『ReLIFE』(リライフ)は縦読み漫画サイト「comico」初の単行本!しかもフルカラーで発売されました。アニメ化、映画化、そして舞台化もされ、多くの注目を集めた作品です。 そのストーリーはフリーターの海崎新が1年限定で高校生として過ごし、社会復帰を図るというもの。 この記事ではそんな新感覚青春漫画のあらすじと見どころをネタバレ有でご紹介します。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2014-08-12
本作では、27歳の海崎が抱える社会人としての過去や苦悩を描きながら、高校生として青春を過ごすという2つの要素で構成されています。
海崎以外にも等身大の悩みを抱えるキャラクターが多数登場し、共感する読者は多いことでしょう。
また、学園モノならではの恋模様や、フルカラーで描かれた美麗なイラストも必見。これらの要素が絡み合い、大人から学生まで幅広く楽しめる作品です。
本作は人気縦読み漫画サイトcomico初のコミックスとして話題になりました。そして、2016年にはアニメ化、舞台化、そして翌年は映画化と様々な形で取り上げられてきました。
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魅力的なキャラクターに加え、「社会人の大人がもう一度高校生をやり直す」という斬新なストーリーも注目ポイントです。
今回はそんな人気作の魅力を全巻分ご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。
主人公の海崎新太(かいざき あらた)は27歳のフリーター。
大学院を卒業後、最初に就職した会社を3ヵ月で辞めてしまったために転職活動が上手くいかず、コンビニバイトと親の仕送りでなんとか食いつなぐ日々を送っていました。
そんな時に現れた夜明の挑発に乗り、酔った勢いも相まって受け取った薬を飲んでしまった結果、翌朝には17歳になっていました。これは、被験者を1年間高校生として過ごさせることで社会復帰を目指すという実験である「リライフ」の始まりでした。1年間の生活費が保証されるだけでなく、実験終了後は就職先斡旋という条件につられ、海崎はそのまま高校3年生として学校に編入することに。しかし、誰かにバレたら実験終了、更に実験後は周囲の記憶から自信の存在が消えることを知り、彼はこう言いました。
「影うすーく サラーっと 1年過ぎてくれりゃそれでいい」
しかし、そう言ったそばからクラスメイトの日代の困った様子を見てつい世話を焼いてしまうのです。
実は、彼が3ヶ月で会社をやめた理由もこの正義感の強い性格が原因でした。物語が進むにつれて、彼の過去も明かされていきます。
社会からドロップアウトしてしまった人々の社会復帰プログラムを検証する組織、リライフ研究所。被験者の1年間を観察、記録して企業に推薦する形で社会貢献をしている団体です。
その研究所のサポート課の職員で、海崎の担当になったのが夜明了(よあけ りょう)です。のらりくらりと会話をして核心をかわすのが上手く、笑顔の下で何を考えているのか分からない人物ですが、実は彼も傷を抱えています。
そんな彼の過去についても、物語が進むにつれて明かされていきます。夜明が抱える過去とはどんなものなのでしょうか……?
主人公の海崎新太(27歳)のフリーター。前職を3ヵ月で辞めたという職歴から転職活動が難航し、コンビニバイトと親の仕送りで食いつないでいました。
しかし、ある日親から仕送りの停止を告げられてしまいます。すでに社会人として働いている友人から飲み会に誘われますが、自分の現在の境遇を恥じ、わざわざスーツを着て会社員を装ってまで飲み会に行く始末。
そんな飲み会の帰り道、自分を情けなく思いながら道端で座り込んでいるところに、夜明が現れました。
「僕はリライフ研究所の夜明了という者です」(『ReLIFE』1巻より引用)
夜明によると、海崎は「リライフ」の被験者に選ばれたとのこと。リライフは、被験者を1年間高校生として過ごさせることで社会復帰を目指すという実験です
実験期間の1年間、生活費から家賃まで負担してもらえるほか、1年の過ごし方次第では就職先の紹介もしてもらえるというのです。さすがにその場では返事が出来ず、海崎はとりあえずアパートに帰ることにしました。
翌朝、海崎が洗面所に行くと、いつもと違う顔が鏡に。昨日より若く見える顔に驚いていたところ、夜明から電話がかかってきます。海崎は酔った勢いで薬を飲んだ結果、本当に17歳の見た目になってしまっていたのです。
そこで海崎は改めて「リライフ」の詳細を聞かされます。
