カメの飼育の基本を紹介!餌やりの仕方から、おすすめの本まで

更新:2021.11.10

かわいいカメの子どもを見かけて、誰もが一度は飼いたいと思った事があるのではないでしょうか。ペットショップのリクガメの甲羅の模様も素敵です。そんなカメの飼い方と飼う前に読んでおきたい本を紹介します。

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カメの飼育の基本

カメにはいろいろな種類がいますが、ペットとしてカメを飼う場合、必ず用意しなければならないのは「飼育ケース」です。

イシガメやクサガメ、陸ガメなどおとなしい種類はベランダや部屋で放し飼いにすることもできますが、その場合もカメが眠る場所としても水の入った飼育ケースは必要となります。水槽、衣装ケース、トロ箱など水が漏れないものを用意しましょう。
 

そして、それぞれ飼育するカメが元々生息していた環境にあわせて飼育環境をレイアウトしてあげましょう。たとえば、イシガメやクサガメは水槽などに水を張るだけでなく、レンガや石、流木などを入れて陸場を作る必要があります。

水をきれいな状態で維持するためは、頻繁に水替えをしてあげるのが何よりですが、簡易型の投げ込み式ろ過装置もあるといいでしょう。

リクガメには水場を作る必要はありませんが、森林に生息するものは湿度を保持するために腐葉土や水ゴケなどを敷きつめたり、日照不足を補うためにスポットライトや保温のためのヒーターなどを用意したりしなくてはなりません。

さらに、水槽の中に隠れる場所を作ってあげると落ち着きます。市販のカメ用のシェルターを使ったり、植木鉢などで手作りしたりすることもできます。海外などでは、庭などで放し飼いにする場合、犬小屋ならずカメ小屋を作ってあげる人もいるようですよ。

餌やりの頻度は?

生まれてから1年ぐらいまでは、1日に1~2回、1年をすぎると1日に1回、もしくは2日に1回ぐらいでもよいようです。ミドリガメやクサガメなどは雑食性で、基本はバランスよく栄養が配合された市販のカメの餌を与えるのがよいでしょう。

ミミズや金魚といった生餌も大好きで、元気のない時は鶏のササミやレバーなど、栄養価の高いものをあげるのも効果的です。しかしこれらの食べ物は際限なく欲しがるので、食べすぎに注意してあげましょう。ニンジンや小松菜、バナナなどの野菜や果物も小さく切って与えると食べます。

陸ガメのなかは、ギリシャリクガメやヒョウモンガメなどのように草食性のものもいます。その場合にはどんな餌が適切かは、ペットショップで聞いてみましょう。

日光浴はどのくらいさせる?

カメには日光浴が欠かせません。暖かい地方に生息していたリクガメはもちろん、クサガメやミドリガメにも必要です。できれば毎日、2〜5時間、最低でも日30分は日光浴をさせた方がよいようです。

日光浴は体や甲羅の殺菌になりますし、甲羅の成長に必要なビタミンも生成されます。また、カメはは変温動物なので、体温を上げないと食べた物も消化できません。そのため、日光浴やヒーターなどで体温をあげる必要があるのです。

ただし、体温が上がりすぎは逆効果なので、自由に行き来できる日陰の涼しい場所を作ってあげたり、タイマーで時間を管理するなどして、健康に気をつけてあげましましょう。

カメって脱皮するの?

カメも、ヘビやトカゲなど他の爬虫類と同様に脱皮します。多くの爬虫類は、薄い皮から抜け出したように脱皮しますが、カメの場合はちょっと様子が違うのです。カメの水槽の水を替えていると、大きな魚の鱗のようなものが浮かんでいることがあります。

これがカメの脱皮のあとです。カメの場合は甲羅の模様の1枚1枚が剥がれ落ちるように脱皮します。カメが小さい間は、水槽の砂利などにまぎれて、脱皮したことにも気が付かないかもしれません。

飼いやすい種類

ミドリガメ

水生のカメを飼うなら、一番買いやすいのはミドリガメといわれています。ミドリガメという名で売られていますが、北アメリカ東南部原産のミシシッピーアカミミガメの子どもで、成長すると30センチほどになるそうです。

