『からかい上手の高木さん』のスピンオフ作品で、登場キャラクター達が大人になった未来の物語を描いた『からかい上手の(元)高木さん』。スマホの漫画アプリで無料で読むことができます。ほっこりとした家族の団欒を描いた本作の見どころをご紹介しましょう。
好きな男の子をからかいながらも、ところどころで自分の本心をちょい出しして翻弄する小悪魔的なやりとりが話題の『からかい上手の高木さん』。
思春期の男子中学生・西片くんと、西片くんをいつもからかって遊んでいるクラスメイトの女子・高木さんが、大人になった未来が見れるとしたら気になりませんか?
そんな2人の未来を描いたのが本作です。『からかい上手の高木さん』の作者:山本崇一朗のアシスタントをしている稲葉光史が、スピンオフとして発表しています。
スピンオフ作品だからと侮るなかれ、西片くんと高木さんのちょっぴりドキドキするやりとりがしっかりと引き継がれています。
本作での気になる二人の関係性はというと、なんと結婚して子供ができているのです。2人の間に生まれた子供というのが、「ちー」ちゃんという女の子です。「ちー」ちゃんは西片くん譲りのリアクションの大きさと負けず嫌いに、高木さん譲りのおちゃめさと可愛らしさを受け継いでいるのです。
ちーちゃんとお父さんになった西片くんに、お母さんになった高木さんの親子3人のほのぼのとしたやりとりが、本作の見どころです。
- 著者
- 稲葉光史 山本崇一朗
- 出版日
- 2017-12-12
特に、いたずら盛りの年頃のちーちゃんが2人の気を引くためにいたずらを仕掛けてくるのですが、2人のリアクションの違いに注目です。
見事に引っかかって、ちーちゃんとコミュニケーションをとる西片くん。対する、高木さんはからかい上手なだけあって、いたずらを逆手にとって上手にちーちゃんにしつけを行います。
もちろん、夫婦2人のちょっぴりドキドキするやりとりも健在しているので、ご安心ください。
この記事ではそんな本作の見どころを、印象的なエピソードとともに紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
『からかい上手の高木さん』の名シーンを紹介した<漫画『からかい上手の高木さん』の可愛さに叫びたい!全巻名シーンネタバレ!>の記事もあわせてご覧ください。
本作はリアクションが大きい主人公・西片くんと、彼のクラスメイトで茶目っ気のあるヒロイン・高木さんのやりとりを描いた『からかい上手の高木さん』の10数年後を描いています。
中学生だった2人もすっかり大人になって結婚しています。2人の間には娘の名前は「ちー」という娘が生まれているのです。ちーは、お父さんの西片くんのようにリアクションが大きく、お母さんの高木さんのようにいたずら好きで可愛らしい女の子に成長します。
本作では、主にお母さんになった高木さんが、いたずら盛りのちーの遊び相手をしながら、機転の利いた諭し方でちーにしつけを行っていくのです。
お父さんになった西片くんは、本作ではすぐには登場せずに7話から登場します。大人になっても変わらず、ちーの前で高木さんにからかわれる西片くんの姿は少し頼りなく感じるも、夫婦の関係性が垣間見えるいい空気感が漂っています。
本作は『からかい上手の高木さん』の10数年後の物語ですが、本編の5巻に掲載されている1話で、大人になった高木さんとちーが登場して昔のことを思い出すというエピソードがあります。そのエピソードは、西片くんと高木さん2人の将来を示唆しており、本作の1巻の1話へとつながっているのです。
本作を見る前に、本編の『からかい上手の高木さん』の5巻もあわせて読むとより楽しめるでしょう。
本作では西片くんと高木さんの2人が結婚して、娘のちーが生まれていますが、中学時代と変わらず西片くんが高木さんにからかわれて、西片くんが悔しがるといった、2人のやりとりは健在です。
