WEAVER河邉徹が選ぶ、中村航の5冊

WEAVER河邉徹が選ぶ、中村航の5冊

更新:2021.4.12

どうも!WEAVERの河邉です! 10月も終わりに近づき、肌寒い日が増えてきています。今月19日には、初の両A面シングル「S.O.S. / Wake me up」がリリースされました! 元気になれる明るい曲なので、是非チェックしてみてくださいね。

河邉 徹プロフィール画像
バンド「WEAVER」Dr/Cho
河邉 徹
2004年、兵庫県にて杉本雄治(Piano/Vo)、奥野翔太(Ba/Cho)と共にWEAVER結成。。2007年、現編成の3ピース・ピアノバンドとしてライブハウスで活動をスタート。2010年4月より本格的に活動を開始するため上京。6月にリリースした「Hard to say I love you~言い出せなくて~」はサウンドプロデューサーに亀田誠治を迎えての初めてのパッケージシングルとなった。同年にはアルバム『新世界創造記・前編』『新世界創造記・後編』と2作連続でリリース。2012年3月からは全国31カ所33公演、『WEAVER Live House TOUR 2012「Piano Trio Philosophy ~do YOU ride on No.66?~』を開催。2013年にはアルバム『Handmade』を発表。その後、半年間の英ロンドン留学(2014年1月~7月)や、全国ツアー2本、また2015年夏は全国各地のフェス・イベントにも約10本出演するなど、精力的な活動を行ってきた。同年10月からは全国10カ所のホールツアーを敢行。2016年2月には待望のオリジナルアルバム『Night Rainbow』をリリース。12月にはWEAVER初の自主企画対バンツアー『Music Holiday vol.1 〜対バン始めました〜』を開催した。2017年春にはリリース&ライブハウスツアーが決定している。 http://www.weavermusic.jp/
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そして今月末には、作家の中村航さんとの対談イベントに参加させていただくことが決まりました。この連載でも既にいくつかの本を紹介していますが、今回の対談では本や作詞の話など、言葉の話をたっぷりさせていただこうと思いますので、興味のある方は是非お越しください。

http://bookandbeer.com/event/20161031_masakasakasama/

では、今回は中村さんとのイベント開催を祝して、中村航さんの本を5冊紹介させていただきます。優しいタッチで描かれる恋愛は、誰もが読んで共感できるものだと思います。独特の会話の流れや世界観に、是非浸ってみてください。

僕の好きな人が、よく眠れますように

著者
中村 航
出版日
2011-01-25
人を好きになると、一体自分の中のどこにこんな感情があったのだろうと人は驚かされるものである。どこからともなく、無限のように湧き上がってくる「好き」という思いは、まさに幸せと苦しみの両方を兼ね備えている不思議な感情である。

『僕の好きな人が、よく眠れますように』は、これぞ恋愛の小説、と言いたくなるほど、そうした「好き」という想いのもどかしさや幸福感が伝わってくる物語だ。着飾った愛の表現などではなく、飾らない抜き身の「好き」という想いが、直に伝わってくる。

東京の大学院生である主人公のもとに、北海道からゲスト研究員として「めぐ」がやってきた。2人の何気ない会話、ユーモアな言葉のやりとりに2人の相性の良さを感じることができる。出会ってすぐにめぐに惚れてしまった主人公であるが、めぐはすでに大学生の頃に北海道で結婚をしていたのであった。

そんな2人の関係を描いた小説であるが、決してどろどろとしたような内容ではなく、とにかく2人の会話や好きゆえのピュアな発想に注目して楽しんでもらいたい。こんな2人になりたい!と思わせてくれる恋愛小説だ。

100回泣くこと

著者
中村 航
出版日
2007-11-06
映画化もされた、中村さんの代表作の一つである。こんなにも意外なタイミングでプロポーズシーンが出てくる小説があるだろうか。そしてそれがとても素敵に思えてしまうのが、中村さんの小説の魅力だ。「結婚の練習」などというかわいい言葉が出てくるのも見逃せない。

藤井とその彼女の佳美は、まず一年間の結婚の練習をしようと約束する。3カ月に一度、反省会を開こうと決め、幸せな暮らしを始めた2人だったが、ある日佳美が風邪をひいてしまう。しかしそれはただの風邪ではなく、検査を受けたところ思いも寄らない病気であったことが発覚する……。

涙なしには読めない小説である。最近心の体操が足りてない人にもおすすめ。

世界中の青空をあつめて

著者
中村航
出版日
2015-09-26
2020年のオリンピック。「TOKYO」という字が掲げられた瞬間の興奮は、多くの人が覚えていることだろう。

東京で暮らしていた和樹は、仕事を辞め愛媛の実家に帰ってきていた。家で家族とそのオリンピックのニュースを目撃し、父や母も興奮しているようだが、祖父の様子がいつもと違うことに気づく。目に涙をためているのだった。

それからしばらくして、祖父が仏壇から取り出した封筒。その表には「もしもオリンピックが東京に決まったら、この封筒を開けてください」と書いてあるのだった。祖父からの頼みで、和樹は再度東京へ向かう。そこでは新たな出会いがあり、和樹の過去も語られる。

既に決まっている東京オリンピックを題材にしているということで、まさに旬の小説である。恋愛小説ではないが、中村航さんの描く男女の関係は読んでいて楽しい。まさに今、たくさんの人に読んでもらいたい小説だ。

リレキショ

著者
中村 航
出版日
2005-10-05
文藝賞を受賞した、中村さんのデビュー作。アルバイトの為の履歴書を、半沢良が姉と話しながら書いている場面から物語は始まる。しかしその会話にはおかしな点がいくつもあり、本当に半沢良という名前なのか、本当に姉なのか、読んでいて不思議な気持ちになりながら、ページをめくっていくことになるだろう。

半沢良はガソリンスタンドでのアルバイトを始めるが、そこでの仕事中、不思議なラブレターを手渡されることになる。ミステリアスな過去や人間関係が多く描かれているが、それでもこの空気感に不思議と居心地の良さを感じてしまうのは私だけではないはずだ。

ふわふわした気持ちになりたい時、ちょっと変わったものを読みたい時におすすめ。

デビクロくんの恋と魔法

著者
中村 航
出版日
2014-10-07
こちらも映画化された、代表作の一つだ。優しい書店員の光は、絵本作家になることを夢見ている。普段は目立たない彼だが、夜になるとデビクロくんに変身し、人知れず「デビクロ通信」を町中にばらまく。小説内でも、かわいい絵の「デビクロ通信」を楽しむことができる。

唯一、この光の秘密を知っているのは溶接女子である杏奈だ。彼女は光に密かに思いを寄せるが、いつまでも気づいてもらえない。そんな中、光は照明アーティストのソヨンと偶然出会い、一瞬にして恋に落ちてしまう。光のことも、杏奈のことも応援したくなる小説だ。

デビクロ通信には、「世界に愛されたいなら、世界を愛してやれ」など、素敵な名言がたくさんあるのも見逃せない。

もうすぐ冬が来る、今の季節におすすめしたいラブストーリーだ。

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  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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