『ばくめし!』全6巻の見所をネタバレ紹介!ツッコミ必至!

更新:2021.11.25

とにかくはちゃめちゃな勢いとツッコミどころ満載な展開で、読者を惹きつけて離さないグルメ漫画『ばくめし!』。中毒性のあるノリがたまりません。この記事では全6巻の見どころをご紹介していきます。

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『ばくめし!』全6巻の見所をネタバレ紹介!ツッコまずにはいられない名作グルメ漫画!

 

登場人物の豪快な仕草や、読者の予想を裏切るツッコミどころ満載のストーリー展開に定評のある漫画家、土山しげるが描く『ばくめし!』。

タイトルのとおり、「博打」と「飯」をテーマにした本作は、土山の作風を存分に生かした強烈なインパクトに満ちています。

この記事では、そんな思わずツッコまずにはいられない本作の魅力について、全巻の見どころを解説しながらご紹介しましょう。ネタバレを含むのでご注意ください。
 

 

著者
土山 しげる
出版日
2009-08-19

『ばくめし!』がいろいろとすごい【あらすじ】

『ばくめし!』がいろいろとすごい【あらすじ】
出典:『ばくめし!』1巻

主人公は、博打が好きな流れの料理人、大張半次郎(だいちょうはんじろう)。

彼の作る料理は言葉では表現できないほどの素晴らしさと噂され、いつしか伝説の出張料理人と呼ばれるようになりました。

そんな彼は、大きいリュックに草鞋を履いて、居場所を定めず全国のギャンブル場を周っています。今日も競輪場で博打を打ち、料理を求める人からの依頼を受けるのです。

巷に溢れるB級グルメから、高級素材を活かした一流料亭顔負けの料理まで、すべての料理をG(グレート)級グルメとして提供する半次郎が活躍していく物語です。

伝説の出張料理人、いざ出陣!【1巻ネタバレ注意】

伝説の出張料理人、いざ出陣!【1巻ネタバレ注意】
出典:『ばくめし!』1巻

競輪場で熱狂的なレースがおこなわれている場面からはじまる1巻。見どころは、本作における彼の初仕事のエピソードです。いきなりツッコみどころ満載なので、『ばくめし!』の魅力がこの一幕に詰まっているといってもいいでしょう。

突然「見つけたっ!」と突然声をかけてきたのは、競輪場にしてはしっかりとしたスーツを着た初老の男性。どうやらずっと半次郎のことを探していたようです。

彼が依頼を受ける際には、必ずと言っていいほど事前に金額を提示するのですが、そんな男性を見た半次郎がふっかけた値段は、なんと1億円!何かの見返りに法外な金額を求める漫画のキャラクターは数多くいますが、ただ料理を作るだけで宝くじの当選金のような額を提示することができるのは、彼くらいではないでしょうか。

そして依頼人の男性も、驚いた顔をしつつも「この機を逃しては一生を悔やむ事になる」と、支払うことを即決するのです……。

この男性は、海外に赴任することになった息子への贈り物として、日本での最後の食事に極上の料理を食べさせてあげたいとお願いをしてきました。

その親子に対し半次郎は、まず食前の準備として、戦国の鎧を身に付けろと言うのです。さらに依頼人と息子の奥さんたちを巻き込んで、着物姿で酌をするよう求めました。

もうこの時点で半次郎が何の依頼を受けたのか混乱しそうになるのですが、そんな要求をしたうえで彼が作った料理は、ずばり「戦国出陣膳」。戦国武将の出陣前の食事を再現した料理で、息子を送り出そうというわけです。

料理に関しての趣旨はなんとか理解できるし、その後の食事シーンもおいしそう。なのですが、準備されたもうひとつの催しとして、食事中の部屋の襖を開けると、なんとそこには鎧姿の武士たちが大勢立っていました。そして半次郎の号令により、一斉に「エイエイオーッ!」と声を上げるのです。

もはや食事風景ではありませんし、はたして戦国武将がこんな号令のなかで食事をするのだろうかと疑問を抱かずにはいられません。冷静な頭で考えるととにかく違和感の塊でしかない描写の数々なのですが、そんなトンデモ展開の勢いが読んでいてなんとも心地よいのです。

思わず「えぇ……」と口から漏れ出てしまいそうな痛快なシーンこそ、本作の大きな魅力であるといえるでしょう。
 

博徒たちの憩いの場を救え!【2巻ネタバレ注意】

ばくめし! 2

2009年10月09日
土山しげる
日本文芸社

1巻の後半からはじまった、競馬場の焼きそば屋台のエピソード。2巻では、この屋台を救うために半次郎が新メニューの考案に頭を捻り、なぜかその料理で競馬場へ新規出店を目論んでいるハンバーガーショップと役人との勝負がおこなわれます。

