無料で読める漫画『桜の花の紅茶王子』の魅力をネタバレ紹介!

更新:2021.11.26

山田南平の『桜の花の紅茶王子』がスマホで無料!前作からのファンはもちろん、初めての人でも楽しめるので、ちょっと不思議な世界を楽しみたい人、カッコいい男の子にキュンキュンしたい人はどうぞ!前作『紅茶王子』とのつながりもまとめました。

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イケメン王子が願いをかなえる恋愛ファンタジー漫画『桜の花の紅茶王子』が無料で読める!

周りから恐れられるほどの名家に生まれた朝桐吉乃。中等部卒業を控えた彼女は“呪い”の儀式と称して、満月の夜に親友の奈緒と紅茶を飲む会を催しました。すると紅茶からは黒髪の男の子が現れ、吉乃を「八重」と呼んで抱きしめたのです。

この不思議な少年は「サクラ」と名乗る紅茶王子で、自分を呼び出した人間の願いを3つ叶えたときに元の世界に帰るのだといいます。それまでは吉乃のそばで住み込みの使用人として過ごすことになりますが、吉乃は彼のことがどんどん気になるようになって……。

著者
山田南平
出版日
2013-09-20

山田南平の人気漫画『紅茶王子』の世界観を引き継ぎ、まったく別のキャラクターをメインに据えた続編。前作のキャラも登場します。
 

少女漫画には過去の人気作の続編が多いですが、この『桜の花の紅茶王子』は、間違いなく成功の部類に入ります。作者の山田南平のセンスが古びず、新たに魅力的なキャラクターを生み出したのがその最も大きな要因ではないでしょうか。

さらに前作(『紅茶王子』とその続編となる短編群)のキャラクターもうまく登場させ、彼らのその後の様子を楽しめるようにしたのも旧ファンにとってはポイントが高いです。おそらく前作のキャラが気になって読み始めたものの、新キャラ達にも入れ込んですっかりはまってしまったという人は多いのでは?

ちなみに『紅茶王子』に続いて短編集『紅茶王子の姫君』が出ており、『桜の花の紅茶王子』はその2作を経ての続編となっています。


『紅茶王子の姫君』について詳しく知りたい方は<『紅茶王子の姫君』が面白い!原作の後日談をネタバレ紹介!無料で読める!>をご覧ください。

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関係性にも注目!キレイでカッコいい登場人物たち

山田南平の人気の最大の秘密は、キャラクター設定の巧みさ。彼女は魅力的な美男美女を何人も描き分け、とてもバランスよく配置して見事な群像劇に仕上げます。またどんなキャラクターにもここに至るまでの過去があり、それを少しずつ見せることで読者の心を鷲掴みにするのです。そしてそんなキャラクターたちが、人を好きになり大事な人を思いやって悩みつつ、いい関係を築いていくのが魅力的です。 

朝桐吉乃(あさぎり よしの)

桜庭女子校に通う少女で、お嬢様。家は荒っぽい男たちが多く詰める大所帯であるためにやくざと間違われがちですが、名家。周りにいつもお世話してくれる人たちがいたため、料理などの普通のことができないことがコンプレックスで、かつ学校の友達もほぼいませんでした。唯一の親友である奈緒とはとても仲が良く、一緒に紅茶王子を呼び出しました。

引っ込み思案で人付き合いにも臆病でしたが、紅茶王子のサクラを呼び出し一緒に過ごすようになってから、少しずつ同級生たちとも付き合えるように。サクラのことは初対面で抱きしめられてから意識してしまっていて、少しずつドキドキが大きくなっています。しかし一方で、朝桐家に出入りしていたことから知り合った少年・健太にも好意を持っています。

サクラ/佐倉朔(さくら さく)

吉乃に呼び出された紅茶王子。以前自分を呼び出した吉乃の曾々祖母(高祖母)・八重への今でも想いを抱き続けており、姿の似ている吉乃にその面影を見ているようでもあります。人間の姿の時は住み込みの使用人と周りに思い込ませ、吉乃の願いをかなえるためというより護衛として奮闘中。

口調が荒く強引な言動が目立つものの、他人への思いやりが暴走がちなだけで、人一倍情には厚いです。吉乃もそんなところに惹かれているようですが、サクラはまだ自分の吉乃への気持ちをよく理解していません。しかしそれでも自分こそが吉乃を守るという気持ちは強く、日に日に思い入れが深くなっている様子が見られます。

著者
山田南平
出版日
2014-08-20

奈緒(なお)

吉乃の親友で、吉乃がサクラを呼び出したのと同時に紅茶王子のジョルジを呼び出しました。吉乃と反対に面倒見がよく快活な性格ですが、吉乃が自分以外のトモダチを作り仲良くすることを素直に受け入れられません。しかしいつでも奈緒のよき理解者であり、別の学校に通いつつも親友として付き合っています。

ジョルジ

奈緒に呼び出された紅茶王子で、留学生のふりをして奈緒と同じ高校に通っています。思ったことを率直に口にしますが、本音と建前の使い分けも巧みで、かなりの世渡り上手。紅茶王子としての使命を冷静に理解しており、感情に任せて突っ走りがちなサクラのブレーキ役にもなっています。

吉岡健太(よしおか けんた)

朝桐家に植木屋のバイトで出入りしていたことから吉乃達と知り合った少年。奈緒とはクラスメイト。小さい頃に姉の奈子が呼び出した紅茶王子と触れあっていたため、妖精の姿の紅茶王子が見え、事情なども理解していて、吉乃の疑問や不安を解消してあげるうちに頼られるようになりました。

香椎薫(かしい かおる)

