無料アプリで読めるグルメ漫画おすすめ5選!

更新:2021.12.5

人間が生きる上で切っても切れない3大欲求の1つに、食欲があります。食は生活には欠かせませんが、出来れば彩り豊かに楽しみたいのが人情というもの。今回は日々の食事がちょっと楽しくなる、おすすめのグルメ漫画を5作品ご紹介したいと思います。

ブックカルテ リンク

最高級品質の料理を、最高級の値段で。

主人公の味沢匠(あじさわたくみ)は人呼んで「幻の料理人」。その出自が謎に包まれていながら、超一流の腕前であることだけは知られている料理人です。彼は感動を呼び起こす素晴らしい料理を提供するのですが、対価として法外な報酬を要求します。

それでも彼への依頼は絶えません。味沢は決して多くを語りませんが、その料理で人々の心を救い、悩みを解決する料理人なのです。

著者
剣名 舞
出版日

本作は1985年から「週刊漫画ゴラク」で連載されていた剣名舞原作、加藤唯史作画の作品。

無口な料理人味沢が、毎回相談者の意図を汲んで、解決に導く1話完結型の物語です。

料理漫画の体裁を取っていますが、味沢の料理の内容についてはあまり深く語られません。と言うのも、原作者は本作を手塚治虫の『ブラック・ジャック』のオマージュとしており、医療と料理という違いはあれど、本質的にはヒューマンドラマとして描かれているからです。

味沢は人嫌いを装い、仕事以外の付き合いを好みません。時として依頼者の話もどこ吹く風。しかし実際には、依頼者の思う以上の結果を出して見せるのです。口はともかく意外と面倒見が良く、場合によっては無報酬で働くことも。今だとある種のツンデレという解釈も可能ですが、こういったところがブラック・ジャックを思わせますね。

前述したように彼の出自、過去は謎に包まれています。名門リッツホテルでシェフをやっていたことを窺わせますが、なぜそれを辞めてスポット契約を始めたのか。人嫌いや腕の古傷との関係は……あえて直接語られないそれらの要素が、味沢のキャラに深みを与えています。

全41巻(続編を含めればもっと)という長さを感じさせず、そこでは様々な人間模様、人情話が繰り広げられます。いつまでも読者を飽きない味、それが本作の持ち味なのでしょう。

食レポ(?)漫画の金字塔!なぜか引き込まれる中年男の1人飯

個人で輸入雑貨商を営む男、井之頭五郎。彼は依頼とあればどこにでも出向き、身軽を信条にしていて店舗はありませんが、固定客もいて商売の方はそこそこのようです。独身ゆえに外食が多く、ほとんどの場合が1人飯。

食事に対しては五郎は独自のポリシーの持ち主です。見知らぬ土地の店に臆さず入っては、未知の食事に舌鼓を打って大いに楽しみます。失敗することもままありますが、それもグルメのアクセントになっているのです。

著者
["久住 昌之", "谷口 ジロー"]
出版日

本作は1994年から「月刊PANJA」で連載されていた久住昌之原作、谷口ジロー作画の作品。発刊当初の売れ行きは低調でしたが、2000年代に入ってネット上を中心に口コミで面白さが広まり、ロングセラーとなったヒット作です。2008年以後は『SPA!』誌上で断続的に新作が掲載されています。

グルメ漫画と言えば、料理人の主人公が料理を振る舞うもの。かつてはそんなイメージがありました。『孤独のグルメ』はそんな既成概念を打ち破った急先鋒かも知れません。本作の内容はただ一言、「中年男の1人飯」これに尽きます。

どこかくたびれた印象がある万年スーツ姿の井之頭五郎が、毎回新しい店を開拓しては、そこで目新しい料理を食べるだけ。オーバーなリアクションもなければ、因縁の対決もありません。こだわりの作画による庶民的なメニューが、ただただ淡々と平らげられていくのです。

なぜかそれが無性に面白い。健啖家の五郎がはちゃめちゃな注文をしたり、それで後悔したりする様子がおかしくて、短くまとまった短編を次々に読み進めてしまうのです。彼の独特なセンスの名(迷)言も魅力の1つでしょう。

本作はテレビドラマ化によって爆発的に知名度が上がりました。ドラマしか知らない方は、この機会にぜひ原作もどうぞ。

『孤独のグルメ』で登場する名言を集めた<漫画『孤独のグルメ』の名言20選からお一人様の流儀を学ぶ!>の記事もおすすめです。

新・中年男の1人飯!今度はほろ酔いサラリーマン

東森良介はニチブン商事営業課に勤めるサラリーマン。妻子のある48歳の中間管理職です。日々の仕事で消耗した彼の楽しみは、早上がりして一杯飲むことでした。

気の利いた女将が切り盛りする小料理屋「よし野」。そこは西部劇の不毛の荒野ならぬ、現代の荒野たる都会で疲れた身体を癒やす、まさにオアシスのごとき男の隠れ家となっています。東森はよし野で酒と肴をささやかに楽しみ、英気を養うのでした。