中学時代は、高木さんが西片くんに好意があることを小出しにして、西片くんがまごつく様子を楽しむといった内容が定番でした。 本作ではすでに2人が結婚しているため、高木さんが西片くんへの好意をストレートに表現しているところが本編と違います。
本作の7話では、この高木さんの西片くんへの愛情表現の仕方の変化をわかりやすく描いているので紹介します。
西片くんが仕事から帰ってくると、高木さんに早速からかわれてしまう危険を察知して、からかわれないように西片くんは腕立て伏せをはじめるのです。
そんな西片くんをみてちょっかいを出してくるちーに、西片くんはちーを自分の味方につけようと、「お母さんにからかわれるから腕立て伏せをしてるんだよ。」と言って、うまく丸め込むことに成功します。
しかし、高木さんもちーに西片くんの弱点である、脇腹ツンツンをちーに教えて、2人で西片くんをからかいます。
ちーを味方につけるのはズルいと、西片くんは高木さんに抗議しますが、高木さんがちーにあることを耳打ちして、ちーを完全に自分の味方につけてしまうのです。 ちーに高木さんが耳打ちした内容は、「お父さんが好きだからからかうんだよ。」というものでした。
中学時代から2人の関係性は大きく変わったものの、高木さんの西片くんへの愛情表現は「からかい」がベースになっているのがよくわかるエピソードです。
本作が本編と最も違う点といったら、やはり西片くんと高木さんの間に生まれたちーがいることでしょう。
いたずらっ子っぽい顔や真ん中分けの髪形は高木さんそっくりです。でも、お母さんにウソをつこうとする時や隠し事をしようとしている時に動揺しやすいところは西片くんにそっくりです。
子供というだけでも無邪気で可愛らしいのですが、2人の特徴をそれぞれ受け継いでいるため、『からかい上手の高木さん』を読んでいた読者の人からしたら、親戚の子供を見ているような気持ちで楽しめるでしょう。
ここで、ちーの子供ならではのかわいいエピソードをひとつ紹介します。 本作では4話として収録されているエピソードです。
ちーが部屋の片づけの途中で魔法少女のアニメを見ながら、変身シーンを真似して遊んでいるところに高木さんがやってきます。
部屋の片づけの途中で「変身して遊んでたなー?」と咎められたちーは、 変身して魔法で遊んでいるように見せていたとごまかすのです。いかにも子供が言いそうな幼稚な言い訳で可愛らしいです。
なかなか片付けが進まないちーを見かねて、高木さんもちーが進んで片づけをする方法を考えます。 その方法というのが、ちーに外出用のかわいいワンピースを着させるのです。「それだけ?」と思いますが、ここからがからかい上手な高木さんの本骨頂です。
ちーがかわいい服に変身したことを利用して、「魔法でお掃除しよっか?」と、ちーに持ちかけるのです。変身したことでご機嫌なちーは、この持ち掛けに当然乗ってきます。
そして、ちーをもっとその気にさせるために「一瞬でこの部屋をキレイにしてほしい。そのために強力な力が必要になるから、お母さんは部屋から出とくね」と言うのです。
もちろん、ちーもお母さんには魔法で掃除したことにしたいので、大きな音をさせながら、お母さんが部屋に入ってくるまでに一生懸命片づけを頑張ります。西片くん譲りの負けず嫌いで、人に乗せられやすい頑張り屋さんという特徴が顕著に描かれていて、可愛らしいエピソードです。
このエピソードにはまだ続きがあるのですが、オチになる高木さんの言葉と、ちーのアップで終わる最後の一コマが非常に印象的です。気になる方は手に取ってみてください。
本作の魅力の一つといったら、本編の可愛らしい絵柄を踏襲している点もあげられるでしょう。
ちーの可愛らしさはもちろんのこと、西片くんのちょっと頼りなさげな雰囲気も、しっかりと絵柄から読み取ることができます。 そして、皆さんが最も気になっているのが、大人になった高木さんの描き方ではないでしょうか?
