『僕だけがいない街』で一躍有名になった漫画家の三部けい。他にもグッと引き込まれてしまう作品の数々を世に送り出しているんです。その中からオススメの漫画ランキングベスト5をご紹介します。
2014年から2016年、3年連続でマンガ大賞にランクインした『僕だけがいない街』を執筆した漫画家の三部けい。ミステリー、サスペンスホラーな作品だけでなく、意外にもお色気コメディ作品も描いているのはご存知でしたか?瓦敬助という別ペンネームで制作されています。
もちろん『僕だけがいない街』を含めてミステリー要素、サスペンスホラー要素のある作品でも高い評価を得ていて、過去には『ジョジョの奇妙な冒険』などを手掛ける荒木飛呂彦のアシスタントもしていたそうです。単行本化の帯に荒木からの推薦文が寄せられていたことも。
三部けいの作品には、どれもこれも読者についつい続きを読ませてしまう力があります。伏線の張り方も違和感がなく、最後にしっかり回収することでスッキリと読み終わることができるのも魅力です。
三部けいが瓦敬助のペンネームで執筆した作品です。
舞台は昭和の終り頃の北海道。かなりグラマーなスタイルの女子高生、菜々子さんは短いスカートだろうがノーパンだろうがお構いなしで自由奔放、いつも油断しまくりの無防備な女の子。そんな菜々子さんと主人公瓦くんが織り成す、笑えてラッキースケベな高校生の日常を描いています。
- 著者
- 瓦 敬助
- 出版日
『菜々子さん的な日常』は、『僕だけがいない街』の三部けいしか知らない方にはかなり新鮮に感じること間違いなしのお色気コメディ作品でしょう。シリアスなイメージから一転、ほのぼの笑える日常が楽しめます。
瓦くんの目の前で、事情があってパンツをはいていないのにタイミング悪く(良く?)菜々子さんが見事に転んだり、泊りがけの行事でタバコを没収に来た先生から隠れて逃げ込んだ部屋で浴衣のはだけた菜々子さんが寝ていたり、別に何をする訳でもないけどとにかく健康な男子高生瓦くんにとってはラッキーな現場に遭遇しまくり!その後痛い目にあうことももちろん多いですが。
あまりに無防備なヒロインの菜々子さんにも驚きますが、それに対する瓦くんの健康な男子高生らしい年頃のドキドキした反応も可愛らしい。ちょっとエッチなラッキースケベに収まる範囲内の青春な展開が人気の所以と言えます。
そんな笑えてちょっとエッチなコメディなので、気楽に楽しんでみてほしい作品です!
修学旅行中に地上8階、地下3階もある客船に乗船していた主人公を含む高校生たち。そこで突如外国人が狂ったように人を殺し始め、なぜか船が沈み始めます。どんどん死者が出る船内は血の海、人々はパニックに。生存者は果たしてこの惨状から脱出することができるのか、突如殺人鬼と化した人間に何があったのか、なぜ船が沈んでいるのか……。謎だらけのパニックサバイバルホラーな作品です。
- 著者
- 三部 けい
- 出版日
- 2010-08-21
血が飛び散るスプラッター的な恐怖に加え、得体の知れない殺人鬼と転覆する船に閉じ込められるというパニックホラー要素、謎と恐怖がふんだんに盛り込まれたストーリーは、グロテスクな描写が苦手な方にはおすすめできませんが、好きな方は一気に引き込まれる勢いのある展開です。
キャラクターもそれぞれに性格や役割がはっきりした個性が設定されているので、命の危険を感じる閉鎖空間で生存者たちがお互い疑心暗鬼になっていくような心理描写も入り込みやすく、読者も一緒に緊張感を味わえますよ。読んでいると思わずゾッとしたり、ヒヤッとしたり、のめり込んでしまうでしょう。
謎の殺人鬼、転覆する船といった外的な恐怖、そして仲間内で不安が募っていく内的な恐怖……ただただ血なまぐさい、気持ち悪いだけじゃない質の高い恐怖が味わえるので、サスペンス系、ホラー系が好きな方にはぜひ読んで頂きたいです!