著者
["久住 昌之", "土山 しげる"]
出版日
2015-04-09

本作は2014年から「週刊漫画ゴラク」で連載されている久住昌之原作、土山しげる作画の作品。

すでにご紹介した『孤独のグルメ』と同じ原作者の漫画です。主人公である中年男が1人飯をする、という部分も共通していますが、読後の印象はかなり異なります。

まず、あちらでは作劇の都合上、主人公が下戸に設定されていましたが、本作では解禁されています。そのため呑兵衛で知られる原作者による、酒への愛情、肴に対する飽くなきこだわりがひしひしと感じ取れるのです。そして毎回登場する1品料理とお酒の組み合わせが絶妙。読めば1杯飲みたくなること請け合いです。

また女将との他愛ないやり取り、他の客との何気ない会話が、東森にとっても読者にとっても癒やしポイントにもなっています。この辺りは『孤独のグルメ』と違う点です。あちらが幅広く万人に受け入れられる作品とするなら、こちらは主人公と同年代もしくは中年男性に共感出来る、お酒好き向けの作品と言えるでしょう。

怒濤のごとき蘊蓄!これぞ1人相撲飯

主人公の本郷播(ほんごうばん)はソフト帽にトレンチコート、一見ハードボイルドな服装を年中着こなす男です。彼こそは自称「食の軍師」。彼は独自の美学やルールに則って、食事の段取りを追求する求道者と言えます。

そんな本郷ですが、予想外のトラブルに遭って狼狽えることもしばしば。なぜか行く先々で出会う好青年、力石馨(りきいしかおる)には後れを取るばかりです。常に本郷より一枚上手を行く力石に対して、彼の食の名采配が通用する日は来るのでしょうか。

著者
泉 昌之
出版日
2011-01-08

本作は2011年から「週刊漫画ゴラク」で連載されている泉昌之の作品。泉昌之とは作画の泉晴紀と原作の久住昌之コンビの共同ペンネームです。『孤独のグルメ』、『荒野のグルメ』に引き続いての久住作品というわけです。

前二作が食事を味わう、楽しむことに着目した作品とするなら、こちらは食べ方を追求した作品と言えます。いわば作者のデビュー作『夜行』のパワーアップ版。『夜汽車の男』としてドラマ化もされた同作は、夜行列車に乗る男がいかに劇的に駅弁を食べるかを独白と謎の蘊蓄(うんちく)で彩った怪作です。

ちなみに『夜行』の主人公も帽子にトレンチコート姿、しかも名前が本郷と言います。同一人物かまでは定かではありませんが、同姓同名でやってることもほとんど同じなので、実質的な続編と見ることも出来るでしょう。

本作の本郷は脳内に、諸葛亮孔明にそっくりな軍師を宿しています。「蜀」ならぬ「食」の軍師というわけです。ここからも窺えるように、くだらない親父ギャグも織り交ぜつつ、軍師の差配に従って食事を攻略するのが基本的な流れ。予期しないハプニングや、上手に食べる力石の動向に気を取られて、計画が水泡に帰すまではお約束となっています。

大食い早食いなんでもござれ!満腹オーバー、フードファイター!

大原満太郎は食べることが好きな普通のサラリーマンでした。彼はある日、「TFF(丹下フードファイター)」所属のハンター錠二と名乗る大食いのプロと出会います。

錠二に才能を認められたことで、大食いの世界に入っていく満太郎。ところが彼は初参加の大食い大会で、TFFと敵対する「OKFF(大阪食い倒れフードファイター)」の罠にはまって惨敗してしまいます。

自分の限界を悟った満太郎は仕事を辞め、フードファイターとしての修行の旅に出ていくのでした。

著者
土山 しげる
出版日
2005-03-18

本作は2004年から「週刊漫画ゴラク」で連載されていた土山しげるの作品。

グルメ漫画とは言っても、本作は主人公が料理人でもなければ、美食にこだわるわけでもありません。作中で大々的にフィーチャーされる要素、それは大食いです。この物語の世界では食闘士(フードファイター)という職業があり、プロとして認められています。そんな彼らフードファイターの熱き戦いがメイン。

本作を面白くしているのが、プロによる荒唐無稽なフードバトルです。あらすじでも触れたように、まるでプロレスのように大食いプロの派閥があり、彼らは日夜火花を散らしているのです。錠二を筆頭とするTFFは正統派(綺麗に食べる、ぐらいのニュアンスと思って下さい)ですが、対するOKFFは酷いものです。

OKFFは総じて「邪道喰い」と呼ばれる技を使って、見た目や味を犠牲にとにかく早く食べまくります。その様子は料理漫画なのにこれはいいのか、というほど凄いビジュアルです。一方のTFFや満太郎も、両手で箸を使って冷ましながら食す「二丁喰い」などで対抗していきます。

その他、語り尽くせないほどの奇抜な食べ方が登場します。それによってどんな勝負が行われるのか、アプリで実際にご覧下さい。

中には邪道喰いのように、美味しそうに見えないものも出てきますが、登場人物の食べっぷりが見事で思わず空腹感を覚えてしまいます。読後にはいつもより多く食事が喉を通るかも?

いかがでしたか? これらのグルメ漫画を読めば、食欲増進間違いなしです。アプリで読んで、浮いた費用をちょっと贅沢な食事に充ててみるのも良いのではないでしょうか。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る