大切なあの人は亡くなった……彼女の死の真相を知るため、2人の男は警察とヤクザになって事件に迫るのでした。 生田斗真と小栗旬のダブル主演でテレビドラマ化されて話題になった『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』。全24巻に渡る2人の主人公の復讐劇は、どんな犠牲を払い、そして、どんなゴールに辿り着くのでしょうか?今回は見所を紹介していきます。 スマホアプリからは無料で読むこともできるので、ぜひそちらもご利用ください。
児童施設で育った過去をもつ2人の物語。
児童施設「まほろば」で、かつて2人の面倒を見てくれた柏葉結子。そんな彼女が、ある日殺されてしまいます。彼らは彼女を殺した犯人を見ていたにも関わらず、その情報はもみ消されてしまうのです。なんと、警察の手によって……。
その仇をとるために、龍崎イクオは刑事、そして段野竜哉は極道になります。
表の世界の住人と、裏の世界の住人。清濁併せ呑みながら謎に迫る、ミステリーあり、格闘あり、恋愛ありの物語です。
そんな本作は生田斗真、小栗旬のダブル主演でテレビドラマ化もされ、人気を博しました。スマホアプリからは無料で読むことができますので、ぜひそちらでご一読してみてはいかがでしょうか。
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龍崎イクオは刑事、段野竜哉は極道。対局ともいえる立場にある2人の男は、結子を殺害した犯人と、事件を闇に葬った警察関係者「金時計の男」の正体を探るべく奮闘します。
真実にたどり着くため、幾重にも張り巡らされた罠をかいくぐっていく2人。結子は誰に、なぜ殺されたのか。そして、なぜ警察は殺人事件の捜査をおこなわなかったのか……手に汗握る、緊張の展開が続くのです。
- 著者
- 神崎裕也
- 出版日
- 2009-06-09
なお「ウロボロス」とは、自らの尾を飲み込む龍のことで、「宇宙の根源」「不老不死」「永遠」「破壊と創造」「死と再生」などの意味があります。本作でも、結子の遺品のネックレスはウロボロスをモチーフにしたものであり、シンボル的な役割を果たしているのです。
本作にはイクオと竜哉2人の他にも、イクオの相棒で婦人警官の日比野美月が登場。最初はイクオに反発していた彼女でしたが、しだいに惹かれていき……という注目のキャラクターです。
他にも、美月の父で警視庁警務部監察課の課長代理・日比野圀彦、見た目が幼い警視庁警務部警務課の警部補・田村小夏、結子殺害の真相を追うフリーライター・那智聡介、山城会会長嫡男兼幹部・山城隼人など、個性豊かな登場人物が存在する本作。
那智は、実は行方不明になった妹・日菜子を探していて……。
彼らがどのように活躍するのか、要注目です。
イクオは結子が殺された謎に迫るため、警察内でのポジションを高めていく必要があります。その目的のために励んできた彼の検挙率は、なんと所轄で第1位!
