清武英利のおすすめ本5選!ジャーナリスト、元巨人球団代表など幅広く活躍

更新:2017.9.30

『しんがり 山一證券最後の12人』が話題となった清武英利。ジャーナリストという経歴をもつ彼のおすすめの著作を5冊ご紹介します。元巨人軍球団代表ということもあり、野球ファンの方にはたまらない裏話が書かれた書籍もあります。

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清武英利とは

清武英利は1950年に宮崎県で生まれました。大学卒業後は読売新聞社に入社し、ジャーナリストとして実績を残しています。

読売巨人軍の球団代表に就任したのは2004年のことです。当時下降気味だった巨人軍の立て直しを図り、若い選手の育成に励みました。選手とのコミュニケーションをおろそかにせず、球団に対する思いも強かったといいます。

しかし2011年、読売新聞グループ本社会長兼主筆・読売巨人軍球団会長の渡邉恒雄のコンプライアンス違反に関しての暴露会見を開き、結果的に巨人軍の代表から退くこととなりました。

それ以降、清武はジャーナリストとして取材を元にした書籍を多数発刊。特に山一證券の自主廃業について記した『しんがり 山一證券最後の12人』は2014年に講談社ノンフィクション賞を受賞、2015年にはドラマ化もされました。

今回はそんなマルチな経歴をもつ清武英利の著作を5冊ご紹介いたします。

清武英利が描く、最後まで戦い抜いた山一證券社員たちの物語

かつて四大証券のひとつとして数えられていた山一證券。そんな大手証券会社が自主廃業に追い込まれたのは1997年のことです。「銀行と証券会社は潰れない」と言われたさなかの経営破綻は、世間に大きな衝撃を与えました。

清武英利は、山一證券廃業をめぐって最後の最後まで戦い抜いた「しんがり」社員たちの勇姿をノンフィクション小説として描いています。

著者
清武 英利
出版日
2015-08-21

バブル崩壊以降、倒産する会社が後を絶ちませんでした。山一證券も大手証券会社でありながら、崩壊の一途をたどります。このテーマを取り扱った書籍は数多く存在しますが、清武英利は詳細な取材のもと、この会社が自主廃業に至ったいきさつを小説として書きあげました。

利回り保証の約束をするニギリ営業やとばし(損失を隠すために、第三者に証券を売ること)をおこない、不透明な営業を続けていた山一證券。その実態は悲惨なもので、会社は莫大な不良債権を抱えていました。

そこで立ち上がったのが、しんがり社員です。再就職先を探す者が大勢いたなかで、彼らは会社に残って経営破綻の原因を究明するとともに最後まで清算業務に励みました。その状況は過酷を極め、給与も出ないまま、彼らは倒れゆく会社のために身を尽くしたそうです。

会社に属して働いている人には特に身に迫って感じられるものがある作品です。2015年にドラマ化されているので、気になる方はそちらも合わせて見てみてください。

大企業ソニーに存在した「リストラ部屋」って?

清武英利が自らの取材によって書き上げた一冊です。取材に協力したのは、かつて「リストラ部屋」に入れられていた社員たち。大企業ソニーの実態と、リストラに追い込まれた社員の苦悩に迫ります。

著者
清武 英利
出版日
2016-05-20

誰もが知る有名企業、ソニー。音楽プレイヤーやパソコンなど、このブランドの電化製品を愛用している方も多いのではないでしょうか。

そんなソニーに存在した「リストラ部屋」をご存知ですか?「追い出し部屋」とも呼ばれるその部屋は、遠くない未来でリストラを言い渡される社員が集められた空間です。

当時ソニーは17年間で6度もの大規模リストラを進めており、深刻な問題となっていました。リストラ部屋に入れられるのは、なにも仕事のできない人間だけではありません。上司とそりが合わなかったり、やる気があってとんがったりしている者は、瞬く間に人員削減候補にあげられ、無情にもその部屋に押し込められていきました。

異様なほど静まりかえったフロアに、「リストラ部屋」はあります。なかには数人が掛けられる長い机が並んでおり、チープなパーテーションで区切られていました。そこへ飛ばされた社員たちはもはや仕事など与えられず、新聞や本を読んで過ごします。酷いときは部屋が満員で、身を寄せ合うようにして時間をやり過ごしていたそうです。

