誰しも一度は遭遇したであろう「ダメンズ」ネタを肴に、深夜にぶっちゃけトークを繰り広げる女子3人を描いた漫画。身近な「あるある」話から、「トンデモ」話まで、主人公たちが毒舌にぶった切っていく爽快ガールズトークは、女性が共感できるオススメの漫画です。
皆さんには身に覚えがないでしょうか。
「オレが好きなのはあいつ(彼女)じゃなくてお前なんだ!」「最近嫁さんと上手くいってなくてさ……」「来年から頑張って働くから!!」というような一部の男性たちの不誠実なセリフを。はたまた「俺とお前、同じ気持ちだろ……?」などの勘違いでしかないセリフを。
本作は、身近にいる「ダメンズ」を酒の肴に、辛口ガールズトークを繰り広げる女子たちの様子を描いた漫画です。
誰もが「こういうヤツ、いるいる!」と思わず頷いてしまうダメンズから、「ありえない!」ダメンズまで、女子3人がバッサバッサぶった切っていく様は爽快で病みつきになってしまいます。
恋に疲れたとき、つらい時に読んで笑い飛ばせる本作の見どころをご紹介します。本作3巻までのネタバレを含みますので、ご注意ください。
馬場ふみかや佐野ひなこ、久松郁実など、有名な俳優たちが演じて話題を呼びました。
以下の記事では、馬場ふみかが出演した作品について紹介しています。あわせてご覧ください。
馬場ふみかが出演した作品一覧!実写化した映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介
馬場ふみかはテレビドラマや映画、CMで活躍する人気女優です。グラビアモデル女子、通称モグラ女子の代名詞としても知られています。そのルックスとスタイルの良さから、主役はもちろん脇役であろうと耳目を集めずにはいられない美女です。 この記事では、馬場ふみかが演じたドラマの原作を紹介するとともに、その魅力や馬場ふみかの役柄についてご紹介します。
- 著者
- 尾崎 衣良
- 出版日
- 2015-04-10
少女漫画が好きな福間千代(ふくまちよ)、美人で元ヤンの古賀円(こがまどか)、彼氏はだいたいダメ男の千鳥佐和子(ちどりさわこ)の仲良し3人組が夜な夜な集まって話すのは、恋バナ。
遭遇したダメンズ、彼氏のヘタレっぷり……もやもやする男たちへの不満を爆発させて語り合います。
上から目線の男、図々しい既婚者、勘違いする男……様々なダメンズたちと遭遇し、時に罵倒し、時に受け入れていった彼女たちのエピソードは抱腹絶倒もの。果たして、彼女たちは理想の男を捕まえることができるのでしょうか……?
少女漫画を読んで育ち、いつか白馬の王子様が、と信じて疑わない乙女脳の福間千代。
ドラマでは久松郁実が演じました。
千代は行きつけのバーで男性・八代に口説かれます。初めはまんざらでもない様子の千代でしたが、ここぞ!という時に少女漫画的理想を覆していく八代に冷めてしまい、なかなか次のステップに進みません。
古賀円は清純派の美人ですが、実は元ヤン。
ドラマでは馬場ふみかが演じました。
男性顔負けの力を持っています。そんな円に言い寄ってくる男は大体既婚者。既婚を隠して寄ってくる男、不倫関係に誘ってくる男たちを、握力で、あるいはメンチを切って撃退していきます。
千鳥佐和子は彼氏が途切れないものの、その懐の大きさからか、歴代の彼氏はみなダメンズ。
ドラマでは佐野ひなこが演じました。
売れないバンドマン、浮気三昧のヒモ男、亭主関白な男……そんな男ばかり引き寄せてしまう佐和子の最近できた彼氏・諒もどうやらダメンズのようで……?
- 著者
- 尾崎 衣良
- 出版日
- 2015-04-10
千代が通うバーで出会った、スマートだけど積極的な男性・八代。一緒に飲むうちに意気投合し、家に来ないかと誘われ…。
もしかして、このまま彼の家でやっちゃうの!?なにこの少女漫画的展開……!?とドキドキする千代がシャワーを浴びて、寝室に戻ると布団を敷き、靴下を脱ぎ、正座して待ち構えている八代に千代は思わず、ドン引きしてしまいます。
積極的で肉食系の彼が、まるで餌を待ち構えて正座している……!その姿を見た瞬間、千代は急いで服を着て逃げ帰ってしまいます。円や佐和子に「漫画の肉食系キャラだって下着脱ぐんだよ!!」と指摘されるも、「そんなんで恋に落ちるとかムリ!」と否定する千代。
後日、八代と千代は雨宿りがてらホテルに。こんどはホテルだし、ベッドだし大丈夫。今夜こそ八代と、と意気込む千代ですが、今度はあるものが目についてしまい!?