1年間高校に通った後で周りの人間から海崎に関する記憶が消えること、自分の本当の年齢やリライフについて他言すれば海崎の記憶も消されること……。
海崎は夜明の提案を呑み、「リライフ」に参加することを決意します。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2014-08-12
4月になり、海崎は青葉高等高校に通い始めることに。青葉高等高校は、有名進学校かつ大学附属の高校でもあります。内部試験で合格すればそのままエスカレーター式に大学にも行けるという学校です。
海崎は自身が27歳であることから、高校生の中に上手く溶け込めないのではないかと心配しますが、なんと同じクラスには高校生になった夜明の姿が。夜明は海崎の一年を記録して報告するために、リライフ中は同じクラスで過ごすというのです。
そんな海崎がもう一人気になったのは、日代千鶴(ひしろ ちずる)でした。愛想が悪く、常に学年1位の成績を維持しているという日代は、まさに絵に描いたような秀才に見えました。
一方の海崎は、鞄の中に入れていたタバコを担任に見つかったり、筆記用具を持っておらずテストであたふたしたりと初日からてんやわんや。海崎の高校生活は波乱に満ちたものになりそうですが、この騒動のおかげで狩生 玲奈(かりう れな)や大神 和臣(おおがみ かずおみ)と話せるように。
そんな海崎は放課後、日代と再び遭遇します。声を掛けていろいろ話してみると、日代は真面目で人の名前を覚えるのが苦手とのこと。しかも日代は、笑うのがとても下手で言葉足らずとコミュニケーションが不得手なようでした。17になっても親しい友達の一人もおらず、自分を変えなきゃと思いながらもどうしていいかわからない日代。しかし、海崎はそんな日代との会話を楽しく感じ、アドレスの交換をして友達になることにしました。
その日の夜、海崎のスマホに日代からLINEが来ます。その内容は今日友達になったことへのお礼でしたが、やはり文面はとても真面目で堅苦しく、業務連絡のようでした。その一方で、猫のスタンプを使ったり、そのスタンプが日代に似ていると海崎に指摘されると「にゃー」と返信したりと、とてもお茶目ところもありました。海崎はそんな彼女のことを可愛く思いました。
2巻から海崎は高校生の輪の中でいろいろな事件に巻き込まれ、持ち前のコミュニケーション能力の高さや世話焼きな性格で乗り越えていきます。彼らが成長していくさまが本作の魅力と言えるでしょう。
新学期早々に受けたテストが返却されました。そのテストがクラス委員長選抜の試験だったようで、委員長は大神と日代に決定します。
この委員長選抜を巡っていろいろな人間模様が描かれますが、その中心になるのが狩生です。
大神のことが好きな狩生は、彼と一緒に委員長になりたかったようです。しかし、テスト当日体調を崩し、日代に負けてしまった狩生は、自分に対する憤りを覚えます。さらに、負けず嫌いの彼女は日代への劣等感を募らせることに。
一方の日代は、海崎のように友達が欲しいがために、狩生へアプローチを仕掛けます。しかし、コミュニケーション能力の足りない彼女は、「狩生と目が合うたびに愛想笑いをする」という見当違いな方法で狩生と仲良くなろうとするのです。しかし、そんな日代の愛想笑いも、狩生には自分を見下す嘲笑にしか見えません。そんな様子を見ていた海崎は、二人の仲を取り持つために気を回し始めますが、その姿勢を夜明から指摘されてしまいます。
「石をどけたキレイな道を歩かせてあげることが
果たして本当に本人のためになるのかどう、か」 (『ReLIFE』2巻より引用)
この言葉をきっかけに、海崎は高校生たちとの関わり方を考え直し始めます。そんな時、ついに狩生の怒りが爆発する事件が起こります。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2014-11-12
狩生が部活終わりに職員室まで行くと、廊下のドア横に手提げ鞄が置いてありました。職員室に入ると、日代が教科の先生の所に立っていて、廊下に置いてある手提げ鞄は日代のものだと気づきます。
ここ最近、日代に対して怒りや劣等感を抱えていた狩生は、彼女を少し困らせてやりたいと思いつき、ついに日代の鞄を持って駆け出してしまうのです。
しかし、折悪しく階段で海崎とすれ違い、狩生が持っている鞄が日代のものであると見抜かれてしまいました。
海崎に気付かれたことで焦った狩生は、咄嗟に階段を駆け下ります。そんな彼女を海崎が追いかけようとしたところ、二人はバランスを崩し、海崎が狩生を抱きかかえる形で転落してしまいました。
そして、職員室から出てきた日代が、その様子を見ていました。
日代と狩生の確執はどうなってしまうのでしょうか……?