いずれはリストラされるということをなかなか家族に言い出せず、天下のソニーの社員である自分とのギャップに苦しんだ人々も多くいました。その心中は計り知れないものがあります。

リストラとはよく聞く言葉ではありますが、実際自分の身に起きることもないとは言い切れません。会社の規模にかかわらず、会社に属している人であるならば他人事にできない問題でしょう。いま現在社会人の方にも、これから就職を考えている方にもおすすめしたい一冊です。

生き残った元・特攻兵のノンフィクションストーリー

かつて広島県の万世にひとつの特攻基地がありました。この作品のモデルとなっているのはその特攻基地の志願兵であった苗村七郎です。彼は亡くなっていった仲間たちのためにその人生を捧げました。

著者
清武英利
出版日
2013-12-12

戦時、苗村七郎は特攻兵として志願していましたが、実際に特攻をすることはなく終戦を迎えました。彼は亡くなっていった仲間たちを想い、万世特攻基地の跡地に平和記念館や慰霊碑を建てることを決心します。

しかし、事はそう上手くは進まず、彼の苦悩は止みませんでした。家族である妻や息子も巻き込み、なにがなんでも記念館の建設を成し遂げようと奔走します。そこには私財も人生も、どれだけ犠牲にしても構わないという強い想いがありました。そこまでする理由が何なのか、考えながら読み進めると、胸に迫るものがあります。 

第二次世界大戦終戦から70年。世代交代がなされ、戦争を知らない日本人が大多数を占めつつあります。そんな時代に読んでおきたいのが本書です。本作を読むことで、忘れてはならない戦争の痛みに少しでもふれることができるでしょう。 

あなたは人を叱ることが得意ですか?

「叱る力」について清武英利が自身の経験をもとに綴った本書。彼は下降気味だった巨人軍の立て直しを球団代表という立場から見守ってきました。そこで目にした叱り方のヒントが球界のエピソードとともに語られていきます。

著者
清武 英利
出版日

上司から部下へ、先輩から後輩へ、親から子へ。人の上に立つと「叱る」ことをしなければならないタイミングは必ずやってきます。清武英利は、そのときにどんな言葉でどのように叱るのかによってその効果は変わってくるというのです。

叱るつもりがつい感情的になって、結果として相手に怒りをぶつけてしまったことはありませんか?叱ることと怒ることは似ているようで似ていません。叱ることの目的は、相手を前向きにすること。その人の力を伸ばすために叱るという行為は存在するのです。

では、人の心を惹きつける言葉とはいったいどんなものなのでしょうか。ビジネス本、時には人生の指南本として読んでみてはいかがですか?

清武英利が送る巨人ファン必見のコラム集

元・読売巨人軍の代表という経歴をもつ清武英利。本書は「週刊ベースボール」に2007年4月から2008年11月まで連載していたコラムをまとめた書籍です。

著者
清武 英利
出版日

元・読売巨人軍の球団代表ならではの、野球界にまつわる裏話が盛りだくさん。連載当時の選手たちとのやりとりもリアルに描かれているので、巨人ファンの方にとっては見逃せない一冊でしょう。

著者はジャーナリストということもあり、今のスポーツジャーナリズムのあり方についても切り込んでいます。新聞記者として培った、すっと頭に入ってくる心地よい文体も魅力といえるでしょう。

球団代表としての視点だけでなく広く野球について語っているので、球団のファンでない方にも楽しんでいただけます。さらに、2008年の北京オリンピックでの韓国優勝や選手の育成に関する独自の分析は、野球好きでなくとも興味深く読むことができるでしょう。

選手思いでジャイアンツ愛にあふれた人と評される一方で、通称「清武の乱」によって読売巨人軍の役職から退くこととなった清武英利。彼の巨人軍に対する思いも感じられる一冊です。

ジャーナリストとして取材を重ね記した著作はどれも読みごたえバツグン。野球好きな方はコラム集から、そうでない方は有名な『しんがり』から読んでみてはいかがでしょうか。

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