この勝負、勝った方が出店権限を得るという目的で催されるのですが、そもそも役人にとっては受けるメリットがまったくなく、当の焼きそば屋台のおばちゃんも「時代の流れだから仕方ない」とそこまで乗り気ではないところからスタートします。

しかしそんな当事者たちを無視して、「競馬場のこの屋台の焼きそばを食べると、ツキが回ってくる気がする。」「おばちゃんの顔を見に来ているんだ。」と言う半次郎と名もない博徒たちの勢いに押し切られる形で勝負がはじまるトンデモ展開で、読んでいてクセになるところでしょう。

そして肝心の焼きそばの味なのですが、これまでヨイショしていた博徒たちも、冷静に食べるとおいしくないと評価するイマイチなもの。そんな焼きそばをどうおいしくするかが今回の肝になります。

半次郎が満を持して出品したのは、「やきそバーガー」という代物。今川焼機を使ってバーガー状に加工した焼きそばの中にそばめしを詰めたもので、もう「それ焼きそばじゃないじゃん!」と言わずにはいられないわけですが、料理自体は食事シーンの素晴らしさも相まって、なんとも食べてみたくなるのが不思議なところです。

思い出を想う2人のために奔走!【3巻ネタバレ注意】

ばくめし! 3

2009年12月18日
土山しげる
日本文芸社

 

3巻の見どころは、旧友同士の男性2人が再会するにあたり、彼らの思い出の一食として過去の居酒屋メニューを再現するエピソード。

ここで半次郎がまず取り掛かるのが、片や会社経営者、方やコンビニアルバイトという、社会的地位に差がつきすぎてしまった両者の価値観のズレを無くすこと。

やっていることが、「本当にこの人は料理人なのだろうか……」と思わせるまさに半次郎らしさが全開なシーンなので、細かいことは気にせずに楽しんで読んでほしい巻になっています。
 

 

寂れた街の再生を目指す!【4巻ネタバレ注意】

ばくめし! 4

2010年02月18日
土山しげる
日本文芸社

4巻の見どころは、寂れてしまった街の復興を目的とした「街おこし料理」のメニュー開発です。このエピソードは5巻の半ばまで続く、本作における長編となっています。

この料理を作るため、街が料理人を募集するのですが、集まってきたのはみなまともな料理人とは思えない人ばかり。賞金が出るため、腕に覚えのある人間が集まってくるのは分からなくはないのですが、料理人に混じって、ただのフリーターや売上金泥棒まで参加しているのはさすがの荒唐無稽さ。清々しい限りです。

一方で、半次郎のライバルになりそうなフレンチ料理人も登場。彼は今後どんな活躍をするのか……と気になるところで次巻に続きます。

男たちの勝負の行方は……?【5巻ネタバレ注意】

ばくめし! 5

2010年04月21日
土山しげる
日本文芸社

「街おこし料理」のメニュー開発勝負に決着がつく5巻。登場する料理人の数が多いため、出てくる料理の数も多いです。

展開はさておき、料理自体は本当においしそうな作品なので、グルメ漫画としての魅力を存分に味わうできるはず。

半次郎とフレンチ料理人の対決でも、およそ同じ土俵で戦っているとは思えない2品が揃うので、ご期待いただきたいところです。

出張料理人の戦いはまだまだ続いていく!【6巻ネタバレ注意】

ばくめし! 6

2010年06月19日
土山しげる
日本文芸社

最終巻となる6巻では、ベテランスター役者から依頼を受けて、任侠映画で出てきた料理の再現に取り組むエピソードが描かれています。

まずツッコミたいのは、半次郎の料理の再現自体は早々に終わってしまうところ。それでも映画撮影当時とは「何か」が違うという依頼人の言葉をうけ、彼は当時の現場の雰囲気を完璧に再現しようとするのです。

撮影現場の再現がうまくいかない原因に、役者の力不足があると考えた半次郎。あろうことか本物の組事務所に赴き、任侠映画さながらに丁半博打の賭場を開いてほしいと頼むのでした。

依頼人の頼みとはいえ、平然と法に触れるお願いを本職相手にする半次郎は、いろんな意味でアウトロー以上。このようにツッコミどころのアクセルを踏みっぱなしで最終話まで走り続けるので、このノリが気に入った方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
 


普通のグルメ漫画にはない魅力たっぷりな『ばくめし!』。クセになる世界観が気になる方は、ぜひともチェックしてみてくださいね。

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