海崎が目を覚ますと、そこは保健室でした。荷物置きを見ると狩生が持っていた手提げ鞄だけなくなっているので、やはり日代の鞄だったのだと確信します。
海崎は狩生に何故日代の鞄を持ち去ろうとしたのか問いただします。そして、「人を貶そうとする行為は結局は自分を貶す」と諭しました。
「今まで積み重ねてきた努力や信頼を自分で踏みにじるな
頑張ってきた自分に失礼だ」 (『ReLIFE』3巻より引用)
そして、その言葉はかつて会社から逃げた海崎にもブーメランのように突き刺さるものでもありました……。
保健室を出た海崎は、校門のところに日代が立っているのを見つけました。狩生が日代の鞄を盗ったことを話すと、コミュニケーション音痴な日代は何故そんなことをされたかわからないと困惑します。そして、これまでにちゃんと人付き合いをしてこなかった自分は、何が正解かわからないといいます。
「人付き合いに決まった正解はないし、相手が違えば正解も違うから」(『ReLIFE』3巻より引用)
と海崎が教えると日代は余計考え込んでしまい、「正解も解き方もわからないなら直接聞く」といいます。そのうえで、自分でなんとかしなければならないという自発性を見せ、海崎を帰らせます。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2015-03-28
海崎は日代の様子を物陰に隠れて見守ることにしましたが、その後ろから夜明も現れました。「海崎さんの選択が周囲に与える影響とその行く末も観察対象なので一緒に見守ります」と言うので、 2人で様子を窺っていると狩生が日代の前にやってきました。
日代が「私のことが嫌いですか」とストレートに聞くと、狩生も自分の本音を打ち明けました。
そして、日代の笑顔が本当に下手くそなことを知り、狩生の中で誤解が解けます。あまりにも下手過ぎてバカにしているようにしか見えない笑顔に、今までの自分の行動が阿保らしくなった狩生は大笑いします。
狩生の誤解を解いた日代は、「私と友達になってくれませんか」と握手を求めました。狩生はそれを笑顔で承諾し、一件落着となりました。
リライフを通して、海崎の行動は少しずつ周囲の人々に良い影響を与え始めています。それと同時に、被験者である海崎も自身を見つめ直すことができるのがリライフの意義なのだと、改めて実感させられます。
その後、GWになって、海崎・大神・小野屋が勉強会を開きます。海崎のアパートに大神が小野屋を連れて押しかけますが、その後大神が用事で帰ってしまいます。部屋に女子高生と二人きりになったことに狼狽える海崎。しかし。小野屋は去年、海崎がコンビニでバイトをしていたところを見たと言い出します。海崎は焦って誤魔化そうとしましたが、小野屋はべたべたと挑発するように迫ってきて……。
海崎は高校生と間違いを犯してしまうのでしょうか?
夜明は小野屋がリライフ研究所サポート課の社員であると明かしました。小野屋が海崎に接近したのは、海崎が危険ではないことを証明するためでした。
リライフの被験者の中には、記憶が消されるのを悪用して女子高生を襲ったり、恨みを晴らす為に殺人を起こしたりといった犯罪を企てる人もいるそうです。万一被験者がそういった危険人物であった場合、何か間違いを起こす前に実験を中止しなければなりません。そこで小野屋は、海崎の人間性を試す意味で接近したというのです。しかも、海崎を被験者に選んだのは小野屋だったことも明かされます。
そしてGW明け、登校中の海崎が日代に話しかけようとすると、後ろから小野屋に抱き着かれます。日代はその様子を見てもやもやとした気持ちを抱えます。
昼休みになり、日代は狩生とその友達の玉来ほのかに、自分が感じたもやもやについて相談します。「それは恋なのではないか」と指摘されますが、日代はあくまで恋愛感情ではないとして否定します。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2015-08-12
一方、前回の再試験をやっと合格した海崎。しかし、その直後にやってきた中間テストではやはり7科目全部に赤点がついてしまいます。
また、狩生と同じバレー部に所属する玉来も赤点を取ってしまいますが、狩生と早く練習を一緒にしたい一心から再試験は1回で合格します。しかし、勉強に追われた玉来は、寝不足でフラフラとしたまま部活に参加することに。めまいでバランスを崩した彼女はボールかごを倒してしまい、ばらまかれたボールに引っかかった狩生が足を挫いてしまいます。
それがきっかけで二人の仲はギクシャクするようになり、狩生は「この足では大会に間に合わないから」と顧問の先生に部活を辞めることを伝えます。玉来は最後の大会に狩生と一緒に出たいと願うのにすれ違ってばかり。日代はその二人の間で板挟みになり、どうしたらいいのか悩んでしまうのです。
コミュニケーション音痴の日代は、狩生と玉来の仲を元に戻すことができるでしょうか?
