「ワンピース」は泣ける漫画としても知られていますが、涙腺崩壊ポイントの多くは、主要キャラクターの別れのシーンになります。今回は涙腺崩壊必至の別れのシーンを泣ける名言とともにご紹介します。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 1997-12-24
「ワンピース」の重要なテーマのひとつに「別れ」があります。ルフィたちは島から島へと航海を続け、仲間を増やし、その過程で別れを繰り返すのです。
「ワンピース」から学べることは数多くありますが、そのひとつに、会いたいけれどもう会えないかもしれない相手に、あるいはもう絶対に会えない相手に別れを告げる際に、どのような言葉に乗せれば、自分の想いを伝えることができるのか、というものがあるでしょう。
今回は頂上戦争までの超新星編の旅の軌跡を追いながら、別れの名言に泣きたいと思います。
第1巻第1話「ROMANCE DAWN-冒険の夜明け-」より。ルフィとシャンクスの別れのシーン。名作「ワンピース」を象徴する第1話です。振り返ってみれば、本作の重要なテーマが「別れ」であることを示しているとも考えられます。
これ以後、最新86巻に至るまで「ワンピース」時間で12年、ルフィはシャンクスと再会していません。頂上戦争ですれ違った際にも、今会ったら約束が違うと、ルフィの顔を見ずに去りました。
シャンクスとルフィの約束は、立派な海賊になって麦わら帽子を返しに行くこと。これは「海賊王になる」ことと並んで、「ワンピース」の大目的のひとつと言えるでしょう。
何年後かに描かれるであろうルフィとシャンクスの再会のシーンは涙腺崩壊必至です。
第5巻第40話「ウソップ海賊団」より。ウソップがにんじん、ピーマン、たまねぎに、彼らと初めて会った場所で解散を告げるシーン。麦わらの一味で初めて描かれた別れのシーンです。
ウソップは3人に野望を尋ね、「それぞれの野望の火をたやすことなく 己の道をつき進むことをここに誓え!!!」と言います。麦わらの一味ほぼ全員に言えることですが、たとえ会わなくても、大切な人との誓いや約束が航海を支えているのです。
第8巻第68話「4人目」より。サンジがゼフに別れを告げるシーン。ゼフの「カゼひくなよ」から涙腺崩壊です。
短い言葉に想いを込めるゼフ。父代わりとも言えるゼフに、おそらく人生で初めて感謝を告げたサンジ。恩師、両親に別れを告げる際に思い出したいシーンです。
第9巻第78話「ベルメールさん」より。死を覚悟したベルメールはノジコとナミに別れを告げます。アーロンパーク編屈指の泣けるシーン。ワンピースファンの中には1ページ見ただけで涙腺崩壊する人もいるでしょう。
ベルメールが最後に遺した言葉は「大好き」。シンプルで心に残る愛の言葉です。
シャンクスにしろ、ゼフにしろ、ベルメールにしろ、ルフィたちに影響を与えた大人たちはみなカッコよく別れます。どういった類の別れにせよ、カッコよく別れられるのが大人の条件なのかもしれません。
第11巻第95話「まわれ風車」より。ナミがココヤシ村に別れを告げるシーン。笑顔で別れているのに泣けるシーンです。シーンを締める「空は快晴 風は軟風 風車がよくまわる」がグッときます。
湿っぽい別れが苦手な方は参考にしたいナミの別れ。ここで重要なのは「行く」ではなく「行って来る」というところ。また戻って来る約束を言葉にして、ナミは旅立ちました。
第16巻第144話「雪物語」より。ヒルルクがチョッパーと最後に顔を合わせたシーンです。この時ヒルルクは自分が死ぬこと、自分が死んだ後で、チョッパーがDr.くれはからアミウダケが猛毒だと知らされることを考えて、チョッパーに最後の言葉を残しました。
自身と同様に、医者としては未熟でも、人を救いたいと思う優しさは人一倍持っているチョッパーに言葉を残し、くれはに医術を教えるように頼みに行ったのです。
続く145話の「いい人生だった!!!!」も名言中の名言ですが、今回紹介した144話の「お前はいい医者になれるぜ!!! おれが保証する!!!」も今際の際に思い出したい名言です。