千代の少女漫画信仰は行きすぎた感もありますが、すこし”惜しい男”八代が面白おかしく描かれています。悪い奴じゃないけれど、どこかタイミングが悪い八代が、千代の好きなタイプが「白馬の王子様」であると聞いて、一層残念な男になっていく様子は思わず笑ってしまいます。
- 著者
- 尾崎 衣良
- 出版日
- 2016-08-10
ダメンズ彼氏を渡り歩く佐和子は、彼氏の諒と同棲中。
佐和子も諒も、どちらも仕事をしているため、家事は分担制にしていました。諒が仕事に疲れて帰ってきた日は、佐和子は気を利かせて掃除当番を引き受けるなど、かいがいしく世話を焼きます。
仕事で疲れてるから、と甘やかした結果、佐和子より早く帰ってきても家事を何もしないどころか注文までつける諒。
私は仕事も家事もしてるのに……さすがの佐和子も見るに見かねて、一言。
「あたしは仕事に家事にオマエの世話で疲れてるけど」
「仕事しかしてない人間がいったい何をしてそんなに疲れるの? まさか息?」(『深夜のダメ恋図鑑』2巻より引用)
と真顔で言い放つ佐和子に、言葉をなくす諒。
これまでの話でもさんざん佐和子に頼り切り、空気の読めないダメンズな諒ですが、佐和子の愛のムチでイイ男へと変貌を遂げることはできるのでしょうか?
- 著者
- 尾崎 衣良
- 出版日
- 2017-09-08
一見、清純でおしとやかな美人、だけど元ヤンで毒舌、そして実は処女の円。
そんな円の悩みは、言い寄ってくる男の既婚者率の高さ。時には奥さんがいることを隠して、時には隠すこともせず図々しく近寄る既婚男を一刀両断でぶった切る円には「よくぞ言った!」と思わず称賛を送ってしまうほど。
そんな円に、父親のツテでお見合いの誘いが。嫌がる円でしたが、父親の顔を立てるためにも一度会ってほしいと頼まれます。
しぶしぶ向かったお見合いの約束の場所に現れたお相手は、ごく普通のアラフォー男性・鎌瀬。円がほっとするのもつかの間、彼は「誰かに飯を作ってもらいたい」「孫の顔を見せて親孝行したい」「嫁に親の面倒を見て欲しい」と言いたい放題。
静かに話を聞く円と自分はうまくいくと思うんだけど、どう思う?と聞くと……
「召使でも雇われたらいかがですか?」
「どこの女が好きでもない よー知らんおっさんの子供産んで
ご飯作ってくれると思うんですか
目を覚ませ。
『結婚の話真剣に考えてみない?』って
そっちこそもっと真剣に考えろ」(『深夜のダメ男図鑑』3巻より引用)
と言いたいのをぐっと堪え、親孝行頑張ってください、と言って立ち去る円でした。さすがの円も、父親の紹介の手前何も言えず大人の対応で帰ってきますが、鎌瀬はあきらめずアタックしてきて……。
円はブチ切れずにいられるのでしょうか?
- 著者
- 尾崎 衣良
- 出版日
- 2018-07-10
ダメ男……もとい、バカの中のバカ、とにかく頭の弱い男、佐和子の彼氏・諒。彼に紹介された同じく頭の弱い夫婦の言葉をきっかけに、ついに2人は別居&お別れ。
もちろんアホの子の諒のことですから、最初はラクでいいや〜、そのうち戻ってくるだろう〜などと考えていましたが、もともと別れようかと迷っていた佐和子が一時の気の迷いでそんなことをするはずありません。どんどん諒は、彼女の大切さを実感します。
そしてついに少ーし反省した彼は駅のホームで彼女を待つのですが、何と佐和子は男連れ。ついつい諒は復縁しようとしにきたことも忘れ、俺の気持ちも知らないでサイテーだ!と暴言を吐いてしまいます。しかし、実はそれは彼女のイトコ。
冷静に紹介する彼女に、諒もやっと我に返ります。しかし、佐和子からあなたの気持ちは分かる、と言われたあとに続けられたのはこんな言葉でした。
「また家賃が払えなくなった?
部屋 掃除してほしくなった?
上げ膳 据え膳してほしくなった?
生活費足りなくなった?」
(『深夜のダメ恋図鑑』4巻より引用)
さすが、諒よりも稼いでる、頭のいい女。しかも自分が本当に彼女が好きなんだと気づいたと熱弁する彼に、佐和子は「好きになった女には世話させないと死んじゃう病気か何かなの?だったら人を好きにならない方がいいのでは」などとさらに追いうちをかけます。そして最後にこう言うのです。
「なんだよ…!俺がどうなってもいいのかよ……!」
「うん。
ホント どーでもいい。
興味ない。
………
……なんで
拒絶されるなんて思ってもみなかったって顔してるの……」
(『深夜のダメ恋図鑑』4巻より引用)
ここからさらに別れ話はデッドヒート。ダメンズメーカーなのでは、と諒の友人・市来に言われたことをきっかけに、読者は「優しさ」の深淵を覗いてしまうことでしょう……。
しかし、それにしてもこのあとの最後の佐和子の表情は秀逸。今回ご紹介した名言と同じような内容ではあるのですが、表情の違いでこんなにも面白いとは……。ぜひ、佐和子と諒の「春の終わり」を見届けてください。
一話完結のショートストーリーなので、手軽にサクサク読めるのも魅力的な本作。ぜひ読んでみてくださいね。
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SNSで一時期話題になった、勘違い男を描いた漫画『深夜のダメ恋図鑑』の作者・尾崎衣良。女性特有の考え方や心理を描いた作品を描く漫画家ですが、女性はもちろん男性にも読みやすい作品も多いです。