読みやすい警察マンガ・警察小説おすすめ3冊【橋本淳】

更新:2021.12.6

どうも、橋本淳です。10月になりますか。早いですね。 もうすっかり秋ということで、早速秋刀魚の塩焼きをいただきました。お店で。 あまりにも美味しくて頭までかぶりついたところで、店主に「頭もたべるのですね?」と、突っ込まれ、あれ、これは、案外少数派な行動だったのか、と思案している毎日を送っている私です。 そんな私は、10月からスタートしますドラマ「刑事ゆがみ」(フジテレビ系 木曜22時・http://www.fujitv.co.jp/yugami/)の撮影をしている日々です。橋本は、町尾守という役でレギュラー出演を致します。10月12日スタートですので、お見逃しなく!! さて。そんな秋刀魚繋がりで、今回は警察モノを3冊ご紹介(ご愛嬌)。

ブックカルテ リンク

刑事ゆがみ

著者
井浦 秀夫
出版日
2016-10-28

ビッグコミックにて連載中。『弁護士のくず』の作者・井浦秀夫による刑事モノ。

うきよ警察署刑事課強行犯係の弓神適当(ゆがみゆきまさ)はある事件を追っていた。転落死した被害者は、かつて彼が逮捕したことのある元泥棒だった。刑事課では、再び泥棒に戻り足を踏み外しての転落死、との見立てをするが……。

適当と書いて、ゆきまさと読む。その名前の通り、適当にフラフラしている弓神刑事。しかし捜査となると違法捜査もいとわず、事件の真実を見つめ、真っ直ぐ切り込んでいく。一方、そのやり方に振り回されている羽生寅夫という真面目で童貞ムッツリな若手刑事。出世欲にまみれ点数を稼ぎたい羽生刑事にとって、違法捜査を繰り返す弓神刑事はやっかいな相方。そんなコンビが様々な事件に切り込んでいく。

いわゆるコンビ刑事モノとは、一線を画している印象。現代社会の闇にスポットをあて、そこから話を広げていく。重い話になっていくところに、弓神の適当さ加減がいい具合に軽くしてくれる。ストーリー・キャラクター良しのエッジのきいた作品。

10月からはフジテレビ系にてドラマも、スタートしますので、合わせてお楽しみいただけるかと。ぜひ。

心に刺さった一節

そんな仕事、ほんとにあんのかよ? この世に……

ドッグ・メーカー:警視庁人事一課監察係 黒滝誠治

著者
深町 秋生
出版日
2017-07-28

事件関係者を脅しあげ、首輪をつけ情報提供者として飼い慣らす。そうやってイヌを仕立て上げる手法から“ドッグ・メーカー”と呼ばれていた男、黒滝誠治。数々の功績を挙げていたが、ある事件のために左遷されていた。その能力を買った相馬美貴警視は、周りの反対を押し切り、監察係に抜擢する。ひと月前、赤坂署の悪徳刑事を追っていた同僚が何者かに殺害された。事件を追っていく監察係、気づけば巨悪と対峙することになっていく。

また新たな警察小説が誕生した。今まで読んだ感覚とは、また違った刑事モノ。主人公 黒滝の情報提供者にしたてあげる時の描写には鼓動が早くなった。追い込み追い込まれ、心理戦が楽しめます。その他の登場人物のキャラクターの魅力が光っています、というかそれぞれがとても濃いですね。濃厚な関係性がまた魅せる。ダークヒーロー好きな読者には特にオススメな一冊。

心に刺さった一節

罵倒語が喉までこみあげた。

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕

著者
今野 敏
出版日
2007-06-28

警視庁捜査一課強行犯係第三係の係長である樋口警部補は、ある殺人事件を追っていた。さらに第二、第三の殺人も起こる。その複数の現場で美少女の姿が、目撃された。肌は白く、髪は長く、大きな目をした、かなりの美少女という情報。毎週火曜日に起こるという殺人の謎。捜査本部の立てた説に違和感を感じ、樋口は直感を信じ捜査を続ける。

導入から描写が面白く、それぞれのキャラクターも魅力的。特に主人公である樋口顕警部補のキャラが秀逸。真面目で謙虚な男。上司からの信頼も厚いのだが、本人としては自分の捜査術に自信が持てない。そして周りの自分への評価を気にし過ぎてしまう弱気な人物。従来の警察小説の印象からガラッと変わり新鮮でした。途中から出てくる氏家とのコンビ感がまたいい味を出しています。テンポよく展開する作品。

心に刺さった一節

誰だって演技をして生きている。それが、楽しいか苦痛かの違いだ。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る