休みの日、日代が海崎の部屋を訪ねてきます。狩生と玉来の間に何かが起きているのは気付いていても、どうすればいいのかわからないのだそう。
日代は去年のクラスでいじめがあって、それをどうにかしたいと頑張ったが、いじめを悪化させてしまい、同じ失敗をしたくないから助けてほしいと言います。
実は、海崎にも会社勤めしている時に同じようなことがありました。海崎が3ヵ月だけ勤めていた会社では、常に営業成績トップの女性社員がいました。彼女は海崎の指導役でもあり、海崎にとって憧れの先輩でもありました。しかし、周囲の人間は彼女の成功を妬み、陰湿な嫌がらせをしていたのです。海崎はそこに反発しましたが、やはり事態が悪化してしまい、先輩からも「あまり踏み込まないでほしい」と言われてしまったのです。
海崎はその話の舞台を学校に置き換え、日代に打ち明けました。しかし、日代から「その人はその後どうなったんですか」と聞かれると、最後には首を吊って死んだ先輩の姿がフラッシュバックしてしまいます。
気付くと、海崎は日代を抱きしめながら、あの日のことを詫びるように「すみません」と連呼していました。
日代は、そんな海崎に「一緒にリベンジしませんか?」と言います。
失敗した過去から逃げるのではなく、いつまでも失敗を悪い思い出として引きずっている自分を倒すために、リベンジしようと。
そして、2人で今の状況を整理してみると、玉来が日代に「助けてほしい」というサインを出していたことに気付き、まずは玉来と話してみることにします。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2016-02-12
玉来は、自分の運動センスが抜群であるために周囲との軋轢を生み、嫌な思いをしてきたのだそう。運動するのが好きなのに、自分が頑張るほど周りの人を傷付けてしまうことに窮屈さも感じていた彼女は、高校ではバレーをやらないつもりでいました。
それでもやはり部活がやりたくて、フラフラとバレー部の見学に行き、自分が力を加減すればチームメイトと仲良くなれると気付きます。しかし、練習見学の後、狩生に力を加減していたことを見抜かれ、玉来は初めて「手を抜くな」と言われます。それだけでなく、「これからの3年間でたくさん練習して玉来と肩を並べられるぐらい上手くなる」とまで宣言します。玉来は、初めてライバルができたことが心から嬉しかったのです。
しかし、日代たちに自分の気持ちを打ち明けた玉来が部屋のドアを開けると、そこにはなんと犬飼と朝地、大神、そして狩生が座っていました。
狩生は玉来を見た瞬間に逃げ出し、「待って玲奈!お願い!部活に戻ってきて最後まで一緒にバレーしよう?」と玉来が言いますが、狩生は振り返りもせずに帰ってしまいます。
日代と海崎は、試合会場に狩生をどうにか連れて来ますが……。玉来と狩生は、共に最後の大会に出ることができるのでしょうか?
海崎は夜明を校舎の裏に呼び出します。海崎は「一周忌に行きたいので薬をもらいたい」というのです。それは、海崎がかつて勤めていた会社で自殺してしまった先輩・佐伯みちるの一周忌でした。
しかし、夜明は墓参りに自分も連れていくことを条件として提示しました。それは、海崎がかつて佐伯の墓の前で動けなくなっていたのを知っていたからでした……。
大人に戻る薬を飲み、墓参りに来た海崎は、会社員だった当時のことを思い出していました。
新人の海崎の教育担当になったのは営業成績1位の女性社員、佐伯みちる。いつも明るく仕事のできる彼女に尊敬の念を抱く彼でしたが、労働環境は最悪でした。連日の残業に空気の悪い職場、仕送りをしてもらわねばやっていけないほどの安月給、パワハラをするワンマン社長と、いわゆるブラック企業だったのです。
あげく、女性社員だからという理由だけでみちるにいやがらせが続きました。正義感の強い海崎はそんな状況に耐えられなくなり、みちるに嫌がらせをしていた社員を面と向かって批判します。しかし、その行動は嫌がらせの悪化を招き、佐伯は自殺してしまいます。さらに、社員や社長は佐伯が死んでいるにも関わらず平然としていました。ついに堪忍袋の緒が切れた海崎は、会社に退職願を突き付けたのでした。この一連の出来事がトラウマになり、海崎の社会復帰の妨げとなっていたのです。
「ここに来ると反省するばかりだなあ」と海崎が立ち上がり帰ろうとしたところ、スーツ姿の若い男女とすれ違います。
「もしかして海崎さんじゃないですか?俺達!海崎さんの1年下の会社の後輩です。」(『ReLIFE』6巻より引用)
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2016-08-12
彼らもまた、今の会社はブラック企業なのではないかと感じていました。しかし、会社を辞めたいと思いつつも、愚痴をこぼしながらなんとかやっている状況です。だからこそ、海崎が社長に言いたいことを言って退職願を叩きつけたのはヒーローのように映っていて、思わぬところに後輩に勇気を与える存在になっていました。この話を聞き及び、海崎はようやく自分がやったことは間違いではなかったと思えたのです。
そして1学期が終了し、夜明と小野屋は海崎のアパートに集まってビールを飲んでいました。大神と狩生の恋が一向に進展しないことを小野屋が心配しているので、海崎は大神に揺さぶりを掛けてみることにします。すると、大神は狩生の存在をやたらと意識するように。
そんなある日、大神はバイトの帰りに、狩生がファミレスの前で知らない男と一緒にいる所を目撃。焦って海崎にLINEで助けを求めます。海崎は変質者に捕まっているのかもしれないと心配になり、すぐに駆けつけて様子を見たのですが、狩生の近くにいたその男は、墓参りの時に会った会社の後輩・上岡で……。
大神と狩生は結ばれるのか……。甘酸っぱい恋の行方はいかに!