『魍魎の揺りかご』については<『魍魎の揺りかご』を全巻ネタバレ紹介!三部けいのすごい過去作【無料】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
謎のウイルス、カミヤドリが人も物も異形の姿へと変え、人々の平和な日常が崩壊してしまった街。駆逐する方法は体内のカミヤドリごと宿主である感染者を殺すこと。カミヤドリのための専門特殊部隊は人々を守るためかつて人間であったものを駆逐し、事件を解決してきます。
- 著者
- 三部 けい
- 出版日
- 2004-03-01
右腕と書いてライトアームズと呼ばれる特殊な能力を持った人間のうちの1人、主人公のジラルドと、謎の少女ヴィヴィが戦いに身を投じる姿、物語の途中から主人公たちの過去に何があったのか、また人間であったものを殺していくことに対する葛藤なども描かれている満足度の高いアクションホラー作品です。
カミヤドリに感染した異形のものたちは、皆もとは普通の人間。それを駆逐するためには殺すしかないという悲しく暗い設定でも、世界観もまだ把握しきれないくらい序盤から張られる伏線の数々、答えが知りたくなりどうしてもページをめくらずにはいられなくなってきます。
カミヤドリ自体は全5巻なのですが、これだけで物語が収束しきっているわけではなく『神宿りのナギ』という全3巻が続編として描かれているので、そちらも続けて読んでみてください。その全てを読むことで、この物語は完結します。
家庭に事情のある子どもを引き取る離島に建つ鬼燈学園には、秘密がありました。何かを隠しているような言動が不審な教師たち、登ってはいけない階段、謎の白いワンピースを着た少女、そして主人公の少年、心と妹の夢がやってきたこの島で、以前子どもが姿を消し……?謎だらけの島で繰り広げられる恐怖と惨劇のサスペンスホラー!
- 著者
- 三部 けい
- 出版日
- 2008-05-22
鬼燈学園にいる子どもたちはそれぞれに、大人を信じられなくなってしまうような過去を持っています。離島という閉ざされた空間で疑心暗鬼になっていく登場人物たちの心理描写から、緊迫感、恐怖がひしひし伝わってきます。
主人公の少年心と妹の夢が島にやって来てから悲しい惨劇が始まってしまうのですが、逃げ回る子どもVS追いかける教師たち大人の戦いが、かなりの緊迫感と恐怖で描かれていて、思わず引き込まれること必至。サスペンス系の作品好きには特におすすめです。
『鬼燈の島-ホオズキノシマ-』については<『鬼燈の島』の見所を最終回まで全巻ネタバレ考察!三部けいの名作が無料!>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
なにかの事件や事故が起こる直前、それを回避するまでタイムリープを繰り返してしまう主人公の売れない漫画家、藤沼悟29歳。ある日起こった母親が殺される事件をきっかけに、悟は2006年の現在から1988年の自身の小学生時代にタイムリープ。そして小学5年生の時に起こった少女連続誘拐殺人事件が母親の死と関わりがあると気づき、誘拐殺人事件の被害者だったクラスメイト、雛月加代を救うため奔走します。
- 著者
- 三部 けい
- 出版日
- 2013-01-25
タイムリープという実際にはありえない設定を起用しているものの、ミステリーとして破綻することのないストーリー展開、ラストに残されることなく回収される伏線、見事です。推理小説を読んでいる感覚に近いかもしれませんね。ミステリー好きはハマります!
小説家、コピーライター、各界の著名人も絶賛するほど人気があり、アニメ化、実写映画化されたことでご存知の方も多いかもしれません。そんな方にもぜひ、原作を知っていただきたいです。少し展開が違ったり、結末が違ったりするので、原作は原作で絶対楽しめますよ!
1988年の連続少女誘拐殺人事件と、2006年の悟の母親の殺人事件が複雑に絡まり、続きが気になって仕方なくなること間違いなしなので、一気読みがおすすめ。また、事件を解決するため奔走する悟が、自分自身とも向き合っていく姿に心を揺さぶられることでしょう。
漫画だと思って侮るなかれ!ミステリー好きはもちろん、小説ではあまりミステリーを読まない方も漫画ならかなり読みやすいはずなので、ぜひ読んでみてください。
いかがでしたでしょうか?三部けいの技量がいかんなく発揮された作品はどれもオススメです!ぜひ楽しんでください!