アカミミガメ

アカミミガメは長生きするものでは20年〜30年と言われ、ペットとして飼われていたものが逃げ出したり捨てられたりして、野生化して問題になっています。アカミミガメによる被害を防止するために、ミドリガメは2020年をめどに輸入が禁止になり、飼育にも許可が必要になるようです。もし飼うことを決められたら、責任を持って最後まで面倒をみましょう。

ゼニガメ(イシガメ クサガメ)

イシガメやクサガメの子どもも、ゼニガメと呼ばれてペットとして親しまれています。もともと日本に生息しているカメで飼いやすいのですが、ミドリガメに比べるとやや神経質です。イシガメの子どもは特に飼いにくく、クサガメの子どもの方がまだ飼いやすいでしょう。

ヒョウモンガメ

リクガメでよく飼育されているのはヒョウモンガメです。もともとサバンナや草原などに生息する種類なので、できるだけ近い環境で生活させてあげるとよいでしょう。

また、リクガメの多くはワシントン条約で指定されています。カミツキガメのように特定外来生物に指定されているものもいますから、よく考えてカメを飼うようにしましょう。

カメの飼育に役立つ本3冊!

カメの飼育方法やカメを飼うとはどういうことなのか、カメのいる暮らしはどんなに豊かなのかがよくわかる本を3冊集めました。

カメのすすめ。猫たちとのかわいい様子も眺められる一冊

著者が飼っているクサガメ・サヨちゃんの飼育日記と、2匹の愛猫と一緒に写った写真を中心に、カメの飼い方や生態・種類などを紹介した本です。

カメの飼い方や生態だけでなく、カメのいるお店やスポットなども紹介しています。

著者
田中美穂
出版日
2012-08-24

まず、カメって家の中で自由に動けるようにして飼っていいんだ、猫と共存できるんだ、と驚くでしょう。サヨちゃんが一生懸命猫を追いかける様子は、ほのぼのとして癒されます。

著者自身のカメのことだけでなく、一般的なカメの飼い方や、飼う時に必要な道具、生態などが写真とイラストで説明してあり、カメをこれから飼ってみようと思う人にとっても便利な一冊です。

サヨちゃんのことを綴った文章も読みやすく、エッセイとしても楽しめます。本書を読むことで「サヨちゃんみたいなカメを飼ってみたいな」と思ってしまうことでしょう。

飼い方の違い、種類まで詳しくわかる本

ミドリガメからリクガメまで、種類別に詳しい飼育方法を紹介した本です。

水生と陸生のカメの違い、またエサや温度の違いまできちんと解説し、それぞれに応じた飼い方をきれいな写真を添えて紹介しています。

著者
出版日
2003-06-30

どんな種類のカメを飼おうか迷っている人に、この本はおすすめです。リクガメについての専門書が多い中、この本のように、水棲カメとリクガメの両方の飼育法を詳しく説明した本はなかなかありません。

病気などにも対応できますし、図鑑部分も充実しているので、カメの種類についても学ぶことがきます。カメを飼ううえでのお守りがわりに、困った時にいつでも開けるようにしておくのはいかがでしょうか。

カメとの暮らしをつづったエッセイ

昆虫学者の夫婦の下に飼われたクサガメ・カメコの日々の生活と行動の記録です。

35年にわたって研究された、ユニークなカメの生態が、生物学者の視点で綴られます。写真やイラストも多く、野生のカメを研究する矢部隆による注釈と解説も、大変興味深く読むことができるでしょう。

著者
["石川 良輔", "矢部 隆"]
出版日
1994-05-01

この本を読むと、カメはこんなに賢い生き物だったのかと驚くかもしれません。カメの生態が詳しくわかるだけでなく、カメコに愛情を注ぐ著者夫婦の様子と、それに応えて意思表示するカメコが愛らしく、夢中で読んでしまいます。

意外と動きが速かったり、日光浴をしたり、空調ボックスの上で暖まったり、膝の上で嬉しそうにしていたり、毎年卵を産んだり……。知られざるカメの生態が満載です。

カメのいる暮らしはどんなに豊かか、愛情を持って動物を飼育するということはどのようなものかを知ることができます。『亀のひみつ』の著者・田中美穂も、この本を読んで勉強したのだとか。

心温まるエッセイ作品としてもおすすめできる一冊です。

カメの飼い方とおすすめ本を紹介しましたが、おすすめ本にはもっと詳しくカメの飼育法が紹介されています。ぜひ、本を手に取って、カメとの豊かな暮らしを楽しんでみてください。

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