狩生が海崎の会社の後輩社員・上岡に支えてもらっている所に大神が飛んできます。上岡は、狩生が熱中症で水分を取らせて落ち着かせていたことを話し、その後、大神は狩生を送って行きます。
この一件により、大神は狩生への恋心を自覚。
教室で大神が海崎に報告していると、まわりにいた小野屋と日代、夜明まで話の輪の中に入ってきます。すると、「今度の花火大会に狩生を誘って告白する」という案が持ち上がります。しかし、いきなり1対1で狩生とデートするのはハードルが高いため、同級生を誘って複数で花火大会に行くことに。
花火大会の当日集まったのは、海崎と大神、狩生と日代、玉来と朝地・犬飼、それから夜明と小野屋で、彼らは夜店に寄りながら大会の会場まで行くことになり、途中で海崎は大神に、玉来は狩生に「いつ告るの?」と別々に迫ります。
しかし、2人とも照れていて歯切れが悪い反応です。そこで、2人が思いを伝えやすいタイミングを皆で作ることにしたのです。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2017-02-25
花火大会の帰り、大神は狩生に「足、大丈夫?足が痛くなったから休みたいって言ってたけど」と話しかけますが、お互い照れていて話が進みません。
しかし、大神は突然、「ねえ狩生。好き、なんですけど」告白しました。すると、狩生はいきなりのことでパニックを起こし、持っていた手提げ巾着を大神の顔めがけて振り回し、見事にクリーンヒットさせ、「1年の頃からずっと好きでした。付き合って下さい。」と自分の気持ちも伝えます。
その様子を見ていた日代と海崎。これまでの日代は「別れが来ることがわかっているのに好きになるのは無駄なのではないか」と考えていました。しかし、二人の様子を見て考えを改めます。
「後の別れを気に病んで
その時その時の幸せを捨ててしまうのは
もったいないのかもしれませんね」 (『ReLIFE』7巻より引用)
そして、そんな彼女の言葉を受け、海崎は日代への思いを自覚することに。しかし、リライフが終われば自分に関する記憶が消えてしまううえに、本当は10歳も年下であるはずの日代に、不用意に気持ちを伝えることはできません。
後日、日代は校舎裏に夜明を呼び出し、こんな爆弾発言をします。
「海崎さんもリライフ被験者なんじゃないですか?」
女子高生であるはずの日代の口から、まさかの「リライフ」という言葉が出てきました。その真相は一体……!?
日代に大きな変化がみられた夏休みですが、8巻のメインは、夜明の過去回想。彼がどのようにして海崎の担当になったか、なぜ小野屋が参加することになったのかなどが描かれます。
実は、日代もリライフの被験者だったことが明かされます。
彼女は中高大学と優秀な成績を残し、大手企業にも就職したものの、コミュニケーション能力の欠如から周囲の人間との衝突が絶えませんでした。その結果、転職を繰り返し、職歴を疑った企業からはついに採用されなくなってしまったのです。そんな場所に現れたのが夜明でした。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2018-05-11
それは夜明が所属するリライフ研究所関東支部の初めての仕事でもありました。学力や仕事能力が高い日代を被験者として当てがわれた夜明は、輝かしい実績を残すことが期待され、プレッシャーにさらされていました。
しかし、日代は変化する様子もなく淡々と日々を過ごし、夜明は上層部からサポートが足りないのではないかと言われたり、逆に干渉のしすぎなのではないかと言われたり、担当として悩む日々が続きます。上が選んだ被験者、二転三転するめちゃくちゃな要求、一向に出ない結果に、夜明は次第に追い込まれていきます。
結局、期間である1年が経っても成長が見られず、日代に就職先を斡旋することはできませんでした。そんな夜明を叱咤激励したのが、小野屋でした。
「人の人生やり直させようって組織の人間が
たった一度の失敗で諦めるんですか」(『ReLIFE』8巻より引用)
この言葉を受けて、夜明は立ち直り、日代のリライフの1年延長を提案します。
そのことが後悔として心のわだかまりになっており、海崎のリライフではできる限りのサポートをしようとしていたのでした……。
舞台は現在に戻り、日代は「海崎がリライフ被験者なのではないか」という疑問を夜明にぶつけます。海崎の言動やワンルームで一人暮らししていること、現役高校生とは思えない体力や学力などから疑っているようです。しかし、日代が海崎にその事実確認をすれば、海崎のリライフは失敗に終わり、彼は高校を去ることになってしまいます。
そして、8巻では自分の恋心を自覚した日代と海崎の何とも言えないやりとりも見所。多くの読者の予想どおりであろう、日代の暴走が可愛いです。
また、本物の現役高校生カップル、大神&狩生も爽やか。9巻では日常パートに戻りそうなので、ここから関係性がどう動くか楽しみですね。
夏休みが明けると、海崎は以前よりもやや消極的な姿勢を見せ始めていました。たとえば、卒業後に大神から自分や小野屋に関する記憶がなくなってしまうことを懸念して、大神を自分たちから引き離そうとしていました。
そんなタイミングで、二学期の目玉イベントである「青葉祭」の実行委員会を決めることに。
そこで夜明は、海崎を実行委員にすることを提案します。ほとんど押し付けられる形で海崎は男子実行委員に任命されることに。これは、近ごろの海崎が考えすぎていて言動や行動が散漫になっていたため、気分転換させるための策でした。
一方、女子の実行委員には日代が立候補します。日代が立候補したのは、2学期でクラス委員になれなかった挽回もありますが、海崎に言われた「今しかない時を楽しんで」という言葉を受けての判断だったそう。海崎の影響を受けて、日代も少しずつ変わろうとしているのです。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
しかし、二人が実行委員となった文化祭の準備は難航します。
