堀紘一のおすすめ著書5選!必要とされる人間像を学ぶ

更新:2017.9.21 作成:2017.9.21

日本のビジネスはもう通用しないといわれて久しいなか、それでも変わらず求められる人はいるものです。今社会で必要とされるのはどんな人物なのか。今回は、日本ビジネスの浮き沈みを渦中にいながら乗り越えてきた堀紘一の視点から解き明かしていきましょう。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

日本コンサルティング業界のレジェンド、堀紘一

堀紘一(ほり こういち)は1945年生まれで、日本のコンサルティング業界において、まさにレジェントとも呼べる立ち位置にいる人物です。まだ日本に「コンサルティング」という言葉が広く知られていなかった時代に、世界的に強い影響力をもつ経営戦略コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループに入社し、のちに日本法人の社長まで務めています。

その後、堀紘一は2000年にドリームインキュベータを立ち上げ、日本においてベンチャー企業の育成に尽力してきました。同社は日本初の経営戦略コンサルティング会社であり、堀は日本コンサルティング界の草分けともいえる存在なのです。日本の経営者や企業についてもっとも知る人物ともいえるでしょう。同時に、同社を東証一部上場させるなど、自身も起業家として大成功を収めています。

また、コンサルタントになるまでの経歴も実に華々しいものです。東京大学法学部を卒業後に読売新聞社に入社し、4年後には三菱商事に転職しました。35歳でハーバード大学の経営大学院に留学し、MBAを獲得します。堀紘一はここで、成績上位5%にしか与えられない「Baker Scholar」を日本人として初受賞しているのです。この結果をもってボストン・コンサルティング・グループに入社しています。

まさにエリート中のエリートである彼は、著書の中でいったいどんなことを書いているのでしょうか。今回、彼の考え方や発想が垣間見える書籍をご紹介します。

一流といわれる人になるための方法

日本企業の体質は古く、時代遅れだと言われるようになって久しいものです。しかし、そもそも古いといわれる体質がなぜ日本企業に根付いたのでしょうか。そしてなぜ今変わらなければいけないのでしょうか。

それらの疑問を一気に払拭してくれるのが本書です。

堀紘一は本書で社会人を2つのタイプに分けました。1つは「戦後の日本企業社会を生きてきた人たち」であり、これを「サラリーマン」と呼びます。彼らは年功序列で給料も横並び。真面目にコツコツと仕事をすることが効率のいい生き方でした。しかし堀は「サラリーマン気質はもう通用しない」と断言します。

もう1つのタイプは「これからの日本のビジネス界を生きていく人たち」であり、これを「ビジネスパーソン」と呼びます。彼らは実力主義のなかで切磋琢磨し、常に実力やマインドの高さが求められています。

年相応の高い能力や経験を積み重ね、一流のビジネスパーソンとなることができれば、高収入も夢ではないというのです。

著者
堀 紘一
出版日

では、一流のビジネスパーソンとなるためにはどうすればいいのでしょうか。
 

「未来は単純に過去の延長線上にはないけれども、過去をつぶさに検証しなければみえてこない」と主張する堀紘一は、本書でもまずは日本のサラリーマンが経験してきたこれまでの日本社会を徹底的に検証します。

後半ではそれを踏まえて、これからの日本社会においてビジネスパーソンに求められる人物像や、それに見合う自分になるための仕事の仕方、考え方などについて細かく指摘していきます。

本書では、これからの時代を生き残っていくために心得ておくべきことを学べるのです。同時に、日本社会の移り変わりや今後の日本が直面するであろう問題についても学べる本になっています。

堀紘一という人物の物語をたどれる一冊

昨今では、学生の就職希望ランキングには、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)やマッキンゼーといったコンサルティング・ファームの名前はランキング上位の常連となっています。学生たちはコンサルティングというものを「知的でスマート、高給を得られる仕事」とイメージしているのです。

しかし堀紘一はそのイメージを「ポジティブな側面だけが過剰なまでに強調されてしまっている」と憂慮しています。

また一方では、「机上の空論」「現場を知らないくせに」「経営をしたこともないくせに」といったネガティブな印象も、コンサルティングにはついてまわります。しかしこれも誤解なのだと堀紘一は指摘しているのです。

著者
堀 紘一
出版日
2011-04-26

このように堀は「日本ではコンサルティングという仕事の本当の姿が、あまり伝わっていない」ことを問題視し、本書の執筆に至ったそうです。

本書が興味深いのは、経営戦略コンサルティングとはいかなるものかについて、堀の経歴や関わってきたコンサルティング事例をもとに説明されていく点です。そのため、コンサルティング業界の実情を知ることができます。

成功談はもちろん、判断に迷ったり素早く意思決定できなかったりして失敗していく経営者たちのエピソードにも触れることができるでしょう。

また著者の半生をたどることで、そのとき何を考えどう行動したのかが理解でき、厳しい世界の中で勝ち残っていく彼の人物像が見えてくるのです。

日本コンサルティング業界の草分け的存在であり、戦略経営コンサルティング会社を日本で最初に起業した堀紘一。彼だからこそ書ける、コンサルティング業界の変遷や世の中の受け止め方の変化を知ることもできます。

考えに考えて「独自路線」を見つけるには

堀紘一は、今の日本には元気がないと考えています。自分に自信がない人、不安ばかりを抱いている人、希望がもてない人が多すぎるというのです。

グローバル化が急がれる日本社会は「従来通りのやり方では世界に通用しない」という風潮にあります。これまで当たり前だった年功序列や給与体系、働き方を変えるべきという声が高まっているのです。

こういったことから、どんな企業でも「いつ倒れるかわからない」と懸念され、将来への不安ばかりが高まるなかで元気でいられない人が増えている、と著者は考えています。

では、どうすればこの不安がはびこる社会で勝ち残っていけるのでしょうか。堀はその問いに対する答えを本書にまとめています。

著者
堀 紘一
出版日
2009-01-06

一言でいうならそのための唯一無二の方法はタイトルどおり「人と違うことをやる」に尽きます。誰にも真似できない自分だけの道を築くことで、もっと光り輝く自分になることは決して不可能ではない、と私たちに希望を与えてくれるのです。

しかし、「人と違うこと」はどうすれば実現できるのでしょうか?

