恋愛でこじらせているあなたにオススメの3冊

更新:2021.11.11

こんにちは、松原汐織です。友達と恋愛トークをしていて、こじらせているなと思うことってありませんか? かく言う私もその傾向がなきにしもあらず。恋愛観が変わっているそう(笑)。恋愛でこじらせている方の背中を押す、オススメの3冊を紹介します。

ブックカルテ リンク

自らの恋愛を美しく思える一冊

著者
辻 仁成
出版日

人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す。

「私も!」と心の中で思った方は多いはず。という私もその一人。「女の子は愛されるのが幸せ」とアドバイスしてくれた女友達の顔が浮かんでくるけれど、やっぱり自分がどこまで好きになれるかが重要な私は心の底からこの台詞に賛同してしまう。

本作品の舞台はバンコク。主人公は日系企業で働く“好青年”豊。光子という文句の付け所が無い婚約者が日本にいながら、沓子という蠱惑(こわく)的な謎の美女が現れ、愛に溺れていく。

揺れ動く豊の状況に、男性はこの状況を羨ましいと思うのだろうと半ば白目になりながら推測してしまう。沓子にも光子にも自分を重ねることはできないのに、物語に入り込めるのは自分自身の今までの恋愛を思い出すからのように思う。辻仁成氏の小説は『冷静と情熱のあいだ』を読んだ際にも感じたが、自らの恋愛がドラマチックに色付けられ昇華されていくようなパワーがあるから不思議だ。

人生に意味がついた。

恋愛にこじらせている人は、過去にどうしても忘れられない恋があるように思う。人生に意味がつく程の恋愛をどれほどの人が経験しているのか。そこまでの恋愛をしたならば胸を張ってこじらせ続けていこうじゃないかとさえ思えてくる一冊。

 

不幸せな恋愛を選んでいたことを教えてくれる一冊

著者
ダン アリエリー
出版日
2013-08-23

上から2番目の値段がよく売れたり、安い報酬は嫌だけれどボランティアは積極的に行えたり、実際の成分は同じなのに安いものより高価な栄養ドリンクが効く気がしたり、夏休み前は勉強をしてから遊ぶと決めていたのに最終日に慌ててやったり……。

「確かに」と頷きたくなるこれらの行動。すべて不合理にも関わらず、行動を起こしてしまうには理由があるとのこと。この理由を解いて明らかにし経済の動きまで説明しようという学問が“行動経済学”なのだという。

新しく出会った彼Aがいて雰囲気はよいのに、長く付き合っているが関係がうまくいっていない彼Bに別れを告げられず両者とズルズルする……という例が紹介されていて、これさえも行動経済学の例に入るのかと驚いた。本来追いたくもない選択肢を追い求めたくなる不合理な衝動が人間は起こることがあり、本文中には実験と検証までされていて面白い。

女子会にありがちな「別れたいけど、別れない」話もこの例に含まれるかと。ガールズトークの際に行動経済学を持ち出したらシカトの刑に遭いそうだけれど(笑)、自分が不合理な決断をする可能性があることを知っておくと選択が変わるであろう。我に返る瞬間が早まり、いつも泣いている恋愛を終わらせることができるかもしれない。

趣味を増やし恋に落ちやすくする一冊

著者
坂本 眞一
出版日
2013-06-19

恋愛がうまくいっていない時にアレコレ良からぬ想像をして悲劇のヒロインになった経験は誰しもがあるはず。無限ループで頭から離れなくなってしまって、気持ちを切り替えたい時は現状から切り離してくれるパワーを持つ作品に触れるのが一番。2時間もあれば映画を観るのもいいけれど、映画を観る時間も無い時はマンガがオススメ。

特にこの『イノサン』&続編『イノサンルージュ』。ただしエログロOKな方のみ!

主人公はマリー・アントワネットやルイ16世を始めとする3000人弱の人々を処刑した死刑執行人シャルル-アンリ・サンソン。王宮のドロドロな人間関係や八つ裂きなどの当時の処刑法、ギロチンの開発裏話など今まで知らなかったことが盛りたくさんのストーリー展開。処刑人を通して見えるフランス革命は歴史の教科書で習ったものとは違って見えて興味深い。

最近読んで面白かったマンガの話で『イノサン』と言い、盛り上がったことがある。誰しもが知っているスーパーメジャーな作品でないからこそ趣味が合うと嬉しい。よりニッチなものになればなるほど趣味が合った時の嬉しさは格別だ。

惚れにくい人はニッチな趣味を増やすとよいのかも。まずは、今までスポットライトが当たっていなかった歴史の立役者の作品に触れるのを勧めたい。

イイ恋愛って何だろう、と思います。人によってイイ恋愛の定義は違うのに、押し付け合うように思えて苦しく感じることもあり、何だか皆大変だなと思う今日この頃(笑)。 
本を読んで一先ずどうこじらせているかを整理してみようと思います〜。

Photographer : JITO YU 
Hair&Make-up artist : SAYAKA SHIBUYA 
Stylist : MINORU

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