第17巻第153話「ヒルルクの桜」より。チョッパーがDr.くれはの元を去るシーン。
チョッパーはしっかりと別れを告げようとしますが、湿っぽいのが苦手なくれはは、チョッパーに包丁を投げ、強引な別れを演出します。
くれははチョッパーに別れの言葉は告げませんでしたが、代わりにピンクの雪を降らしました。言葉にしづらい想いは、何かに乗せて伝えることもできるのです。
第23巻第215話「Last waltz」より。ボン・クレーが背中で語った名シーン。昨日の敵も、いいヤツならば友になるのが「ワンピース」です。ルフィたちとボン・クレーは属している組織の関係で敵同士になりましたが、出会い方が違っていれば、もしかしたら仲間になっていたかもしれないと思わされます。
敵同士であっても、別れ方次第で強い絆もできることを教えてくれる名シーンです。
第23巻第216話「ビビの冒険」より。アラバスタに残る決意をしたビビとルフィたちが別れるシーン。「ワンピース」史上最高と言ってもいい1話です。
「ビビの冒険」は演出が完璧で、素晴らしいビビのスピーチから始まり、スピーチをしているから仲間にならないと思わせておいて、実はアラバスタにいるのは影武者で、ビビは待ち合わせ場所に来て、でも、ビビはアラバスタに残る決意をして……。
最後に「いつかまた会えたら!!! もう一度 仲間と呼んでくれますか!!!?」と問いかけますが、海軍に囲まれているため、ルフィたちは「仲間だ!」と答えることができません。
言葉にする代わりにルフィたちは仲間の印である左手のバツ印を掲げるのです。
このバツ印はマネマネの実の能力者ボン・クレー対策に書いたもの。完璧すぎる伏線回収です。「ワンピース」の魅力が最もよく出ていると言っても過言ではないワンシーン。アラバスタ編は漫画史に残る名エピソードです。まだ読んでいない方は23巻まで全力で読みましょう。
第31巻第291話「ここにいる」より。カルガラがノーランドに別れを告げるシーン。
勘違いからノーランドと喧嘩別れをしそうになったカルガラですが、娘ムースの「このまま別れたらきっと一生後悔する!!!」の言葉に背中を押され、海に走ります。空島編の白眉と言えるシーンです。
第41巻第396話「サウロ」より。オルビアがロビンに最後の別れを告げるシーン。ロビン、そして未来の人たちのために死を覚悟したオルビアの最後の言葉は「生きて」でした。
ロビンはオルビアの言葉を胸に、泥だらけになりながら辛くても生きる道を選択します。そうまでして生き延びてきた自身の命を投げ出し、ルフィたちを救おうとしたロビンでしたが、「生きたい」 と言えェ!!!! というルフィの言葉に「生ぎたいっ!!!!」と返します。「生きて」という願いが「生きたい」という願いに。過去が未来に繋がった瞬間でした。
第58巻第572話「The Times They Are A-Changin’-時代は変わる-」より。白ひげ最期の船長命令。
自身の最後を悟った白ひげは、息子たちの盾になり、海軍マリンフォードを沈めようとします。
ゴール・D・ロジャー亡き後、海の覇者として君臨した男は「振り返るな 時代は変わる!!!」と心の中で語りかけるのです。
頭を下げるエースに対しての最後の言葉は「おれが親父でよかったか……?」。エースの「勿論だ……!!!」という答えを聞き、白ひげはグララララ…、と笑います。
自分が死んだ後の時代のために体を張って死ぬ。一時代を築いた男の最高にカッコいい散り際です。
第59話第574話「ポートガス・D・エース死す」より。エースが死に際に遺した言葉。
ルフィに対し、人生に悔いはない、と語るエース。欲しかったものは「名声」ではなく、「生まれてきてもよかったのか」という自問に対する答えと悟っていました。
自分が死ぬ、ということをリアルに想像することは難しいかもしれませんが、大切な人と別れる時には感謝を告げたいと思わせてくれる名台詞です。
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