食いに手をかけられていた時、鶴丸と一緒に戦っていたのです。もちろん、鶴丸の元から竜の子を呼び戻せばのり夫は死なずに済んだかもしれません。しかし、彼は鶴丸が死んでしまうくらいならと、自分の命を捧げたのです。

鶴丸のことをここまでして守ったのは、のり夫が鶴丸に友達の域を超えた、特別な思いを抱いていたからでした。

作中屈指の残酷シーンですが、血や傷が直接描写されることはありません。しかし、想像力を掻き立てるような構成が、余計に残酷さを際立たせています。

グロシーン4:貝塚ひろ子の復讐【グロ・鬱注意】

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2003-12-20

女性器に試験官を入れられたり、ミミズジュースを無理やり飲まされたりと凄惨ないじめを受けていた貝塚ひろ子。彼女はついに、自分を苦しめた人物たちに復讐をしはじめます。

登場人物のなかには、いじめられる彼女を救おうとした存在もいました。シイナのクラスメイト・水嶋貴也(みずしまたかや)です。壮絶ないじめの現場を見てひろ子を守ることを宣言しますが、彼女はそれを「もう遅い」といって拒絶します。

その発言のとおり、我慢の限界を超えたひろ子は、竜の子「鬼」を使ってクラスメイトを虐殺して回りました。竜の子を知っている人物たちには、この惨劇が竜の子の仕業であることがわかります。しかし、そんなことなど知らない登場人物たちには何が起こっているのかなどわからず、ただ殺されていくのです。

また、試験管の一件を忘れていなかったのでしょう。ひろ子は女子グループのリーダーが自分にしたのと同じように、巨大な竜の子の指を彼女の女性器にねじ込み、叫び声をあげるほどの激痛を食らわせたのでした。

そんなひろ子の虐殺を止めたのは、シイナです。ホシ丸使ったシイナは、結果として彼女を殺すことになってしまいました。

こうしてひろ子の復讐は終わります。そして、その復讐が残したものなどひとつもありません。我慢の限界を超えた彼女が、自分を苦しめてきた元凶たちを殺し、そして殺された。ただそれだけという、無常な話なのでした。

絵柄からは想像できないハードな展開のオンパレードですが、直接グロシーンが描かれていることは少なく、むしろ想像力を掻き立てるような描き方をするのがにくい作品となっています。

もちろん、グロシーンだけでなくSFとしても完成度が高く、面白い漫画作品であるのが『なるたる』です。