日代は有能であるがゆえに個人プレーが目立ち、他者と協力して働くことがとことん苦手でした。文化祭の出し物を決める際にも、クラスメイトが案を出さないことを理由に、自分が出した案を強行採決する始末。さらに、効率を重視するあまり文化祭の必需品や予算配分、スケジュールなどをまとめた紙を一人で作り、「全員この通りに動け」と指示を出すワンマンっぷりに、クラスメイトの反感を買ってしまいます。日代は徐々にクラスでの居場所を失っていくことに……。
その後、日代が高熱を出して倒れたり、予算のお金がなくなったりというトラブルが発生。しかし、海崎が上手くフォローし、揉め事を避けながらクラスをまとめ上げてみせました。
そんな海崎の様子を見た日代は、これまでの自分がどれだけ周囲とコミュニケーションを取れていなかったかを痛感。クラスメイトにこれまでのワンマンプレーを謝罪し、「もう一度やり直させてほしい」と頼みます。クラスメイトは日代の働きぶりに甘えていたことを反省し、ようやく一丸となって文化祭の準備が始まりました。
しかし、そんな状況を作り上げた功労者であるはずの海崎は、またしても周囲の人間から距離を置くようになってしまいます。
海崎はもう一度自分のリライフと向き合えるようになるのでしょうか……?
夜明は、再び消極的になってしまった海崎を必要以上に煽ります。「海崎が何もしないのなら自分が日代を奪う」とまで語り、海崎を激昂させてしまいます。
海崎は語ります。自分がこれ以上クラスメイトに関わっても、どうせ消えてしまう記憶であれば意味がないと。そんなことになるのなら、この先も一緒にいられる人たちと過ごした方が絶対にいい、と自分の心情を吐露しました。
それを聞いた夜明は、周囲に気を配りすぎる海崎の悪癖に対し、「他の誰のものでもない、自分の人生でしょう」と諭します。しかし、それでも海崎は吹っ切れず、クラスに妙なわだかまりを残したまま青葉祭当日を迎えます。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
海崎たちのクラスの出し物は「英国風喫茶」。執事やメイドのコスチュームを着たクラスメイトたちはそれぞれ記念撮影をしていますが、海崎は自分がどうせみんなの記憶から消されることを考え、頑なに写ろうとしません。
そんな海崎を呼び止めたのは狩生でした。狩生は、近ごろの海崎が自分たちに対して壁を作っていることへの不満を伝えます。さらに、海崎がいなければ自分と大神は付き合えず、日代とも友達になれなかったと告げました。
その言葉を聞いた海崎は、たとえ自分に関する記憶がみんなから消えてしまっても、自分がいたからこそ楽しかったと言ってもらえたこと、良かったと思ってもらえたことは消えないと気付きます。そして、自分のことを忘れ去られたとしても、自分が関わることで生まれた高校生たちの関係性や生き方、考え方などは、この先も皆の中で続いていくことを理解するのでした。
海崎はようやく吹っ切れ、今しかないリライフを懸命に生きることを決意します。そして、学校は勉強以外にもチームワークなど「社会で必要なこと」を学ぶ場所でもあると改めて気付かされるのでした。
一方の日代は、文化祭を通して、ついに海崎へ特別な感情を抱いていることをはっきりと自認します。二人の恋の行方からも目が離せません。
青葉祭を終え、高校生たちに日常が戻ってきます。そんな中で、狩生はどこか浮かない顔をして言いました。日代と玉来が話を聞くと、「大神と付き合っている気がしない」と言います。大神とは付き合ってからもまるで進展がなく、狩生がデートに誘ってもバイトを理由に断られてしまうと言います。一方の大神は土日はほとんどバイトに入っており、狩生と予定を合わせられないために「狩生に嫌われている気がする」と悩んでいました。
「どうしてそんなにバイトを入れているんだ」と海崎は質問しますが、大神の返事は要領を得ません。しかも、受験にかかるお金を気にして、進学先を外部の大学ではなく内部進学に切り替えようかと悩んでいました。さらに、狩生は大神がバイト先の女性と一緒にファミレスに入っていくのを目撃し、疑心暗鬼になってしまいます。そんな疑いを直接大神にぶつけてしまい、二人の関係に亀裂が走ります。
しかし、実は大神も人に話せないある傷を抱えていたのです……。
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- 夜宵草
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大神家は、複雑な事情を抱えた家庭でした。
大神には、彼と同じ青葉高校に通っていた兄がいます。成績優秀な兄は特待生としてそのまま青葉大に進学し、就職しましたが、現在では引きこもりのニートになっていたのです。
そもそも、大神家には母親がいませんでした。父親も妻がいなくなったショックで働けなくなっていた頃、当時高校生だった大神の兄が必死にバイトして家計を支えていました。しかし、兄が就職し、父も再就職してようやく家計が安定してきた頃、兄は突然会社に行けなくなってしまいます。優しくしっかり者だった兄は、いつの間にか壊れてしまっていたのです。大神は、かつての兄のように頑張らなければと考え、たくさんバイトを入れていたのでした。また、兄と同じ道を辿りたくないがために、青葉大学への進学を避けたがっていたのです。
大神は兄のことを尊敬しており、感謝もしていますが、世間一般の見解で兄を「引きこもり」だと揶揄されることに抵抗がありました。そして、大神は「狩生にも幻滅されるかもしれない」と考えるあまり、自身の境遇を打ち明けられずにいたのです。
しかし、そんな事情を打ち明けられた海崎と日代は、大神と兄のことを「心から尊敬する」と言いました。そして、日代は「狩生はそれを知ったぐらいで大神のことを嫌いになったりしない」と断言します。自分や兄のことを肯定され、背中を押された大神は、付き物が取れたように笑えるように。
そして、今度は狩生に自分の過去を打ち明ける番です。狩生と大神の関係に進展はあるのでしょうか……?
