こんにちは、Maison book girl の和田輪です。 Maison book girlは、明日12月28日にワンマンライブを行います! 今回のワンマンは今までよりもいろいろな演出ができそうで、観た後にも引きずってしまうようなブクガの世界を作りたいなと思っています。 今回は、読んだあとに現実世界まで変わって見えてしまった漫画を紹介します。
- 著者
- カネコ アツシ
- 出版日
- 2004-01-31
のどかな住宅街「そいるニュータウン」で起こった一件の失踪事件。調査を進める巡査が、人知を超えた不思議な現象に巻き込まれていきます。
何も知らずに刑事モノのサスペンスかと思って読み進めると、とんでもない作品でした。現実に近い冒頭から、ファンタジーとも言い切れない奇妙な世界に引きずり込まれていくようです。導入の滑らかさに読後何か恐ろしいことが不意にこの現実でも起こるのではないかと思ってしまうほどでした。
世に言う「ゴミ屋敷」の描写から混沌とした美しさを見せつけられてしまい、今年も年末大掃除が捗らなさそうです。
- 著者
- 山本 英夫
- 出版日
- 2003-07-30
第六感が目覚めると言われるトレパレーション手術を受けた男を巡る物語。
手術を受けてから男は「ホムンクルス」と呼ばれる、人の深層心理を具現化した化け物を目視できるようになりました。見えてくる他人の深層心理から、自分の無意識を紐解く作業が始まります。
主人公に見える世界が、私が幼少期恐れていた「この平和な夢から覚めたときの最悪の事態」の妄想と重なって、自分自身のことまで思い出させられるのがとてもつらい(のに読んでしまう)。
強制的に自分と向き合わされたときの、興味と隣り合わせの恐怖。自意識の解明に取り憑かれた男の静かな狂気。
ホラーでもスプラッタでもないのに、怖すぎる……こちらもずっしりとした後味の作品です。
ホンシェルジュでの連載は、今回で最後になります。文章が苦手なりに良さを伝えられるよう試行錯誤していたので、紹介した漫画の感想を聞かせてもらったりしてとても嬉しかったです!
本とアイドル
アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。