あまり学校には来ず図書館に住みつく吉乃のクラスメイト。おおざっぱな性格のわりに何でも器用にこなし、見た目もボーイッシュと吉乃とは正反対。吉乃とは図書館で初めて会い、最初は性格が合わずぎくしゃくしましたが、少しずつ打ち解けて奈緒が嫉妬するほどには仲良くなりました。出席率の低さに反して学校に友達が多いのが、人柄の良さの証拠でしょう。

著者
山田南平
出版日
2014-12-19

吉岡奈子(よしおか たいこ)

『紅茶王子』の主人公で、高校時代に出会った紅茶王子・アッサムと紆余曲折を経て結婚。父と叔父から受け継いだ紅茶喫茶店を切り盛りする一児の母。サクラやジョルジのことは健太から聞いており、何かと気にかけています。

アッシャー

奈子の幼馴染が高校時代に呼び出した紅茶王子でしたが、人間となり愛する奈子の元に戻って結婚。サクラとは旧知の仲ですが、アッシャーが人間になる際に近しい人間の記憶から彼のことが消されたため、サクラは彼を覚えていません。奈子とともに愛娘を育てつつ紅茶喫茶店を経営。

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吉乃とサクラの恋の行方は!?健太はどうなる?

著者
山田南平
出版日
2015-07-17

紅茶王子はファンタジーとしてもちゃんと作りこんでありますが、メインは高校生の群像劇であり、さらにその中心となるのは吉乃とサクラの恋愛です。

ここではふたりの間に立ちはだかる恋の障害をご紹介します。

吉乃とサクラの恋の障害①曾々祖母・八重の存在

著者
山田南平
出版日
2015-12-18

2人の出会いは紅茶王子と彼を呼び出した主人としてでした。その時サクラは吉乃を彼女の曾々祖母の八重と間違えて抱きしめます。

「八重だろう! 約束を覚えていたんだな 俺だ サクラだ!」(『桜の花の紅茶王子』1巻から引用)

大喜びで吉乃を抱き上げるサクラ。これが吉乃の恋の始まりでしたが、その恋は最初から切なさをはらんでいました。なぜなら、サクラは吉乃に八重の面影を重ねていたからです。吉乃に呼び出されたからには彼女の願いをかなえるのがサクラの仕事なのに、彼は最初は吉乃の願いを八重の願いと混同していたほどでした。

サクラが八重と交わした“約束”とは何だったのか、100年を経ても忘れられないほどの相手とは、どういった関係だったのか。吉乃にとっても読者にとっても、非常に気になるところです。果たしてサクラは、八重との過去を清算し、吉乃自身を好きになってくれるのでしょうか。それはそれで切ない気もしますが……。

吉乃とサクラの恋の障害②紅茶王子と人間

著者
山田南平
出版日
2016-05-20

これは無印の『紅茶王子』でもラストまで主人公たちにのしかかった問題です。紅茶の国の住人である紅茶王子たちは人間とは異なった種族で、住む世界も違えば肉体の老いるスピードも違います。ですから通常、紅茶王子と人間の恋は禁忌とされています。

しかし実は紅茶王子が人間になる方法はあり、紅茶の国の王のうち3名が賛成すればいいだけなのです。ただしその代償として、人間となった紅茶王子の記憶は周りの人間の中から消去されます。サクラが記憶を失った吉乃とまた出会いなおしをするというなら、十分可能です。

が、それでいいのか!というのが、旧来のファンの気持ちではないでしょうか。なぜならそれでは、『紅茶王子』と同じだからです。せっかくなんだから、前作とは違った形で素敵なハッピーエンドが見たいものです。せっかくの新作なのだから!

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吉乃と健太という結末も?

著者
山田南平
出版日
2016-08-19

少女漫画の定石としては、吉乃が健太と結ばれるというのはさすがにないかなというところです。健太が吉乃を好きであっても、吉乃の健太への気持ちはあくまで友情、あるいは兄のような存在として見ているにすぎないでしょう。とはいえいつも自然に吉乃を支えてあげる本当にいいやつなので、現実であればいいカップルになるとは思いますが。

『紅茶王子』ともリンク!前作ファンの見どころ

著者
山田南平
出版日
2017-11-20

『桜の花の紅茶王子』は「紅茶王子」シリーズの最新作であり、前作までの世界観をそのまま受け継いではいますが、ひとつの新しい物語として独立して楽しむことができます。しかしやはり、前作までを読んでいれば、より深く楽しむことができるのは間違いありません。

『桜の国の紅茶王子』のメインキャラクターのひとり、吉岡健太。彼は『紅茶王子』ではヒロイン・奈子の弟として、当時は赤ん坊の姿で登場していました。そんな彼も高校生になり、奈子とアシャーの娘である杏梨の世話をしています。

これだけでも感慨深いのですが、物語が進むにつれ、奈子とアシャーも話の中心に大きくかかわるようになります。そしてついに、第10巻ではアールグレイも登場!

アッサムの記憶を失ったはずのアールグレイの中で、それでも存在は消えていませんでした。『紅茶王子』は『紅茶王子の姫君』、『桜の花の紅茶王子』と続いてようやくきれいにまとまるともいえるので、ぜひ順番に読んでみてください。

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10年を経て続編が描かれる「紅茶王子」シリーズ。続編の短編集『紅茶王子の姫君』 と、最新作『桜の花の紅茶王子』も読んでこそ、ようやく本当のハッピーエンドが迎えられる気がします。新刊発売に伴って電子書籍が無料で公開されることも多いので、そういった機会があれば見逃さずにどうぞ!


山田南平のおすすめ作品を紹介した<『紅茶王子』で人気の山田南平のおすすめ漫画作品5選!>の記事もおすすめです。

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