中学生の時の高木さんは、幼さが少し残っていながらも、少し大人びたような不思議な色気があるように描かれていました。
本作では、身長が伸びてすらっとしたスレンダーな美人さんとして描かれていますが、茶目っ気のある笑顔や、からかう時のポーカーフェイスは、本編から引き継がれているのがよくわかります。
本作の11話では、大人になった高木さんの水着姿が披露されています。着ている水着はビキニで、子供を産んだ後とは思えない程ほっそりとしたくびれには驚きを隠せません。
また、高木さんの水着姿を見て、目のやり場に困ってまごつく西片くんの初々しい描写にも注目しましょう。結婚しているとは言っても、どこまでも初々しい仕草を見せる西片くんのかわいらしさも、高木さんの水着姿に劣らず一見の価値ありです。
- 著者
- 稲葉光史 山本崇一朗
- 出版日
- 2017-12-12
お父さん、お母さん呼びになっても変わらないふたりのいちゃいちゃ加減ですが、やはり家族になってのスピンオフだからこそのほっこり感がたまりません。2巻の最後に収録されているクリスマスというエピソードは、特にその魅力が感じられます。
クリスマスといえば、本編であれば最強の胸キュン展開が期待されるカップルのメインイベント。しかしスピンオフは家族のだんらんイベントとして、何があるという訳ではない展開だからこその良さを描いています。
その日、お母さんになった高木さんは、リビングで編み物中。テレビからは「今日はクリスマス・イブ。気になる人から『好き』が聞けるかも!」というナレーションが聞こえ、彼女は「言ってくれるかなー」と小首をかしげます。
母親になってからもその可愛さは反則です。
そのあとに「できた!」というと、たぬきの顔のコースターのようなものを完成させ、ちーを呼びます。
しかし彼女の声にちーからの反応はなし。そこで高木さんは、それをプレゼントボックスに入れ、「あれー?あわてん坊のサンタさんが、プレゼントを置きっ放しにしてるよー」と大きめの言い、そこに……。
この親にしてこの子あり、とはまさに。というか西片は大人になってもそんなんなのかい(笑)夫婦ともに、歳を感じさせない魅力がありますね。
もちろんそれは単なるプレゼントではありません。何と高木さんはプレゼントボックスでちーをからかい、それを経てちーから取り戻した髪止めで西片をからかうという、一石二鳥を成し遂げるのです。
その結末は、高木さんと西片のラブラブっぷりにごちそうさまです、という感じ。ドキドキもするのですが、ちーがいるので、どこ読後感があたたかいんですよね〜。ぜひ詳しい内容は作品でご覧ください!
3巻は、作中で新年が始まったところからスタート。ちーが福笑いをしている横で、西片は今年こそはからかわれまいとするのですが……。
いつもながら高木さんの手のひらの上で踊ることに。しかし、やはりほっこりとする良い話です。
そんな3巻で特に可愛らしい話は「ままごと」です。
- 著者
- 稲葉 光史
- 出版日
- 2018-07-12
ある日、ちーは自分がお父さん役になってままごとをしたいと言い出します。しかし、家族のために走って帰ってくることや、「ゆでたて」の難しさに、即ギブアップ。ちなみに「ゆでたて」の正体は作品でご確認ください。
その後、ちーは今度はお母さん役になりたいと言い、高木さんに自分の役をやってもらいます。ちーは父親譲りで、下手なのにからかってみたい気持ちを抑えきれないと言うように、ご飯に自分の嫌いなピーマンを出します。そしてちー役の高木さんに食べなきゃダメだと注意するのです。
嫌だとごねるふりをする高木さんに、仕方がないからお母さんがもらってあげると、ちーはドヤ顔で食べるのですが、ちー役の高木さんから「どうおいしいのー?」と聞かれ、困ってしまい……。
このあとまたしても困ったあとに、不思議そうにするちーの表情が可愛らしいです。それにしても高木さんはナチュラルに逃げ場を無くす言動をしてきますね……。愛ゆえにではありますが。
- 著者
- 稲葉光史 山本崇一朗
- 出版日
- 2017-12-12
中学時代の高木さんが好意を小出しにする感じと、それに翻弄される西片くんのじれったい感じが本作では薄らいでいます。しかし、それに代わる要素として、高木さんが機転を利かせた作戦でちーにしつけをおこなう描写が、本作の醍醐味になっているといえるでしょう。
それだけではなく、中学時代には見ることができなかった、子供を含めた家族3人での幸せそうな家族団らんの描写をのぞき見している感覚が味わえるのは、スピンオフならではです。
大人になった西片くんと高木さん、そして2人の愛娘のちー、3人のラブラブ家族生活を覗きに行ってはどうでしょうか?
『からかい上手の(元)高木さん』のおすすめエピソードを紹介した<漫画『からかい上手の(元)高木さん』を紹介!かわいすぎる家族に悶絶必至!>の記事もおすすめです。あわせてご覧ください。
『からかい上手の高木さん』のスピンオフ作品というだけで、注目されること必至な本作ですが、本編に負けない面白さがあります。本編のファンはもちろんのこと、子供を持つお母さんで子育てに悩んでいる方にもおすすめできる内容に仕上がっています。子供をすぐに叱ってしまうことで、自己嫌悪しているお母さんやお父さんは、一度読んでみることをおすすめします。少しは心が軽くなるかもしれませんよ。