『召喚ですか!?ハッカドール』は、DeNAのニュースアプリ「ハッカドール」のナビゲーターたちを主人公にしたギャグ漫画。ハッカドールの3人が困っている人を助けるため現実世界に召喚されるものの、状況をややこしくしていきます。
『召喚ですか!?ハッカドール』は、DeNAが運営するニュースアプリ「ハッカドール」のコミカライズ作品です。2015年から連載され、単行本は全2巻。
「ハッカドール」はサブカルチャーに特化していて、アプリ版のリリースをきっかけに漫画やアニメなど数々のメディアミックスをしてきた人気コンテンツ。本作の主人公にもなっているハッカドール1~3号が人々を「捗らせる」ためにナビゲーターを務めています。
漫画『召喚ですか!?ハッカドール』は、そんなハッカドールの3人がスマホから飛び出し、困っている人たちを助けていく物語。ところが彼女たちはそろいもそろってポンコツなので、良かれと思ってやったことが事態を悪化させてしまうこともしばしば……
それでもくじけることなく、すべての人を捗らせるために人間界に降り立つのです。
- 著者
- ["ハッカドールチーム(DeNA)", "やつき"]
- 出版日
- 2015-09-11
本作のいいところは、シリアスなシーンがまったく無いということ。終始ギャグパートだけで進んでいくので、読んでいて暗い気持ちになることはありません。
どんなに困っている依頼人が現れても必ずギャグの流れになっていき、すべてのエピソードが間違いなくハッピーエンドなので、身構えることなく読むことができます。
さらに、ハッカドールたちをはじめ、登場キャラクターが全員可愛い!ただイラストを眺めるだけでも癒されてしまうはずです。
この記事では、そんな本作に登場するハッカドール3人の魅力を、エピソードを交えて解説していきましょう。
金髪にピンク色の髪飾りを付けているのがハッカドール1号。3人のなかではもっとも平均的な体型なものの、スラっとしていてスタイルのよい美少女です。
性格は明るく天真爛漫、ハッカドールのなかで1番の頑張り屋ですが、天然ボケが酷すぎるのが玉にキズ。2号や3号に比べて「依頼は最後まで達成する」という情熱は強いのですが、やる気が空回りして状況を悪化させてしまうこともしばしば……。
第1話「オタクですか!?」では、さっそく1号の天然ボケが炸裂します。「自殺したいけど捗らない」という男性のもとに召喚されたハッカドールたちは、彼を救うために試行錯誤し、見事に自殺を思いとどまらせることに成功します。
ところが、彼女たちの目的は「捗らせる」こと。よく考えると、「自殺したい」という人の「自殺を食い止めた」のは、失敗なのでは……!?
気づいた1号は、慌てて男性を殺そうとするのです。
彼女は海に召喚されれば依頼人を忘れて遊びほうけるし、中華料理屋の助っ人に呼び出されればオムライスを作ります。1号が天然ボケを発揮しない回のほうが少ないといえるでしょう。しかしどんなに抜けていても、いつでも全力な彼女は可愛いのです。
3人のなかで1番身長が高く、ピンク色のロングヘアが特徴的なのがハッカドール2号です。巨乳で、モデルのような魅力的な体型をしています。
一応、ほかのハッカドールたちのお姉さん的な存在で、本人もお姉さん扱いされると喜びます。しかしおっとりしていそうな見た目に反して中身は強烈な腐女子であり、どんな依頼でもBLになぞらえて考えてしまうという欠点があります。その性格のせいで、1号や3号には「そんなんだからお姉さんだと思えないんだよな……」なんて思われてしまうのです。
2号の腐女子っぷりがいかんなく発揮されているのが、第14話の「宿題ですか!?」というエピソード。
宿題を忘れて困ってしまった男の子の元に召喚された2号は、彼の代わりに問題を解いてあげることにするのですが……「豆電球を光らせる方法を書け」という解答欄に、「豆電球とソケットのBL小説」を書いてしまいました。
「豆電球×ソケット」という高度すぎる組み合わせが書かれた宿題は、そのまま先生に提出されてしまいます。このままでは依頼者を余計に困らせてしまう……と焦った1号と3号ですが、物語は意外すぎる結末に。バカバカしすぎるオチについ吹き出してしまう名エピソードです。
3人のなかで1番身長が低く、青い髪と紫色の服が特徴的なのがハッカドール3号です。クールな美少女に見えますが、実は性別は男。いわゆる「男の娘」ってやつですね。
とはいえ外見だけで男と見抜くのは不可能なほど可愛いので、ハッカドールのなかでは3号が1番好きだというファンも少なくありません。
無気力で面倒くさがりな性格をしている3号は、依頼人に呼び出されても積極的に協力するということはあまりありません。全力で頑張る1号を遠目に眺めつつ、ツッコミの役割に徹しています。
ただし重度の声優マニアなので、依頼内容に声優が関わっているとわかるやいなや、誰よりも情熱的に仕事をするのです。曲が流れる前の数秒の無音時間を聞いただけで、どんな曲か分かるというほど声優を愛し、1号と2号から若干気味悪がられている3号。もっとも輝くのが、第15話の「バンドですか!?」というエピソードです。
「バンドメンバーが居なくて練習が捗らない」という依頼人に呼び出されたハッカドールたち。演奏曲が声優の持ち歌だと分かった途端、3号は「中途半端は許されない」と言い出して練習を始めます。
普段のダラダラしている3号も愛らしいんですが、珍しくキリっとした表情でドラムを叩く姿はカッコいいですよ。
- 著者
- ["ハッカドールチーム(DeNA)", "やつき"]
- 出版日
- 2016-01-09
本作を魅力的にしているのは、ハッカドールの3人だけではありません。彼女たちを召喚する依頼者たちも、変わった人たちばかりなんです。
たとえば第5話に登場した「五月病を治してほしい」という男性。居酒屋で元気にバイトをしている好青年で、誰がどう見ても五月病にかかっているようには見えません。しかしよくよく話を聞いてみると彼の本職は「自宅警備員」で、五月病でニート生活を放りだしてバイトをしているというのです……。
五月病にかかっているときの方が通常時よりも爽やかというトンチンカンな依頼者でした。
第11話に登場した「敵に負けてしまいそうで困っている」という魔女っ子もなかなか強烈。彼女は自分がこの漫画の主役だと思い込んでおり、ハッカドールたちを「モブの人」と呼んで相手にしません。物語はしだいにハッカドールVS魔女っ子リリカという構図になっていき、激しい主役争奪戦争になるので
どの依頼者も強烈で、つまりは本作に登場するキャラクターは全員が個性的。バッドエンドになることは1度もないので、肩の力を抜いてぜひ楽しんでくださいね。