『鬼燈の島』の見所を最終回まで全巻ネタバレ考察!三部けいの名作が無料!

更新:2021.11.23

大ヒットミステリー漫画『僕だけがいない街』の作者である三部けいの名作『鬼燈の島』が、スマホアプリの「マンガUP!」で無料で読むことができます!今回は、とある孤島の学園にまつわる謎の数々について、全巻ネタバレを含む形でご紹介します。

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『鬼燈の島』が無料!「僕街」三部けい名作の見所を最終回まで全巻ネタバレ紹介!

2016年にアニメ化、実写映画化された大ヒットミステリー漫画『僕だけがいない街』の作者三部けいが過去に発表した『鬼燈の島』は、彼のルーツともいえる作品です。

閉ざされた島にある学園に集った不幸な生い立ちや精神的な問題を抱えた子供たちが、学園に隠された謎を紐解きつつ、迫りくる恐怖と戦います。今回はそんな今作の魅力を、全巻の伏線を考察しながらご紹介していきます。


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著者
三部 けい
出版日
2008-05-22
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『鬼燈の島』あらすじ

家庭に問題のある子供たちを引き取るため、隔離された島に建てられた施設「鬼燈学園」。主人公の鈴原心(すずはらこころ)と妹の夢(ゆめ)も、両親が育児放棄したことによって学園に移り住むことになりました。

学園にいるのは4人の教師と、心と夢を含めた6人の子供たちです。そんななか心は先住の子供たちから「大人の言う事を信じるな」という警告を受けます。

最初は気にしていなかった心でしたが、徐々に学園の秘密を知り、大人たちへの不信感を募らせます。そして物語は、閉ざされた島の子供たちと大人たちによる疑い合いの戦いへと発展していくのでした。

ネタバレ考察1:学園の秘密。怪しい教師陣……

ネタバレ考察1:学園の秘密。怪しい教師陣……
出典:『鬼燈の島』1巻

まず、島に住んでいる人物たちを簡単にご紹介します。あらすじでもお伝えしたとおり、学園では心と夢を含めて、修一郎(しゅういちろう)、初音(はつね)、力也(りきや)、太(ふとし)という6人の子供たちと、園長、雪乃(ゆきの)、桑舘(くわだて)、臼井(うすい)の4人の教師たちがいます。島にはこの10人しか住んでいません。
 

この教師たちの怪しい行動や、彼らだけが知っている秘密によって、子供たちは大人たちに対する不信感を増長させ、しだいに対立していくのです。

まず心は転校初日の夕食時に、力也から「大人たちは子供たちに隠している事がある」と告げられますが、急な話に戸惑うばかりでした。しかし過去に学園にいたはずの少年「ヒサノブ」がいなくなったという話を聞いたことと、彼が使っていた机の中に血痕と血まみれのナイフが残されているのを発見したことで、心ははじめて学園に対し疑念を抱きます。

また修一郎に連れられて発見した部屋の壁には、助けを求める文章が羅列されていました。その文章は過去に学園にいた子供の一人が、大人たちによって閉じ込められてしまった際に書き残したものだろうと説明します。

さらに子供たちの不安を煽るのが、学園が子供たち全員を生命保険に加入させているという事実。心は先住の子供たちから、学園側は定期的に引き取った子供を殺害し、それで得た保険金で施設を運営している、という驚きの実態を聞かされるのです。そしてその話を聞いた数日後、心は血を流す力也が、血に濡れた刃物を持った教師たちに担架で運ばれていくシーンを目撃してしまいます。

この件がきっかけで心の学園に対する保険金殺人の疑念が確信に変わり、子供たちは島からの脱出を決意します。

教師たちのうち、子供たちが最も警戒するのは桑舘です。彼は同僚の雪乃に対し強引に関係を迫るような女性の敵で、その矛先はなんと小学5年生の初音にまで向きます。そんな桑舘の行動も目の当たりにしてしまった子供たちは、さらに大人たちへの対立心を深めていきます。こうした教師の行動の一つ一つが、子供たちだけではなく読者にまで不信感を募らせていくのです。

しかし注意しなくてはならないのが、これまでに発見したものや出来事がすべて正しいとは限らないということ。物語から得た情報から嘘と本当を見抜いて整理し、心と一緒に結末を予想できるところが、今作の謎解きの面白さだといえるでしょう。

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ネタバレ考察2:幽霊の正体とは?

ネタバレ考察2:幽霊の正体とは?
出典:『鬼燈の島』1巻

物語における謎のなかで、ひと際異質な雰囲気を放つ存在がいます。それは、子供たちにだけ見える幽霊です。

島の随所で現れる幽霊たちは、大人たちから逃げる子供たちを何度も手助けします。追跡を振り切るための逃げ道を指し示したり、島に自生する食べられる果物がある場所を教えたりしてくれるのです。

しかし、この幽霊の正体を誰も知りません。白い少女のような出で立ちであるということは共通していますが、子供たちがその少女と出会うのは決まって単独で行動している時だけなので、確定的な情報が少なく、そもそも本当に幽霊なのかも分からないのです。

少女は過去に学園で犠牲となった子供なのか、それとも、実はずっと島に潜み続けていたもう一人の住民なのか、その正体についてはぜひ作品を読んでご確認ください。 

ネタバレ考察3:黒幕は誰?次々と落とされる命……

著者
三部 けい
出版日
2009-09-25

疑い合うなかで、子供も大人も問わず次々と犠牲者が増えて行く今作。

子供側の犠牲としては、彼らが島から脱出するきっかけとなった力也に、脱出途中に追跡を振り切れず、崖から転落してしまった修一郎など、物語がクライマックスに近づくにつれてひとり、またひとりと消えていきます。一方教師陣も子供たちの抵抗に合い、追跡の果てにその命を落とす者も出てきます。はじめは子供たちから信用されていた雪乃でさえ、子供たちの手で窮地に追い込まれることになるのです。

しかし、教師陣は本当に子供たちが考えているような悪人ばかりなのでしょうか?実際に心と雪乃が相対し、お互いの言い分をぶつけ合うシーンがありますが、死の淵に立たされながらも自身の身の潔白を必死に訴える彼女を見ていると、彼女が殺人を犯すような人物には見えなくなってきてしまいます。

そもそも物語は心目線で進んでいきますが、彼が抱いている疑念の数々は、元はと言えば仲間だと思っている他の子供たちによって植え付けられたものです。もし子供のうちの誰かの言い分が嘘で、大人たちを意図的に陥れようとする陰謀だったのだとしたら、必死で逃げ延びようとしている心たちはどうなってしまうのでしょうか?

子供たちにとっては大人たちが、大人たちにとっては子供たちが、そして読者にとってはそのすべてが疑わしい『鬼灯の島』。黒幕の正体が最後までわからない、ミステリー要素がふんだんに盛り込まれた物語になっています。

疑いが疑いを呼び、双方ともに不信を抱きあうこととなった末で、果たして子供たちは追跡を振り切り、無事に島を脱出することが出来るのでしょうか。そして学園を取り巻く秘密の真相とは一体……。すべては謎の真相は、ぜひその目で確かめてみてください。

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次から次に現れる謎と、息を呑む緊張感溢れる展開の連続で読者を引き込むミステリーホラー『鬼燈の島』は、スマホアプリの「マンガUP!」で無料購読可能です。4巻と短いながらも中身の詰まった内容なので、ぜひご一読ください。

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