その答えとして、1つめは夢をもつこと。その夢を強烈なまでに追い求めることです。2つめに、その夢の実現のために考考えぬくことが必要だと著者は本書で何度も主張します。

ただし、ただ闇雲に考えていればいいわけではありません。正しい考え方を学ぶことも必要です。そこで著者は本書で必要な発想法についても詳しく紐解いてくれます。

しかしそれはあくまで方法であって答えではないのです。著者は、発想法を学んだ後に「自分の考えのどこをどう発想転換し、光り輝く自分をどう設計すればよいかをじっくり考えていただきたい」と読者に求めています。

つまり本書を読んでからが読者にとっての正念場ということ。読むだけで終わらせず学びを実行に移すことが肝心なのです。読み進めるほどに「やらなければ!」とうずうずしはじめてしまうこと請け合いの一冊です。

失敗を恐れず挑戦していく人になるために。堀紘一の経験から学ぶ

人はよく「本当はこの仕事がしたかった」「もっと変わりたい」「どうしてこうなったんだろう」と現状を憂います。一方で「もう遅い」「どうにもならない」「今さら無理だ」と諦めてしまうこともあるでしょう。新しいことに取りくんで失敗すれば、取り返しがつかなくなり、今よりもっと悪い方向へ行ってしまうのではないかとビクビクしているのです。

堀紘一はそんな人たちへ向けて本書を書きました。

今の若者は、どこか臆病で安定志向な人が多いかもしれません。なかなか挑戦しようとしない、と年配者たちは受け止めています。

「どうしてそんなことになってしまうかというと、涙を怖がりすぎるからです。そして叱ってくれる人もいなければ、励ましてくれる人もいないからです」(『「正しい失敗」の法則』から引用)

堀は上記のように、少し違った受け止め方をしてくれるのです。

著者
堀 紘一
出版日
2012-03-17

そして「正しい失敗」の法則を知れば、失敗が決して怖いものでも取り返しがつかないものでもないことが分かるといいます。

それどころか、
 

「天才ではない我々凡人がこの世の中で唯一成功する道は、正しい失敗をどう積み上げていくかにかかっているのです」(『「正しい失敗」の法則』から引用)

と失敗を大いにすすめるのです。

 

これは裏を返せば、堀紘一が若者たちに進めているのは「挑戦すること」に他なりません。挑戦なくして失敗はなく、失敗なくして自分に今欠けているものや本当にやりたいことを見つけることはできないからです。

失敗は若いうちにしておけといわれますが、著者は50歳未満であれば十分「若いうち」に入るといいます。つまり20代、30代で「もう遅い」などということは決してないわけです。

著者自身、留学したのは30代になってからでした。起業したのは55歳。そして70代となった今も第一線で活躍し、精力的に執筆を続けているのです。

では堀紘一はどんな「正しい失敗」を積み重ねて成功を形にしていったのでしょうか。その逸話がいくつも本書に紹介されています。今よりもっと高みにいきたいと望む人にぜひ読んでいただきたい一冊です。

堀紘一が語る、リーダーとしてあるべき姿の全て

本書は2003年に同タイトルで出版されたものの改訂版となりますが、著者は冒頭で
 

「どの程度、書き換えを必要とするか、我ながら興味津々であったが、意外や意外、結論からいえばほとんどなかった」(『リーダーシップの本質 改訂3版』から引用)

と述べています。本質というものは十数年程度で変わるものではない、というのです。

著者
堀 紘一
出版日
2015-07-25

では、リーダーシップの本質とは一体何なのでしょう。

本書で堀は「自分の利益のためでなく組織全体のことを考え、犠牲的精神をもって組織を向かうべき方向へとリードしていく意志と能力」を持ったリーダーこそ真のリーダーであるとしています。

そして日本に真のリーダーシップを持つ人物がほとんどいないという現状は、平等を第一に考える教育に原因があるというのです。それはすなわち、リーダーシップとは生まれ持つものではなく「学んで掴み取るものである」と著書が考えているということでもあります。

リーダーシップについて学ぶ機会が失われてしまった現代の日本人のために、新たなテキストとして堀紘一が書き起こしたのが本書です。真のリーダーとはどう考え、どう行動すべきなのか。部下に対してどう振るまい、どう言葉をかけるべきなのか。お手本とすべきリーダー像がこの一冊に全てつまっています。

経営者や上司という立場にある人はもちろん、新人やこれから社会人になろうという人にとっても必読の書といえるでしょう。仕事への向かい方、会社組織への考え方などをあたらめさせてくれる一冊です。

以上、日本コンサルティング業界の第一人者である堀紘一の著書をご紹介しました。彼が長いコンサルティング歴のなかで出会った経営者は、実に3000人をくだらないといいます。それは同時に、数千という会社の浮き沈みを目の当たりにしてきたという意味でもあります。日本社会全体の浮き沈みもまたその渦中で体験し、乗り越えてきたことは間違いありません。

培われた経験と知識をもとに書かれる著書からは、これからの日本に求められる人物像が浮き彫りになっていきます。どの著書を手にとっても学びは尽きません。向上心溢れる方、また伸び悩んでいる自分の壁を突き崩したいと努力されている方にぜひ読んでいただきたい本です。