同僚からは「普段はぼーっとしているのに、なぜあいつが……」と思われていますが、それもそのはず。実は極道である竜哉が裏のルートから仕入れた情報を、彼に流していたのです。
竜哉はいわゆる「インテリヤクザ」で、頭脳を使った活躍でイクオを支えていきます。しかし、いざ戦闘となれば彼も極道ですから、とっても強くてカッコいい!格闘シーンでも活躍をみせてくれるのです。
- 著者
- 神崎 裕也
- 出版日
- 2009-09-09
一方イクオも、竜哉からたびたび情報を仕入れていたとはいえ「検挙率ナンバーワンの男」は伊達じゃありません。彼もまた、並外れた身体能力を持っているのです。その能力を駆使し、立ちはだかる敵を次々になぎ倒して見事に捕まえていきます。
それぞれの知的パワーと身体的パワーにより、どんどん事件を解決していくさまは非常にテンポがよく、読み手にとって気持ちのいいスピード感を与えてくれます。
かつて2人が結子の殺害現場を目撃し、警察に捜査を依頼しようとしたところで立ちはだかった「金時計の男」。
「金時計」をしていたということは、経歴、成績、警視庁内での地位も高い人物であるということに間違いありません。警察庁内では時計は1年に1人にしか送られないので、該当する人物はきわめて少なく、限定されます。
当時まだ子供で、結子の死の真相を明かそうとしたイクオと竜哉を脅し、事件を迷宮入りにした金時計の男とは、いったい誰なのか。2人は協力しあい、その男のヒントを掴んでいきます。
- 著者
- 神崎 裕也
- 出版日
- 2009-12-09
しかし、金時計の男も先回りをし、近づいたと思うとまた離れ、2人はなかなか証拠をつかむことができないまま時間だけが過ぎていくのです。
この様子に読者はもどかしさを感じるかもしれませんが、決してずっと同じ場所で足踏みをしているわけではありません。少しずつではありますが彼らは真実をたぐり寄せ、着実に犯人へと続く道を歩んでいきます。
1つ1つの手がかりをもとにじりじりと進んでいく感覚と、謎が徐々に解かれていく様子は、実際に犯人を追い詰めている刑事の心境を追体験させ、読者に興奮を与えてくれるでしょう。果たして、この事件の黒幕とは……。
刑事と極道とがつるんでお互いの持つ情報を共有するなど、現実であればあってはならないことで、当然違法です。
しかし、そんな危険な関係の2人が醸し出すアウトローな雰囲気のかっこよさは、並ではありません。
- 著者
- 神崎 裕也
- 出版日
- 2010-03-09
イクオは普段少し抜けていて、周りからも「ぼーっとしている」と言われます。しかし愛嬌があり、母性本能をくすぐる可愛い系男子です。また1度集中すると、普段のフワフワした彼からは想像できないほどの真剣さで、キリリとした表情を見せてくれるのです。
- 著者
- 神崎 裕也
- 出版日
- 2010-05-08
一方、極道の竜哉はスマートなイケメンで、何をしてもさまになる文句なしの男。彼にできないことは無い!というほど何から何までこなしてしまい、人生の勝ち組ともいえます。
まったく違うタイプでありながらも同じ目的があり、双方とも刺激的な魅力を発揮する彼ら。女性読者のみならず、男性読者まで虜にしてしまうことでしょう。
本作は24巻で完結しますが、その最終巻に差し掛かる前に、イクオと竜哉は標的であった金時計の男の正体を暴いてしまいます。しかし、物語はそこでは終わりません。金時計の男に対する復讐が終わっても、彼らのゴールはそこではなかったのです。
金時計の男を捕まえるために2人が犯してきた犯罪は、数え切れません。情報の漏洩だけでなく、必要とあらば殺人すら犯してきました。
そんな彼らが選んだのは、なんと「お互いがお互いを殺しあって、自らの罪を償う」という道。2人はその目的のため、結子と縁のある島へと足を運びます。
しかし、いざ死を見据えた彼らは葛藤することに……。
- 著者
- 神崎 裕也
- 出版日
- 2017-01-07
自らの罪を償う方法が自殺であってよいのか、それで責任をとったことになるのか……この問いの答えを出すことは、2人にはできませんでした。
しかし、そんななか、彼らの死を止めようとする人物が現れて……。
他にも、彼らが育った「まほろば」の秘密や、結子との間にあった事実、そして真犯人とイクオの関係など、驚愕の事実がいくつも明らかになります。しかし、物語を思い返して冷静に考えてみれば、「なるほど」と腑に落ちてしまう読者もいるかもしれません。
復讐のために生き、手を汚し、悩み抜き、そして、ついに1つの終着点に辿り着いた2人。そのラストを、どうか見届けてください。
もし、自分が2人と同じ境遇にあったらどうしますか?自分のしようとしていることが正しくないとわかりながら、それをし続けることができるでしょうか。
復讐の過程で自分の誤ちを正そうとしてくれる人に出会えたら、どう変わるでしょうか。 復讐の是非、正義とは何か、愛とは何か……「ウロボロス」は、そんな切ないテーマについて、じっくり考えるよい機会を与えてくれる漫画でしょう。
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