大神はようやく狩生をデートに誘います。それを受けて、海崎と日代は二人の様子を見守るため「尾行デート」をすることに。さらに、サポート課の夜明と小野屋はそんな4人をさらに後ろから追いかけ、尾行に尾行が付くという不思議な状況に……。
狩生と大神は付き合ってから初めてのデートということもあり、見ているこっちが照れてしまうような初々しさです。二人を尾行している海崎に共感してしまう読者も多いでしょう。
しかし、大神は突然狩生を自宅に誘います。初デートで突然家に連れ込むのかと心配になってしまいますが、家の事情を知ってもらうためには見てもらうのが一番だ、と考えたようです。
大神は、自宅で家庭の事情をすべて打ち明けました。母親がいないこと、引きこもりになった兄のこと、収入が少ない父のこと、「普通」でいたいがためにバイトを頑張っていたこと……。そして、自分がこのまま突っ走り続けていれば危なかったことも伝えました。
「自分も周りも見えずに走り続けてた俺を
狩生が石をぶつけてでも止めてくれた」
この一件により、ようやく二人は恋人として少し進展することになりました。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
二人の恋の行方を見届けた海崎と日代にも進展が。2人は、大神たちを尾行した後、初めて手を繋いで歩きました。日代は、自分の海崎への気持ちが恋愛感情であるという自覚が芽生えつつありました。海崎も同様に日代への思いを募らせていきますが、2人には「リライフが終われば相手の記憶から消えてしまう」という悩みがあり、これがストッパーとなって一歩を踏み出せずにいたのです。
そんな様子を見て、2人の仲を進展させられないかと考えた狩生は、海崎の家に日代と大神を連れて勉強会に行くことを画策します。勉強会がある程度進んだところで大神と狩生が帰ることで、日代と海崎を2人っきりにしようという計らいです。
自室で2人っきりになり、どぎまぎする海崎。海崎の部屋を見た日代は、相変わらず彼がリライフ被験者ではないかと疑っています。
そして、「もしかしたら海崎も自分のことを被験者だと疑っているのでは」と考えた日代は、海崎がトイレに行っている間にクローゼットを開けてしまいます。すると、そこには大量の缶ビールとタバコが置いてあったのです。
海崎が被験者であると確信した日代は、同時にある重大な事実に気付いてしまいます。それは、リライフが終われば海崎の記憶から自分が消えるだけでなく、自分も海崎のことを忘れてしまうということでした。
そして、海崎のことを忘れてしまう日のことを考え、彼を好いていることにもようやく確信を持ちます。いずれお互いを忘れてしまう2人の恋は、どのような結末を迎えるのでしょうか……?
