仕事で独立したり、創作活動を始めたい人、あるいはすでに立ち上げた人にとっても、その活動を続けるための努力は日々不可欠です。定期的に自分の立ち位置や方向性を確認し、知恵を絞り、周囲の理解や協力を得ながら軌道修正していかなくてはなりません。では、具体的に何をすればいいの? そんな時味方になってくれる4冊をご紹介したいと思います。
事業や活動のためのアイデアや思考、集めた情報を、スッキリ明瞭にすることから身につけましょう。『図で考えるとすべてまとまる』は、そのためのお手伝いをしてくれます。たいていのアイデアや思考は、最初モヤモヤとしていて、なかなかクリアにならなくて、堂々巡りに陥ってしまうこともしばしばですよね。この本では、そういった非効率なモヤモヤを取り除くため、あるいはメンバー内での認識のズレを招かない為に、図を活用すれば、こんなにも沢山メリットがあるんだよ!ということが分かり易く書かれています。
汎用性の高いパターンのものが7種類紹介されていて、どういった時にどのパターンが適しているか実践的に解説してくれています。慣れるまでちょっと戸惑いますが、ご自身のケースに当てはめて応用しやすい知識ではないかなと思います。
- 著者
- 村井 瑞枝
- 出版日
- 2016-03-02
自分が思い描く志、アイデアや思考は、自分の魅力(売り)につながっているはずです。その見せ方をコントロールする重要性を知るには、『「売る」から「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』で知ることができます。
この本は、魅力が極めてはっきりした企業やアーティストを題材として、それらのブランディングを水野氏がどのような考え方で手掛けたか、実際の仕事に基づいた講義をまとめたものです。すでにある魅力の見せ方を細部までコントロールすることで、「売る」が「売れる」に変わるのだといいます。逆の言い方をすると、見せ方がうまくできてなかったら、いいものでも売れないということを意味します。事業や活動を続けるためには、ぜひとも知っておきたい考え方ではないかなと思います。
- 著者
- 水野 学
- 出版日
- 2016-05-07
では、自分の中にある売りにすべき部分とはどこだろう?実際に自分の立ち位置を確認し、方向性を見極めて相応しい印象(デザイン)を実装する。『売れるデザインのしくみ』は、そのお手伝いをしてくれます。
ポイントは「実装」という言葉にあるかなと思います。どんなに洗練された印象をまとっていても、それが自分の目的や志に相応しくない雰囲気だったとしたら、本当の意味での実装とは言い難いからです。それは2冊目の本とも通じる理論が述べられています。2冊目との違いは、マーケティングの手法を用いている点でしょうか。自分の売りを見極めるための実践的な内容もともないますので、2冊めの考え方も念頭に置きつつ、あるいは1冊目の知識も駆使しながら、ご自身の事業や活動に落とし込んで考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- ウジ トモコ
- 出版日
- 2009-10-09
自分の売りを見つけてコンセプトを考えたり、それに相応しいデザインを実装したりするのと同じくらい大切なのが、いかに発信するか、そのコツをつかむことではないでしょうか。発信が上手にできる人は、すなわち編集する能力に長けているのだと言えると思います。『はじめての編集』は、タイトル通り、編集についての入門書みたいな本です。編集の仕組みと魅力を、一般の人にわかりやすい内容で解き明かしてくれています。
著者は、編集とは「言葉とイメージとデザインをアンサンブルすることだ」と位置づけています。編集と聞いて誰もが思いつくような雑誌作りのエピソードから、一般人が日々書き込んでいるSNSの投稿まで、いかに編集と呼べる行為が広範囲に及ぶかを指摘してもいます。過去の様々な題材を用いて解説してくれていますので、発信力の向上に役立てられてはいかがでしょうか。
- 著者
- 菅付雅信
- 出版日
- 2012-01-12
この4冊を読めば、コンサルタントが扱うような資料作りや、マーケティング、ブランディング、デザイン編集といった専門分野について、個人で事業や活動を続けるために必要な、最小限の知識が得られます。
自身の考えやアイデア、集めた情報を整理してまとめ、そこから方向性を見極めて適切な発信を行う。実際には、この一連の流れをサクッと組み立てられる人に憧れてばかりなのが正直なところですが……これらの本を味方につけて、目標や志をいつか叶えられるよう、私自身も努力したいなあと思っているところです。