12月後半、2学期の期末試験の結果が返ってきました。海崎の赤点はなんと1個で済みました。全教科赤点を取っていた頃から考えれば、大きな進歩です。
しかし、3年生は3学期になるとほとんど自由登校になるため、高校生として過ごせる時間が残り僅かになっているのもまた事実でした。
そして、12月になれば意識してしまうのがクリスマス。海崎は、大神から「クリスマスに日代を誘わないのか」と聞かれます。しかし、次の日から日代は突然海崎を避けるようになってしまうのです……。
恋心を自覚したからこそ、海崎と距離を取らなければならないと考えた日代。しかし、これまでに海崎や日代に助けられたクラスメイトは、皆2人が結ばれることを願っていました。
そして、狩生や玉来に背中を押された日代は、今度は海崎をクリスマスデートに誘うことに。海崎は日代の予測不能な行動に振り回されっぱなしです。
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
クリスマス当日、定番のデートコースを巡りながら、海崎と日代は幸せな時間を過ごします。しかし、2人はお互いの記憶から自分の存在が消えてしまうことを知っていました。だからこそ、お互いを思い出せるようにとお揃いのスマホストラップをプレゼントし合います。
海崎は日代と観覧車に乗り、この1年を振り返りました。赤点を取って延々と再試を受けていたこと、クラスメイトと一緒に悩んだこと……。
「いつか…大人になった時に
この一年は俺にとって特別だったなって
何度も思い返す気がするよ」
そして、日代は今までなら諦められた気持ちも、海崎のことになると諦められないと打ち明けます。それを聞いた海崎は、ついに日代に自身の気持ちを告げました。こうして、2人の気持ちは通じ合いました。たとえ忘れられてしまうのだとしても、今を懸命に生きるというその姿勢は、リライフを通じて2人が学んだものでもありました。
クリスマスにお互いの思いを伝えあった日代と海崎でしたが、実は付き合ったわけではありませんでした。しかし、2人は十分幸せで、そんな状態でもいいと考えています。
クラスメイトと初詣に行った海崎は、「皆と一緒に大人になりたかった」とまで思うようになっていました。そんな彼らの3ヵ月が始まりましたが、学校に行くのはもう実質ひと月ほど。いよいよリライフの終わりが見えてきました。
そして、海崎は夜明を呼び出してある質問をします。
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- 夜宵草
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海崎は、「このまま大人に戻らず、皆と一緒に歳を取っていけないのか」と尋ねました。「無難に一年が過ぎればいい」と考えていた当初の海崎とはまるで別人です。これは、海崎がリライフを通して、本来の「真っすぐで人当たりの良い性格」を取り戻したことも意味していました。
しかし、やはり海崎の希望を叶えることは不可能で、リライフが終われば大人に戻らなければならないと告げられます。その事実を改めて突き付けられた海崎ですが、それでもニートだった時のように腐ることなく、残り少ない仲間との時間を大切に過ごしていくのでした。それどころか、高校生活最後の思い出として、皆で卒業旅行に行こうと提案します。
旅行では、海崎はかつて会社の上司だった佐伯と行った海沿いの崖に皆を連れていきます。これまでは後悔の思い出ばかりが染みついていた場所ですが、クラスメイトと来たことで海崎にとってかけがえのない場所になりました。そして旅行が終わった後、日代は海崎にキスを求めます。しかし、海崎はリライフが終わった後で日代にまた会いに行けばいいと考えていて、「高校を卒業するまで待ってほしい」と告げます。一方の日代は、海崎も被験者で、お互いのことを完全に忘れてしまうことを知っていたのでした。
時は進み、ついにやってきた卒業式当日。海崎と日代は、この一年関わってくれたクラスメイトに感謝を告げました。それは2人のリライフが大成功に終わったことの証でもありました。
その後、校門の前で別れを惜しむ海崎と日代。海崎は、自分の記憶が日代からなくなってしまうことを知っていながら、「来年もまた大学で一緒なのにね」と語ります。それを聞いた日代は、心の中でこんなことを思うのでした。
「本当に
息を吸うように嘘をつきますね
でもいつも
優しい嘘でした…」
記憶を失ってしまう2人は、本当にもう二度と会えないのでしょうか?物語はクライマックスへと続きます……!
リライフを終えた海崎と日代は、約束通りいくつかの内定先を紹介してもらえました。2人ともリライフを終えて人間として確実に成長していました。大人に戻り、この一年で関わった人々の記憶から消える薬を飲み、朝を迎えます。
すると、スマートフォンに見覚えのないストラップが付いていることに気付きます。海崎と日代は、やはりお互いの記憶を失ってしまったのです。
そして、海崎はこの一年の経験から、リライフ研究所に就職することを決意しました。リライフでたくさんのことを学んだからこそ、今度はそれを別の誰かに伝えたいのだと。
- 著者
- ["夜宵草", "夜宵草"]
- 出版日
リライフ研究所に就職し、サポート課として忙しく働く日々。大変そうではありますが、以前勤めていた会社とは違い、とても楽しく働けています。
そして、入社から数日経ったある日、新入社員の歓迎会が催されます。そこにはなんと大人になった日代の姿があったのです……!
お互いの記憶を失っても、こうして巡り合えた2人。果たして、海崎と日代が再び結ばれることはあるのでしょうか……?
- 著者
- 夜宵草
- 出版日
- 2014-08-12
映画化もされた大人気青春漫画「リライフ」。社会人経験がありながら高校生として過ごす海崎の言葉は、大人も学生も親近感を覚えるでしょう。高校生を諭す海崎の言葉は、本人だけでなく読者にもブーメランのように突き刺さります。
また、海崎と日代、大神と狩生などの恋愛模様も本作の見どころ。海崎と日代の恋の結末は、ぜひ本編でご確認ください!
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